中国に平和への善意がないことが証明されたー台中直航実現を前に奇襲演習
2008/07/01/Tue
これは日本人にとっても、中国と言う国の恐るべき性格を教えてくれる話として無視できない。
六月十三日、台湾と中国の公式対話が十五年ぶりに行われ、七月四日での両国間の定期直行便の開設が合意された。これは元来、中国が要求し、台湾の李登輝政権や民進党政権が拒んできたものだったが、中国との宥和路線を掲げる国民党が政権をとったことで、実現することとなったのだ。
これによる人的往来の活性化で、とくに台湾の観光業界は中国人客の大量流入に期待が持たれている。だから一刻も早く政策得点を稼ぎたい国民党政権は、何が何でも「七月四日から」と、言わば駆け引き抜きで中国側に頼み込んだ格好ともなった。台中直航と言うものに民進党政権が躊躇してきたのは、とくに安全保障の観点からだったが、そのような観点はすっかり捨てられてしまっている。
安保面における直航の危険性はさまざまある。まず第一は、中国側は対台湾路線を国際線ではなく国内線と位置づけるため、これを台湾が受け入れては、世界に対して自ら中国の一部と印象付けることになる。また中国人の大量流入は犯罪者だけでなく工作員の大量流入をも意味することにもなる。そしてさらには軍用機が民用機を装って侵入することも可能であるし、何も軍用機を使わずとも、民用機が特殊部隊を運んで奇襲をかけてくることも考えられる。
民進党政権が特に恐れていた一つに、民用機に乗り込んだ特殊部隊の奇襲攻撃である「斬首行動」だ。突然台湾の空港に降り立った武装部隊が政治、軍の首脳を殺害、捕獲するなどで指揮系統を破壊すると言う、「遠戦速勝、首戦決勝」(遠隔地で戦って直ちに勝利を収める、最初の戦いで勝敗を決す)の作戦だ。
一九七九年にはソ連軍が、この作戦でアフガニスタン侵攻に先立ち、同国のアーミン大統領を襲撃、殺害している。ソ連軍は六八年にも、このようにしてチェコに侵入し、民主要求運動「プラハの春」への軍事弾圧を開始した。
国民党政権は台北市近郊の桃園国際空港のほか、台北市内にある国内線の松山空港までも中国機に開放し、交通の利便さを求めるビジネスマンなどを喜ばせる算段だが、もし同空港に中国の特殊部隊が降り立てば、そこからいとも簡単に総統府、行政院、立法院を迫撃砲で攻撃できる。だから民進党は「斬首行動」に対処すべく、首都防衛の演習を繰り返してきたわけなのだが・・・。
ところがこうした致命的事態の想定を国民党政権は一切放棄しているかにも見える。
彼らはもともと中国の善意は期待できるとの前提で、その国との緊張緩和、交流拡大の政策を進め、戦争を恐れる有権者の心を捉えてきたのだが、これがあまりのも愚かだった。なぜなら中国は、さっそく台湾側の期待を見事に打ち破って見せたからだ。
中国から見れば、台湾との交流など、台湾併呑と言う反平和的目標を達成するための一ステップに過ぎない。だから自ら直航を求めてくる国民党の宥和路線なども、恫喝に屈した台湾側の譲歩、妥協にしか見えない。そこで中国がさらなる譲歩を求めて加えるのが恫喝だ。十三日の友好的な合意から五日後の十八日、中国は民用機で特殊部隊を輸送すると言う、大掛かりな軍事演習を行ったのだが、これは台湾に対し、「斬首行動」実行の可能性を見せ付けるためのものであったはずだ。
中国側の発表によると、演習には民用航空局も参加し、華北の某空港において民用機の緊急徴用、部隊の緊急輸送、そして空港の占領を想定して行われた。

