「台湾の敵」と憎まれる俳優ジャッキー・チェンの「黒心」/今度は台北で中国軍歌手を応援か
2009/11/03/Tue
香港の映画スター、ジャッキー・チェンは十一月一日、一千万台湾ドルもの義捐金を携え、八月に台風災害に見舞われた台湾南部の高雄県を慰問した。
「高雄へは五年ぶり!」との報道も見られたのは、五年前に台湾人を怒らせ、それ以来訪問をしにくくなっていたからだ。現地では「私は台湾の娘婿(妻は台湾人の意)として、台湾が大好きだ」と強調していたが・・・。
それでは五年前、つまり二〇〇四年、彼は何をしたのかと言えば、それまで台湾でも大人気だった彼が、台湾人を侮辱する「中国人の顔」を見せたのである。
その年の三月に行われた台湾総統選挙では、中国が台湾独立派と憎む民進党の陳水扁総統が当選を果たしたが、親中国の国民党側からは投票の前日に狙撃を受けたのは同情票集めのための自作自演だとの大抗議運動が巻き起こった。ジャッキー・チェンはそれに同調し、「宇宙規模の笑い話」と民進党政権をからかった。そしてあわせて「中国統一はさらに中国を強大にする」などと述べたため、台湾人の間で囂々の非難が起こったのだった。
だが彼は反省せず、翌〇五年には「四年間は台湾へ行かない」と宣言した。これは“やがて民進党に代わって国民党の政権が誕生することだろう。それまでは行くものか”と言ったに等しい。
〇六年、陳水扁政権打倒を叫ぶ赤シャツ運動が起こるや、またしても「台湾の政局は宇宙規模の笑い話」と発言。
そして〇八年五月、彼にとって念願の国民党政権が発足。さっそく彼は翌六月、チャリティーイベントに参加のため、台北を訪れた。
ところが空港では抗議に集まった群衆から「帰れ」の声を浴びている。大量の警備陣に囲まれながらも、ニタニタ笑っておどける不謹慎な態度は、さらに台湾人を挑発する格好となった。

08年6月、「厳戒」体制の桃園空港に到着したジャッキー・チェン。抗議を怖がるそぶりで台湾人を挑発
その年末に台中市で行われる映画祭に参加の意向を示すや、民進党の同市議会議員らが猛反撥、映画祭関連予算の支出の条件に彼を招かないことを挙げるとの騒動に発展。
国民党所属の胡志強市長も、「政治を映画芸術に持ち込むべきではない。参加は控えてほしい。もしやって来たら、激しい抗議を受けるだろう」とコメントしている。
これを受け、「私は政治に干渉したことはない。個人的感想をメディアに話しただけで、どうしてこんなに大げさなことになるのか」と、不満を述べたジャッキー・チェン。「死不認罪」(死んでも非を認めない)との中国人の民族性を貫いた。
そして〇九年四月、中国主催の国際会議、博鰲アジアフォーラムに出席した際、メディアから文化活動の自由について聞かれた彼は、「中国人には管理が必要だ。あまり自由を与えると台湾のように乱れてしまう」と、中国政府の代弁とも思える発言を行った。
いよいよ「政治への干渉」姿勢を強める彼に、台湾では怒りを新たにされたのだった。
これにはやはり国民党籍の郝龍斌台北市長もが世論に配慮し、「彼は台湾の民主への努力を理解していない」と批判した。

台湾メディアがまとめた問題発言集
そして今回の台湾訪問だ。十月三十一日、入国した彼は直ちに向かったのが、台北市内で開催される中国人の女性歌手、陳思思のコンサート会場。ゲスト出演をしたわけだが、これも問題となった。
なぜならこの歌手は、中国人民解放軍に所属しているからだ。そこで彼の今回の思惑は何かに注目が集まった。
台湾のメディアの質問を受け、「先日、彼女から出演できるかと聞かれた。夜は暇だし、歌も好きだから引き受けた」と説明しながらも、彼女が解放軍所属であることについては「それは知らなかった」とトーンを下げた。そして話題を変え、台湾プロ野球の八百長事件への批判を遠慮なく展開するのだった。

