「NHK叩き」批判の元共同通信台北支局長を批判する(上)―我々の「志」はもう少し高い
2009/07/18/Sat
■「NHK叩き」を叩く台湾専門家
「21世紀中国総研」と言うサイトは「中国研究者とその研究成果を利用する人の為のバーチャル・センター」だそうだが、そこに台湾問題を扱う「岡田充の海峡両岸論」と言うページがある。
岡田氏とは共同通信台北支局の元支局長。その第四号(五月十日)の論文タイトルは「NHK叩きは馬批判の代償行為 「親日幻想」捨てない人たち」。我々の「NHK叩き」を叩くものだ。
その書き出しは、
―――やはり素通りするわけにはいかない。NHKテレビが放送した日本の台湾植民地支配に関するドキュメンタリー番組に、在日台湾人団体などが「偏向番組」と攻撃している問題である。
―――番組は、NHK総合テレビの番組「シリーズJAPANデビュー第1回『アジアの“一等国”』」。4月5日に放送されてから1ヶ月以上たつが、NHKに街宣車で乗り付けディレクター解任を要求するまでエスカレートし、自民党の中山成彬元文部科学相が会長を務める議員連盟も、NHK会長あてに抗議文と質問状を出し圧力を掛けた。
「街宣車」と言えば、右翼団体の街宣車を思い浮かべるが、これには記憶がない。デモ行進では拡声器を積んだ誘導車輌が出動したが、この記事が書かれた時点で行進はまだ行われていなかった。
それはともかく岡田氏は、「論争に油を注ぐ気はないし、無視したいのが本音だ」としつつも、この一文を書く動機を次のように説明する。
■日本李登輝友の会はそんなに甘っちょろくない
―――しかし、日台関係になると決まって「親日」「反日」という不毛な二元論に、議論は空回りする。我々の思考を覆う二元論から解放されねばならない。
―――番組を批判する側は「台湾統治の負の側面のみを取り上げた」「日本と台湾との絆を分断し、中国による台湾併吞を実現」すると指摘する。批判する側も、台湾統治に負の側面があったことを認めているのに、なぜこうも大声で騒ぎ立てるのか。その背景を探るのが本論の目的である。
そこで岡田氏がどのように「その背景を探るのか」だが、要するに我々が、馬英九政権の発足により「『親日政権』を失った喪失感」に駆られて「騒ぎ立て」ていると言いたいらしい。
―――まず挙げねばならないのは、李登輝・陳水扁の「非中国化」を目指す政権に代わって、中国との関係改善と協調を主張する馬英九政権が登場したことである。
―――台湾の旧政権と日本の保守勢力は冷戦終結後、強大化する中国を「仮想敵」に、日台協力を戦略的な地位に高めようと努力してきた。それはある程度奏功した。
―――今回の騒ぎで、日本の李登輝ファンが作る「日本李登輝友の会」の岡崎久彦、中西輝政らが、NHKへの抗議文の冒頭「私どもは台湾を『日本の生命線』と位置づけ」と書いていることをみても、日台関係を戦略関係と考えていることは明白だ。そしてその関係を支える精神的支柱が、台湾の「親日幻想」である。
ここで言う「親日幻想」だが、これは蛇足だと思う。
この文章によれば「親日幻想」とは、台湾人は「無条件で日本を愛してくれる」との幻想を指すようだが、岡崎氏、中西氏をはじめとする日本李登輝の会の中枢部に、そうした甘っちょろい認識は微塵も抱かれていない、とその一員である私ははっきり断言できる。
■台湾人の日本統治評価に何の問題があるのか
まあ、そうした岡田氏の想像はいいとしよう。ここで岡田氏が言いたいのは、「親日台湾」との「戦略関係」構築に勤しむ人々の狙いについてである。
―――中国、韓国をはじめ多くのアジア諸国が、日本の侵略を繰り返し非難するのに対し、李登輝は日本統治時代の教育、インフラ建設を肯定的に評価し、武士道精神や道徳を「日本精神」として持ち上げる。金美齢、小林よしのり、櫻井よしこら日本側がこれに呼応し、2000年以降8年間続く陳政権時代に「親日台湾」と連携を強めた。
