台湾人は反「パンダ」運動で世界の注目を
2008/09/10/Wed
台湾併呑を国家目標に掲げる中国にとり、台湾への「ムチ」は軍事力だが、「アメ」はと言えば、目下その最大の一つとなっているのがパンダである。
二〇〇五年、中国は台湾への武力攻撃を合法化する反国家分裂法を制定して台湾国民を恫喝した直後、当時野党だった国民党の連戦主席の中国訪問を歓迎し、反台湾独立での国共合作を演出しているが、その際に連戦への返礼として二頭のパンダを台湾へ寄贈することを表明した。

台湾への裏切りと評された連戦(左)の訪中。そしてそれへの返礼がパンダの寄贈
しかしこれは危険極まりない中国の「トロイのパンダ」の策略である。絶滅危惧種であるパンダはワシントン条約により、中国での国内移動はともかく、学術研究目的でのレンタル以外の国外移動は許されていないのだが、中国が考えているのはもちろん「国外移動」ではなく「国内移動」である寄贈である。
だからもしレそれを台湾側が受け入れれば、「中国の一部」であると自ら世界に宣言するに等しくなる。
そこで当時の民進党政権は拒否を決めた。しかしパンダ見たさの国内世論が反発した。そしてこの反政府世論を煽ったのが国民党である。その先頭に立ったのが台北市長だった馬英九。台北動物園に受け入れ準備を進めるなどして政府に圧力をかけた。中国も受け入れ要求を繰り返し、国内で台湾へ贈るパンダの名前の募集キャンペーンを行い、「団団」「円円」に決定したと大宣伝した。
ちなみに「団円」とは一家団欒の意味。つまり中国と台湾は同じ中華民族として「団円」しようとの十三億人民の願いが込められていると言うわけで、何から何まで政治的である。
今年三月の総統選挙で馬英九が当選すると、さっそくパンダ問題が再浮上し、受け入れは早くも時間の問題となった。
福田首相は「中国の嫌がることはしない」と明言する朝貢国の国王のようなものだったが、馬英九は「中国の言われるままにする」と言う属国国王、殖民地長官に等しい。先ごろは台湾と中国との関係を「国と国の関係に非ず」と表明している(総統府は「地域と地域の関係」と補足説明)。
これは台湾の国家主権の放棄に等しい。馬英九は台湾も大陸も「中華民国」の地域だと言っているわけだが、世界はおろか、馬英九自身もそれがフィクションであること知っている。
ではパンダはいつ台湾へ贈られて来るのか。
中国の対台湾窓口機関である海峡両岸交流協会の陳雲林会長は九月八日、四川に赴き団団と円円の視察を行い、「パンダを移す前に一ヶ月間の隔離が必要だが、二頭はすでに隔離して半月経つ」ことを明らかにした。そして「今は四歳。五歳になる前に台湾へ贈りたい」とも。

団団・円円の台湾への寄贈準備が進んでいると報じる台湾のニュース画面
報道では、中国政府は十月末に行われる陳雲林の台湾訪問と同時にパンダを送る準備を進めているとされる。
パンダは「寄贈」か「レンタル」か。両者の立場は「国と国」か「地域と地域」か。これについて総統府は「パンダの来台には何の問題もないと信じる」としか説明しない。ちなみに馬英九はかつて日本のメディアに「寄贈として受け取る」と表明していた。

受け入れるのは台北動物園。パンダ舎はとうに完成している
パンダを受け入れれば、「国と国との関係に非ず」をはっきりと国際社会に印象付けることとなるだろう。つまり「台湾問題は所詮は中国の内政問題であり、外国が容喙すべきものではない。台湾人のパンダ歓迎は、中国統一の歓迎を意味している」と。
馬英九政権である限り、もはやパンダの来台は拒めない。それであるならば、この状況に危機感を募らせる台湾本土派は「パンダの受け入れ断固拒否」「台湾は中国の一部ではない」「馬英九政権は民意に反する中国の傀儡政権だ」を叫ぶキャンペーンを大々的に行うべきだ。反パンダ運動となれば国際社会も必ず注視することとなるだろう。
もしデモ隊が、可愛いパンダの縫いぐるみの山に赤いペンキをふりかけるなどのショッキングなパフォーマンスで、「台湾侵略反対」と怒りの叫びを上げれば、馬英九ら在台中国人政権とは異なる台湾人の心の声は、必ず海外メディアを通じて世界に伝わる。
国内向けとしては、パンダを「悪魔の使者」に仕立て上げ、パンダ=中国覇権主義のイメージダウンを図り、それを以って中国への警戒心を煽って行くべきだ。少なくとも「平和の使者」とのイメージを与えてはならない。パンダの可愛らしさで台湾人を籠絡し、親中感情を抱かせようと言うのも、中国の心理戦上の狙いだからだ。
国内のパンダファンの反発を恐れる必要はない。逆に騒ぎを拡大させ、運動の宣伝に利用すればいいのである。
パンダの来台は必至。そこで「禍転じて福となす」の策略を。「禍」で諦めてはならない。
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二〇〇五年、中国は台湾への武力攻撃を合法化する反国家分裂法を制定して台湾国民を恫喝した直後、当時野党だった国民党の連戦主席の中国訪問を歓迎し、反台湾独立での国共合作を演出しているが、その際に連戦への返礼として二頭のパンダを台湾へ寄贈することを表明した。

