台湾駐日大使の訴えを聞けー中国に潰された「東アジア・ユース大会」実現に力を尽くせ
2018/09/02/Sun
今年は八月十八日から第十八回アジア競技大会がインドネシアのジャカルタで開催され、その熱戦の模様は連日日本にも中継されていたが、実は来年八月からは、さらに第一回東アジア・ユース競技大会(主催・東アジア五輪委員会=EAOC)が台湾・台中で開催の予定だった。ところが、日本では必ずしも大きなニュースにはならなかったが、何とこれが中国の政治的な圧力により中止に追い込まれたのである。
七月二十四日のことだ。中国北京でEAOCの臨時理事会が開催された。日本、台湾、中国、香港、マカオ、モンゴル、北朝鮮、韓国、グアムを会員国(グアムはオブザーバー)とするEAOCの本部は北京体育総局内に置かれ、委員長は劉鵬・前中国国家体育総局局長。
つまり中国の政治的な影響を相当程度受ける機関と言えるのだが、その劉会長がこの会議を招集し、そして議長を務めた。そして席上、台中の東亜ユース大会の開催権の取り消しを提案したのである。台湾代表はこれに反対し、日本代表も重大な問題であるとの理由でアジア大会開催後の審議継続を提案したが聞き入れられず、挙手による採決が強行され、台湾が反対して日本が棄権したのに対し、劉議長及び六カ国・地域の代表が賛成を表明。かくしてこの競技会の開催は中止となったのである。
それでは台中の開催には、いかなる問題があったとかといえば、実は驚くなかれ、それを中止にしなければならない問題など、いっさいなかったのである。
中国はこれの中止をなぜ求めたかと言えば、その理由は翌日、中国国務院台湾事務弁公室(国台弁)の報道官が公にしている。いわく、「台湾の一部政治勢力と民間の台湾独立分子が、民進党の許容の下で東京五輪台湾正名公民投票を推進し、公然と五輪委員会方式に挑戦し、今回の競技会をして極めて大きな政治的リスク、政治的干渉に直面させた」からだと。
要するに、その当時台湾民間では、東京五輪で台湾がチャイニーズ・タイペイではなく台湾の名での参加を訴える台湾正名運動が盛り上がり、その賛否を巡る公民投票(国民投票)立案のための署名活動が展開されており、何とそれが、チャイニーズ・タイペイの名の下での台湾の競技会参加を定める国際五輪委員会(IOC)のルールに違反しているとの理由なのだが、しかし台湾の民間が何を訴えようとIOCのルールに違反していないし、仮に違反したからと言ってなぜ東亜ユース大会を潰さなくてはならないのか。
IOCに「チャイニーズ・タイペイ」(中国台北)の名を台湾に強要させたのは、台湾併呑を目論む中国は、その名の撤回を求める台湾人の声がよほど怖いらしい。だがそのような覇権主義になぜ各国は付き合わなければならないのか。
これは二十一世紀の今日、断じて放置してはならない事態だ。しかし残念ながら日本では、これが必ずしも大きな話題にはならなかったわけである。
ところがそうした中、台湾の駐日大使に当たる謝長廷駐日代表が九月一日の東京新聞に、この問題に関する一文を寄せた。日本人はこの問題をいかに考えるべきかをわかりやすく書いた内容であるので、以下に掲げたい。

■国際社会は開催支持を/謝長廷 台北駐日経済文化代表処代表 投稿
夏の全国高校野球選手権大会の決勝戦は、秋田の金足農(金農)と大阪桐蔭の選手たちのひた向きな姿に日本全国がさわやかな感動に包まれた。(日本統治時代の)台湾も戦前の一九三一年、嘉義農林が甲子園で準優勝した歴史がある。略称の嘉農(KANO)と金農(KANANO)が似ていることもあり、台湾の人々も準優勝した金農に嘉農の姿を重ね合わせ親しみを込めて応援した。
スポーツの祭典は人々に大きな感動をもたらすと同時に、競技を志す若者にとっては出場して勝利をつかむことが夢となり、目標になる。ところが、その夢が壊されるような事態が起き、私は残念でならない。
台湾中部の台中市では来年八月、二〇二〇年の東京五輪に先駆け、東アジアオリンピック委員会(EAOC)が主催する「東アジア・ユース大会」が開かれる予定だった。競技場の建設を含め開催準備は着々と進んでいたが、七月上旬、EAOCが臨時理事会を招集し、中国からの提案で東アジア・ユース大会の中止が一方的に決められたのだ。
台湾のオリンピック委員会は、国際オリンピック委員会(IOC)が承認する機関であり、IOC憲章にのっとって運営されている。台湾は、アスリートやスポーツ団体が国際大会などで参加することを保障し、他の会員国と同じくIOCの規定を順守してきた。
台中市と台湾のオリンピック委員会は七月三十日、開催中止を決めたEAOCに対し異議を申し立てた。しかしEAOC側は「決定済み」として八月十三日に改めて拒否。台湾は、国際的な調停や仲裁などあらゆる手段で、今も開催権を取り戻す決意である。
