よくわかる「台湾戦後史」の本質ー中国人亡命政権から台湾人国家の建設へ
2016/09/05/Mon
日本と連合国とのサンフランシスコ講和条約の調印から今年の九月八日で六十五年。そこで台湾では四日、それを記念するシンポジウムが開かれたのだが、その日行われた許世楷・元駐日代表のスピーチは、戦後台湾史の本質を理解する上でとても役立つ。

そこでネットメディア「民報」の報道を基に、以下抄訳しよう。
―――サンフランシスコ講和条約は、台湾、澎湖群島に関する主権については日本が放棄すると規定しただけで、中華民国に移転するとはしなかった。すでに信託統治を行っていた中華民国に帰属した訳ではなく、ただ放棄されただけだった。
―――蒋介石軍による台湾占領は、一九四五年の第二次大戦終結時、連合国軍最高司令官マッカーサーが発した一般命令第一号によるものに過ぎない。そして一九四九年に中華民国は滅亡し、蒋介石は台湾へ亡命し、軍閥式の統治を行った。このようにその占領は法的根拠のない暴力そのもので、決して主権の移転を意味するものではなかったのだ。それは米国が日本を、ソ連が中国東北を占領したのと同じである。
―――蒋介石政権の台湾占領が虚構で法的根拠がないことは、一九七一年における国連追放が明らかにしている。
要するに蒋介石の中華民国=国民党政権は、終戦直後に日本領だった台湾を占領し、また後に中国内戦に敗れてこの島に亡命したが、ついにその領有権を獲得したことはなかったという訳だ。要するに法的には「中国」領土にはならなかったのである。
そして蒋家独裁が終焉し、台湾人の李登輝、陳水扁総統の就任で、「中華民国」は中国亡命政権から、中国とは別個の台湾人国家の道を歩み出した。それが台湾の民主化である。
――― 一九八八年に蒋経国が死去し、李登輝が総統職を継いだことで民主化が始まり、一九九九年には「(台中は)特殊な国と国との関係」論が打ち出された。二〇〇〇年には民進党の陳水扁が政権交代を実現し、「一辺一国」(台中は別々の国)が叫ばれた。
だが、その後国民党政権が発足。再び台湾は中国の一部と位置付ける「一つの中国」を掲げ出す。
―――しかし残念ながら二〇〇八年に馬英九が総統となり「一国二地区」を主張。一カ月もしない内に台湾は再び中国の一部となった。
だが、二〇一六年、民進党の蔡英文が政権を奪取。
―――政権交替したと台湾人は喜んでいるが、実際には祖国の交替だった。台湾人政党が政権を握ったため「私達の祖国は台湾人の祖国。私達は台湾人」というが、もし国民党が政権を取れば「私達は中国人だ」といっているだろう。つまり他の民主主義国家の政権交替、政策交替とは異なる祖国意識の交替というものだ。
―――蔡英文総統は現状維持を主張するが、この「現状」とは基本的に「台湾と中国は別々の独立国家」であるという状態。これを維持するためには「台湾は中国の一部」ということを認めないことだ。それこそサンフランシスコ講和条約の規定にかなっている。
―――台湾にとり最も基本的な危機は国家の地位に関する危機。これが最大の問題だ。現状維持とは中国に合併されないこと。最終的解決は台湾が独立国家になることだ。政府は独立の基礎固めを強化すべき。台湾は第二次大戦後に新しく生まれた国家であるべき。
―――多くの台湾人は「台湾を愛する」というが「中華民国を愛する」ともいう。このように台湾人のアイデンティティはますます混乱し、世界各国の台湾への認識も混乱している。
―――中華民国継承論、「二つの中国」論などを認めてはならないなどを承認してはならない。
―――かつて何度も「中華民国」の名で国連復帰を申請したが失敗した。それは中華民国が国際社会では虚構だからだ。したがって「台湾」の名で新規加盟を申請すべきなのだ。成功するか否かに関わらず、そうすることが現状維持を固定化する第一歩となる。
この日、「九〇年代に総統直接選挙が行われ、台湾は事実上の独立国家になったが、しかし法的には正常な国家とはいえず、なお努力が必要だ」と語った許世楷氏。外来の中国人政権当時のままの中華民国体制から脱却しない限り、真の台湾人国家は建設できないというわけだ。
もっとも中国はそれを許すはずがなく、台湾が再び「一つの中国」を認めるよう圧力をかけつつあるところだ。
そこで求められるのは、世界各国が「台湾は中国の一部」ではないという真実を理解し、台湾の国連加盟を支持し、実現せしめ、各国共同で中国の台湾侵略を阻止することなのである。
このように中華民国=国民党、そして中華人民共和国に何の罪もない台湾人民が翻弄され続けるというのが戦後台湾史の本質と言えようか。
こうした悲劇に終止符を打つ手立ての一つを、実は日本は持っているのである。
もし日本が、国際社会に向けて、「我々は台湾を放棄しただけで、中華民国にも中華人民共和国にも台湾を渡しておらず、『一つの中国』などは虚構である」と証言しさえすれば、国際社会は台湾と中国が別々の国であるとの現実を認めざるを得なくなるはずではないか。
*******************************************
ブログランキング参加中
よろしければクリックをお願いします。 運動を拡大したいので。
↓ ↓

モバイルはこちら
↓ ↓
http://blog.with2.net/link.php
link.php
ネット署名「チャイニーズタイペイを台湾に」
http://chn.ge/1Q4zVg4
■「台湾2020東京」アクション
ホームページ http://taiwan2020tokyo.org
メールマガジン http://melma.com/backnumber_199142/
お問い合わせ info@taiwan2020tokyo.org
台湾2020東京のチラシ拡散を!

