中共の心理工作は打破できるー台湾の怒りの世論に学べ
2009/04/02/Thu
■統戦工作の結果と言える今日の媚中日本
中共の「三大法宝」(三つの日常必要なもの)は「党の建設」「武装闘争」「統一戦線」だが、その中の「統一戦線」(統戦)とは、毛沢東の『新民主主義理論』(一九三九年)によると、「頑固勢力」(主要敵)の前で「中間勢力」(その次の敵)を可能な限り取り込んで団結し、「頑固勢力」を孤立させて撃破すると言うもの。敵の分裂を図る心理戦、世論戦でもあるが、協力した「中間勢力」はその後もちろん、粛清、弾圧の対象となる。
戦後は日本も中共によって統戦をかけられている。中共の秘密文書とされる「日本解放第二期工作要綱」には、日本の群集に中国への親近感を抱かせて掌握する心理戦を進め、右翼反動分子を孤立させよとあるが、これこそが統戦工作である。文書の真贋は別としても、事実そのようにして中共は、日本との国交樹立に成功し、政界、財界、学界、メディア界の所謂「媚中派」に影響力を行使して、中国に位負けする今日の日本があるわけである。
■餌は利益ー統戦工作で危機に立ち至る台湾
国共内戦での中共の勝利は、この統戦によるところが極めて大だった。当時中共は自由主義の知識分子を結集するとともに、非蒋介石系の国民党武装勢力と結んで国民党を分裂させたのだ。国民党の台湾敗退後も工作は継続され、党外(非国民党)の民主運動家などがその対象となった。
ところが二〇〇〇年、台湾人政党である民進党が政権を握ると、この台湾独立(中国離れ)勢力が打倒すべき「頑固勢力」となり、国民党が団結すべき「中間勢力」となったのだ。かくして国民党は経済、安保、そして権力の餌に釣られ、中共の強力なバックアップを受けた〇八年に政権を奪取。今後同党が中国傾斜を強め、やがては中国統一に応じるとの中共の戦略的シナリオ通り、に事態が進展することが懸念されているわけだ。
■世界仏教フォーラムに見る統戦の露骨な手口
この前の記事でも書いたが、中共の肝煎りによる第二回世界仏教フォーラムが三月二十八日から四月一日まで、中国の無錫、そしてその後は台湾の台北に会場を移して開催された。
【参考】仏教徒の堕落―侵略国家を翼賛する世界仏教フォーラム
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-709.html
台湾の五大仏教団体の一つである仏光山の星雲法師や、中国の傀儡であるバンチェン・ラマの参加がクローズアップされたように、これが台湾、そしてチベットに対する統戦工作の一環だったことは明らかだ。

チベット人の懐柔と分断のため、中国に操縦されるバンチェン・ラマ
中国出身で中国統一思想を抱く星雲法師は中共から見れば格好の工作対象なのだろう。無錫で主催者(名義上は中国仏教協会だが、実際には浙江省宗教局)は、台湾の記者を太湖見物に連れて行き、その間に中国と香港の記者を集めて星雲法師にインタビューを行った。新華社が配信する星雲法師に開会の祝辞を述べさせるためだ。
そこで彼は「台湾には台湾人など存在しない。みな中国人だ」「ダライ・ラマは自分が中国人であることを忘れないで欲しい」と述べた。
■勢いづく中共の攻勢を阻止した世論の怒り
台湾で幾万もの信徒に影響力を持つ星雲法師をコントロールした中共は勢いづいた。会場を台北へ移すや、フォーラムを取り仕切る中国の葉小文宗教局長は歓迎パーティーの席上、「物は分けられないものだ」とする星雲法師の法話を引用して「台湾海峡両岸はさらに分けられない」と居丈高に演説、大拍手を受けたのだが、この人物が得意絶頂でいられたのはそこまでだった。

