中華民族主義は反日反台―支那事変勃発80周年に思う
2017/06/28/Wed
昨年の総統選挙、立法委員(国会議員)選挙で大敗を喫し、野党に転落した台湾の国民党。五月の党主席選挙で当選し、八月に就任予定の呉敦義前副総統にとっての急務は、来年の統一地方選と二〇二〇年の総統選に向けた党勢回復。そこで彼が目を付けているのが、今年が「七七事変」八十周年に当たること。

国民党の呉敦義・次期主席。支那事変勃発80周
年記念行事で党勢回復の第一歩とする構えだ
ちなみにこの「七七事変」とは支那事変のことだ。一九三七年七月七日、北京郊外の盧溝橋で日本軍が中国軍に攻撃を仕掛け(実際に攻撃したのは中国側で、日本が反撃に出るのは翌八日)、それによって中華民族は七年間の抗日戦争を戦い、最後は勝利の栄光を手にした強調するのが国民党の公定史観であり、中共の公定史観だ。
そこで呉敦義氏は、「中華民国と国民党にとっては重要な意義を持つ抗戦八十周年記念活動を党内で行い、それを党の新たなスタートとさせたい」などと表明している。
しかしそのようなことをしても、多くの有権者からはさらにそっぽを向かれるのではないか。
たしかに国民党は独裁時代、抗日戦争の勝利を強調する反日宣伝教育などで国内の中華民族主義を煽ることにある程度は成功していたが、しかし民主化され、台湾人意識が高揚する今日の台湾社会で、そうした手法は反撥を受けるだけだろう。そもそも台湾人の性格は中国式の偏狭、陰湿な排外主義にはあまり馴染まない。
しかしそれに対し、こうした国民党の動きを好ましく思っているのが中国政府だ。国務院台湾事務弁公室(国台弁)の報道官は六月十四日の定例会見で、こうコメントしている。
―――一九三七年七月七日の盧溝橋事変(事件)で中華民族の全面抗戦という歴史の幕が切って下された。あの勇敢、悲壮な感動すべき歴史は、両岸(※中国と台湾)の同胞にとり、中華民族にとり、とても重要で特殊な意義を持つ。あの全民族の抗戦がなければ台湾の復帰(※中国=中華民国による台湾接収)はなかったと言えるからだ。新たな歴史的な条件の下、両岸同胞は抗戦を記念し、あの歴史を永遠に銘記するだけでなく、さらには共に両岸関係の平和的発展のために力を尽くし、中華民族の偉大なる復興を促進しなければならない。

中国国台弁の報道官。国民党の反日に期待感を示した
実に好意的ではないか。日本への憎悪を基盤にして「中華民族の偉大なる復興」を国民党に呼びかけている。このように見ると国民党の記念活動は、実は中共に見せるためのものではないかと思えてくるのである。
実際にその通りではないだろうか。
国民党は二〇〇五年、台湾人主導の民進党政権に対抗のため、聯共制台(中共の力を借りて台湾人の政治勢力を抑制する)の道を選んだが(その結果、中共の傀儡となって今日に至っている)、ちょうどあの年は抗戦勝利五十周年にあたっていた。何しろ国共両党の意見が一致するものと言えば抗日勝利を祝うこと、つまり「反日本」だ。そこで両党はその祝賀で歩調を合わせたものだ。国民党が抗戦での主役だったことを中共が初めて認めたのもこの時だった。
そして両党が一致するもう一つが、「反台湾」だ。中華民族主義を受け入れず、「一つの中国」も認めない、そして中国寄り日本に親しみを抱く台湾人だけは断じて許せないのがあの両党なのだ。「制台」で手を結ぶことができるのは、そのためであるに他ならない。
台湾が中華民国体制下にある以上、政府(国防部)も七七事変の記念行事を行うことになるが、民進党政権はできるだけそれを形骸化したがっていると報じられている。そこで国台弁は五月十日の定例会見で「歴史を忘れることは背叛(裏切り)を意味する」などと脅しのメッセージを発していた。
以上を読んで、「今後は国共両党の中華民族主義に圧迫を受け続ける台湾人に声援を送りたい」と思わない日本人は、心が歪んでいるとの診断を下さざるを得ない。
【過去の関連記事】
支那事変記念日に「国共合作」―再び日本を戦禍に引きずり込むか 10/07/08
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1220.html
台湾の「脱中華」を支持すべき!―中共が「裏切り」と非難するほど今年の抗日記念行事は控えめらしい 17/05/13
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-3136.html
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2020東京五輪「台湾正名」街宣・署名活動

今回は東京都外での初の街頭活動。担当団体は台湾研究フォーラムです。みんなで訴えたいと思いますので、是非ご参加下さい。
日時 7月1日(土)13時00分~16時00分
(雨天の場合は7月2日に変更)
場所 JR京浜東北線「川口駅」東口前
※東京から川口駅への交通:高崎線・宇都宮線・埼京線・湘南新宿ライン「赤羽駅」から京浜東北線で3分。
主催 台湾研究フォーラム
後援 2020東京五輪「台湾正名」推進協議会
問合せ 070-6484-2624
台湾は台湾!Chinese Taipeiではない!
2020東京五輪(奧運)「台湾正名」推進協議会に参加を!

