民主党政権が中国を「攻撃」/ラビア・カーディル氏の入国許可で国家主権を何とか守る
2009/10/21/Wed
■中国の影響被る国民党政権と民主党政権の発足
昨年台湾では馬英九の国民党政権が、そして今年は日本で民主党政権が発足。独裁国家の中国に物言えぬ政府が、東アジアの二つの民主主義国家に生まれた格好だが、それは同時に中国の「影響力」が、この海を隔てた二つの国に波及しつつあると言うことでもある。
さてその「影響力」だが、国民党政権に対する強さが相当なものらしい。
今年九月、「世界ウイグル会議」のラビア・カーディル議長を描いたドキュメンタリー映画「愛の10の条件」が台湾南部の高雄市主催の映画祭での上映が決まるや中国が猛反撥。自国民に同市への観光ボイコットをさせるなどの「荒れよう」だったが、それに呼応する形で国民党政権は、上映見送りを求めて動いた。
さらにラビア・カーディル氏が台湾訪問の意向を示すと、ただちに「世界ウイグル会議は国際テロと関係がある」との中国の常套宣伝の文句を「引用」し、入国を拒否している。

ラビア・カーディル氏をテロリスト関係者と断じた台湾の内政部長(内相)
こうした国民党政権の一連の動きは言うまでもなく、中国に屈した上での民主主義の放棄と言うことができる。
これについてラビア・カーディル氏は、「台湾の将来を心配している。台湾人が中共の宣伝道具になることなく、民主と自由の戦いを継続することを希望する。そうしなければ私たちウイグルの今日の姿は、台湾の明日の姿になる可能性がある」と述べている。
つまり中国の影響下に完全に陥ってしまえば、いずれウイグルの呑み込まれようと言っているわけだが、一方日本の民主党政権はどうか。
■ラビア氏の入国許可を決意―民主党政権はまだ無事だ
実は最近注目されていた一つが、訪日を予定しているラビア・カーディル氏に、民主党政権が中国の妨害圧力に屈することなく、入国ビザを発給できるかどうかだった。
七月には自民党政権が入国を許可している。だが民主党では、岡田外相はが中国の内政問題だとの理由でウイグル問題には関与しない考えを示すなどしていた。

ウイグル問題は中国内政問題として不干渉を宣言している岡田外相
だが幸いビザは出したようだ。二十日午後、ラビア・カーディル氏は無事日本に入国を果たした。
「日本側は『国内法に基づき査証を発給した。批判される理由はない』(政府高官)と、従来の立場を継承した」「政治活動の自粛などの条件は一切付けていない」(政府筋)」(共同)と言う。
何でも「カーディル氏は8月の衆院選直後、日本の民間人を通じて来日の意向を外務省に打診。政府はいったん態度を保留したが、新政権発足後にカーディル氏来日の是非を協議し、受け入れを決めた」(同)のだそうだ。
つまり民主党政権はまだ国民党政権ほどには、中国の影響力を被ってはいないと言うことだ。

成田空港に到着したラビア・カーディル氏
■「忠実な朋友」の民主党政権が中国を「襲撃」したと中国紙
こうした事態を受け中国では外交部の馬朝旭スポークスマンが即日、「日本の一部勢力が、ラビアが日本を訪れ中国分裂の活動に従事することを策動することに関し、我々はすでに日本側と交渉を行っていた。しかし日本側は中国側の断固たる反対を顧みず、ラビアの入国を許した。強烈な不満を表明する」と述べた。
このように中国から見れば民主党のやったことは、たんなる「抵抗」ではなく「攻撃」ともなるようだ。
人民日報系の「環球時報」も「鳩山政府は疆独の頭目であるラビアにビザを発給した」として上で、「日本メディア」の予測分析なるものを次のように取り上げた。
―――日本政府のこの挙は鳩山首相が訪中を終えたわずか十数日後のもの。ラビアの訪問問題での鳩山の中国に対する「突然の襲撃」は必ず中国の憤怒を惹き起こすものと見られる。
―――鳩山政権を忠実な朋友と見てきた中国政府は、ただちに鳩山内閣との間の「熱」を下げるだろう。そして中日韓とASEANとの会議で温家宝総理は、鳩山首相との接触を避け、中国政府の不満を表明するかも知れない。