台湾への裏切りと評された連戦(左)の訪中。そしてそれへの返礼がパンダの寄贈
しかしこれは危険極まりない中国の「トロイのパンダ」の策略である。絶滅危惧種であるパンダはワシントン条約により、中国での国内移動はともかく、学術研究目的でのレンタル以外の国外移動は許されていないのだが、中国が考えているのはもちろん「国外移動」ではなく「国内移動」である寄贈である。
だからもしレそれを台湾側が受け入れれば、「中国の一部」であると自ら世界に宣言するに等しくなる。
そこで当時の民進党政権は拒否を決めた。しかしパンダ見たさの国内世論が反発した。そしてこの反政府世論を煽ったのが国民党である。その先頭に立ったのが台北市長だった馬英九。台北動物園に受け入れ準備を進めるなどして政府に圧力をかけた。中国も受け入れ要求を繰り返し、国内で台湾へ贈るパンダの名前の募集キャンペーンを行い、「団団」「円円」に決定したと大宣伝した。
ちなみに「団円」とは一家団欒の意味。つまり中国と台湾は同じ中華民族として「団円」しようとの十三億人民の願いが込められていると言うわけで、何から何まで政治的である。
今年三月の総統選挙で馬英九が当選すると、さっそくパンダ問題が再浮上し、受け入れは早くも時間の問題となった。
福田首相は「中国の嫌がることはしない」と明言する朝貢国の国王のようなものだったが、馬英九は「中国の言われるままにする」と言う属国国王、殖民地長官に等しい。先ごろは台湾と中国との関係を「国と国の関係に非ず」と表明している(総統府は「地域と地域の関係」と補足説明)。
これは台湾の国家主権の放棄に等しい。馬英九は台湾も大陸も「中華民国」の地域だと言っているわけだが、世界はおろか、馬英九自身もそれがフィクションであること知っている。
ではパンダはいつ台湾へ贈られて来るのか。
中国の対台湾窓口機関である海峡両岸交流協会の陳雲林会長は九月八日、四川に赴き団団と円円の視察を行い、「パンダを移す前に一ヶ月間の隔離が必要だが、二頭はすでに隔離して半月経つ」ことを明らかにした。そして「今は四歳。五歳になる前に台湾へ贈りたい」とも。

団団・円円の台湾への寄贈準備が進んでいると報じる台湾のニュース画面
報道では、中国政府は十月末に行われる陳雲林の台湾訪問と同時にパンダを送る準備を進めているとされる。
パンダは「寄贈」か「レンタル」か。両者の立場は「国と国」か「地域と地域」か。これについて総統府は「パンダの来台には何の問題もないと信じる」としか説明しない。ちなみに馬英九はかつて日本のメディアに「寄贈として受け取る」と表明していた。

受け入れるのは台北動物園。パンダ舎はとうに完成している
パンダを受け入れれば、「国と国との関係に非ず」をはっきりと国際社会に印象付けることとなるだろう。つまり「台湾問題は所詮は中国の内政問題であり、外国が容喙すべきものではない。台湾人のパンダ歓迎は、中国統一の歓迎を意味している」と。
馬英九政権である限り、もはやパンダの来台は拒めない。それであるならば、この状況に危機感を募らせる台湾本土派は「パンダの受け入れ断固拒否」「台湾は中国の一部ではない」「馬英九政権は民意に反する中国の傀儡政権だ」を叫ぶキャンペーンを大々的に行うべきだ。反パンダ運動となれば国際社会も必ず注視することとなるだろう。
もしデモ隊が、可愛いパンダの縫いぐるみの山に赤いペンキをふりかけるなどのショッキングなパフォーマンスで、「台湾侵略反対」と怒りの叫びを上げれば、馬英九ら在台中国人政権とは異なる台湾人の心の声は、必ず海外メディアを通じて世界に伝わる。
国内向けとしては、パンダを「悪魔の使者」に仕立て上げ、パンダ=中国覇権主義のイメージダウンを図り、それを以って中国への警戒心を煽って行くべきだ。少なくとも「平和の使者」とのイメージを与えてはならない。パンダの可愛らしさで台湾人を籠絡し、親中感情を抱かせようと言うのも、中国の心理戦上の狙いだからだ。
国内のパンダファンの反発を恐れる必要はない。逆に騒ぎを拡大させ、運動の宣伝に利用すればいいのである。
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