続報-中国スパイ「台湾選挙」介入事件―元締が台湾で取り調べ/中国公表の文書は明らかに偽造
2019/11/26/Tue
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【おことわり】
本稿では「豪州メディアによると、『王立強』という名は偽名である。この元スパイのインタビュー記事を掲載する際に作られたものだというのだ。身の安全を守るため、本名を隠すのは当然のことだろう。やはり判決書はでっち上げではないか。」とありましたが削除します。「豪州メディア」が用いた名は「Wang Liqiang」(その後、漢語メディアが「王立強」と音訳)ですが、その後「豪州メディア」は、その名を「偽名」としたことはなく、本名であると説明しています。また文中に出てくるジョスク研究員によると、「王立強」の漢語名も本名だということです。
■スパイの元締めとされる人物が拘束
台湾などでスパイ活動に従事し、現在豪州で亡命を申請中の中国の元スパイこと、王立強氏。
中国人民解放軍総参謀部傘下とされる香港の中国系企業「中国創新投資公司」で働き、その経営者で香港でのスパイ組織の元締めである向心夫妻の指揮下で台湾の選挙に介入し、対中宥和路線の国民党に民進党から政権を奪取させるべく、サイバー攻撃や国民党候補や同党寄りのマスコミへの資金提供などの工作に従事したという。

そうした王立強氏の証言が十一月二十三日、豪州メディアにより報じられ、台湾は騒然とした。
これを受け台湾の法務部調査局が調査に乗り出すと、その向心夫妻が台湾国内に滞在していることが判明した。そこで二十四日、桃園国際空港から出国しようとする二人に出頭を願う。そして翌二十五日、二人は台北地方検察署へ送致され、国家安全法違反の容疑で取り調べを受けた。今も出国禁止の措置が取られている。

検察に送致されるスパイの元締めと目される夫婦
ただ「中国創新投資公司」はすでに、王立強氏を雇用したことはないとの声明を出している。それでは王氏の証言は真実ではないというのか。
■元スパイの証言は信じられるか
豪戦略政策研究所のアレックス・ジョスク研究員はこう語る。
「王氏の十二頁にわたる中国語の自白と支援要請の文章を読み驚いた。そしてそれと同時に疑いも抱いた。軍や政府の背景を持たない二十六歳の男が、どうして解放軍の香港における情報ネットワークの核心部に接近できたのかと」
その「中国軍事情報ネットワークの核心」というのが向心氏だそうだ。だからジョスク氏は、王氏証言の向心氏に関する部分は「信用できる」とする。ジョスク氏によれば向心氏は「香港が中国へ復帰する前、中国国防科学技術工業委員会(COSTIND)から香港へ派遣された人物」だという。
また「向心氏の妻も情報研究所に勤務していたことがある。彼女もまた王立強にスパイだと名指しされている」とも。王氏は彼女を台湾選挙への介入工作を直接指揮していたと証言している。
■元スパイを詐欺犯扱いする中国だが
しかし中国政府は、もちろん王氏がスパイであるとは認めない。実際にはどうであれ、それを認めることはあり得ない。上海市公安局は二十三日、王氏は単なる逃走犯人だと声明した。
それによると「王立強は一昨年十月、福建省光沢県人民法院において詐欺罪で懲役一年三月、執行猶予一年六月の判決を受けた。今年二月、自動車輸入の投資話を人に持ち掛け、四百六十万元を騙し取った」という。
これを受け、対台湾工作を管轄する行政院台湾事務弁公室の報道官は、「このような時にこうした(偽の)ニュース作り出す者こそ、台湾選挙に干渉し、影響を及ぼそうとするものだ」と述べ、また外交部報道官も、「全く信用できない人間の証言をもとに、嬉々として所謂中国脅威論を大げさに広めた」など強調。今回の一件は豪州側による反中国の陰謀だとして片を付けたい様子だ。

中国外交部は元スパイを犯罪者扱い。それを庇護する豪州を非難するが…
台湾でも国民党の呉敦義主席が、この説明に飛びつき、王氏は「偽スパイだ」と強調した。
しかし中国側の主張の信憑性は、当初から大きく揺らいでいるのである。
■中国に否定されるほど信用され
王氏が中国で有罪判決を受けたというなら、その判決文が最高人民法院の運営するサイト「裁判文書網」に載るはずである。そこであるネットユーザーが閲覧したところ、それが載っていなかった。つまり、それだけで、判決などでっち上げだったことが想像できる。
だが中国当局は、その重大な不備に気付いたのか、ほどなくして判決書をアップした。だがそこには何と「王立強」に名が載っているではないか。
また中国当局の説明では、二〇一六年の大部分の期間において、王氏は保釈中につき行動範囲が制限されていたが、ジョスク氏によれば、王氏の旅券にはその年に王氏が出国した記録が見え、「当局の説明には矛盾がある」という。
ジョスク氏は、「中国政府が主張すればするほど、『王氏は真実を語っているからこそ、北京は彼を黙らせようとするのだ』と想像することになる。王氏の話が真実か否かは、豪州政府の調査で明らかになるだろう」と語る。

