わかりやすい「台湾の危機」の話―台湾問題は日本問題と伝えよう
2008/11/10/Mon
日本国民はのんびりしているが、日本の国防の要でもある台湾は現在、とても危険な方向に向かっている。中国の傀儡とも言うべき国民党の馬英九が今年五月に政権を握ったからだ。
中国人である馬英九ら国民党の中枢が、「台湾人のために強大な中国と対立するか」、あるいは「中国と同じ中国人として和解して自分たちの身を保全するか」の二者択一を迫られれば、その結論は後者だとしか考えられない。
そこで台湾研究フォーラムでは十一月九日、台湾独立建国連盟日本本部の機関誌「台湾青年」の元編集長で、現在はアジア安保フォーラム幹事である宗像隆幸氏を招き、その問題について講演をお願いした。
演題は「『統一』へ邁進する馬英九政権」。非常にわかりやすく、説得力に富む話だったので、ここでその要点を紹介したい。

宗像隆幸氏
同氏によると、「もし台湾が中国に取られたら、東支名海と南支那海は中国の内海となり、日本の艦船などは、いかに航行の自由があるといっても、中国はいくらでも妨害をすることができ、いとも簡単に日本のシーレーンを封鎖することが可能になって、日本は中国にものが言えなくなる」と言う。また米空母艦隊もそこへは入れなくなるだろう」とも。なぜなら「中国の潜水艦に対処しきれない」が同艦隊の弱みだからだ。

米空母艦隊の脅威となっている中国の潜水艦
では台湾は本当に中国の併呑されてしまうのだろうか。宗像氏は「馬英九政権は中国には台湾鎮圧の権利があることを認めた」と言うのだ。
次のような話だ。
馬英九は中国の注文どおりに動いている。たとえば彼は日本の雑誌「世界」で「中国大陸も中華民国の領土」などと馬鹿なことを言っていた。
「中国は一つ。中国とは中華民国」が彼の考えだが、これを世界各国はどう思うだろうか。各国にとって「中国(チャイナ)」と言えば中華人民共和国だ。そもそも中華民国など、その名前すら知らない。これでは「何だ、台湾のリーダーも台湾は中国の一部と認めたのか」と考えるだろう。そして「何だ、台湾は中国と内戦を続けているのか」と。実はこれこそが中国の一番望んでいることなのだ。

青天白日旗と国父孫文の肖像は世界の誤解を招く
チャイナ共和国(中華民国)体制の象徴だ
李登輝総統は一九九一年、憲法修正を通じ、蒋介石、蒋経国時代以来の「中国内戦状態」の停止を宣言し、さらにその後はもっと具体的に、台湾と中国は「国と国との関係」と発言した。これは台湾は中国とは別個の国であると言う現実を明確にしたものだった。別個の国だから、もし中国がこの国を侵略したら、または武力で威嚇しただけで、それは国際法上、中国の侵略行為となる。
しかし内戦と言うことになれば、台湾は中国の反乱分子と位置づけられ、国家にはそれを鎮圧する権利があるから、中国には台湾鎮圧が許されることとなるのだ。
馬英九が「一つの中国」を認めると言うことは、中国のその権利を認めると言うことになるのである。だから李登輝氏をはじめ多くの台湾人は、「馬英九は台湾を売ろうとしている」と言っている。
馬英九は中国と停戦協定を結ぶと言っているが、それは中国の要求を呑まない限り成立することはない。では中国の要求はと言うと、それは「台湾は中国の併呑を受けろ」だ。
李登輝氏の「静かなる革命」(民主改革)は素晴らしかったが、その反面、旧体制が残ってしまった。そして馬英九政権で権力を握っているのは統一派(旧支配者勢力)で、蒋介石、経国時代と同様、まともな選挙はやろうとしないだろう。このような政権が続く限り、台湾は中国の言いなりになり続けるだけであり、やがては併呑を受けることになる、と言うのが中国側の計算だ。
このように、実に恐ろしい情勢である。
ところが米国は、台湾のこの危機的状況をあたかも他人事のように見ているところがある。そこで宗像氏は力説したのは、米国政府に「日本と台湾が運命共同体であることを伝える必要がある」と言うことだ。しかしこの話を米大統領にまで伝えることは難しい。だから「日本政府に伝えることができれば」と語る一方、米国議員を動かすことも大事だ提案した。
前例もある。一九七九年、米国ではカーター政権が台湾のことはまったく考えることなく米中の国交樹立と米台の断交を行ったが、これを受け台湾を国家と同様に扱い、武器の提供も行うと定める台湾関係法が制定されたが、宗像氏によると、その背景には台湾独立建国連盟のメンバーが、議員たちを動かすと言う経緯があったのだ。
また日本においても、議員や政治に影響力を持つ評論家などに対し、台湾のことを理解させること、「台湾問題は日本の問題」と広く知らせることが重要だとも訴えた。
宗像氏は「日台、または日米台が緊密な関係にあればあるほど、東アジアの人々は幸せだ」と言って話を終えたが、まったくその通りだと思う。
台湾の有権者が国民党政権を選択することになった状況の根本にあるものは、「中国との戦争は嫌だ」がある。台湾を守るはずの日米が自分たちを飛び越して中国と握手するのを見た台湾人が国防の自信を失い、自らを平和の使徒などとする国民党の宣伝に飛び付いたのも自然の流れと言うべきか。
その状況を打破するのだ。日本人までもが、国民党が中国と和解してくれれば東アジアの安全は大丈夫だなどと考えているとしたら愚の骨頂。日本人には国民党の中国傾斜を恐れる多くの台湾人に勇気を与えるアクションが求められている。また、そうした日台の団結は、中国には大きな牽制となるだろう。日本さえ台湾防衛の決意を見せれば、米国もまた動かざるを得なくなるのである。
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中国人である馬英九ら国民党の中枢が、「台湾人のために強大な中国と対立するか」、あるいは「中国と同じ中国人として和解して自分たちの身を保全するか」の二者択一を迫られれば、その結論は後者だとしか考えられない。
そこで台湾研究フォーラムでは十一月九日、台湾独立建国連盟日本本部の機関誌「台湾青年」の元編集長で、現在はアジア安保フォーラム幹事である宗像隆幸氏を招き、その問題について講演をお願いした。
演題は「『統一』へ邁進する馬英九政権」。非常にわかりやすく、説得力に富む話だったので、ここでその要点を紹介したい。