「日本が密かに女疆独を入国さす」と環球時報。「突
然の襲撃は中国怒らす」とも
■鳩山首相は安心して温家宝首相のボイコットを受るべし
もちろん民主党は、この問題で対中関係を悪化させようとは考えていまい。ただもしここで入国を拒否してしまえば、「中国に屈した」との世論からの大非難を免れることができなくなる。だから中国側とは、裏ではある程度の話が付いているかも知れない。
もちろんだからと言って、中国側が恫喝の圧力掛けを止めることはない。
ただ、中国は台湾に対しては高雄市への観光ボイコットとの報復を行ったが、さすがに日本には同じようなことはできないだろう。
なぜなら日本の観光業界は高雄市と異なり、中国人観光客に大きくは依存していない。要するに中国に「弱み」を握られなければ、あの国の圧力など、そう大したものではないのである。
たしかラビア・カーディル氏の前回の訪日時は、中国は報復として自衛艦の香港寄港を拒否したが、今回は温家宝氏が鳩山氏をボイコットするかもしれないと言う。
しかしそれで困るのは中国の側だろう。多くの日本国民は、そうすることで中国との関係が小泉政権当時のように疎遠になり、あの国からの圧力が小さくなることを願っている。鳩山氏もそれで国内の支持率が下がることはないから、安心して温家宝から距離を置くべきだ。

ASEANプラス3首脳会議での見物は、温家宝氏が鳩山
氏とどう接するかだ
そもそも媚中に期待して民主党に票を入れた者など、ごく一部の媚中勢力以外にはほとんどいないのだ。むしろラビア・カーディル氏の擁護で、中国を怒らせれば怒らせるほど、鳩山氏は民主、自由、人権を擁護する勇敢なリーダーとして支持率を上がることになるだろう。
■民主党政権はウイグル民族消滅政策を直視して動け
それではどのような方法があるのか。それについてはラビア・カーディル氏の話に耳を傾ければいい。
同氏は「日本は北京当局に、少数民族政策を見直すよう圧力をかけてほしい」とアピールしているが、これをやればいい。
ラビア・カーディル氏は来日後、台湾紙「自由時報」との会見で次のように語っている。

都内で自由時報の取材に応えるラビア・カーディル氏
―――来日の主な目的は日本の知識人に中共政府の主張は話にならないことを知らせること。そして日本人、日本政府に現在のウイグル自治区での悲惨な状態を正確に理解してもらうこと。
―――全世界は中国の目的がウイグル民族を消滅させることをはっきり理解するべき。
民主党政権は中国の怒りを恐れることなく、こうしたきわめて当然の期待に当然の如く応えればいいのある。もちろん日本国民もだ。
■民族浄化が行われる東アジア共同体は許されない
さらにラビア・カーディル氏は、「中国は台湾、チベット、ウイグルと言う三つの独立勢力の合流を最も怖がっているが、これら三つの独立問題には共通性があるか」との自由時報の質問に対し、こう語る。
―――台湾、チベット、ウイグルは(そして内モンゴルもだが)、自分たちの生活方式で生きたいと思っており、これらが協力し合えたらすばらしいことだ。誰にも自分の生活方式を決定する権利、自分の未来や政治形態を選択する権利がある。中共を好まない人々が合流するのはいいことだ。
もっともなことである。ここで言う「中共を好まない人々」とはもちろん「中国支配を好まない人々」のこと。チベット、ウイグル、南モンゴルの人々は、それで多くが命を落とし、あるいは恐怖の下での生活を余儀なくされている。そして台湾もいずれそうなるかも知れない。
そこで民主党政権は、こうした諸民族の解放を支援するべきなのだ。そのようにして初めて「友愛」なる言葉が国際社会において説得力を持つことになる。
もちろん東アジア共同体の形成構想などは白紙に戻すべきである。内部で民族弾圧、民族浄化が行われる共同体に日本が参与するなど許されない。
■属国化か独立保持かー早くも分岐点に立つ民主党政権
中国側が民主党政権への懸念材料としてきた数少ない一つが、こうした民族問題への関心だったが、今や同政権は、中国の影響下へこのまま転がり落ちて属国と化すか、それとも自由と人権を掲げる民族解放政策に目覚め、そこから飛び出て(排斥されて)独立を保持するかと言う重大な分岐点に、早くも立たされているかに見える。
ラビア・カーディル氏は、「台湾人は民主と自由の戦いを。そうしなければ私たちウイグルの今日は、台湾の明日」と警告したが、それは日本に対しても言えることなのだ。
日本が台湾・チベット・ウイグル・南モンゴルとを結ぶ「自由と繁栄の弧」ならぬ「自由、人権、解放の弧」を形成して膨張の動きを続ける中国を包囲すればいい。
それは中国の崩壊を促すと言う以前に、日本の属国化を防ぐものとなる。だが民主党政権がそうした国家戦略を抱くなど夢のような話だ。しかし台湾が中国に併呑された後では、何をやっても遅すぎる。
民主党政権であれ自民党政権であれ、こうした民族問題への対応如何が、日本政府の「独立の気概」を図るバロメーターになっているのだ。
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昨年台湾では馬英九の国民党政権が、そして今年は日本で民主党政権が発足。独裁国家の中国に物言えぬ政府が、東アジアの二つの民主主義国家に生まれた格好だが、それは同時に中国の「影響力」が、この海を隔てた二つの国に波及しつつあると言うことでもある。
さてその「影響力」だが、国民党政権に対する強さが相当なものらしい。
今年九月、「世界ウイグル会議」のラビア・カーディル議長を描いたドキュメンタリー映画「愛の10の条件」が台湾南部の高雄市主催の映画祭での上映が決まるや中国が猛反撥。自国民に同市への観光ボイコットをさせるなどの「荒れよう」だったが、それに呼応する形で国民党政権は、上映見送りを求めて動いた。
さらにラビア・カーディル氏が台湾訪問の意向を示すと、ただちに「世界ウイグル会議は国際テロと関係がある」との中国の常套宣伝の文句を「引用」し、入国を拒否している。