協議会HP http://2020taiwan-seimei.tokyo/index.html
署名(連署)用紙 http://www.ganbare-nippon.net/PDF/2020taiwanshomei
連署漢語説明 http://2020taiwan-seimei.tokyo/petition_tw.html

国民党の呉敦義・次期主席。支那事変勃発80周
年記念行事で党勢回復の第一歩とする構えだ
ちなみにこの「七七事変」とは支那事変のことだ。一九三七年七月七日、北京郊外の盧溝橋で日本軍が中国軍に攻撃を仕掛け(実際に攻撃したのは中国側で、日本が反撃に出るのは翌八日)、それによって中華民族は七年間の抗日戦争を戦い、最後は勝利の栄光を手にした強調するのが国民党の公定史観であり、中共の公定史観だ。
そこで呉敦義氏は、「中華民国と国民党にとっては重要な意義を持つ抗戦八十周年記念活動を党内で行い、それを党の新たなスタートとさせたい」などと表明している。
しかしそのようなことをしても、多くの有権者からはさらにそっぽを向かれるのではないか。
たしかに国民党は独裁時代、抗日戦争の勝利を強調する反日宣伝教育などで国内の中華民族主義を煽ることにある程度は成功していたが、しかし民主化され、台湾人意識が高揚する今日の台湾社会で、そうした手法は反撥を受けるだけだろう。そもそも台湾人の性格は中国式の偏狭、陰湿な排外主義にはあまり馴染まない。
しかしそれに対し、こうした国民党の動きを好ましく思っているのが中国政府だ。国務院台湾事務弁公室(国台弁)の報道官は六月十四日の定例会見で、こうコメントしている。
―――一九三七年七月七日の盧溝橋事変(事件)で中華民族の全面抗戦という歴史の幕が切って下された。あの勇敢、悲壮な感動すべき歴史は、両岸(※中国と台湾)の同胞にとり、中華民族にとり、とても重要で特殊な意義を持つ。あの全民族の抗戦がなければ台湾の復帰(※中国=中華民国による台湾接収)はなかったと言えるからだ。新たな歴史的な条件の下、両岸同胞は抗戦を記念し、あの歴史を永遠に銘記するだけでなく、さらには共に両岸関係の平和的発展のために力を尽くし、中華民族の偉大なる復興を促進しなければならない。

中国国台弁の報道官。国民党の反日に期待感を示した
実に好意的ではないか。日本への憎悪を基盤にして「中華民族の偉大なる復興」を国民党に呼びかけている。このように見ると国民党の記念活動は、実は中共に見せるためのものではないかと思えてくるのである。
実際にその通りではないだろうか。
国民党は二〇〇五年、台湾人主導の民進党政権に対抗のため、聯共制台(中共の力を借りて台湾人の政治勢力を抑制する)の道を選んだが(その結果、中共の傀儡となって今日に至っている)、ちょうどあの年は抗戦勝利五十周年にあたっていた。何しろ国共両党の意見が一致するものと言えば抗日勝利を祝うこと、つまり「反日本」だ。そこで両党はその祝賀で歩調を合わせたものだ。国民党が抗戦での主役だったことを中共が初めて認めたのもこの時だった。
そして両党が一致するもう一つが、「反台湾」だ。中華民族主義を受け入れず、「一つの中国」も認めない、そして中国寄り日本に親しみを抱く台湾人だけは断じて許せないのがあの両党なのだ。「制台」で手を結ぶことができるのは、そのためであるに他ならない。
台湾が中華民国体制下にある以上、政府(国防部)も七七事変の記念行事を行うことになるが、民進党政権はできるだけそれを形骸化したがっていると報じられている。そこで国台弁は五月十日の定例会見で「歴史を忘れることは背叛(裏切り)を意味する」などと脅しのメッセージを発していた。
以上を読んで、「今後は国共両党の中華民族主義に圧迫を受け続ける台湾人に声援を送りたい」と思わない日本人は、心が歪んでいるとの診断を下さざるを得ない。
【過去の関連記事】
支那事変記念日に「国共合作」―再び日本を戦禍に引きずり込むか 10/07/08
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台湾の「脱中華」を支持すべき!―中共が「裏切り」と非難するほど今年の抗日記念行事は控えめらしい 17/05/13
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今回は東京都外での初の街頭活動。担当団体は台湾研究フォーラムです。みんなで訴えたいと思いますので、是非ご参加下さい。
日時 7月1日(土)13時00分~16時00分
(雨天の場合は7月2日に変更)
場所 JR京浜東北線「川口駅」東口前
※東京から川口駅への交通:高崎線・宇都宮線・埼京線・湘南新宿ライン「赤羽駅」から京浜東北線で3分。
主催 台湾研究フォーラム
後援 2020東京五輪「台湾正名」推進協議会
問合せ 070-6484-2624
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協議会HP http://2020taiwan-seimei.tokyo/index.html
署名(連署)用紙 http://www.ganbare-nippon.net/PDF/2020taiwanshomei
連署漢語説明 http://2020taiwan-seimei.tokyo/petition_tw.html
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