星雲法師とフォーラムを仕切る中共の葉小文宗教局長(右)
台湾では世論、野党、メディアが、星雲法師の発言にも、葉小文局長の発言にも反撥したのだ。さらには「ダライが『チベットは中国の一部』『台湾は中国の一部』と承認したなら、主催者は彼の招待も考える」と語ったフォーラムのスポークスマン、明生法師の発言にも反撥した。
そして流れが変わった。まず星雲法師が次のような子供染みた釈明を行い、醜態を晒した。
■信用失墜の大師―日台に共通する媚中派の生態
「台湾人は各地から来た移民の子孫。だから台湾人は存在しないと述べた」「みんな中国人であることは否定できない」「私は中国で生まれたのに台湾では外省人と呼ばれ、故郷へ帰ると『台湾の和尚』と呼ばれる。自分がどこの人間かわからなくなり、いっそのこと『私は地球人』と話した」
つまり「大師」と崇められるこの人物は、何と「みんな中国人」発言は「みんな地球人」の意味だった言い出し、自らの信用を失墜させたのである。

「地球人」と発言した、と釈明する星雲法師。媚中は良心をも失わせるのか
昨年、「台湾は中国の一地域」との媚中発言で抗議を受けた長崎県の金子原二郎知事が、「台湾を国ではなく『地域』(アジアの地域)とする政府見解に従ったもの」と強弁し、醜態を晒したのと軌を一にしているが、媚中派の生態は共通するものなのだ。
もっとも良識ある世論の指弾がなければ、その生態が抉り出されることはない。
■媚中派の本質を突いた台湾人の怒り
台湾人の宗教関係者や知識人による星雲発言を批判する記者会見も開かれ、長老教会の羅栄光牧師はこう問い掛けた。
「仏教は衆生平等を説いているはず。しかし中国政府は法輪功を弾圧し、臓器摘出まで行い、百万人以上ものチベット人を虐殺し、ミャンマーの仏教徒を殺害するミャンマー軍事政権を支持し、さらにはミサイルの照準を台湾の仏教徒に合わせているが、これについて星雲は何か発言したのか」
台湾教授協会の陳儀深会長も「ダライ・ラマ十四世は『台湾は中国の一部』とは言わないが、星雲は『チベットは中国の一部』と発言した。自分の利益のために他人の利益を損なってはならない」と訴えた。

知識人らが抗議の記者会見。中共の残虐行為を見逃して
いいのかと
これらの批判は星雲法師だけでなく、中国に追従はしても批判は敢えてしない日本の媚中派に対しても、そっくりそのまま向けるものだろう。
そのほか、仏光山には群集が抗議に殺到。フォーラム会場も不測の事態に備えて警備が強化された。

法輪功学習者もフォーラム会場付近で抗議。葉小文宗教
局長は法輪功の悪魔化言論の散布で知られている
■台湾人の反撥で後退した統戦工作
中共の指令によるものだろうか。四月一日のフォーラムの閉幕式やその後のパーティーで、もはや中国政府関係者が挨拶で登壇することはなかった。「ダライが『中国の一部』と認めるなら・・・」と発言した明生法師も、「あれは新華社が勝手に書いたもの」として、発言を否定した。星雲法師も「何も言っていない。私は仏教を語っただけだ」と強調し、やはり「台湾人はみんな中国人」発言を否定した。
台湾人の猛反撥を受け、フォーラムを通じた統戦工作は大きく後退したようだ。
■利用される国民党主席―信念のない者が工作対象となる
もっとも変幻自在なのが中共の工作。どこから再び手が伸びてくるかはわからない。
国際仏光総会副会長の身分で出席した呉伯雄・国民党主席は挨拶で、「台湾の二千三百万人はみな台湾人だ」と強調したが、これは星雲発言に対する有権者の怒りに配慮したものだろう。ところが彼は中共にも配慮し、「それと同時に炎黄の子孫だ」とも付け加えた。「炎黄の子孫」とは「漢民族・中華民族」のこと。さっそく香港のメディアによって「呉主席が『台湾人は炎黄の子孫』と発言」とのタイトルで報じられてしまった。

