中国領事館が狼狽―李登輝氏の来日講演
2008/09/24/Wed
中国覇権主義の抑止を急務と考える日本人に対し、私は「沖縄を訪問中の李登輝氏こそ、対中国最前線に位置するリーダーである」と強調して伝えたい。
22日から日本を訪問している李登輝氏
戦後の台湾で、最初に「台湾は中国の一部ではない」と世界に訴えた総統が李登輝氏だった。蒋介石時代以来の「一つの中国」の建前を放棄し、台湾を「台湾人の主権国家」へと改造した李登輝氏は、かくして台湾を併呑して東アジア・西太平洋地域に覇権を打ち立てることを国家目標に定める中国にとり、世界で最も許しがたい人間となった。だから総統選挙で同氏の当選を阻止するため、台湾沖合いにミサイルを撃ち込み、世界を震撼させるまでしたのだ。
李登輝氏は台湾を防衛するために、中国人化教育で洗脳された台湾国民に台湾人意識を持たせる一方、「日本と台湾は運命共同体」「台湾は日本の生命線」だとして、日本人に奮起と、台湾との関係強化を訴えてきた。
その結果、多くの台湾人は台湾人として目覚めたが、それと同時に多くの日本人も目覚め、台湾の重要性を知ることとなった。李登輝氏は元日本国民であり、日本文化をよく理解しているだけでなく、日本人への深い愛情も持っていから、なおさら日本人は、同氏の激励に感奮することになるのだろう。
それだからこそ中国は、「訪日の裏には政治的な目的がある」として、李登輝氏の日本訪問を許すことができないできたのだが、今回またしても李登輝氏が日本を訪問したのだ。しかも日本人の前で講演まで行うと言うから、これは黙ってはいられない。
講演は宜野湾市で二十三日、「学問のすゝめと日本文化の特徴」と題して行われたが、台湾のメディアによると、「中国領事館も関心を抱いた。そしてさらには何人もの沖縄在住の大陸系華僑まで聴講に来た。このため日本の警察は大量の人員を派遣して李登輝氏の警護にあてた」と言う。
そして「大陸系華僑のリーダーは李登輝の言動一つひとつを理解するため、講演をすべて聴いた」「沖縄華人総会の張副会長は『中国の領事館はもちろん李登輝先生のこの講演でどのような言論があるかに大きな注意を払っていると思う。中国政府が注意し、関心を持つことは正常だ。理解できないことではない』と話していた」そうだ。
さてその講演だが、前売券、当日券とも売り切れの盛況で、会場は千七百人の聴衆で埋め尽くされた。
1700人の聴衆を前に講演を行う李登輝氏
そこで李登輝氏は次のように語った。
ーー自然との調和や武士道に起因する高い精神性を生活に組み込む日本の文明は稀な文明。公の精神が育まれている。
ーー日本人の死生観は中国人とは違う。中国人は生のみを考えるが、日本人は死を知ることで、生きている間に何をなすべきかを考える。
ーー老子は、道は口では言い表せないと言ったが、日本人は華道や茶道でも道を表現できる。
ーー高い精神性を取り戻せ。物質至上主義で金儲けをするばかりではだめだ。
ーー台湾でも日本でも強いリーダーが必要だ。
ーー私が奥の細道を歩いたり、本を書いたりするのも、日本人にヒントを与えるためなのだ。
なお李登輝氏は前夜の歓迎レセプションで次のように述べているので、あわせて紹介したい。
ーー私は日本のエリート教育を受けて育った。だから私は権力は人民を幸福にする手段と考え、それを濫用するまいと誓い、十二年間の総統任期を全うした。
ーー馬英九政権は反民主の姿勢を明らかにしつつある。
講演を聴いた前出の張・沖縄華人総会副会長は「知識が深く広い。とくに日本への理解はすばらしい」としながらも、「台湾に対する見方は違うようだ。彼の話をみんなが受け入れていると言うなら、なぜ彼が指導する政党は、真の民主主義である台湾の選挙で敗北するのか」とメディアに語っているが、実に精神性の低いコメントだ。
いかに長く日本に居住しても、やはり中国人には「公の精神」に欠けているようだ。なぜなら彼らの頑なな「台湾に対する見方」は強盗の論理に基づくもの。つまり侵略思想によるものだからだ。
私は冒頭で「李登輝氏は対中国最前線のリーダー」と述べたが、それは中国と言う邪悪な侵略国家に対する理念、思想、信念、価値観など「文明の戦い」におけるリーダーであると言うことなのだ。
現下の日中関係、台中関係を見ても、この「戦い」において日本と台湾は劣勢にある。そこで日本人もまた「高い精神性」を取り戻し、李登輝氏とともに立ち上がらなければならないだろう。なぜならリーダー一人では戦えないからだ。中国もまた、それを警戒して狼狽しているのである。
講演終了後、割れんばかりの拍手が。次に立ち上がるべきは日本人だ
【付記】 李登輝氏は二十四日、仲井眞弘多沖縄県知事との昼食会で、「尖閣諸島は日本の領土だ」と明言した。「戦前はあの海域で台湾漁民が魚を取っており、総統在任中はその権利を認めてくれるよう日本政府と交渉してきた」と明らかにするとともに、「馬英九政権は尖閣は中華民国の領土だと言っているが、それは政治的なもの」と指摘した。