民用機を使った奇襲演習。降り立つのは武装した特殊部隊だ

かくして台湾の民間空港を制圧すると言う想定。あくまでも侵略を遂げようとするこの国の野望を見よ
このように国民党政権は今後も泥沼にはまったかのように、中国の恫喝を受けながら、妥協と譲歩を繰り返して行くこととなるのだろうが、では彼らはなぜこうした対中宥和と言う過ちを犯し続けるのか。
呂秀蓮前副総統は先ごろの日本での講演で、「直行便に関しては、国家の主権と安全に面を考慮するべきだ」と訴えたが、要するに在台中国人主導の同党には中国人であるがゆえに、中国との間で摩擦を起こしてまで、台湾の「主権と安全」を守り抜くとの信念がないのである。これまで、台湾人から台湾の政権を奪取する一念で、対中接近で台湾人勢力を牽制してきた彼らは、当初から投降路線を歩んできたということだ。
そのような彼らを中国は、すでに朝貢勢力に対する中華朝廷の意識で望んでいることだろう。
ところで、我が福田政権の対中姿勢は、国民党政権のそれと似通いすぎているように思えてならない。日本人も長期的視野に立ち、将来このような日本に対し、中国がどのような攻勢をかけようとしているかを考えるべきである。中国は「日中友好」を口にしながらも、考えているのは決して「友好」などではなく、台湾、日本を自らの影響下に引きずり込み、アジアで覇権を打ち立てることなのだ。
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六月十三日、台湾と中国の公式対話が十五年ぶりに行われ、七月四日での両国間の定期直行便の開設が合意された。これは元来、中国が要求し、台湾の李登輝政権や民進党政権が拒んできたものだったが、中国との宥和路線を掲げる国民党が政権をとったことで、実現することとなったのだ。
これによる人的往来の活性化で、とくに台湾の観光業界は中国人客の大量流入に期待が持たれている。だから一刻も早く政策得点を稼ぎたい国民党政権は、何が何でも「七月四日から」と、言わば駆け引き抜きで中国側に頼み込んだ格好ともなった。台中直航と言うものに民進党政権が躊躇してきたのは、とくに安全保障の観点からだったが、そのような観点はすっかり捨てられてしまっている。
安保面における直航の危険性はさまざまある。まず第一は、中国側は対台湾路線を国際線ではなく国内線と位置づけるため、これを台湾が受け入れては、世界に対して自ら中国の一部と印象付けることになる。また中国人の大量流入は犯罪者だけでなく工作員の大量流入をも意味することにもなる。そしてさらには軍用機が民用機を装って侵入することも可能であるし、何も軍用機を使わずとも、民用機が特殊部隊を運んで奇襲をかけてくることも考えられる。
民進党政権が特に恐れていた一つに、民用機に乗り込んだ特殊部隊の奇襲攻撃である「斬首行動」だ。突然台湾の空港に降り立った武装部隊が政治、軍の首脳を殺害、捕獲するなどで指揮系統を破壊すると言う、「遠戦速勝、首戦決勝」(遠隔地で戦って直ちに勝利を収める、最初の戦いで勝敗を決す)の作戦だ。
一九七九年にはソ連軍が、この作戦でアフガニスタン侵攻に先立ち、同国のアーミン大統領を襲撃、殺害している。ソ連軍は六八年にも、このようにしてチェコに侵入し、民主要求運動「プラハの春」への軍事弾圧を開始した。
国民党政権は台北市近郊の桃園国際空港のほか、台北市内にある国内線の松山空港までも中国機に開放し、交通の利便さを求めるビジネスマンなどを喜ばせる算段だが、もし同空港に中国の特殊部隊が降り立てば、そこからいとも簡単に総統府、行政院、立法院を迫撃砲で攻撃できる。だから民進党は「斬首行動」に対処すべく、首都防衛の演習を繰り返してきたわけなのだが・・・。
ところがこうした致命的事態の想定を国民党政権は一切放棄しているかにも見える。
彼らはもともと中国の善意は期待できるとの前提で、その国との緊張緩和、交流拡大の政策を進め、戦争を恐れる有権者の心を捉えてきたのだが、これがあまりのも愚かだった。なぜなら中国は、さっそく台湾側の期待を見事に打ち破って見せたからだ。
中国から見れば、台湾との交流など、台湾併呑と言う反平和的目標を達成するための一ステップに過ぎない。だから自ら直航を求めてくる国民党の宥和路線なども、恫喝に屈した台湾側の譲歩、妥協にしか見えない。そこで中国がさらなる譲歩を求めて加えるのが恫喝だ。十三日の友好的な合意から五日後の十八日、中国は民用機で特殊部隊を輸送すると言う、大掛かりな軍事演習を行ったのだが、これは台湾に対し、「斬首行動」実行の可能性を見せ付けるためのものであったはずだ。
中国側の発表によると、演習には民用航空局も参加し、華北の某空港において民用機の緊急徴用、部隊の緊急輸送、そして空港の占領を想定して行われた。

民用機を使った奇襲演習。降り立つのは武装した特殊部隊だ

かくして台湾の民間空港を制圧すると言う想定。あくまでも侵略を遂げようとするこの国の野望を見よ
このように国民党政権は今後も泥沼にはまったかのように、中国の恫喝を受けながら、妥協と譲歩を繰り返して行くこととなるのだろうが、では彼らはなぜこうした対中宥和と言う過ちを犯し続けるのか。
呂秀蓮前副総統は先ごろの日本での講演で、「直行便に関しては、国家の主権と安全に面を考慮するべきだ」と訴えたが、要するに在台中国人主導の同党には中国人であるがゆえに、中国との間で摩擦を起こしてまで、台湾の「主権と安全」を守り抜くとの信念がないのである。これまで、台湾人から台湾の政権を奪取する一念で、対中接近で台湾人勢力を牽制してきた彼らは、当初から投降路線を歩んできたということだ。
そのような彼らを中国は、すでに朝貢勢力に対する中華朝廷の意識で望んでいることだろう。
ところで、我が福田政権の対中姿勢は、国民党政権のそれと似通いすぎているように思えてならない。日本人も長期的視野に立ち、将来このような日本に対し、中国がどのような攻勢をかけようとしているかを考えるべきである。中国は「日中友好」を口にしながらも、考えているのは決して「友好」などではなく、台湾、日本を自らの影響下に引きずり込み、アジアで覇権を打ち立てることなのだ。
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