ショパン・コンクールが台湾侮辱-それへの台湾政府の対応はどうか
2020/03/20/Fri
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■中国の要求を受けての仕打ちか
ポーランドのワルシャワでは今年、五年に一度のショパン国際ピアノコンクールが行われ、その予備予選には台湾からも9人が出場するのだが、コンクールの公式サイトが彼らの国籍を「PRC Taiwan」(中華人民共和国台湾)としたため、多くが抗議を行った。そこで「China, Taiwan」(中国台湾)へと書き替えられたのだが、「China」とは中華人民共和国のことだから、これでは何も変わらない。

ショパン・コンクールの公式サイト。台湾からの予備予選出場者の国籍が
「China, Taiwan」になっている
主催者は抗議の声に対し、「目下、外務省と連絡を取っている。全出場者が受け入れることにできる案が見つけられればと思う」と答えたそうだが、この「全出場者が受け入れることにできる案」とは何かと言えば、「中国人出場者も受け入れられる案」、つまり「中国政府が受け入れられる案」ということだろう。
そもそも「中華人民共和国台湾」や「中国台湾」といった誤った表記は、中国の要求を受けてのものに他なるまい。一帯一路に参加し、インフラ開発などで中国に大きく依存するポーランドは、あの国の政治的影響下に転がり落ちてしまったか。
■台湾政府がポーランド政府に抗議
台湾の駐ポーランド代表処(大使館)は本国の指示を受け、ポーランドの外務省、文部省と主催者である国立ショパン研究所と交渉するとともに、現地大手紙に寄稿し、「『中国台湾』とすることは『Russia, Poland』(ロシアポーランド)と呼ぶのと同様の誤りだ」と訴えた。
そして、台湾の中央通信社によれば、「交渉の結果、14日になり台湾の出場者の国籍は「中国台湾」から「Chinese Taipei」(中華台北)へと変更された」という。
「Chinese Taipei」(中華台北)と呼ぶのはオリンピック委員会方式。台湾は「Chinese Taipei」の漢語表示を「中国台北」ではなく「中華台北」とすることを中国に認めさせている。それであれば「中華民国台北」の略称のように見え、「中国」とは別の存在であることが示せるからだ。
■「Chinese Taipei」の名を受け入れて良いのか

台湾からの抗議の結果、「Chinese Taipei」への変えられたが…
台湾政府は「台湾」や「中華民国」などの表記を望んでいたはずだが、外交部の報道官は「中華台北」の名称で良しとするコメントを出した。
「『中華台北』なら『中国』や『中国香港』との違いは明らか。完全ではないが、受け入れることはできる」とし、「主催者が中国の政治的圧力を受けながらも、解決可能な方法を探してくれた誠意を評価したい」と述べている。
しかし、本当にこのような名称を受け入れていいのだろうか。
■「Chinese Taipei」は「PRC Taiwan」と同じ
本当に「Chinese Taipei」なら「China」や「China, Hong Kong」との違いは明らかと言えるのかだ。
漢字を使わない国には「中華台北」と「中国台北」の違いなど知りようもなく、「Chinese Taipei」はあくまでも「中国領台北」の意でしかなく、「China, Hong Kong」とは同列とされよう。
「Chinese Taipei」は「PRC Taiwan」や「China, Taiwan」とも、何の変りもないのだ。
だから中国も、「Chinese Taipei」の名は受け入れるのである。今回主催者がその名に変更したのも、中国から許しが出たからと思われる。
要するに、何も変わらなかったという訳だ。
■喜ぶのは一部の騙された台湾国民だけで…
「抗議奏功」と報じた台湾メディアもあったが、「奏功」と思っているのは、「Chinese Taipei」の名が世界でどう解釈されているかを知らない台湾国民だけなのだ。かつて国民党独裁政権は「Chinese Taipei五輪委員会」が押し付けられた時、見栄を張って「中華民国五輪委員会」と翻訳した。それ以来台湾では、「中華台北」とは「中華民国台北」だとの誤解が広がり、この名称を受け入れてしまう者が多い。
現在の民進党政権も、そう誤解しているらしい。あるいは誤解したふりをしているのかもしれない。中国との間で緊張が高まるのが怖いのか、そういった緊張の高まりを嫌がる米国や国内の国民党支持者層に配慮しているのか、とにかく「Chinese Taipei」の名を受け入れたがる。
「完全ではないが、受け入れることはできる」というのは、いつも聞かれる台湾政府のコメントをであるが、騙されてはいけない。
実際には一昨年に行われた、「Chinese Taipei」ではなく「Taiwan」名での東京五輪への参加申請の可否を問う国民投票では反対の姿勢を貫いたように、台湾正名にはやる気など持っていない。たとえ民進党支持者の多くが、台湾正名を願ってもだ。
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ポーランドのワルシャワでは今年、五年に一度のショパン国際ピアノコンクールが行われ、その予備予選には台湾からも9人が出場するのだが、コンクールの公式サイトが彼らの国籍を「PRC Taiwan」(中華人民共和国台湾)としたため、多くが抗議を行った。そこで「China, Taiwan」(中国台湾)へと書き替えられたのだが、「China」とは中華人民共和国のことだから、これでは何も変わらない。