―――「新国家主義者」といってもよい彼らにとって、台湾統治への肯定的評価は、「ナショナリズム」構築の必要条件であった。金、桜井らは08年総統選に向けて、国民党政権が誕生すれば、台湾は中国と統一すると警鐘を鳴らし、「台湾は日本の生命線」と、戦前同様の植民地主義をふりかざす。「日本が侵略国家だったというのは正に濡れ衣」と主張してはばからない田母神俊雄・元航空幕僚長も同様の論理だ。
李登輝氏らの「台湾統治への評価」が、日本人の「『ナショナリズム』の構築」、つまり日本人の自信と誇りの回復に効果を発揮するのは事実だし、それを望んでいる者が大勢いるのも事実である。
だがその「評価」が捏造された歴史観に基づくものであるならともかく、もしそうでなければ何の問題もあるまい。岡田氏は、「評価」内容は不正確だと言いたいのだろうか。ここが重要なのだが、岡田氏はなぜかそれには深入りしない。
たしかに歴史捏造の宣伝によって日本人から自信と誇りを奪おうと考える中国政府や「JAPANデビュー」が、それを問題視するのはわかるが、もしや岡田氏も同じ観点に立っているのだろうか。
■台湾を「生命線」と看做してなぜ「植民地主義」
岡田氏は、金氏、櫻井氏らが「国民党政権が誕生すれば、台湾は中国と統一すると警鐘を鳴ら」したことの、いったいどこが問題だと言うのだろうか。「警鐘」と言うのが気に食わないのだとしたら、岡田氏は中国政府の台湾併呑を支持しているのだろうか。
「『台湾は日本の生命線』と、戦前同様の植民地主義をふりかざす」とも言うが、中国の軍事的脅威の前で台湾が「生命線」であることは誰も否定できない現実。岡田氏は、拡大一方の中国の現実的脅威の存在を否定するのだろうか。
そしてそもそも、いったい何が「植民地主義」だと言うのか。
「日本は台湾独立派を支援し、再びそこを殖民地にしようとしている」と言うのが、中国側の日本軍国主義者批判の荒唐無稽の決まり文句だが、岡田氏の理屈はまさにそのもの。これは驚くべきである。
そして、こうしたことが「日本が侵略国家だった」ことを否定する田母神氏と「同様の論理」だとするが、これはいかなる理屈か。
「同様」と言えば、たしかに中国が好まないという点で「同様」ではあるが、岡田氏は中国の意向を物事の判断基準においているようだ。
このように、まるで中国と言う独裁膨張国家にシンパシーを懐いているかに見える岡田氏だが、ここでいよいよNHKに対して「騒ぎ立てる」人々の「背景」について論じ始める。
■馬政権発足とNHK批判は関係がない
―――馬政権誕生を望まない彼らの中で……馬評価をめぐる混乱は続く。
―――米国をはじめ国際社会は、両岸対話が回復し台湾海峡の政治的緊張が緩和されたことを歓迎したから、馬政権を「親中・反日」と切り捨てれば、孤立のジレンマに陥る。
―――「対立する両岸関係」という前提で、日台関係を重視していた彼(※彼ら?)は、両岸関係の好転と安定という新しいパラダイムに対応できず、とまどうばかりだった。
―――馬はことしを「日台交流促進年」と位置づけ、対日重視の姿勢をことさら強調し、「反日攻撃」をかわそうとした。追い詰められた彼らが番組を「親中反日」と叩いたのは、新政権誕生以来味わってきた喪失感を埋める格好の標的だったからだ。NHK叩きは、馬批判ができない彼らの代償行為ではないか。
考えすぎ、疑いすぎだ。
私もそのうちの一人だからはっきり言えるが、日本李登輝友の会会員など、NHK抗議運動の中心を担う人々の間で、「米国をはじめ国際社会が歓迎する」との理由から、「両岸関係の好転と安定という新しいパラダイムに対応でき」なくなったため、「とまどうばかり」、そして「孤立のジレンマに陥」ったと言う者は一人としていない。
と言うより、従来国際社会が対中関係の配慮で台湾の苦境に冷淡ななか、我々の「とまどい」感、「孤立」感は早くから持たれてきた。何も馬政権の発足でそれが持たれた、あるいは深められたと言うことはないのである。
言い方を変えれば我々は、「孤立」感を懐いているからこそ、日台関係の強化の訴えを盛んに行ってきたわけだ。
従って、残念ながら岡田氏の想像はまったく正しくない。

NHK抗議運動と馬英九政権の発足は関係ない
