日本で野生化!「キョン」(羌)の台湾への帰郷推進運動はどうか
2017/11/13/Mon
元来、台湾や中国に生息するシカ科の動物、キョン(羌)が日本で繁殖し、農作物を荒らすなどで害獣化しているのが最近話題だ。たとえば朝日新聞は一月六日、次のように報じている。

―――中型犬ほどのシカ、キョンが千葉県の房総半島で急増している。
―――繁殖力が強く、同県によると2015年度の推定数は約5万頭。07年度の約15倍に上る。台湾などが原産で、特定外来生物に指定されているため、わな猟を中心に捕獲が続けられているが、15年度の捕獲数は2千頭余りだ。
―――80年代に勝浦市にあった観光施設から逃げて野生化したとされる。日暮れ前、いすみ市の住宅街では数頭が草をはんだり、道を横切ったりしていた。庭の植栽を食べてしまうこともあるという。日没前に多く見られるが、詳しい生態は専門家にも知られていない。
この報道は三日後に、台湾紙自由時報によって引用されたのだが、その記事の見出しは「台湾で保護種のキョンは日本では爆増」。それによるとこの国でキョンは「第三級保護種動物に列せられている」という。

さて、私の友人で台湾独立運動家のJimmy Chen氏は、この自由時報の記事を読み、日本で野生化したキョンを大量に台湾に帰郷させる運動を日台両国でできないものかと聞いてきた。
台湾独立運動家には、台湾を愛するが故、台湾の自然環境問題に大きな関心を寄せる傾向があるようだが、私も台湾を愛する日本人であるにつき、やはりこうしたアイデアは好いなと思っている。
ただそれを実現するためには、やはり台湾の中央政府や地方政府(地方自自治体)などにキョンの受け入れを求める必要があるのだろう。そしてそのようなことを考えているうちに気になり出したのが、キョンには中国を原産とするものと台湾亜種と二種あることだ。
漢語で前者は山羌(学名:Muntiacus reevesi)で後者は台湾山羌(同:Muntiacus reevesi micrurus)。前者は後者より少し大きいらしいのだが、日本で野生化しているのはどちらなのか。
自由時報は「台湾山羌」だと断言していた。そのためJimmy Chen氏もキョンの里帰り計画を考え出した訳だろうが、それは朝日記事にある「台湾などが原産」という部分を早合点して訳したもののようで、台湾原産と断じるのはまだ早いのではないか。しかし「勝浦市にあった観光施設」は今はなく、もはや簡単には確認できなくなっている。
そこで東京都立大島公園に電話で聞いて見た。実はこの公園からもかつてキョンが逃げ出し野生化、害獣化しているのだ。
「台湾原産か中国原産か」との私の問いに飼育担当の方は、「公園が飼育し始めたのは古い話なのでよくわからない」とのことだ。そこで色々と調べてもらったところ、一九五七年の文書に「キョン飼育の計画」を示す記述があり、おそらくその時代に輸入したのではないかとのこと。そうなると、当時国交を持っていたのは中国ではなく台湾だから、大島のキョンの原産地は台湾である可能性が高くなる。
飼育担当者は私からキョンの逆輸入運動の話を興味深そうに聞いてくれた。原産地はDNAの比較で判明するのではないかとも教えてくれた。
日本にとっても台湾にとっても環境保全の上で「キョンの帰郷」のメリットは大きい。またこういった好い話は日台の友情を更にいっそう深化させるのにも役に立つことだろう。
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―――中型犬ほどのシカ、キョンが千葉県の房総半島で急増している。
―――繁殖力が強く、同県によると2015年度の推定数は約5万頭。07年度の約15倍に上る。台湾などが原産で、特定外来生物に指定されているため、わな猟を中心に捕獲が続けられているが、15年度の捕獲数は2千頭余りだ。
―――80年代に勝浦市にあった観光施設から逃げて野生化したとされる。日暮れ前、いすみ市の住宅街では数頭が草をはんだり、道を横切ったりしていた。庭の植栽を食べてしまうこともあるという。日没前に多く見られるが、詳しい生態は専門家にも知られていない。
この報道は三日後に、台湾紙自由時報によって引用されたのだが、その記事の見出しは「台湾で保護種のキョンは日本では爆増」。それによるとこの国でキョンは「第三級保護種動物に列せられている」という。

さて、私の友人で台湾独立運動家のJimmy Chen氏は、この自由時報の記事を読み、日本で野生化したキョンを大量に台湾に帰郷させる運動を日台両国でできないものかと聞いてきた。
台湾独立運動家には、台湾を愛するが故、台湾の自然環境問題に大きな関心を寄せる傾向があるようだが、私も台湾を愛する日本人であるにつき、やはりこうしたアイデアは好いなと思っている。
ただそれを実現するためには、やはり台湾の中央政府や地方政府(地方自自治体)などにキョンの受け入れを求める必要があるのだろう。そしてそのようなことを考えているうちに気になり出したのが、キョンには中国を原産とするものと台湾亜種と二種あることだ。
漢語で前者は山羌(学名:Muntiacus reevesi)で後者は台湾山羌(同:Muntiacus reevesi micrurus)。前者は後者より少し大きいらしいのだが、日本で野生化しているのはどちらなのか。
自由時報は「台湾山羌」だと断言していた。そのためJimmy Chen氏もキョンの里帰り計画を考え出した訳だろうが、それは朝日記事にある「台湾などが原産」という部分を早合点して訳したもののようで、台湾原産と断じるのはまだ早いのではないか。しかし「勝浦市にあった観光施設」は今はなく、もはや簡単には確認できなくなっている。
そこで東京都立大島公園に電話で聞いて見た。実はこの公園からもかつてキョンが逃げ出し野生化、害獣化しているのだ。
「台湾原産か中国原産か」との私の問いに飼育担当の方は、「公園が飼育し始めたのは古い話なのでよくわからない」とのことだ。そこで色々と調べてもらったところ、一九五七年の文書に「キョン飼育の計画」を示す記述があり、おそらくその時代に輸入したのではないかとのこと。そうなると、当時国交を持っていたのは中国ではなく台湾だから、大島のキョンの原産地は台湾である可能性が高くなる。
飼育担当者は私からキョンの逆輸入運動の話を興味深そうに聞いてくれた。原産地はDNAの比較で判明するのではないかとも教えてくれた。
日本にとっても台湾にとっても環境保全の上で「キョンの帰郷」のメリットは大きい。またこういった好い話は日台の友情を更にいっそう深化させるのにも役に立つことだろう。
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