ウイグル人はなぜ「テロ」に走るか
2008/08/24/Sun
八月二十三日に都内で開かれた「第一回ウイグル勉強会」(主催:イリハム応援団)で、イリハム・マハムティ日本ウイグル協会会長の講演を聞いた。演題は「ウイグルの現状について」だが、その「現状」に驚愕するしかなかった。
日本人は知らずに来たことだが、ウイグル人が受けているのは残虐極まりない殖民地支配。中国に「過去の一時期における侵略と殖民地支配」を糾弾され、謝罪と反省を繰り返す日本人だが、その中国がウイグル人に対し、「侵略と殖民地支配」を行っていると言う事実、そうした殖民地が今でもなお存在すると言う現実に気づくべきだろう。
なぜなら、中国にそれを止めさせなければならないからだ。

イリハム・マハムティ氏
以下は私がメモしたイリハム氏の話の要約だ。
・一九五五年、最初にウイグルの地にやってきたのは反軍半農のウイグル新疆生産兵団。ゴビ砂漠で農地を開いたが、その代わりウイグル人の土地が奪われた。山の雪解け水を使うのがウイグルの農民だが、川の上流は兵団に奪われてもいる。
・一九九九年以来、天然ガス、石油などの資源が発見され、中国人がたくさん入ってきた。私が生まれたコムルの町で漢人は、一九四九年には二%だったが、二〇〇六年には八七%。広さは関東地方ほどだが、水が足りないので五十万人以上は住めない。それでも中国は無理やり人を入れている。
・二〇〇〇年、大学でウイグル語の授業が禁止。〇二年には高校で、〇三年には中学校でも禁止され、〇六年までには小学校や幼稚園でも禁止となり、ウイグル語を話すと先生に叱られ、成績にも影響することになる。先生の八〇%はウイグル語を使い、北京語では授業をするのは難しい。六カ月間の北京語研修が行われたが無理な話。多くは職場を去ることになった。そこで中国本土からは農村の人間(大卒ではない)が連れられて来て授業を行っている。
・ウイグル人には職がない。企業はウイグル人の就職を拒否できる。そのため大卒の九五%にも職がない。若い人は恋人もほしいし結婚もしたいがそれができない。そこで犯罪率が猛スピードで上がっている。
・都市部の若い女性の五人日一人が売春に従事している。
・ウイグルの女性のうち十五歳から二十五歳までの未婚者は「仕事を紹介する」との名目で、年間八万人のペースで強制的に中国本土へ連れて行かれる。工場で働かされるのだが、月給は八百元(約一万五千円)。給料の低さで中国人がやりたがらない仕事をさせるのだが、月給も毎月渡さない。年末になりまとめて渡されるが、金額はわずか四千元以下。住居費、食費等々が差し引かれているのだ。また中国人は男性が女性より多い。それは中国人は自分の子でも女なら殺す、売るから。そこでウイグル人の女性をあてがう。混血させる。これが民族を絶滅させる第一歩。現在は農村の女性が連れて行かれるが、反発が少なければ都市部の女性にも手をつけることになる。年間八万人とは言っても、五年で四十万人。
・先日、二十歳の女性が中国本土へ連れて行かれることに。しかし彼女には病気で寝込む七十歳の母親がおり、「母は死ぬしかなくなる」と言って町の政府に拒否した。そこへ警察が来た。結婚して家を出ていた兄が帰り、警官と喧嘩になった。兄は業務妨害の罪で三年の刑。女性は連行された。
・来月から断食の月(ラマダン)に入るが、断食すれば職場、学校から追い出される。あるいは減給。公務員、退職公務員、学生はモスクに入れない。イスラムの教えは自分の子供にしか教えられない。二〇〇四年、子供にイスラム教を教えた先生が三年の刑で投獄された。
・三月二十四日にホータンで女性だけのデモがあったが、男性は女性だけにやらせたのではない。男性がいなかったのだ。男性は一九五五年以来の五十三年間、毎年三月から五月末までの三ヶ月、国のためにタダで仕事をさせられている。ダムを作ったり、川を掘ったりと、生産兵団のところで働かされる。食料は自分で用意し持って行く。
このようにウイグル人は「動物よりひどい扱いを受けている」(イリハム氏)状況にあるのである。
「一人もいないとは言わないが、イスラム原理主義者のウイグル人はほとんどいない。子供のころから、相手を傷つけてはいけないことを教えられて育った心優しい人々なのだ」と言うイリハム氏。ではなぜ彼らは「テロ」行為に走るのかだが、理由は言うまでもなく、中国人のそのような過酷な仕打ちにあるのだ。
そのような話を聞くうちに私は、「あれはテロではない」と感じるようになってきた。