■問題は我々の「喪失感」ではなくNHKの歴史歪曲
「追い詰められた彼らが番組を『親中反日』と叩いたのは、新政権誕生以来味わってきた喪失感を埋める格好の標的だったからだ」と断じるが、我々に「追い詰められた」との実感はないと言うのが偽らざるところ。
そしてさらに重要なのは、我々は「喪失感を埋める」ためなどにNHKを非難しているのではないと言うことだ。
だいたい「喪失感」があろうがとなかろうが、我々はNHK批判を行っている。
我々の抗議運動は、中国の歴史問題や台湾問題、その他における中国の政治宣伝に対し、長年にわたって加担してきたNHKの反日姿勢があってこそのものなのだ。とにかくあの反日番組の歴史歪曲、印象操作はあまりにも度が過ぎた。
そしてだからこそ、そうしたものへの怒り、危機感を募らせてきた全国大勢の人々も、たとえ台湾に対する知識はなくても、この運動に参加するに至ったのである。
■我々の運動はもう少し明るく、健全です
「NHK叩きは馬批判の代償行為」などとは、抗議運動を矮小化したい一念からの分析だろうが、我々の志はもう少し高いわけだ。
台湾専門家と看做されている岡田氏に、我々日本李登輝友の会など日本人や在日台湾人の台湾支持運動の思いが理解できないのは、もしや同氏が我々の動きを、「日本軍国主義復活(ナショナリズム復興)を企てる日本右翼と台湾独立勢力の結託の陰謀」などとする、中国の御用メディア、学者による宣伝に乗ってしまっているからではないのか。
「日本の国をよくしよう」「台湾人の国を守ろう」との道義心、正義感、そして夢と希望に支えられた我々の運動は、岡田氏が想像するのとは違い、もう少し「明るく健康的」。中国人や、それに共感を持つ日本人にはない「明るさ」「健全さ」と言うものがあるのだが。

明日の日本・台湾を思いつつNHKを包囲
なぜ「JAPANデビュー」を擁護するのは、中国の代弁者の類や日本共産党など左翼の人々ばかりなのだろう。公共放送の歴史捏造番組への抗議活動を非難するなど、もしや密かに「歴史捏造」を肯定しているのか。
とにかく我々の抗議運動は、中国、NHKだけではなく、彼らの利益にも反するらしい。(つづく)
【参考】NHK叩きは馬批判の代償行為 「親日幻想」捨てない人たち
http://www.21ccs.jp/ryougan_okada/ryougan_04.html
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【参加を】大阪 第5回東トルキスタンデモ

NHKJAPANデビューに抗議する国民大行動in東京・第5弾
7・20山手線ぐるぐる祭り(電車デモ)と銀座・歩行者天国でラジオ体操
7月2日発売の「週刊新潮」が見開きのグラビア2ページを使い「“一万人訴訟”NHKを糾弾する山手線ジャック」との見出しで、6月27日のNHK「JAPANデビュー」に抗議する国民大行動・第4弾で行った「電車デモ」について伝えたように、このNHK糾弾のアピール行動はインパクトがあって大好評だったようです。
つきましては、来る7月20日「海の日」に、NHK「JAPANデビュー」に抗議する国民大行動・第5弾として「電車デモ」を「山手線ぐるぐる祭り」と命名し、山手線のプラットホームで同様のNHK糾弾のアピール行動を行います。
ぜひご参加ください。
■街頭宣伝
11時~ 渋谷C.C.Lemonホール前
東京都渋谷区宇田川町1-1
(NHK放送センターと渋谷区役所の間 旧「渋谷公会堂)
JR 渋谷駅より徒歩10分 JR 原宿駅より徒歩10分 明治神宮前駅より徒歩10分
http://shibuko.com/map.html
■集会
13時~ 代々木公園けやき並木
■アピール行動
14時~ 山手線ぐるぐる祭り
16時~ 銀座・歩行者天国にてラジオ体操
※できるだけ「NHKの大罪」Tシャツをご着用ください(Tシャツは当日も頒布)。
■お問合せ
TEL:03-6419-3900
日本を掃除する会・上田(チャンネル桜二千人委員会事務局内)
