皇室と台湾―与那国行幸は日台友情史に必ず刻まれる
2018/03/07/Wed
天皇陛下は三月下旬、初めて与那国島を行幸されるそうである。
共同通信は同月五日、「両陛下、初めて台湾望む与那国へ」との見出しで記事を配信。同島を「約110キロ先に台湾を望む日本最西端の島」と表現した上で、「日本は台湾と国交がなく、天皇、皇族の訪問は難しい。ただ陛下は戦中、台湾出身の友人と机を並べた時もあり、東日本大震災の際は台湾からの支援にも感謝した縁がある。日本の学友は『気に掛けていた場所だろう。与那国島からご覧になれれば』と願っている」と伝えた。
そしてこの記事は共同網(共同の中国語サイト)にも転載されたのだが、これが台湾では注目を集めた。

台湾で反響呼んだ共同通信の中国語サイトの報道
同国の新聞、テレビ各社は競ってこれを引用して報じ、そしてそれらが今度はネット上で盛んに転載され、それに対するたくさんの好意的なコメントが見られた。
台湾では熱烈な「日本ファン」は普遍的に見られるが、私の見る限りその多くは、「日本」と同様に「皇室」をも憧れの対象としているように見える。つまり、少し硬い表現を用いれば、日本の皇国としての国体をありのままに理解している人が大勢いるということだ(台湾人に限らず、多くの外国人がそうだとも聞くが)。
“好意的なコメント”の中で印象に残ったものに、「私の感動の涙を、誰も止めることはできない」というのがあった。
確かこれを書いた人は、日本の歴史、文化に詳しい三十代の男性である。台湾では日本贔屓の人々はこれまで、国民党系の中華民族主義勢力(在台中国人が中心)から「親日」「媚日」などとさんざん罵倒、侮辱されてきたが、このコメントは「私は反日で排他的な在台中国人とはまったく異なる台湾人だ」との誇りの表明ではないかと感じている。
そこで以下において、それほど台湾の人々の注目を浴びた共同網の記事全文を日本語に訳して掲げたいと思う。
共同の日本語原文をベースにしつつ、中国語で加筆されたと思われる部分は私が日本語に訳した。
―――【共同社3月5日電】天皇、皇后両陛下は27日からの沖縄県滞在中、長年続けてきた離島訪問の一環で、約110キロ先に台湾を望む日本最西端の島、与那国島に初めて赴かれる。日本は台湾と国交がなく、天皇、皇族の訪問は難しい。ただ陛下は戦中、台湾出身の友人と机を並べた時もあり、東日本大震災の際は台湾からの支援にも感謝した縁がある。日本の学友は「気に掛けていた場所だろう。与那国島からご覧になれれば」と願っている。
―――「台湾の人たちは、日本をどう思っているのか」。2016年3月、東京都内で開かれた学習院初等科のクラス会で、台湾の同級生にしきりに尋ねる陛下の姿があった。その同級生である明石元紹氏(84歳)よれば、二人は15分間話し合った。
―――台湾には多くの親日家がおり、昨年は約450万人が日本を訪れ、また台湾に居住する日本人も2万人を超える。東日本大震災の発生後、台湾は約200億円(人民元で訳12億元)の義捐金を送り、国、地域の中で最高額だった。民間レベルでの交流は親密だが、天皇陛下の外交訪問は政府が決定するため、国交のない台湾への訪問の可能性は極めて低い。
―――至近距離の台湾もまた遠くに見える。天皇陛下は去年の春の園遊会で、台湾の卓球選手と結婚した福原愛選手に対し、親しく「東日本(大震災)の時などに台湾も心を寄せてくださった」と述べられた(*)。宮内庁幹部は、「両陛下が与那国島を訪れるのは、台湾が望めることとは関係ない」としているが、「一目見ることができれば喜ばれることだろう」と話す。(*)福原愛選手に述べられたのは、正しくは 皇后陛下である。
記事は以上のようなものだ。
さて、これを読んで思うのだが、もし台湾行幸をお望みあそばされるにもかかわらず、政府が「国交がないから」との理由でお認め申し上げないというのであれば、それは何とも畏れ多いことではないだろうか。
日本にとり台湾は歴史的にも関係が密接で、国交を結ぶ他の多くの国々よりはるかに「交流は親密」。両国の政府間、国民間は深い信頼で結ばれている。つまり日台の友情、交流を増進させていく上で、もはや「国交」の有無は必ずしも重要ではなくなっているはずなのだ。台湾行幸が実現されるなら、それはきっと日台両国民の歓呼の声の中で行われることとなり、それにより両国の友情は更にいっそう深まり行くにちがいない。

自由時報の報道

中央通信の報道
要するに私が言いたいのは、台湾行幸の「可能性は極めて低い」のだとしたら、それは「国交のない」というよりも、台湾侵略を目論み、日台関係の深化を警戒する中国により日中関係が悪化するのを政府が嫌っていることが最大の理由であると思う。
覇権主義国家(中国)に媚びて真の友邦(台湾)を軽視し続けてきたのがこれまでの政府だが、そうした姿勢がこのようなところにまで影響しているというのなら、今後それを改めさせなければ何とも申し訳ないことである。
いずれにせよ、与那国島行幸において、万が一海のかなたの台湾の島影をお望みになられることがあれば、国際社会で孤立しながらも日本に親しみを抱き続けて来た多くの台湾国民は大いに喜ぶのではないだろうか。
そしてそればかりか、戦中に日本のため散華された台湾籍軍人軍属の英霊もである。
かくして日台の友情の歴史に特筆されるべき出来事となるのだろう。そのように想像申し上げているところである。
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共同通信は同月五日、「両陛下、初めて台湾望む与那国へ」との見出しで記事を配信。同島を「約110キロ先に台湾を望む日本最西端の島」と表現した上で、「日本は台湾と国交がなく、天皇、皇族の訪問は難しい。ただ陛下は戦中、台湾出身の友人と机を並べた時もあり、東日本大震災の際は台湾からの支援にも感謝した縁がある。日本の学友は『気に掛けていた場所だろう。与那国島からご覧になれれば』と願っている」と伝えた。
そしてこの記事は共同網(共同の中国語サイト)にも転載されたのだが、これが台湾では注目を集めた。