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22日から日本を訪問している李登輝氏
戦後の台湾で、最初に「台湾は中国の一部ではない」と世界に訴えた総統が李登輝氏だった。蒋介石時代以来の「一つの中国」の建前を放棄し、台湾を「台湾人の主権国家」へと改造した李登輝氏は、かくして台湾を併呑して東アジア・西太平洋地域に覇権を打ち立てることを国家目標に定める中国にとり、世界で最も許しがたい人間となった。だから総統選挙で同氏の当選を阻止するため、台湾沖合いにミサイルを撃ち込み、世界を震撼させるまでしたのだ。
李登輝氏は台湾を防衛するために、中国人化教育で洗脳された台湾国民に台湾人意識を持たせる一方、「日本と台湾は運命共同体」「台湾は日本の生命線」だとして、日本人に奮起と、台湾との関係強化を訴えてきた。
その結果、多くの台湾人は台湾人として目覚めたが、それと同時に多くの日本人も目覚め、台湾の重要性を知ることとなった。李登輝氏は元日本国民であり、日本文化をよく理解しているだけでなく、日本人への深い愛情も持っていから、なおさら日本人は、同氏の激励に感奮することになるのだろう。
それだからこそ中国は、「訪日の裏には政治的な目的がある」として、李登輝氏の日本訪問を許すことができないできたのだが、今回またしても李登輝氏が日本を訪問したのだ。しかも日本人の前で講演まで行うと言うから、これは黙ってはいられない。
講演は宜野湾市で二十三日、「学問のすゝめと日本文化の特徴」と題して行われたが、台湾のメディアによると、「中国領事館も関心を抱いた。そしてさらには何人もの沖縄在住の大陸系華僑まで聴講に来た。このため日本の警察は大量の人員を派遣して李登輝氏の警護にあてた」と言う。
そして「大陸系華僑のリーダーは李登輝の言動一つひとつを理解するため、講演をすべて聴いた」「沖縄華人総会の張副会長は『中国の領事館はもちろん李登輝先生のこの講演でどのような言論があるかに大きな注意を払っていると思う。中国政府が注意し、関心を持つことは正常だ。理解できないことではない』と話していた」そうだ。
さてその講演だが、前売券、当日券とも売り切れの盛況で、会場は千七百人の聴衆で埋め尽くされた。
1700人の聴衆を前に講演を行う李登輝氏
そこで李登輝氏は次のように語った。
ーー自然との調和や武士道に起因する高い精神性を生活に組み込む日本の文明は稀な文明。公の精神が育まれている。
ーー日本人の死生観は中国人とは違う。中国人は生のみを考えるが、日本人は死を知ることで、生きている間に何をなすべきかを考える。
ーー老子は、道は口では言い表せないと言ったが、日本人は華道や茶道でも道を表現できる。
ーー高い精神性を取り戻せ。物質至上主義で金儲けをするばかりではだめだ。
ーー台湾でも日本でも強いリーダーが必要だ。
ーー私が奥の細道を歩いたり、本を書いたりするのも、日本人にヒントを与えるためなのだ。
なお李登輝氏は前夜の歓迎レセプションで次のように述べているので、あわせて紹介したい。
ーー私は日本のエリート教育を受けて育った。だから私は権力は人民を幸福にする手段と考え、それを濫用するまいと誓い、十二年間の総統任期を全うした。
ーー馬英九政権は反民主の姿勢を明らかにしつつある。
講演を聴いた前出の張・沖縄華人総会副会長は「知識が深く広い。とくに日本への理解はすばらしい」としながらも、「台湾に対する見方は違うようだ。彼の話をみんなが受け入れていると言うなら、なぜ彼が指導する政党は、真の民主主義である台湾の選挙で敗北するのか」とメディアに語っているが、実に精神性の低いコメントだ。
いかに長く日本に居住しても、やはり中国人には「公の精神」に欠けているようだ。なぜなら彼らの頑なな「台湾に対する見方」は強盗の論理に基づくもの。つまり侵略思想によるものだからだ。
私は冒頭で「李登輝氏は対中国最前線のリーダー」と述べたが、それは中国と言う邪悪な侵略国家に対する理念、思想、信念、価値観など「文明の戦い」におけるリーダーであると言うことなのだ。
現下の日中関係、台中関係を見ても、この「戦い」において日本と台湾は劣勢にある。そこで日本人もまた「高い精神性」を取り戻し、李登輝氏とともに立ち上がらなければならないだろう。なぜならリーダー一人では戦えないからだ。中国もまた、それを警戒して狼狽しているのである。
講演終了後、割れんばかりの拍手が。次に立ち上がるべきは日本人だ
【付記】 李登輝氏は二十四日、仲井眞弘多沖縄県知事との昼食会で、「尖閣諸島は日本の領土だ」と明言した。「戦前はあの海域で台湾漁民が魚を取っており、総統在任中はその権利を認めてくれるよう日本政府と交渉してきた」と明らかにするとともに、「馬英九政権は尖閣は中華民国の領土だと言っているが、それは政治的なもの」と指摘した。
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