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反中華覇権主義運動のさまざまな関連情報を配信中。
登録先・バックナンバー http://www.melma.com/backnumber_174014/
「21世紀中国総研」と言うサイトは「中国研究者とその研究成果を利用する人の為のバーチャル・センター」だそうだが、そこに台湾問題を扱う「岡田充の海峡両岸論」と言うページがある。
岡田氏とは共同通信台北支局の元支局長。その第四号(五月十日)の論文タイトルは「NHK叩きは馬批判の代償行為 「親日幻想」捨てない人たち」。我々の「NHK叩き」を叩くものだ。
その書き出しは、
―――やはり素通りするわけにはいかない。NHKテレビが放送した日本の台湾植民地支配に関するドキュメンタリー番組に、在日台湾人団体などが「偏向番組」と攻撃している問題である。
―――番組は、NHK総合テレビの番組「シリーズJAPANデビュー第1回『アジアの“一等国”』」。4月5日に放送されてから1ヶ月以上たつが、NHKに街宣車で乗り付けディレクター解任を要求するまでエスカレートし、自民党の中山成彬元文部科学相が会長を務める議員連盟も、NHK会長あてに抗議文と質問状を出し圧力を掛けた。
「街宣車」と言えば、右翼団体の街宣車を思い浮かべるが、これには記憶がない。デモ行進では拡声器を積んだ誘導車輌が出動したが、この記事が書かれた時点で行進はまだ行われていなかった。
それはともかく岡田氏は、「論争に油を注ぐ気はないし、無視したいのが本音だ」としつつも、この一文を書く動機を次のように説明する。
■日本李登輝友の会はそんなに甘っちょろくない
―――しかし、日台関係になると決まって「親日」「反日」という不毛な二元論に、議論は空回りする。我々の思考を覆う二元論から解放されねばならない。
―――番組を批判する側は「台湾統治の負の側面のみを取り上げた」「日本と台湾との絆を分断し、中国による台湾併吞を実現」すると指摘する。批判する側も、台湾統治に負の側面があったことを認めているのに、なぜこうも大声で騒ぎ立てるのか。その背景を探るのが本論の目的である。
そこで岡田氏がどのように「その背景を探るのか」だが、要するに我々が、馬英九政権の発足により「『親日政権』を失った喪失感」に駆られて「騒ぎ立て」ていると言いたいらしい。
―――まず挙げねばならないのは、李登輝・陳水扁の「非中国化」を目指す政権に代わって、中国との関係改善と協調を主張する馬英九政権が登場したことである。
―――台湾の旧政権と日本の保守勢力は冷戦終結後、強大化する中国を「仮想敵」に、日台協力を戦略的な地位に高めようと努力してきた。それはある程度奏功した。
―――今回の騒ぎで、日本の李登輝ファンが作る「日本李登輝友の会」の岡崎久彦、中西輝政らが、NHKへの抗議文の冒頭「私どもは台湾を『日本の生命線』と位置づけ」と書いていることをみても、日台関係を戦略関係と考えていることは明白だ。そしてその関係を支える精神的支柱が、台湾の「親日幻想」である。
ここで言う「親日幻想」だが、これは蛇足だと思う。
この文章によれば「親日幻想」とは、台湾人は「無条件で日本を愛してくれる」との幻想を指すようだが、岡崎氏、中西氏をはじめとする日本李登輝の会の中枢部に、そうした甘っちょろい認識は微塵も抱かれていない、とその一員である私ははっきり断言できる。
■台湾人の日本統治評価に何の問題があるのか
まあ、そうした岡田氏の想像はいいとしよう。ここで岡田氏が言いたいのは、「親日台湾」との「戦略関係」構築に勤しむ人々の狙いについてである。
―――中国、韓国をはじめ多くのアジア諸国が、日本の侵略を繰り返し非難するのに対し、李登輝は日本統治時代の教育、インフラ建設を肯定的に評価し、武士道精神や道徳を「日本精神」として持ち上げる。金美齢、小林よしのり、櫻井よしこら日本側がこれに呼応し、2000年以降8年間続く陳政権時代に「親日台湾」と連携を強めた。