EAOCが突然、東アジア・ユース大会の中止を決定したことは、EAOCメンバーとしての台湾の権利を侵害するだけでなく、参加予定国の出場機会も奪うことになる。中国の政治的干渉で、日本を含む東アジア各国の青少年の出場機会が失われないようにするためにも、大会開催について日本をはじめ国際社会から支持と声援を得られることを強く望んでいる。
今回の中国の台湾に対する不当な妨害、圧力について蔡英文総統は「台湾の自由民主のライフスタイルを脅かすものだ。台湾は圧力に屈することなく、国際社会の責任ある一員として、地域の平和と安定を守る努力を続ける」と述べている。英国では衆参両院の親台議員たちが「この決議は東アジアの国、地域の選手の出場権を蔑ろにするもので、五輪憲章に違反するとともに、東アジア地域の五輪活動を広げるとするEAOCの規定にも反している」との声明を出した。ドイツ連邦議会でも親台議員たちが同様の声明を発している。
二〇二〇年に東京五輪を開催する日本は、こうした五輪憲章の精神に違反する中国の横暴な動きを黙認しつづけるのか。
EAOCの臨時理事会で採決を棄権した日本代表は日本五輪委員会副会長だそうだが、なぜその場で台湾と共に反対表明しなかったのか。東京五輪を成功させるには中国の協力が必要につき、あの国の不興を買うことを避けるべきだとでも判断したのか。
上記の国台弁報道官は「政治によるスポーツへの干渉に反対する」とも強調し、台湾民間の運動を非難したが、言うまでもなく中国こそが一方的に政治を持ち込んでいるのである。東京五輪では断じてそのようなことは許してはならない。
そしてその前に何より、台中の第一回東亜ユース大会の開催実現に力を尽くすべきである。悪いのは台湾ではなく、一〇〇パーセント中国であるとの認識でだ。
【過去の関連記事】
台湾の競技大会が中止―東京五輪「台湾正名」を恐れる中国の仕業 18/07/24
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-3324.html
日本は結局、台湾を擁護せず―東亜五輪委員会で中国の横暴を放置 18/07/25
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-3325.html
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9・8池袋「台湾正名」署名活動~ 東京五輪開幕まで2年!台湾は台湾!チャイニーズ・タイペイではない !

日時 9月8日(土)13~16時 ※雨天中止
場所 JR池袋駅東口前
主催 台湾研究フォーラム(台湾研究論壇)
協力 2020東京五輪「台湾正名」推進協議会
連絡先 070-6484-2624
■全国の皆さん、台湾正名請願署名にご協力ください!
http://www.ganbare-nippon.net/PDF/2020taiwanshomei
七月二十四日のことだ。中国北京でEAOCの臨時理事会が開催された。日本、台湾、中国、香港、マカオ、モンゴル、北朝鮮、韓国、グアムを会員国(グアムはオブザーバー)とするEAOCの本部は北京体育総局内に置かれ、委員長は劉鵬・前中国国家体育総局局長。
つまり中国の政治的な影響を相当程度受ける機関と言えるのだが、その劉会長がこの会議を招集し、そして議長を務めた。そして席上、台中の東亜ユース大会の開催権の取り消しを提案したのである。台湾代表はこれに反対し、日本代表も重大な問題であるとの理由でアジア大会開催後の審議継続を提案したが聞き入れられず、挙手による採決が強行され、台湾が反対して日本が棄権したのに対し、劉議長及び六カ国・地域の代表が賛成を表明。かくしてこの競技会の開催は中止となったのである。
それでは台中の開催には、いかなる問題があったとかといえば、実は驚くなかれ、それを中止にしなければならない問題など、いっさいなかったのである。
中国はこれの中止をなぜ求めたかと言えば、その理由は翌日、中国国務院台湾事務弁公室(国台弁)の報道官が公にしている。いわく、「台湾の一部政治勢力と民間の台湾独立分子が、民進党の許容の下で東京五輪台湾正名公民投票を推進し、公然と五輪委員会方式に挑戦し、今回の競技会をして極めて大きな政治的リスク、政治的干渉に直面させた」からだと。