台湾人の批判も恐れず解放軍歌手と競演
北京五輪では、早くも招致の段階で「イメージ大使」を務めたのを始め、聖火リレーに参加するに当たっては、「私から聖火トーチを奪おうとする者が現れたら、その人はカンフーのすごさを思い知ることになる。 願わくば誰も私に近づかないでもらいたい」と語ったりで、中国の国威発揚イベントを翼賛し続けたジャッキー・チェン。チベット人が見ても、唾棄したくなろう。

09年の旧正月には北京五輪の「口パク少女」と愛国共演も
中国の愛国俳優であろうとするかぎり、政治的な言動を見せざるを得ない。そして人気スターとして国際的な影響力を持つかぎり、中国の対外宣伝工作のコマを演じ続けることになる。
だから台湾でも、「台湾の娘婿」を強調し続けて台湾人に親近感を抱かせながら、中国のために反台湾的な言論を繰り返す。
これも香港返還が生んだ悲劇だろうか。かつては正義のヒーローとして世界の子供たちに愛された大スターの成れの果てがこれだとは。
今や台湾では「黒心」(良心なし)が中国の代名詞だが、日本人は中国製の「黒心」食品は警戒しても、ジャッキー・チェンと言う「黒心」スターにはいまだ無防備。だから我々も、彼の言動には注意が必要だろう。
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チャンネル桜番組動画
◆伏魔殿NHKを暴く!
パネリスト:
大谷英彦(「NHKを正す会」代表・ マスコミ・インサイト社代表 ・元NHK政治部記者)
立花孝志(元NHK職員・内部告発者)
永山英樹(台湾研究フォーラム会長・日本李登輝友の会理事 放送法改正推進本部長)
西村幸祐(評論家・ジャーナリスト)
藤井厳喜(国際問題アナリスト)
柚原正敬(日本李登輝友の会事務局長・台湾研究フォーラム顧問)
司会:水島総
1/5【討論!】伏魔殿NHKを暴く![桜H21/10/30]
2/5【討論!】伏魔殿NHKを暴く![桜H21/10/30]
3/5【討論!】伏魔殿NHKを暴く![桜H21/10/30]
『NHK捏造事件と無制限戦争の時代』刊行記念講演
台湾研究フォーラム(台湾研究論壇) 第128回定例会
■ 講 師 藤井厳喜氏 (国際問題アナリスト)
■ 演 題 無制限戦争時代における台湾の地位―グローバル地政学から見た台湾独立

