検証NHK報道:中国と共にフランスの対台湾武器売却を「懸念」する理由とは
2020/05/16/Sat
ブログランキング参加中
台湾支持運動拡大のため、よければクリックをお願いします。→
モバイルはこちら→http://blog.with2.net/link.phplink.php
*****************************************************************
■NHKの仏中関係悪化への「懸念」は国民を惑わす
NHKは5月14日、「台湾海軍の装備更新 仏企業落札で中国反発 関係の悪化懸念」との見出しで記事を配信したが、この「懸念」の二字が引っ掛かる。
記事の中でも次のように「懸念」と繰り返している。
―――台湾の海軍艦艇の装備の更新をフランスの企業が落札したことを巡り、中国政府はフランスによる台湾への武器の売却計画だと強く反発し、両国関係の悪化も懸念されます。
―――AFP通信によりますとフランスが1991年に台湾に艦艇を売却した際、中国はフランスとの外交関係を一時、凍結したということで、今後、両国関係の悪化も懸念されます。

「懸念」とは、辞書によれば「気にかかって不安がること」「気がかりに思うこと」「心配すること」といった意味だ。NHKが仏中関係が悪化するのを心の中で「懸念」するのは勝手だが、報道でそれを表明するのは軽率だろう。なぜなら国民に、今回決まったフランス武器売却や台湾の武器購入の動きは徒に国際情勢を不安定にする歓迎されざるものとの印象を与え、問題の本質を見誤らせかねないからである。
■NHKが「中国覇権主義」の無法に触れないのはなぜか
いや、もしかしたら最初から、そのような印象を広めようと、こうした表現を使ったのではないか。NHKは中国迎合のマスメディアだから、私などはそう見て疑わない。
この記事を読むと、何ともひどい話ではないか。「対象となる艦艇は台湾がおよそ30年前にフランスから購入し、今回はミサイル妨害システムを更新」しようとしているのだが、これに対して中国外務省の報道官は何と、「外国が台湾に武器を売却したり軍事交流を行ったりすることに断固反対する」とし、「フランスには武器売却の計画を撤回し、中仏関係に損害を与えないように求める」などと脅迫しているもだから。中国とはなぜこれほど傲慢不遜の国家なのかと、憤りを新たにするばかりだ。
台湾併呑との侵略を夢を追い求めるあの国の、軍備拡張の狂奔ぶりは度を越している。今の武漢ウイルスの猖獗という非常事態の中でさえ、演習という名での軍事恫喝を台湾周辺の海空域で更に強化するという有様だ。
だからこそ台湾は軍備の拡充に迫られており、それにフランスが手を貸そうという訳だが、こうした背景、こうした中国の無法ぶりにNHKは一言も触れないのだから、バランスが取れていない。
中国の立場に立った何かしらの印象操作を実施していると疑わざるを得ないのだ。
■各国が中国に「不信」募らすのを「懸念」するNHK
NHKが本来伝えなければならないのは、今回の「仏企業落札」が、中国の急増する脅威にさらされる台湾の国の安全にとっては朗報であるということだ。
しかも、相当な朗報と言える。
フランスは1991年、この「海軍艦艇」(ラファイエット級フリゲート6隻)を台湾に売却した後、中国から「外交関係を一時、凍結」されたため、こうした過剰な報復に懲り、1994年には中国との共同コミュニケで台湾を中国領土と認めると表明するとともに、対台武器売却の停止を誓約し、台湾側からの度重なる装備更新の求めを聞き入れずに来たという経緯がこれまであったのだ。こうした不条理な状況が解消されたのだから画期的だ。

台湾が1991年にフランスから購入したラファイエット級フリゲート。中国の脅威増大を受け、装備の更新が急がれている
そしてフランスがこのように中国迎合の姿勢を変えつつあるというのは、台湾にとってだけでなく、世界の民主主義陣営にとっても心強い。
中国からの抗議に対して仏外務省は、「すべての関心や努力はパンデミックとの戦いに充てるべきだ」と反論したというが、ラジオ・フランス・インターナショナル(中国語)は、このウイルス禍の中、「中国と西側諸国との間で緊張が高まりつつあり、中国が横暴な態度を取れば取るほど、各国は引き下がれなくなっている。フランスが武器売却の取り消しを要求されるや、ただちに反論したのもその事例だろう」との見方を伝える。
ところが、そのように中国に不信感を募らす各国の反中強硬姿勢を「懸念」するのがNHKという訳だ。
■中国政府と口裏を合わせるかの如きNHK報道
そして日本にとっても今回は朗報だ。なぜなら台湾は地政学的に見て、中国の拡張主義の前では日本と生命共同体だからだ。NHKはそういった現状も国民に気付かさせなければならないだろう。
ところがNHKは日本の公共放送でありながら、そういった視点は一切採らず、まるで「中仏関係に損害を与えるな」と怒る中国外務省と口裏を合わせたかのように、「両国関係の悪化も懸念されます」などと強調したのである。
「中国脅威論を煽るな」は外国メディアに対する中国政府の口癖だが、そういった要求、指示にNHKは従属し、国民の正しい中国認識を妨げていると見るしかないだろう。
【ご登録を】 メルマガ「台湾は日本の生命線!」を創刊
このほど、無料メルマガ「台湾は日本の生命線!」を「まぐまぐ!」にて創刊しました。
これまで「メルマ!」で配信していましたが、サービスが停止されたため、配信元を切り替えた次第です。「メルマ!」で登録されている方は、ご面倒ですがこちらへご移行ください。
本ブログの記事のほか、台湾支持運動などの情報もお届けしますので、ぜひご登録のほどお願いいたします。
ブログランキング参加中
台湾支持運動拡大のため、よければクリックをお願いします。→
台湾支持運動拡大のため、よければクリックをお願いします。→