閉会式で挨拶に立つ呉伯雄・国民党主席。「2300万人はみな台湾人」と言っ
たところまではよかったが・・・
こうした信念のない軟弱姿勢が、中共の統戦工作に利用されるのだ。
■知恵と勇気が中共の心理戦を打ち破る
利益追求に汲々とし、戦争での死を極端に恐れるのが中国人の民族性と言われるが、中共の統戦工作は、まさにその性格に付け入るものなのだ。最も統戦の怖さを熟知する国民党も、だからこそそれにいつまでも引っ掛かり続けるのである。
翻って戦後日本人を見ると、こちらも統戦工作にとってはまさに格好のカモである。事実、媚中派はつねに中国に利益を求め、その顔色を窺いながら従属しているのではないのか。
中共が日本人に親近感を抱かせる心理戦に出るならば、その意図を見抜き、それを打ち破れば言いということを、今回の世界仏教フォーラムに対する台湾人の反撥が教えてくれる。
もし今後、中共のチベット支配、台湾侵略と言った悪辣な政策を断固非難できるほどの知恵と勇気を回復できれば、統戦工作の入り込む余地は大きく狭められるはずである。
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運動を拡大したいので。
第5回 鄭南榕記念・台湾問題講演会

台湾建国烈士・鄭南榕氏
戒厳令下の台湾において、公開の場で初めて台湾の独立建国を叫び、あるいは2・28事件の真相究明を求め、遂には一死をもって国民党の圧政に抗し、台湾に民主・自由の道を開いた台湾建国の鄭南榕烈士。
鄭烈士は1988年末、台湾独立建国聯盟主席だった許世楷氏(前駐日代表)の「台湾共和国憲法草案」を、自由時代社を主宰し自ら編集長をつとめる週刊誌「自由時代」に掲載。1989年の年が明け、検察は叛乱罪容疑で召喚しようとしたが鄭烈士は頑として応じず、台北市内の自社に籠城、完全な言論の自由を求めて抗議し続けた。「国民党が私を逮捕できるとすれば私の屍だけだ」と宣言、4月7日午前9時過ぎ、警官隊が包囲する中、ガソリンをかぶって覚悟の自決を遂げられた。享年42。
今年は自焚後20年という節目の年にあたり、葉菊蘭夫人(前行政院副院長、前高雄市長)と一人娘の竹梅さんも臨席。鄭烈士と親しかった本会の宗像隆幸会長と、日台安全保障問題の第一人者の川村純彦氏を講師に「台湾問題講演会」と銘打って開催いたします。奮ってご参加くださいますよう謹んでご案内申し上げます。
■日 時 2009年4月5日(日) 午後2時30分~7時30分(開場:2時)
■会 場 文京区民センター 3A
東京都文京区本郷4-15-14 TEL:03-3814-6731(文京シビックセンターの斜向い)
【交通】都営地下鉄:三田線・大江戸線「春日駅」徒歩1分
東京メトロ:丸ノ内線・南北線「後楽園駅」徒歩3分
JR総武中央線「水道橋駅」徒歩10分
■講演1 宗像隆幸氏(鄭南榕顕彰会会長、アジア安保フォーラム幹事)
演題「日台運命共同体の意味」
■講演2 川村純彦氏(元海将補、川村研究所代表、岡崎研究所副理事長)
演題「日台関係の戦略的な重要性」
■参加費 1,000円
■懇親会 同会場にて、午後5時30分~7時30分【懇親会費:3,000円】
■お申込 4月4日(土)まで
申込フォーム:http://www.ritouki.jp/cgi-bin/enquete/form0043.reg
FAX: 03-5211-8810 E-mail:info@ritouki.jp
■主 催 鄭南榕顕彰会(日台交流教育会、日本李登輝友の会、台湾研究フォーラム)
■後 援 在日台湾同郷会、在日台湾婦女会、台湾独立建国聯盟日本本部、日本台湾医師連合、怡友会
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第5回「台湾建国烈士・鄭南榕記念 台湾問題講演会」 申込書