≪講師からのメッセージ≫
現在、準備中で11月上旬出版予定の私の最近の著作のタイトルが『NHK捏造事件と無制限戦争の時代』です。戦争も時代と共にその現象形態を変えていきます。
第二次世界大戦は総力戦として闘われましたが、私は21世紀の現在の戦争の形態を『無制限戦争』と捉えています。その文脈において、独立台湾の地位はどのように見えてくるのか、をテーマにお話したいと思います。それは同時に、グローバルな地政学的な視点から見た場合、独立台湾のポジションがどのように見えるかという問題とも深く関連してきます。従来になかった新しい視点から運命共同体としての日本と台湾の関係を考えてみたいと思っています。
おそらくこの日には、難産の末に生まれる新著『NHK捏造事件と無制限戦争の時代』を皆さんの周りにお見せする事が出来ると思います。
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藤井 厳喜(ふじい・げんき) 昭和27年(1952年)東京都江戸川区生まれ、早稲田大学政治経済学部卒業。1977年~1985年アメリカ留学、クレアモント大学大学院政治学修士号、ハーバード大学大学院政治学博士課程を修了。1989年~1992年、ラジオ文化放送ニュースキャスター。
現在拓殖大学日本文化研究所客員教授、ケンブリッジ・フォーキャスト・グループ・オブ・ジャパン代表取締役。著書は1984年の第一作『世界経済大予測』以来、編・訳著、共著含め最新刊『ドンと来い!大恐慌』まで46冊。当日は新刊『NHK捏造事件と無制限戦争の時代』を披露予定。
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【日 時】 平成21年11月7日(土)午後6時~8時
【場 所】 文京区民センター2-A会議室
JR「水道橋駅」徒歩10分、都営三田線・大江戸線「春日駅」徒歩1分
東京メトロ丸の内線・南北線「後楽園駅」徒歩1分
【参加費】 会員500円、一般1,000円
【懇親会】 終了後、会場付近にて。(会費3,500円、学生1,000円)
【申込み】 11月6日までに下記へ。
E-mail:taiwan_kenkyu_forum@yahoo.co.jp
FAX: 03-3868-2101
【問合せ】090-4138-6397
■会員募集中。日台共栄運動にご助力を。年会費は2000円。定例会会場で受け付けます。
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第128回定例会 申込書
氏名 懇親会: 参加 不参加 (○をお付けください)
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「高雄へは五年ぶり!」との報道も見られたのは、五年前に台湾人を怒らせ、それ以来訪問をしにくくなっていたからだ。現地では「私は台湾の娘婿(妻は台湾人の意)として、台湾が大好きだ」と強調していたが・・・。
それでは五年前、つまり二〇〇四年、彼は何をしたのかと言えば、それまで台湾でも大人気だった彼が、台湾人を侮辱する「中国人の顔」を見せたのである。
その年の三月に行われた台湾総統選挙では、中国が台湾独立派と憎む民進党の陳水扁総統が当選を果たしたが、親中国の国民党側からは投票の前日に狙撃を受けたのは同情票集めのための自作自演だとの大抗議運動が巻き起こった。ジャッキー・チェンはそれに同調し、「宇宙規模の笑い話」と民進党政権をからかった。そしてあわせて「中国統一はさらに中国を強大にする」などと述べたため、台湾人の間で囂々の非難が起こったのだった。
だが彼は反省せず、翌〇五年には「四年間は台湾へ行かない」と宣言した。これは“やがて民進党に代わって国民党の政権が誕生することだろう。それまでは行くものか”と言ったに等しい。
〇六年、陳水扁政権打倒を叫ぶ赤シャツ運動が起こるや、またしても「台湾の政局は宇宙規模の笑い話」と発言。
そして〇八年五月、彼にとって念願の国民党政権が発足。さっそく彼は翌六月、チャリティーイベントに参加のため、台北を訪れた。
ところが空港では抗議に集まった群衆から「帰れ」の声を浴びている。大量の警備陣に囲まれながらも、ニタニタ笑っておどける不謹慎な態度は、さらに台湾人を挑発する格好となった。


08年6月、「厳戒」体制の桃園空港に到着したジャッキー・チェン。抗議を怖がるそぶりで台湾人を挑発
その年末に台中市で行われる映画祭に参加の意向を示すや、民進党の同市議会議員らが猛反撥、映画祭関連予算の支出の条件に彼を招かないことを挙げるとの騒動に発展。
国民党所属の胡志強市長も、「政治を映画芸術に持ち込むべきではない。参加は控えてほしい。もしやって来たら、激しい抗議を受けるだろう」とコメントしている。
これを受け、「私は政治に干渉したことはない。個人的感想をメディアに話しただけで、どうしてこんなに大げさなことになるのか」と、不満を述べたジャッキー・チェン。「死不認罪」(死んでも非を認めない)との中国人の民族性を貫いた。
そして〇九年四月、中国主催の国際会議、博鰲アジアフォーラムに出席した際、メディアから文化活動の自由について聞かれた彼は、「中国人には管理が必要だ。あまり自由を与えると台湾のように乱れてしまう」と、中国政府の代弁とも思える発言を行った。
いよいよ「政治への干渉」姿勢を強める彼に、台湾では怒りを新たにされたのだった。
これにはやはり国民党籍の郝龍斌台北市長もが世論に配慮し、「彼は台湾の民主への努力を理解していない」と批判した。