台湾で反響呼んだ共同通信の中国語サイトの報道
同国の新聞、テレビ各社は競ってこれを引用して報じ、そしてそれらが今度はネット上で盛んに転載され、それに対するたくさんの好意的なコメントが見られた。
台湾では熱烈な「日本ファン」は普遍的に見られるが、私の見る限りその多くは、「日本」と同様に「皇室」をも憧れの対象としているように見える。つまり、少し硬い表現を用いれば、日本の皇国としての国体をありのままに理解している人が大勢いるということだ(台湾人に限らず、多くの外国人がそうだとも聞くが)。
“好意的なコメント”の中で印象に残ったものに、「私の感動の涙を、誰も止めることはできない」というのがあった。
確かこれを書いた人は、日本の歴史、文化に詳しい三十代の男性である。台湾では日本贔屓の人々はこれまで、国民党系の中華民族主義勢力(在台中国人が中心)から「親日」「媚日」などとさんざん罵倒、侮辱されてきたが、このコメントは「私は反日で排他的な在台中国人とはまったく異なる台湾人だ」との誇りの表明ではないかと感じている。
そこで以下において、それほど台湾の人々の注目を浴びた共同網の記事全文を日本語に訳して掲げたいと思う。
共同の日本語原文をベースにしつつ、中国語で加筆されたと思われる部分は私が日本語に訳した。
―――【共同社3月5日電】天皇、皇后両陛下は27日からの沖縄県滞在中、長年続けてきた離島訪問の一環で、約110キロ先に台湾を望む日本最西端の島、与那国島に初めて赴かれる。日本は台湾と国交がなく、天皇、皇族の訪問は難しい。ただ陛下は戦中、台湾出身の友人と机を並べた時もあり、東日本大震災の際は台湾からの支援にも感謝した縁がある。日本の学友は「気に掛けていた場所だろう。与那国島からご覧になれれば」と願っている。
―――「台湾の人たちは、日本をどう思っているのか」。2016年3月、東京都内で開かれた学習院初等科のクラス会で、台湾の同級生にしきりに尋ねる陛下の姿があった。その同級生である明石元紹氏(84歳)よれば、二人は15分間話し合った。
―――台湾には多くの親日家がおり、昨年は約450万人が日本を訪れ、また台湾に居住する日本人も2万人を超える。東日本大震災の発生後、台湾は約200億円(人民元で訳12億元)の義捐金を送り、国、地域の中で最高額だった。民間レベルでの交流は親密だが、天皇陛下の外交訪問は政府が決定するため、国交のない台湾への訪問の可能性は極めて低い。
―――至近距離の台湾もまた遠くに見える。天皇陛下は去年の春の園遊会で、台湾の卓球選手と結婚した福原愛選手に対し、親しく「東日本(大震災)の時などに台湾も心を寄せてくださった」と述べられた(*)。宮内庁幹部は、「両陛下が与那国島を訪れるのは、台湾が望めることとは関係ない」としているが、「一目見ることができれば喜ばれることだろう」と話す。(*)福原愛選手に述べられたのは、正しくは 皇后陛下である。
記事は以上のようなものだ。
さて、これを読んで思うのだが、もし台湾行幸をお望みあそばされるにもかかわらず、政府が「国交がないから」との理由でお認め申し上げないというのであれば、それは何とも畏れ多いことではないだろうか。
日本にとり台湾は歴史的にも関係が密接で、国交を結ぶ他の多くの国々よりはるかに「交流は親密」。両国の政府間、国民間は深い信頼で結ばれている。つまり日台の友情、交流を増進させていく上で、もはや「国交」の有無は必ずしも重要ではなくなっているはずなのだ。台湾行幸が実現されるなら、それはきっと日台両国民の歓呼の声の中で行われることとなり、それにより両国の友情は更にいっそう深まり行くにちがいない。

自由時報の報道

中央通信の報道
要するに私が言いたいのは、台湾行幸の「可能性は極めて低い」のだとしたら、それは「国交のない」というよりも、台湾侵略を目論み、日台関係の深化を警戒する中国により日中関係が悪化するのを政府が嫌っていることが最大の理由であると思う。
覇権主義国家(中国)に媚びて真の友邦(台湾)を軽視し続けてきたのがこれまでの政府だが、そうした姿勢がこのようなところにまで影響しているというのなら、今後それを改めさせなければ何とも申し訳ないことである。
いずれにせよ、与那国島行幸において、万が一海のかなたの台湾の島影をお望みになられることがあれば、国際社会で孤立しながらも日本に親しみを抱き続けて来た多くの台湾国民は大いに喜ぶのではないだろうか。
そしてそればかりか、戦中に日本のため散華された台湾籍軍人軍属の英霊もである。
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