―――「新国家主義者」といってもよい彼らにとって、台湾統治への肯定的評価は、「ナショナリズム」構築の必要条件であった。金、桜井らは08年総統選に向けて、国民党政権が誕生すれば、台湾は中国と統一すると警鐘を鳴らし、「台湾は日本の生命線」と、戦前同様の植民地主義をふりかざす。「日本が侵略国家だったというのは正に濡れ衣」と主張してはばからない田母神俊雄・元航空幕僚長も同様の論理だ。
李登輝氏らの「台湾統治への評価」が、日本人の「『ナショナリズム』の構築」、つまり日本人の自信と誇りの回復に効果を発揮するのは事実だし、それを望んでいる者が大勢いるのも事実である。
だがその「評価」が捏造された歴史観に基づくものであるならともかく、もしそうでなければ何の問題もあるまい。岡田氏は、「評価」内容は不正確だと言いたいのだろうか。ここが重要なのだが、岡田氏はなぜかそれには深入りしない。
たしかに歴史捏造の宣伝によって日本人から自信と誇りを奪おうと考える中国政府や「JAPANデビュー」が、それを問題視するのはわかるが、もしや岡田氏も同じ観点に立っているのだろうか。
■台湾を「生命線」と看做してなぜ「植民地主義」
岡田氏は、金氏、櫻井氏らが「国民党政権が誕生すれば、台湾は中国と統一すると警鐘を鳴ら」したことの、いったいどこが問題だと言うのだろうか。「警鐘」と言うのが気に食わないのだとしたら、岡田氏は中国政府の台湾併呑を支持しているのだろうか。
「『台湾は日本の生命線』と、戦前同様の植民地主義をふりかざす」とも言うが、中国の軍事的脅威の前で台湾が「生命線」であることは誰も否定できない現実。岡田氏は、拡大一方の中国の現実的脅威の存在を否定するのだろうか。
そしてそもそも、いったい何が「植民地主義」だと言うのか。
「日本は台湾独立派を支援し、再びそこを殖民地にしようとしている」と言うのが、中国側の日本軍国主義者批判の荒唐無稽の決まり文句だが、岡田氏の理屈はまさにそのもの。これは驚くべきである。
そして、こうしたことが「日本が侵略国家だった」ことを否定する田母神氏と「同様の論理」だとするが、これはいかなる理屈か。
「同様」と言えば、たしかに中国が好まないという点で「同様」ではあるが、岡田氏は中国の意向を物事の判断基準においているようだ。
このように、まるで中国と言う独裁膨張国家にシンパシーを懐いているかに見える岡田氏だが、ここでいよいよNHKに対して「騒ぎ立てる」人々の「背景」について論じ始める。
■馬政権発足とNHK批判は関係がない
―――馬政権誕生を望まない彼らの中で……馬評価をめぐる混乱は続く。
―――米国をはじめ国際社会は、両岸対話が回復し台湾海峡の政治的緊張が緩和されたことを歓迎したから、馬政権を「親中・反日」と切り捨てれば、孤立のジレンマに陥る。
―――「対立する両岸関係」という前提で、日台関係を重視していた彼(※彼ら?)は、両岸関係の好転と安定という新しいパラダイムに対応できず、とまどうばかりだった。
―――馬はことしを「日台交流促進年」と位置づけ、対日重視の姿勢をことさら強調し、「反日攻撃」をかわそうとした。追い詰められた彼らが番組を「親中反日」と叩いたのは、新政権誕生以来味わってきた喪失感を埋める格好の標的だったからだ。NHK叩きは、馬批判ができない彼らの代償行為ではないか。
考えすぎ、疑いすぎだ。
私もそのうちの一人だからはっきり言えるが、日本李登輝友の会会員など、NHK抗議運動の中心を担う人々の間で、「米国をはじめ国際社会が歓迎する」との理由から、「両岸関係の好転と安定という新しいパラダイムに対応でき」なくなったため、「とまどうばかり」、そして「孤立のジレンマに陥」ったと言う者は一人としていない。
と言うより、従来国際社会が対中関係の配慮で台湾の苦境に冷淡ななか、我々の「とまどい」感、「孤立」感は早くから持たれてきた。何も馬政権の発足でそれが持たれた、あるいは深められたと言うことはないのである。
言い方を変えれば我々は、「孤立」感を懐いているからこそ、日台関係の強化の訴えを盛んに行ってきたわけだ。
従って、残念ながら岡田氏の想像はまったく正しくない。