宗像隆幸氏
同氏によると、「もし台湾が中国に取られたら、東支名海と南支那海は中国の内海となり、日本の艦船などは、いかに航行の自由があるといっても、中国はいくらでも妨害をすることができ、いとも簡単に日本のシーレーンを封鎖することが可能になって、日本は中国にものが言えなくなる」と言う。また米空母艦隊もそこへは入れなくなるだろう」とも。なぜなら「中国の潜水艦に対処しきれない」が同艦隊の弱みだからだ。

米空母艦隊の脅威となっている中国の潜水艦
では台湾は本当に中国の併呑されてしまうのだろうか。宗像氏は「馬英九政権は中国には台湾鎮圧の権利があることを認めた」と言うのだ。
次のような話だ。
馬英九は中国の注文どおりに動いている。たとえば彼は日本の雑誌「世界」で「中国大陸も中華民国の領土」などと馬鹿なことを言っていた。
「中国は一つ。中国とは中華民国」が彼の考えだが、これを世界各国はどう思うだろうか。各国にとって「中国(チャイナ)」と言えば中華人民共和国だ。そもそも中華民国など、その名前すら知らない。これでは「何だ、台湾のリーダーも台湾は中国の一部と認めたのか」と考えるだろう。そして「何だ、台湾は中国と内戦を続けているのか」と。実はこれこそが中国の一番望んでいることなのだ。

青天白日旗と国父孫文の肖像は世界の誤解を招く
チャイナ共和国(中華民国)体制の象徴だ
李登輝総統は一九九一年、憲法修正を通じ、蒋介石、蒋経国時代以来の「中国内戦状態」の停止を宣言し、さらにその後はもっと具体的に、台湾と中国は「国と国との関係」と発言した。これは台湾は中国とは別個の国であると言う現実を明確にしたものだった。別個の国だから、もし中国がこの国を侵略したら、または武力で威嚇しただけで、それは国際法上、中国の侵略行為となる。
しかし内戦と言うことになれば、台湾は中国の反乱分子と位置づけられ、国家にはそれを鎮圧する権利があるから、中国には台湾鎮圧が許されることとなるのだ。
馬英九が「一つの中国」を認めると言うことは、中国のその権利を認めると言うことになるのである。だから李登輝氏をはじめ多くの台湾人は、「馬英九は台湾を売ろうとしている」と言っている。
馬英九は中国と停戦協定を結ぶと言っているが、それは中国の要求を呑まない限り成立することはない。では中国の要求はと言うと、それは「台湾は中国の併呑を受けろ」だ。
李登輝氏の「静かなる革命」(民主改革)は素晴らしかったが、その反面、旧体制が残ってしまった。そして馬英九政権で権力を握っているのは統一派(旧支配者勢力)で、蒋介石、経国時代と同様、まともな選挙はやろうとしないだろう。このような政権が続く限り、台湾は中国の言いなりになり続けるだけであり、やがては併呑を受けることになる、と言うのが中国側の計算だ。
このように、実に恐ろしい情勢である。
ところが米国は、台湾のこの危機的状況をあたかも他人事のように見ているところがある。そこで宗像氏は力説したのは、米国政府に「日本と台湾が運命共同体であることを伝える必要がある」と言うことだ。しかしこの話を米大統領にまで伝えることは難しい。だから「日本政府に伝えることができれば」と語る一方、米国議員を動かすことも大事だ提案した。
前例もある。一九七九年、米国ではカーター政権が台湾のことはまったく考えることなく米中の国交樹立と米台の断交を行ったが、これを受け台湾を国家と同様に扱い、武器の提供も行うと定める台湾関係法が制定されたが、宗像氏によると、その背景には台湾独立建国連盟のメンバーが、議員たちを動かすと言う経緯があったのだ。
また日本においても、議員や政治に影響力を持つ評論家などに対し、台湾のことを理解させること、「台湾問題は日本の問題」と広く知らせることが重要だとも訴えた。
宗像氏は「日台、または日米台が緊密な関係にあればあるほど、東アジアの人々は幸せだ」と言って話を終えたが、まったくその通りだと思う。
台湾の有権者が国民党政権を選択することになった状況の根本にあるものは、「中国との戦争は嫌だ」がある。台湾を守るはずの日米が自分たちを飛び越して中国と握手するのを見た台湾人が国防の自信を失い、自らを平和の使徒などとする国民党の宣伝に飛び付いたのも自然の流れと言うべきか。
その状況を打破するのだ。日本人までもが、国民党が中国と和解してくれれば東アジアの安全は大丈夫だなどと考えているとしたら愚の骨頂。日本人には国民党の中国傾斜を恐れる多くの台湾人に勇気を与えるアクションが求められている。また、そうした日台の団結は、中国には大きな牽制となるだろう。日本さえ台湾防衛の決意を見せれば、米国もまた動かざるを得なくなるのである。
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