ご氏名: TEL:
懇親会:出席 欠席(いずれかに○をつけてください)
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中共の「三大法宝」(三つの日常必要なもの)は「党の建設」「武装闘争」「統一戦線」だが、その中の「統一戦線」(統戦)とは、毛沢東の『新民主主義理論』(一九三九年)によると、「頑固勢力」(主要敵)の前で「中間勢力」(その次の敵)を可能な限り取り込んで団結し、「頑固勢力」を孤立させて撃破すると言うもの。敵の分裂を図る心理戦、世論戦でもあるが、協力した「中間勢力」はその後もちろん、粛清、弾圧の対象となる。
戦後は日本も中共によって統戦をかけられている。中共の秘密文書とされる「日本解放第二期工作要綱」には、日本の群集に中国への親近感を抱かせて掌握する心理戦を進め、右翼反動分子を孤立させよとあるが、これこそが統戦工作である。文書の真贋は別としても、事実そのようにして中共は、日本との国交樹立に成功し、政界、財界、学界、メディア界の所謂「媚中派」に影響力を行使して、中国に位負けする今日の日本があるわけである。
■餌は利益ー統戦工作で危機に立ち至る台湾
国共内戦での中共の勝利は、この統戦によるところが極めて大だった。当時中共は自由主義の知識分子を結集するとともに、非蒋介石系の国民党武装勢力と結んで国民党を分裂させたのだ。国民党の台湾敗退後も工作は継続され、党外(非国民党)の民主運動家などがその対象となった。
ところが二〇〇〇年、台湾人政党である民進党が政権を握ると、この台湾独立(中国離れ)勢力が打倒すべき「頑固勢力」となり、国民党が団結すべき「中間勢力」となったのだ。かくして国民党は経済、安保、そして権力の餌に釣られ、中共の強力なバックアップを受けた〇八年に政権を奪取。今後同党が中国傾斜を強め、やがては中国統一に応じるとの中共の戦略的シナリオ通り、に事態が進展することが懸念されているわけだ。
■世界仏教フォーラムに見る統戦の露骨な手口
この前の記事でも書いたが、中共の肝煎りによる第二回世界仏教フォーラムが三月二十八日から四月一日まで、中国の無錫、そしてその後は台湾の台北に会場を移して開催された。
【参考】仏教徒の堕落―侵略国家を翼賛する世界仏教フォーラム
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台湾の五大仏教団体の一つである仏光山の星雲法師や、中国の傀儡であるバンチェン・ラマの参加がクローズアップされたように、これが台湾、そしてチベットに対する統戦工作の一環だったことは明らかだ。

チベット人の懐柔と分断のため、中国に操縦されるバンチェン・ラマ
中国出身で中国統一思想を抱く星雲法師は中共から見れば格好の工作対象なのだろう。無錫で主催者(名義上は中国仏教協会だが、実際には浙江省宗教局)は、台湾の記者を太湖見物に連れて行き、その間に中国と香港の記者を集めて星雲法師にインタビューを行った。新華社が配信する星雲法師に開会の祝辞を述べさせるためだ。
そこで彼は「台湾には台湾人など存在しない。みな中国人だ」「ダライ・ラマは自分が中国人であることを忘れないで欲しい」と述べた。
■勢いづく中共の攻勢を阻止した世論の怒り
台湾で幾万もの信徒に影響力を持つ星雲法師をコントロールした中共は勢いづいた。会場を台北へ移すや、フォーラムを取り仕切る中国の葉小文宗教局長は歓迎パーティーの席上、「物は分けられないものだ」とする星雲法師の法話を引用して「台湾海峡両岸はさらに分けられない」と居丈高に演説、大拍手を受けたのだが、この人物が得意絶頂でいられたのはそこまでだった。