モバイルはこちら→http://blog.with2.net/link.phplink.php
*****************************************************************
■NHKの仏中関係悪化への「懸念」は国民を惑わす
NHKは5月14日、「台湾海軍の装備更新 仏企業落札で中国反発 関係の悪化懸念」との見出しで記事を配信したが、この「懸念」の二字が引っ掛かる。
記事の中でも次のように「懸念」と繰り返している。
―――台湾の海軍艦艇の装備の更新をフランスの企業が落札したことを巡り、中国政府はフランスによる台湾への武器の売却計画だと強く反発し、両国関係の悪化も懸念されます。
―――AFP通信によりますとフランスが1991年に台湾に艦艇を売却した際、中国はフランスとの外交関係を一時、凍結したということで、今後、両国関係の悪化も懸念されます。

「懸念」とは、辞書によれば「気にかかって不安がること」「気がかりに思うこと」「心配すること」といった意味だ。NHKが仏中関係が悪化するのを心の中で「懸念」するのは勝手だが、報道でそれを表明するのは軽率だろう。なぜなら国民に、今回決まったフランス武器売却や台湾の武器購入の動きは徒に国際情勢を不安定にする歓迎されざるものとの印象を与え、問題の本質を見誤らせかねないからである。
■NHKが「中国覇権主義」の無法に触れないのはなぜか
いや、もしかしたら最初から、そのような印象を広めようと、こうした表現を使ったのではないか。NHKは中国迎合のマスメディアだから、私などはそう見て疑わない。
この記事を読むと、何ともひどい話ではないか。「対象となる艦艇は台湾がおよそ30年前にフランスから購入し、今回はミサイル妨害システムを更新」しようとしているのだが、これに対して中国外務省の報道官は何と、「外国が台湾に武器を売却したり軍事交流を行ったりすることに断固反対する」とし、「フランスには武器売却の計画を撤回し、中仏関係に損害を与えないように求める」などと脅迫しているもだから。中国とはなぜこれほど傲慢不遜の国家なのかと、憤りを新たにするばかりだ。
台湾併呑との侵略を夢を追い求めるあの国の、軍備拡張の狂奔ぶりは度を越している。今の武漢ウイルスの猖獗という非常事態の中でさえ、演習という名での軍事恫喝を台湾周辺の海空域で更に強化するという有様だ。
だからこそ台湾は軍備の拡充に迫られており、それにフランスが手を貸そうという訳だが、こうした背景、こうした中国の無法ぶりにNHKは一言も触れないのだから、バランスが取れていない。
中国の立場に立った何かしらの印象操作を実施していると疑わざるを得ないのだ。
■各国が中国に「不信」募らすのを「懸念」するNHK
NHKが本来伝えなければならないのは、今回の「仏企業落札」が、中国の急増する脅威にさらされる台湾の国の安全にとっては朗報であるということだ。
しかも、相当な朗報と言える。
フランスは1991年、この「海軍艦艇」(ラファイエット級フリゲート6隻)を台湾に売却した後、中国から「外交関係を一時、凍結」されたため、こうした過剰な報復に懲り、1994年には中国との共同コミュニケで台湾を中国領土と認めると表明するとともに、対台武器売却の停止を誓約し、台湾側からの度重なる装備更新の求めを聞き入れずに来たという経緯がこれまであったのだ。こうした不条理な状況が解消されたのだから画期的だ。

台湾が1991年にフランスから購入したラファイエット級フリゲート。中国の脅威増大を受け、装備の更新が急がれている
そしてフランスがこのように中国迎合の姿勢を変えつつあるというのは、台湾にとってだけでなく、世界の民主主義陣営にとっても心強い。
中国からの抗議に対して仏外務省は、「すべての関心や努力はパンデミックとの戦いに充てるべきだ」と反論したというが、ラジオ・フランス・インターナショナル(中国語)は、このウイルス禍の中、「中国と西側諸国との間で緊張が高まりつつあり、中国が横暴な態度を取れば取るほど、各国は引き下がれなくなっている。フランスが武器売却の取り消しを要求されるや、ただちに反論したのもその事例だろう」との見方を伝える。
ところが、そのように中国に不信感を募らす各国の反中強硬姿勢を「懸念」するのがNHKという訳だ。
■中国政府と口裏を合わせるかの如きNHK報道
そして日本にとっても今回は朗報だ。なぜなら台湾は地政学的に見て、中国の拡張主義の前では日本と生命共同体だからだ。NHKはそういった現状も国民に気付かさせなければならないだろう。
ところがNHKは日本の公共放送でありながら、そういった視点は一切採らず、まるで「中仏関係に損害を与えるな」と怒る中国外務省と口裏を合わせたかのように、「両国関係の悪化も懸念されます」などと強調したのである。
「中国脅威論を煽るな」は外国メディアに対する中国政府の口癖だが、そういった要求、指示にNHKは従属し、国民の正しい中国認識を妨げていると見るしかないだろう。
【ご登録を】 メルマガ「台湾は日本の生命線!」を創刊
このほど、無料メルマガ「台湾は日本の生命線!」を「まぐまぐ!」にて創刊しました。
これまで「メルマ!」で配信していましたが、サービスが停止されたため、配信元を切り替えた次第です。「メルマ!」で登録されている方は、ご面倒ですがこちらへご移行ください。
本ブログの記事のほか、台湾支持運動などの情報もお届けしますので、ぜひご登録のほどお願いいたします。
ブログランキング参加中
台湾支持運動拡大のため、よければクリックをお願いします。→

スポンサーサイト