NHK抗議運動と馬英九政権の発足は関係ない
■問題は我々の「喪失感」ではなくNHKの歴史歪曲
「追い詰められた彼らが番組を『親中反日』と叩いたのは、新政権誕生以来味わってきた喪失感を埋める格好の標的だったからだ」と断じるが、我々に「追い詰められた」との実感はないと言うのが偽らざるところ。
そしてさらに重要なのは、我々は「喪失感を埋める」ためなどにNHKを非難しているのではないと言うことだ。
だいたい「喪失感」があろうがとなかろうが、我々はNHK批判を行っている。
我々の抗議運動は、中国の歴史問題や台湾問題、その他における中国の政治宣伝に対し、長年にわたって加担してきたNHKの反日姿勢があってこそのものなのだ。とにかくあの反日番組の歴史歪曲、印象操作はあまりにも度が過ぎた。
そしてだからこそ、そうしたものへの怒り、危機感を募らせてきた全国大勢の人々も、たとえ台湾に対する知識はなくても、この運動に参加するに至ったのである。
■我々の運動はもう少し明るく、健全です
「NHK叩きは馬批判の代償行為」などとは、抗議運動を矮小化したい一念からの分析だろうが、我々の志はもう少し高いわけだ。
台湾専門家と看做されている岡田氏に、我々日本李登輝友の会など日本人や在日台湾人の台湾支持運動の思いが理解できないのは、もしや同氏が我々の動きを、「日本軍国主義復活(ナショナリズム復興)を企てる日本右翼と台湾独立勢力の結託の陰謀」などとする、中国の御用メディア、学者による宣伝に乗ってしまっているからではないのか。
「日本の国をよくしよう」「台湾人の国を守ろう」との道義心、正義感、そして夢と希望に支えられた我々の運動は、岡田氏が想像するのとは違い、もう少し「明るく健康的」。中国人や、それに共感を持つ日本人にはない「明るさ」「健全さ」と言うものがあるのだが。

明日の日本・台湾を思いつつNHKを包囲
なぜ「JAPANデビュー」を擁護するのは、中国の代弁者の類や日本共産党など左翼の人々ばかりなのだろう。公共放送の歴史捏造番組への抗議活動を非難するなど、もしや密かに「歴史捏造」を肯定しているのか。
とにかく我々の抗議運動は、中国、NHKだけではなく、彼らの利益にも反するらしい。(つづく)
【参考】NHK叩きは馬批判の代償行為 「親日幻想」捨てない人たち
http://www.21ccs.jp/ryougan_okada/ryougan_04.html
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NHKJAPANデビューに抗議する国民大行動in東京・第5弾
7・20山手線ぐるぐる祭り(電車デモ)と銀座・歩行者天国でラジオ体操
7月2日発売の「週刊新潮」が見開きのグラビア2ページを使い「“一万人訴訟”NHKを糾弾する山手線ジャック」との見出しで、6月27日のNHK「JAPANデビュー」に抗議する国民大行動・第4弾で行った「電車デモ」について伝えたように、このNHK糾弾のアピール行動はインパクトがあって大好評だったようです。
つきましては、来る7月20日「海の日」に、NHK「JAPANデビュー」に抗議する国民大行動・第5弾として「電車デモ」を「山手線ぐるぐる祭り」と命名し、山手線のプラットホームで同様のNHK糾弾のアピール行動を行います。
ぜひご参加ください。
■街頭宣伝
11時~ 渋谷C.C.Lemonホール前
東京都渋谷区宇田川町1-1
(NHK放送センターと渋谷区役所の間 旧「渋谷公会堂)
JR 渋谷駅より徒歩10分 JR 原宿駅より徒歩10分 明治神宮前駅より徒歩10分
http://shibuko.com/map.html
■集会
13時~ 代々木公園けやき並木
■アピール行動
14時~ 山手線ぐるぐる祭り
16時~ 銀座・歩行者天国にてラジオ体操
※できるだけ「NHKの大罪」Tシャツをご着用ください(Tシャツは当日も頒布)。
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