次回へ続く。
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日本人は知らずに来たことだが、ウイグル人が受けているのは残虐極まりない殖民地支配。中国に「過去の一時期における侵略と殖民地支配」を糾弾され、謝罪と反省を繰り返す日本人だが、その中国がウイグル人に対し、「侵略と殖民地支配」を行っていると言う事実、そうした殖民地が今でもなお存在すると言う現実に気づくべきだろう。
なぜなら、中国にそれを止めさせなければならないからだ。

イリハム・マハムティ氏
以下は私がメモしたイリハム氏の話の要約だ。
・一九五五年、最初にウイグルの地にやってきたのは反軍半農のウイグル新疆生産兵団。ゴビ砂漠で農地を開いたが、その代わりウイグル人の土地が奪われた。山の雪解け水を使うのがウイグルの農民だが、川の上流は兵団に奪われてもいる。
・一九九九年以来、天然ガス、石油などの資源が発見され、中国人がたくさん入ってきた。私が生まれたコムルの町で漢人は、一九四九年には二%だったが、二〇〇六年には八七%。広さは関東地方ほどだが、水が足りないので五十万人以上は住めない。それでも中国は無理やり人を入れている。
・二〇〇〇年、大学でウイグル語の授業が禁止。〇二年には高校で、〇三年には中学校でも禁止され、〇六年までには小学校や幼稚園でも禁止となり、ウイグル語を話すと先生に叱られ、成績にも影響することになる。先生の八〇%はウイグル語を使い、北京語では授業をするのは難しい。六カ月間の北京語研修が行われたが無理な話。多くは職場を去ることになった。そこで中国本土からは農村の人間(大卒ではない)が連れられて来て授業を行っている。
・ウイグル人には職がない。企業はウイグル人の就職を拒否できる。そのため大卒の九五%にも職がない。若い人は恋人もほしいし結婚もしたいがそれができない。そこで犯罪率が猛スピードで上がっている。
・都市部の若い女性の五人日一人が売春に従事している。
・ウイグルの女性のうち十五歳から二十五歳までの未婚者は「仕事を紹介する」との名目で、年間八万人のペースで強制的に中国本土へ連れて行かれる。工場で働かされるのだが、月給は八百元(約一万五千円)。給料の低さで中国人がやりたがらない仕事をさせるのだが、月給も毎月渡さない。年末になりまとめて渡されるが、金額はわずか四千元以下。住居費、食費等々が差し引かれているのだ。また中国人は男性が女性より多い。それは中国人は自分の子でも女なら殺す、売るから。そこでウイグル人の女性をあてがう。混血させる。これが民族を絶滅させる第一歩。現在は農村の女性が連れて行かれるが、反発が少なければ都市部の女性にも手をつけることになる。年間八万人とは言っても、五年で四十万人。
・先日、二十歳の女性が中国本土へ連れて行かれることに。しかし彼女には病気で寝込む七十歳の母親がおり、「母は死ぬしかなくなる」と言って町の政府に拒否した。そこへ警察が来た。結婚して家を出ていた兄が帰り、警官と喧嘩になった。兄は業務妨害の罪で三年の刑。女性は連行された。
・来月から断食の月(ラマダン)に入るが、断食すれば職場、学校から追い出される。あるいは減給。公務員、退職公務員、学生はモスクに入れない。イスラムの教えは自分の子供にしか教えられない。二〇〇四年、子供にイスラム教を教えた先生が三年の刑で投獄された。
・三月二十四日にホータンで女性だけのデモがあったが、男性は女性だけにやらせたのではない。男性がいなかったのだ。男性は一九五五年以来の五十三年間、毎年三月から五月末までの三ヶ月、国のためにタダで仕事をさせられている。ダムを作ったり、川を掘ったりと、生産兵団のところで働かされる。食料は自分で用意し持って行く。
このようにウイグル人は「動物よりひどい扱いを受けている」(イリハム氏)状況にあるのである。
「一人もいないとは言わないが、イスラム原理主義者のウイグル人はほとんどいない。子供のころから、相手を傷つけてはいけないことを教えられて育った心優しい人々なのだ」と言うイリハム氏。ではなぜ彼らは「テロ」行為に走るのかだが、理由は言うまでもなく、中国人のそのような過酷な仕打ちにあるのだ。
そのような話を聞くうちに私は、「あれはテロではない」と感じるようになってきた。
次回へ続く。
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