ダウンロードは以下で
http://taiwan2020tokyo.org/flyer/taiwan2020tokyo_201608.pdf
※大量に配布する場合は「台湾2020東京」までご一報を。

そこでネットメディア「民報」の報道を基に、以下抄訳しよう。
―――サンフランシスコ講和条約は、台湾、澎湖群島に関する主権については日本が放棄すると規定しただけで、中華民国に移転するとはしなかった。すでに信託統治を行っていた中華民国に帰属した訳ではなく、ただ放棄されただけだった。
―――蒋介石軍による台湾占領は、一九四五年の第二次大戦終結時、連合国軍最高司令官マッカーサーが発した一般命令第一号によるものに過ぎない。そして一九四九年に中華民国は滅亡し、蒋介石は台湾へ亡命し、軍閥式の統治を行った。このようにその占領は法的根拠のない暴力そのもので、決して主権の移転を意味するものではなかったのだ。それは米国が日本を、ソ連が中国東北を占領したのと同じである。
―――蒋介石政権の台湾占領が虚構で法的根拠がないことは、一九七一年における国連追放が明らかにしている。
要するに蒋介石の中華民国=国民党政権は、終戦直後に日本領だった台湾を占領し、また後に中国内戦に敗れてこの島に亡命したが、ついにその領有権を獲得したことはなかったという訳だ。要するに法的には「中国」領土にはならなかったのである。
そして蒋家独裁が終焉し、台湾人の李登輝、陳水扁総統の就任で、「中華民国」は中国亡命政権から、中国とは別個の台湾人国家の道を歩み出した。それが台湾の民主化である。
――― 一九八八年に蒋経国が死去し、李登輝が総統職を継いだことで民主化が始まり、一九九九年には「(台中は)特殊な国と国との関係」論が打ち出された。二〇〇〇年には民進党の陳水扁が政権交代を実現し、「一辺一国」(台中は別々の国)が叫ばれた。
だが、その後国民党政権が発足。再び台湾は中国の一部と位置付ける「一つの中国」を掲げ出す。
―――しかし残念ながら二〇〇八年に馬英九が総統となり「一国二地区」を主張。一カ月もしない内に台湾は再び中国の一部となった。
だが、二〇一六年、民進党の蔡英文が政権を奪取。
―――政権交替したと台湾人は喜んでいるが、実際には祖国の交替だった。台湾人政党が政権を握ったため「私達の祖国は台湾人の祖国。私達は台湾人」というが、もし国民党が政権を取れば「私達は中国人だ」といっているだろう。つまり他の民主主義国家の政権交替、政策交替とは異なる祖国意識の交替というものだ。
―――蔡英文総統は現状維持を主張するが、この「現状」とは基本的に「台湾と中国は別々の独立国家」であるという状態。これを維持するためには「台湾は中国の一部」ということを認めないことだ。それこそサンフランシスコ講和条約の規定にかなっている。
―――台湾にとり最も基本的な危機は国家の地位に関する危機。これが最大の問題だ。現状維持とは中国に合併されないこと。最終的解決は台湾が独立国家になることだ。政府は独立の基礎固めを強化すべき。台湾は第二次大戦後に新しく生まれた国家であるべき。
―――多くの台湾人は「台湾を愛する」というが「中華民国を愛する」ともいう。このように台湾人のアイデンティティはますます混乱し、世界各国の台湾への認識も混乱している。
―――中華民国継承論、「二つの中国」論などを認めてはならないなどを承認してはならない。
―――かつて何度も「中華民国」の名で国連復帰を申請したが失敗した。それは中華民国が国際社会では虚構だからだ。したがって「台湾」の名で新規加盟を申請すべきなのだ。成功するか否かに関わらず、そうすることが現状維持を固定化する第一歩となる。
この日、「九〇年代に総統直接選挙が行われ、台湾は事実上の独立国家になったが、しかし法的には正常な国家とはいえず、なお努力が必要だ」と語った許世楷氏。外来の中国人政権当時のままの中華民国体制から脱却しない限り、真の台湾人国家は建設できないというわけだ。
もっとも中国はそれを許すはずがなく、台湾が再び「一つの中国」を認めるよう圧力をかけつつあるところだ。
そこで求められるのは、世界各国が「台湾は中国の一部」ではないという真実を理解し、台湾の国連加盟を支持し、実現せしめ、各国共同で中国の台湾侵略を阻止することなのである。
このように中華民国=国民党、そして中華人民共和国に何の罪もない台湾人民が翻弄され続けるというのが戦後台湾史の本質と言えようか。
こうした悲劇に終止符を打つ手立ての一つを、実は日本は持っているのである。
もし日本が、国際社会に向けて、「我々は台湾を放棄しただけで、中華民国にも中華人民共和国にも台湾を渡しておらず、『一つの中国』などは虚構である」と証言しさえすれば、国際社会は台湾と中国が別々の国であるとの現実を認めざるを得なくなるはずではないか。
*******************************************
ブログランキング参加中
よろしければクリックをお願いします。 運動を拡大したいので。
↓ ↓

モバイルはこちら
↓ ↓
http://blog.with2.net/link.php
link.php
ネット署名「チャイニーズタイペイを台湾に」
http://chn.ge/1Q4zVg4
■「台湾2020東京」アクション
ホームページ http://taiwan2020tokyo.org
メールマガジン http://melma.com/backnumber_199142/
お問い合わせ info@taiwan2020tokyo.org
台湾2020東京のチラシ拡散を!

ダウンロードは以下で
http://taiwan2020tokyo.org/flyer/taiwan2020tokyo_201608.pdf
※大量に配布する場合は「台湾2020東京」までご一報を。