当初、中国国内の判決を公表するサイトに問題の判決文はなかった。
【過去の関連記事】
中国の元スパイが明かす台湾選挙介入工作ー浮上する中共の国民党支援疑惑 19/11/25
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-3392.html
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■スパイの元締めとされる人物が拘束
台湾などでスパイ活動に従事し、現在豪州で亡命を申請中の中国の元スパイこと、王立強氏。
中国人民解放軍総参謀部傘下とされる香港の中国系企業「中国創新投資公司」で働き、その経営者で香港でのスパイ組織の元締めである向心夫妻の指揮下で台湾の選挙に介入し、対中宥和路線の国民党に民進党から政権を奪取させるべく、サイバー攻撃や国民党候補や同党寄りのマスコミへの資金提供などの工作に従事したという。

そうした王立強氏の証言が十一月二十三日、豪州メディアにより報じられ、台湾は騒然とした。
これを受け台湾の法務部調査局が調査に乗り出すと、その向心夫妻が台湾国内に滞在していることが判明した。そこで二十四日、桃園国際空港から出国しようとする二人に出頭を願う。そして翌二十五日、二人は台北地方検察署へ送致され、国家安全法違反の容疑で取り調べを受けた。今も出国禁止の措置が取られている。

検察に送致されるスパイの元締めと目される夫婦
ただ「中国創新投資公司」はすでに、王立強氏を雇用したことはないとの声明を出している。それでは王氏の証言は真実ではないというのか。
■元スパイの証言は信じられるか
豪戦略政策研究所のアレックス・ジョスク研究員はこう語る。
「王氏の十二頁にわたる中国語の自白と支援要請の文章を読み驚いた。そしてそれと同時に疑いも抱いた。軍や政府の背景を持たない二十六歳の男が、どうして解放軍の香港における情報ネットワークの核心部に接近できたのかと」
その「中国軍事情報ネットワークの核心」というのが向心氏だそうだ。だからジョスク氏は、王氏証言の向心氏に関する部分は「信用できる」とする。ジョスク氏によれば向心氏は「香港が中国へ復帰する前、中国国防科学技術工業委員会(COSTIND)から香港へ派遣された人物」だという。
また「向心氏の妻も情報研究所に勤務していたことがある。彼女もまた王立強にスパイだと名指しされている」とも。王氏は彼女を台湾選挙への介入工作を直接指揮していたと証言している。
■元スパイを詐欺犯扱いする中国だが
しかし中国政府は、もちろん王氏がスパイであるとは認めない。実際にはどうであれ、それを認めることはあり得ない。上海市公安局は二十三日、王氏は単なる逃走犯人だと声明した。
それによると「王立強は一昨年十月、福建省光沢県人民法院において詐欺罪で懲役一年三月、執行猶予一年六月の判決を受けた。今年二月、自動車輸入の投資話を人に持ち掛け、四百六十万元を騙し取った」という。
これを受け、対台湾工作を管轄する行政院台湾事務弁公室の報道官は、「このような時にこうした(偽の)ニュース作り出す者こそ、台湾選挙に干渉し、影響を及ぼそうとするものだ」と述べ、また外交部報道官も、「全く信用できない人間の証言をもとに、嬉々として所謂中国脅威論を大げさに広めた」など強調。今回の一件は豪州側による反中国の陰謀だとして片を付けたい様子だ。

中国外交部は元スパイを犯罪者扱い。それを庇護する豪州を非難するが…
台湾でも国民党の呉敦義主席が、この説明に飛びつき、王氏は「偽スパイだ」と強調した。
しかし中国側の主張の信憑性は、当初から大きく揺らいでいるのである。
■中国に否定されるほど信用され
王氏が中国で有罪判決を受けたというなら、その判決文が最高人民法院の運営するサイト「裁判文書網」に載るはずである。そこであるネットユーザーが閲覧したところ、それが載っていなかった。つまり、それだけで、判決などでっち上げだったことが想像できる。
だが中国当局は、その重大な不備に気付いたのか、ほどなくして判決書をアップした。だがそこには何と「王立強」に名が載っているではないか。
また中国当局の説明では、二〇一六年の大部分の期間において、王氏は保釈中につき行動範囲が制限されていたが、ジョスク氏によれば、王氏の旅券にはその年に王氏が出国した記録が見え、「当局の説明には矛盾がある」という。
ジョスク氏は、「中国政府が主張すればするほど、『王氏は真実を語っているからこそ、北京は彼を黙らせようとするのだ』と想像することになる。王氏の話が真実か否かは、豪州政府の調査で明らかになるだろう」と語る。

当初、中国国内の判決を公表するサイトに問題の判決文はなかった。
【過去の関連記事】
中国の元スパイが明かす台湾選挙介入工作ー浮上する中共の国民党支援疑惑 19/11/25
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-3392.html
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