ラビア・カーディル氏をテロリスト関係者と断じた台湾の内政部長(内相)
こうした国民党政権の一連の動きは言うまでもなく、中国に屈した上での民主主義の放棄と言うことができる。
これについてラビア・カーディル氏は、「台湾の将来を心配している。台湾人が中共の宣伝道具になることなく、民主と自由の戦いを継続することを希望する。そうしなければ私たちウイグルの今日の姿は、台湾の明日の姿になる可能性がある」と述べている。
つまり中国の影響下に完全に陥ってしまえば、いずれウイグルの呑み込まれようと言っているわけだが、一方日本の民主党政権はどうか。
■ラビア氏の入国許可を決意―民主党政権はまだ無事だ
実は最近注目されていた一つが、訪日を予定しているラビア・カーディル氏に、民主党政権が中国の妨害圧力に屈することなく、入国ビザを発給できるかどうかだった。
七月には自民党政権が入国を許可している。だが民主党では、岡田外相はが中国の内政問題だとの理由でウイグル問題には関与しない考えを示すなどしていた。

ウイグル問題は中国内政問題として不干渉を宣言している岡田外相
だが幸いビザは出したようだ。二十日午後、ラビア・カーディル氏は無事日本に入国を果たした。
「日本側は『国内法に基づき査証を発給した。批判される理由はない』(政府高官)と、従来の立場を継承した」「政治活動の自粛などの条件は一切付けていない」(政府筋)」(共同)と言う。
何でも「カーディル氏は8月の衆院選直後、日本の民間人を通じて来日の意向を外務省に打診。政府はいったん態度を保留したが、新政権発足後にカーディル氏来日の是非を協議し、受け入れを決めた」(同)のだそうだ。
つまり民主党政権はまだ国民党政権ほどには、中国の影響力を被ってはいないと言うことだ。

成田空港に到着したラビア・カーディル氏
■「忠実な朋友」の民主党政権が中国を「襲撃」したと中国紙
こうした事態を受け中国では外交部の馬朝旭スポークスマンが即日、「日本の一部勢力が、ラビアが日本を訪れ中国分裂の活動に従事することを策動することに関し、我々はすでに日本側と交渉を行っていた。しかし日本側は中国側の断固たる反対を顧みず、ラビアの入国を許した。強烈な不満を表明する」と述べた。
このように中国から見れば民主党のやったことは、たんなる「抵抗」ではなく「攻撃」ともなるようだ。
人民日報系の「環球時報」も「鳩山政府は疆独の頭目であるラビアにビザを発給した」として上で、「日本メディア」の予測分析なるものを次のように取り上げた。
―――日本政府のこの挙は鳩山首相が訪中を終えたわずか十数日後のもの。ラビアの訪問問題での鳩山の中国に対する「突然の襲撃」は必ず中国の憤怒を惹き起こすものと見られる。
―――鳩山政権を忠実な朋友と見てきた中国政府は、ただちに鳩山内閣との間の「熱」を下げるだろう。そして中日韓とASEANとの会議で温家宝総理は、鳩山首相との接触を避け、中国政府の不満を表明するかも知れない。