星雲法師とフォーラムを仕切る中共の葉小文宗教局長(右)
台湾では世論、野党、メディアが、星雲法師の発言にも、葉小文局長の発言にも反撥したのだ。さらには「ダライが『チベットは中国の一部』『台湾は中国の一部』と承認したなら、主催者は彼の招待も考える」と語ったフォーラムのスポークスマン、明生法師の発言にも反撥した。
そして流れが変わった。まず星雲法師が次のような子供染みた釈明を行い、醜態を晒した。
■信用失墜の大師―日台に共通する媚中派の生態
「台湾人は各地から来た移民の子孫。だから台湾人は存在しないと述べた」「みんな中国人であることは否定できない」「私は中国で生まれたのに台湾では外省人と呼ばれ、故郷へ帰ると『台湾の和尚』と呼ばれる。自分がどこの人間かわからなくなり、いっそのこと『私は地球人』と話した」
つまり「大師」と崇められるこの人物は、何と「みんな中国人」発言は「みんな地球人」の意味だった言い出し、自らの信用を失墜させたのである。

「地球人」と発言した、と釈明する星雲法師。媚中は良心をも失わせるのか
昨年、「台湾は中国の一地域」との媚中発言で抗議を受けた長崎県の金子原二郎知事が、「台湾を国ではなく『地域』(アジアの地域)とする政府見解に従ったもの」と強弁し、醜態を晒したのと軌を一にしているが、媚中派の生態は共通するものなのだ。
もっとも良識ある世論の指弾がなければ、その生態が抉り出されることはない。
■媚中派の本質を突いた台湾人の怒り
台湾人の宗教関係者や知識人による星雲発言を批判する記者会見も開かれ、長老教会の羅栄光牧師はこう問い掛けた。
「仏教は衆生平等を説いているはず。しかし中国政府は法輪功を弾圧し、臓器摘出まで行い、百万人以上ものチベット人を虐殺し、ミャンマーの仏教徒を殺害するミャンマー軍事政権を支持し、さらにはミサイルの照準を台湾の仏教徒に合わせているが、これについて星雲は何か発言したのか」
台湾教授協会の陳儀深会長も「ダライ・ラマ十四世は『台湾は中国の一部』とは言わないが、星雲は『チベットは中国の一部』と発言した。自分の利益のために他人の利益を損なってはならない」と訴えた。

知識人らが抗議の記者会見。中共の残虐行為を見逃して
いいのかと
これらの批判は星雲法師だけでなく、中国に追従はしても批判は敢えてしない日本の媚中派に対しても、そっくりそのまま向けるものだろう。
そのほか、仏光山には群集が抗議に殺到。フォーラム会場も不測の事態に備えて警備が強化された。

法輪功学習者もフォーラム会場付近で抗議。葉小文宗教
局長は法輪功の悪魔化言論の散布で知られている
■台湾人の反撥で後退した統戦工作
中共の指令によるものだろうか。四月一日のフォーラムの閉幕式やその後のパーティーで、もはや中国政府関係者が挨拶で登壇することはなかった。「ダライが『中国の一部』と認めるなら・・・」と発言した明生法師も、「あれは新華社が勝手に書いたもの」として、発言を否定した。星雲法師も「何も言っていない。私は仏教を語っただけだ」と強調し、やはり「台湾人はみんな中国人」発言を否定した。
台湾人の猛反撥を受け、フォーラムを通じた統戦工作は大きく後退したようだ。
■利用される国民党主席―信念のない者が工作対象となる
もっとも変幻自在なのが中共の工作。どこから再び手が伸びてくるかはわからない。
国際仏光総会副会長の身分で出席した呉伯雄・国民党主席は挨拶で、「台湾の二千三百万人はみな台湾人だ」と強調したが、これは星雲発言に対する有権者の怒りに配慮したものだろう。ところが彼は中共にも配慮し、「それと同時に炎黄の子孫だ」とも付け加えた。「炎黄の子孫」とは「漢民族・中華民族」のこと。さっそく香港のメディアによって「呉主席が『台湾人は炎黄の子孫』と発言」とのタイトルで報じられてしまった。