要するに、その当時台湾民間では、東京五輪で台湾がチャイニーズ・タイペイではなく台湾の名での参加を訴える台湾正名運動が盛り上がり、その賛否を巡る公民投票(国民投票)立案のための署名活動が展開されており、何とそれが、チャイニーズ・タイペイの名の下での台湾の競技会参加を定める国際五輪委員会(IOC)のルールに違反しているとの理由なのだが、しかし台湾の民間が何を訴えようとIOCのルールに違反していないし、仮に違反したからと言ってなぜ東亜ユース大会を潰さなくてはならないのか。
IOCに「チャイニーズ・タイペイ」(中国台北)の名を台湾に強要させたのは、台湾併呑を目論む中国は、その名の撤回を求める台湾人の声がよほど怖いらしい。だがそのような覇権主義になぜ各国は付き合わなければならないのか。
これは二十一世紀の今日、断じて放置してはならない事態だ。しかし残念ながら日本では、これが必ずしも大きな話題にはならなかったわけである。
ところがそうした中、台湾の駐日大使に当たる謝長廷駐日代表が九月一日の東京新聞に、この問題に関する一文を寄せた。日本人はこの問題をいかに考えるべきかをわかりやすく書いた内容であるので、以下に掲げたい。

■国際社会は開催支持を/謝長廷 台北駐日経済文化代表処代表 投稿
夏の全国高校野球選手権大会の決勝戦は、秋田の金足農(金農)と大阪桐蔭の選手たちのひた向きな姿に日本全国がさわやかな感動に包まれた。(日本統治時代の)台湾も戦前の一九三一年、嘉義農林が甲子園で準優勝した歴史がある。略称の嘉農(KANO)と金農(KANANO)が似ていることもあり、台湾の人々も準優勝した金農に嘉農の姿を重ね合わせ親しみを込めて応援した。
スポーツの祭典は人々に大きな感動をもたらすと同時に、競技を志す若者にとっては出場して勝利をつかむことが夢となり、目標になる。ところが、その夢が壊されるような事態が起き、私は残念でならない。
台湾中部の台中市では来年八月、二〇二〇年の東京五輪に先駆け、東アジアオリンピック委員会(EAOC)が主催する「東アジア・ユース大会」が開かれる予定だった。競技場の建設を含め開催準備は着々と進んでいたが、七月上旬、EAOCが臨時理事会を招集し、中国からの提案で東アジア・ユース大会の中止が一方的に決められたのだ。
台湾のオリンピック委員会は、国際オリンピック委員会(IOC)が承認する機関であり、IOC憲章にのっとって運営されている。台湾は、アスリートやスポーツ団体が国際大会などで参加することを保障し、他の会員国と同じくIOCの規定を順守してきた。
台中市と台湾のオリンピック委員会は七月三十日、開催中止を決めたEAOCに対し異議を申し立てた。しかしEAOC側は「決定済み」として八月十三日に改めて拒否。台湾は、国際的な調停や仲裁などあらゆる手段で、今も開催権を取り戻す決意である。
EAOCが突然、東アジア・ユース大会の中止を決定したことは、EAOCメンバーとしての台湾の権利を侵害するだけでなく、参加予定国の出場機会も奪うことになる。中国の政治的干渉で、日本を含む東アジア各国の青少年の出場機会が失われないようにするためにも、大会開催について日本をはじめ国際社会から支持と声援を得られることを強く望んでいる。
今回の中国の台湾に対する不当な妨害、圧力について蔡英文総統は「台湾の自由民主のライフスタイルを脅かすものだ。台湾は圧力に屈することなく、国際社会の責任ある一員として、地域の平和と安定を守る努力を続ける」と述べている。英国では衆参両院の親台議員たちが「この決議は東アジアの国、地域の選手の出場権を蔑ろにするもので、五輪憲章に違反するとともに、東アジア地域の五輪活動を広げるとするEAOCの規定にも反している」との声明を出した。ドイツ連邦議会でも親台議員たちが同様の声明を発している。
二〇二〇年に東京五輪を開催する日本は、こうした五輪憲章の精神に違反する中国の横暴な動きを黙認しつづけるのか。
EAOCの臨時理事会で採決を棄権した日本代表は日本五輪委員会副会長だそうだが、なぜその場で台湾と共に反対表明しなかったのか。東京五輪を成功させるには中国の協力が必要につき、あの国の不興を買うことを避けるべきだとでも判断したのか。
上記の国台弁報道官は「政治によるスポーツへの干渉に反対する」とも強調し、台湾民間の運動を非難したが、言うまでもなく中国こそが一方的に政治を持ち込んでいるのである。東京五輪では断じてそのようなことは許してはならない。
そしてその前に何より、台中の第一回東亜ユース大会の開催実現に力を尽くすべきである。悪いのは台湾ではなく、一〇〇パーセント中国であるとの認識でだ。
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日本は結局、台湾を擁護せず―東亜五輪委員会で中国の横暴を放置 18/07/25
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