台湾メディアがまとめた問題発言集
そして今回の台湾訪問だ。十月三十一日、入国した彼は直ちに向かったのが、台北市内で開催される中国人の女性歌手、陳思思のコンサート会場。ゲスト出演をしたわけだが、これも問題となった。
なぜならこの歌手は、中国人民解放軍に所属しているからだ。そこで彼の今回の思惑は何かに注目が集まった。
台湾のメディアの質問を受け、「先日、彼女から出演できるかと聞かれた。夜は暇だし、歌も好きだから引き受けた」と説明しながらも、彼女が解放軍所属であることについては「それは知らなかった」とトーンを下げた。そして話題を変え、台湾プロ野球の八百長事件への批判を遠慮なく展開するのだった。

台湾人の批判も恐れず解放軍歌手と競演
北京五輪では、早くも招致の段階で「イメージ大使」を務めたのを始め、聖火リレーに参加するに当たっては、「私から聖火トーチを奪おうとする者が現れたら、その人はカンフーのすごさを思い知ることになる。 願わくば誰も私に近づかないでもらいたい」と語ったりで、中国の国威発揚イベントを翼賛し続けたジャッキー・チェン。チベット人が見ても、唾棄したくなろう。

09年の旧正月には北京五輪の「口パク少女」と愛国共演も
中国の愛国俳優であろうとするかぎり、政治的な言動を見せざるを得ない。そして人気スターとして国際的な影響力を持つかぎり、中国の対外宣伝工作のコマを演じ続けることになる。
だから台湾でも、「台湾の娘婿」を強調し続けて台湾人に親近感を抱かせながら、中国のために反台湾的な言論を繰り返す。
これも香港返還が生んだ悲劇だろうか。かつては正義のヒーローとして世界の子供たちに愛された大スターの成れの果てがこれだとは。
今や台湾では「黒心」(良心なし)が中国の代名詞だが、日本人は中国製の「黒心」食品は警戒しても、ジャッキー・チェンと言う「黒心」スターにはいまだ無防備。だから我々も、彼の言動には注意が必要だろう。
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≪講師からのメッセージ≫
現在、準備中で11月上旬出版予定の私の最近の著作のタイトルが『NHK捏造事件と無制限戦争の時代』です。戦争も時代と共にその現象形態を変えていきます。
第二次世界大戦は総力戦として闘われましたが、私は21世紀の現在の戦争の形態を『無制限戦争』と捉えています。その文脈において、独立台湾の地位はどのように見えてくるのか、をテーマにお話したいと思います。それは同時に、グローバルな地政学的な視点から見た場合、独立台湾のポジションがどのように見えるかという問題とも深く関連してきます。従来になかった新しい視点から運命共同体としての日本と台湾の関係を考えてみたいと思っています。
おそらくこの日には、難産の末に生まれる新著『NHK捏造事件と無制限戦争の時代』を皆さんの周りにお見せする事が出来ると思います。
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藤井 厳喜(ふじい・げんき) 昭和27年(1952年)東京都江戸川区生まれ、早稲田大学政治経済学部卒業。1977年~1985年アメリカ留学、クレアモント大学大学院政治学修士号、ハーバード大学大学院政治学博士課程を修了。1989年~1992年、ラジオ文化放送ニュースキャスター。
現在拓殖大学日本文化研究所客員教授、ケンブリッジ・フォーキャスト・グループ・オブ・ジャパン代表取締役。著書は1984年の第一作『世界経済大予測』以来、編・訳著、共著含め最新刊『ドンと来い!大恐慌』まで46冊。当日は新刊『NHK捏造事件と無制限戦争の時代』を披露予定。
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【日 時】 平成21年11月7日(土)午後6時~8時
【場 所】 文京区民センター2-A会議室
JR「水道橋駅」徒歩10分、都営三田線・大江戸線「春日駅」徒歩1分
東京メトロ丸の内線・南北線「後楽園駅」徒歩1分
【参加費】 会員500円、一般1,000円
【懇親会】 終了後、会場付近にて。(会費3,500円、学生1,000円)
【申込み】 11月6日までに下記へ。
E-mail:taiwan_kenkyu_forum@yahoo.co.jp
FAX: 03-3868-2101
【問合せ】090-4138-6397
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