ショパン・コンクールの公式サイト。台湾からの予備予選出場者の国籍が
「China, Taiwan」になっている
主催者は抗議の声に対し、「目下、外務省と連絡を取っている。全出場者が受け入れることにできる案が見つけられればと思う」と答えたそうだが、この「全出場者が受け入れることにできる案」とは何かと言えば、「中国人出場者も受け入れられる案」、つまり「中国政府が受け入れられる案」ということだろう。
そもそも「中華人民共和国台湾」や「中国台湾」といった誤った表記は、中国の要求を受けてのものに他なるまい。一帯一路に参加し、インフラ開発などで中国に大きく依存するポーランドは、あの国の政治的影響下に転がり落ちてしまったか。
■台湾政府がポーランド政府に抗議
台湾の駐ポーランド代表処(大使館)は本国の指示を受け、ポーランドの外務省、文部省と主催者である国立ショパン研究所と交渉するとともに、現地大手紙に寄稿し、「『中国台湾』とすることは『Russia, Poland』(ロシアポーランド)と呼ぶのと同様の誤りだ」と訴えた。
そして、台湾の中央通信社によれば、「交渉の結果、14日になり台湾の出場者の国籍は「中国台湾」から「Chinese Taipei」(中華台北)へと変更された」という。
「Chinese Taipei」(中華台北)と呼ぶのはオリンピック委員会方式。台湾は「Chinese Taipei」の漢語表示を「中国台北」ではなく「中華台北」とすることを中国に認めさせている。それであれば「中華民国台北」の略称のように見え、「中国」とは別の存在であることが示せるからだ。
■「Chinese Taipei」の名を受け入れて良いのか

台湾からの抗議の結果、「Chinese Taipei」への変えられたが…
台湾政府は「台湾」や「中華民国」などの表記を望んでいたはずだが、外交部の報道官は「中華台北」の名称で良しとするコメントを出した。
「『中華台北』なら『中国』や『中国香港』との違いは明らか。完全ではないが、受け入れることはできる」とし、「主催者が中国の政治的圧力を受けながらも、解決可能な方法を探してくれた誠意を評価したい」と述べている。
しかし、本当にこのような名称を受け入れていいのだろうか。
■「Chinese Taipei」は「PRC Taiwan」と同じ
本当に「Chinese Taipei」なら「China」や「China, Hong Kong」との違いは明らかと言えるのかだ。
漢字を使わない国には「中華台北」と「中国台北」の違いなど知りようもなく、「Chinese Taipei」はあくまでも「中国領台北」の意でしかなく、「China, Hong Kong」とは同列とされよう。
「Chinese Taipei」は「PRC Taiwan」や「China, Taiwan」とも、何の変りもないのだ。
だから中国も、「Chinese Taipei」の名は受け入れるのである。今回主催者がその名に変更したのも、中国から許しが出たからと思われる。
要するに、何も変わらなかったという訳だ。
■喜ぶのは一部の騙された台湾国民だけで…
「抗議奏功」と報じた台湾メディアもあったが、「奏功」と思っているのは、「Chinese Taipei」の名が世界でどう解釈されているかを知らない台湾国民だけなのだ。かつて国民党独裁政権は「Chinese Taipei五輪委員会」が押し付けられた時、見栄を張って「中華民国五輪委員会」と翻訳した。それ以来台湾では、「中華台北」とは「中華民国台北」だとの誤解が広がり、この名称を受け入れてしまう者が多い。
現在の民進党政権も、そう誤解しているらしい。あるいは誤解したふりをしているのかもしれない。中国との間で緊張が高まるのが怖いのか、そういった緊張の高まりを嫌がる米国や国内の国民党支持者層に配慮しているのか、とにかく「Chinese Taipei」の名を受け入れたがる。
「完全ではないが、受け入れることはできる」というのは、いつも聞かれる台湾政府のコメントをであるが、騙されてはいけない。
実際には一昨年に行われた、「Chinese Taipei」ではなく「Taiwan」名での東京五輪への参加申請の可否を問う国民投票では反対の姿勢を貫いたように、台湾正名にはやる気など持っていない。たとえ民進党支持者の多くが、台湾正名を願ってもだ。
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