「日本が密かに女疆独を入国さす」と環球時報。「突
然の襲撃は中国怒らす」とも
■鳩山首相は安心して温家宝首相のボイコットを受るべし
もちろん民主党は、この問題で対中関係を悪化させようとは考えていまい。ただもしここで入国を拒否してしまえば、「中国に屈した」との世論からの大非難を免れることができなくなる。だから中国側とは、裏ではある程度の話が付いているかも知れない。
もちろんだからと言って、中国側が恫喝の圧力掛けを止めることはない。
ただ、中国は台湾に対しては高雄市への観光ボイコットとの報復を行ったが、さすがに日本には同じようなことはできないだろう。
なぜなら日本の観光業界は高雄市と異なり、中国人観光客に大きくは依存していない。要するに中国に「弱み」を握られなければ、あの国の圧力など、そう大したものではないのである。
たしかラビア・カーディル氏の前回の訪日時は、中国は報復として自衛艦の香港寄港を拒否したが、今回は温家宝氏が鳩山氏をボイコットするかもしれないと言う。
しかしそれで困るのは中国の側だろう。多くの日本国民は、そうすることで中国との関係が小泉政権当時のように疎遠になり、あの国からの圧力が小さくなることを願っている。鳩山氏もそれで国内の支持率が下がることはないから、安心して温家宝から距離を置くべきだ。

ASEANプラス3首脳会議での見物は、温家宝氏が鳩山
氏とどう接するかだ
そもそも媚中に期待して民主党に票を入れた者など、ごく一部の媚中勢力以外にはほとんどいないのだ。むしろラビア・カーディル氏の擁護で、中国を怒らせれば怒らせるほど、鳩山氏は民主、自由、人権を擁護する勇敢なリーダーとして支持率を上がることになるだろう。
■民主党政権はウイグル民族消滅政策を直視して動け
それではどのような方法があるのか。それについてはラビア・カーディル氏の話に耳を傾ければいい。
同氏は「日本は北京当局に、少数民族政策を見直すよう圧力をかけてほしい」とアピールしているが、これをやればいい。
ラビア・カーディル氏は来日後、台湾紙「自由時報」との会見で次のように語っている。

都内で自由時報の取材に応えるラビア・カーディル氏
―――来日の主な目的は日本の知識人に中共政府の主張は話にならないことを知らせること。そして日本人、日本政府に現在のウイグル自治区での悲惨な状態を正確に理解してもらうこと。
―――全世界は中国の目的がウイグル民族を消滅させることをはっきり理解するべき。
民主党政権は中国の怒りを恐れることなく、こうしたきわめて当然の期待に当然の如く応えればいいのある。もちろん日本国民もだ。
■民族浄化が行われる東アジア共同体は許されない
さらにラビア・カーディル氏は、「中国は台湾、チベット、ウイグルと言う三つの独立勢力の合流を最も怖がっているが、これら三つの独立問題には共通性があるか」との自由時報の質問に対し、こう語る。
―――台湾、チベット、ウイグルは(そして内モンゴルもだが)、自分たちの生活方式で生きたいと思っており、これらが協力し合えたらすばらしいことだ。誰にも自分の生活方式を決定する権利、自分の未来や政治形態を選択する権利がある。中共を好まない人々が合流するのはいいことだ。
もっともなことである。ここで言う「中共を好まない人々」とはもちろん「中国支配を好まない人々」のこと。チベット、ウイグル、南モンゴルの人々は、それで多くが命を落とし、あるいは恐怖の下での生活を余儀なくされている。そして台湾もいずれそうなるかも知れない。
そこで民主党政権は、こうした諸民族の解放を支援するべきなのだ。そのようにして初めて「友愛」なる言葉が国際社会において説得力を持つことになる。
もちろん東アジア共同体の形成構想などは白紙に戻すべきである。内部で民族弾圧、民族浄化が行われる共同体に日本が参与するなど許されない。
■属国化か独立保持かー早くも分岐点に立つ民主党政権
中国側が民主党政権への懸念材料としてきた数少ない一つが、こうした民族問題への関心だったが、今や同政権は、中国の影響下へこのまま転がり落ちて属国と化すか、それとも自由と人権を掲げる民族解放政策に目覚め、そこから飛び出て(排斥されて)独立を保持するかと言う重大な分岐点に、早くも立たされているかに見える。
ラビア・カーディル氏は、「台湾人は民主と自由の戦いを。そうしなければ私たちウイグルの今日は、台湾の明日」と警告したが、それは日本に対しても言えることなのだ。
日本が台湾・チベット・ウイグル・南モンゴルとを結ぶ「自由と繁栄の弧」ならぬ「自由、人権、解放の弧」を形成して膨張の動きを続ける中国を包囲すればいい。
それは中国の崩壊を促すと言う以前に、日本の属国化を防ぐものとなる。だが民主党政権がそうした国家戦略を抱くなど夢のような話だ。しかし台湾が中国に併呑された後では、何をやっても遅すぎる。
民主党政権であれ自民党政権であれ、こうした民族問題への対応如何が、日本政府の「独立の気概」を図るバロメーターになっているのだ。
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