閉会式で挨拶に立つ呉伯雄・国民党主席。「2300万人はみな台湾人」と言っ
たところまではよかったが・・・
こうした信念のない軟弱姿勢が、中共の統戦工作に利用されるのだ。
■知恵と勇気が中共の心理戦を打ち破る
利益追求に汲々とし、戦争での死を極端に恐れるのが中国人の民族性と言われるが、中共の統戦工作は、まさにその性格に付け入るものなのだ。最も統戦の怖さを熟知する国民党も、だからこそそれにいつまでも引っ掛かり続けるのである。
翻って戦後日本人を見ると、こちらも統戦工作にとってはまさに格好のカモである。事実、媚中派はつねに中国に利益を求め、その顔色を窺いながら従属しているのではないのか。
中共が日本人に親近感を抱かせる心理戦に出るならば、その意図を見抜き、それを打ち破れば言いということを、今回の世界仏教フォーラムに対する台湾人の反撥が教えてくれる。
もし今後、中共のチベット支配、台湾侵略と言った悪辣な政策を断固非難できるほどの知恵と勇気を回復できれば、統戦工作の入り込む余地は大きく狭められるはずである。
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台湾建国烈士・鄭南榕氏
戒厳令下の台湾において、公開の場で初めて台湾の独立建国を叫び、あるいは2・28事件の真相究明を求め、遂には一死をもって国民党の圧政に抗し、台湾に民主・自由の道を開いた台湾建国の鄭南榕烈士。
鄭烈士は1988年末、台湾独立建国聯盟主席だった許世楷氏(前駐日代表)の「台湾共和国憲法草案」を、自由時代社を主宰し自ら編集長をつとめる週刊誌「自由時代」に掲載。1989年の年が明け、検察は叛乱罪容疑で召喚しようとしたが鄭烈士は頑として応じず、台北市内の自社に籠城、完全な言論の自由を求めて抗議し続けた。「国民党が私を逮捕できるとすれば私の屍だけだ」と宣言、4月7日午前9時過ぎ、警官隊が包囲する中、ガソリンをかぶって覚悟の自決を遂げられた。享年42。
今年は自焚後20年という節目の年にあたり、葉菊蘭夫人(前行政院副院長、前高雄市長)と一人娘の竹梅さんも臨席。鄭烈士と親しかった本会の宗像隆幸会長と、日台安全保障問題の第一人者の川村純彦氏を講師に「台湾問題講演会」と銘打って開催いたします。奮ってご参加くださいますよう謹んでご案内申し上げます。
■日 時 2009年4月5日(日) 午後2時30分~7時30分(開場:2時)
■会 場 文京区民センター 3A
東京都文京区本郷4-15-14 TEL:03-3814-6731(文京シビックセンターの斜向い)
【交通】都営地下鉄:三田線・大江戸線「春日駅」徒歩1分
東京メトロ:丸ノ内線・南北線「後楽園駅」徒歩3分
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演題「日台運命共同体の意味」
■講演2 川村純彦氏(元海将補、川村研究所代表、岡崎研究所副理事長)
演題「日台関係の戦略的な重要性」
■参加費 1,000円
■懇親会 同会場にて、午後5時30分~7時30分【懇親会費:3,000円】
■お申込 4月4日(土)まで
申込フォーム:http://www.ritouki.jp/cgi-bin/enquete/form0043.reg
FAX: 03-5211-8810 E-mail:info@ritouki.jp
■主 催 鄭南榕顕彰会(日台交流教育会、日本李登輝友の会、台湾研究フォーラム)
■後 援 在日台湾同郷会、在日台湾婦女会、台湾独立建国聯盟日本本部、日本台湾医師連合、怡友会
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