WHO事務局長にまた親中派―「台湾排除」という名の非道は続くか (付:台湾チャンネル関連報道動画)
2017/05/27/Sat
五月二十二日からスイス・ジュネーブで開幕中の世界保健機関(WHO)年次総会だが、今年は台湾がオブザーバー参加をできないのは、一言で言えば中国がそれに反対するからだ。
昨年発足した蔡英文政権が台湾を中国領土の一部とする「一つの中国」原則を受け入れていないというのがその理由である。「一つの中国・一つの台湾」という現実に基づく台湾の国際舞台での活動を阻止するのが、この国の外交上の最大の課題の一つなのだ。
中国で対台湾工作を管轄する国務院台湾事務弁公室(国台弁)の報道官は二十五日の定例会見で、「なぜWHO総会は台湾を招請することを拒絶したのか」に関し、こう言い放っている。
―――国際社会は普遍的に「一つの中国」原則を承認しており、国連総会第二七五八号決議とWHO総会第二五・一号決議はこの原則を体現したもので、その権威性は疑いようのないものだ。WHOは国連の専門機関であり、上述の原則に照らして台湾問題を処理するのは天経地義(不変の正しい道)である。

「一つの中国」原則を掲げて台湾排除を正当化して見せる中国の国台弁報道官。しかしその内
容たるや作り話で満ちていた
このように「一つの中国」原則を正当化するため、盛んに「国連総会第二七五八号決議とWHO総会第二五・一号決議」を振りかざす中国だが、ここには明らかな事実捏造が見て取れる。
そもそも一九七一年と七二年に採択されたこれら決議は、中国唯一の合法的代表として、従来の台湾亡命中の中華民国政府ではなく中華人民共和国を承認するというものではあるが、しかし台湾を中華人民共和国の領土の一部と認めるものでは断じてないのである。
しかしWHO事務局もまた、この二つの決議を根拠に、WHOは「一つの中国」原則を守る立場だとして台湾に総会への招請状を発しなかったのだ。
要するに中国人であるマーガレット・チャン(陳馮富珍)事務局長をはじめとする同事務局は、すっかり中国の傀儡となってしまっているのである。日本では「WHOは中台関係への関与には消極的な姿勢だ」(日経)との報道が見られ、それは中国の台湾排除の動きに対して見て見ぬふりをしているとの指摘だと思うが、実際には同事務局は、WHO憲章が定める中立、平等の理念をも放棄し、進んで中国の操縦を受けているのだから、相当の「ワル」である。むしろ積極的に台湾の問題に関与していると言えよう。
そして「国際社会は普遍的に『一つの中国』原則を承認している」との国台弁の主張も、全くの作り話だ。なぜなら台湾を中国の一部と承認すると表明している国は四十数カ国(承認表明は主に中国との国交樹立のコミュニケで行われる)。中国と国交を結ぶ百七十四カ国の四分の一程度にとどまっている。
もっともそれ以外でも、WHO総会から台湾を排除しようとする中国の横暴、不条理な行動を容認、黙認する多くの国は「一つの中国」を認めるに等しく、その意味では中国の豪語はあながち嘘とは言い切れない。
実は総会の開幕直前、中国はジュネーブ駐在の各国代表に対して書簡を送り、中国政府は「中国台湾省」の総会参加を許さないことを決めた旨を伝達している。
おそらく中国と国交を持つ百七十四カ国の代表は、事実に反するなどとして「中国台湾省」との表現に異議を申し立てるようなことはしなかっただろう。もしそれをすれば中国との間で大きな外交トラブルを抱えることになるからである。
中国はこのように各国に圧力を掛けながら、「一つの中国」なるフィクションを既成事実化しているのである。
さて今回の総会では、間もなく任期切れとなるマーガレット・チャン事務局長の後任選挙が行われたのだが、選出されたのはエチオピアのテドロス・アダノム・ゲブレイエスス・元保健相だ。
これに関して台湾の陳時中・衛福部長(厚生相)は「テドロス氏は自分を弱者の代表者と強調するが、それは公平正義の姿勢を堅持している表れだろう。台湾としてはそれに期待し、健康の問題においては全世界の人々を公平に扱ってほしい」と期待感を表明している。
しかしも台湾で実際に広がるのは、期待ではなく失望だ。なぜならエチオピアと言えば中国の政治的影響を強く受ける「親中国家」。テドロス氏自身も親中だと言われているからである。

次期WHO事務局長に選出されたテドロス氏。右はマーガレット・チャン事務局長。親中派による事務局支配が続きうそうだ
「人種、宗教、政治信条や経済的・社会的条件によって差別されることなく、最高水準の健康に恵まれることは あらゆる人々にとっての基本的人権の一つ」(WHO憲章)として、台湾人民を含む全人類のそれの保護と増進を目指すのがWHOの使命のはずである。
WHOは今後も中国の影響下でそれを忘れ、腐敗堕落を続けるのだろうか。つまり新事務局長が引き続き「一つの中国」の虚偽宣伝を受け入れ、台湾の差別、排除を行うかどうかだ。
これまで台湾の総会参加を支持して来た日本を含む良識ある各国は、それを監視するべきだと思うのである。
【過去の関連記事】
台湾排除―WHOと中国の許されざる結託/日本政府の台湾支持表明が本気なら中国への配慮停止を 17/05/10
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-3133.html
中国影響下のWHOー年次総会に台湾は参加できるか 17/05/01
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-3127.html
これほど深刻!WHOの台湾排除問題‐中国の傀儡に良識なし(附:台湾チャンネル関連報道動画)17/05/12
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-3135.html
WHO台湾排除問題の基礎知識 17/05/24
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-3143.html
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【台湾CH Vol.184】台湾史を彩る鄭成功は本当に英雄か? / 中国に汚染されたWHOと台湾を支持する各国の正論[桜H29/5/25]
https://youtu.be/k-gHlE7bKsI
台湾チャンネル第184回は、①台湾の日本語老世代との感動的な触れ合いとは。②中国とその傀儡と化した世界保健機関(WHO)事務局の台湾排除姿勢の現状と、それに異を唱えた加盟各国の正義の声。③日本人との混血で17世紀に活躍した台湾ゆかりの鄭成功は日本でも英雄視されるが、しかし民主化後の台湾人史観に基づけば全く異なる人物像が。 キャスター:永山英樹・謝恵芝
【日台交流頻道】第184集,在日本也知名的鄭成功真的是台灣的英雄嗎? / 日本人應正視的中國政治汚染WHO的状況
本節目使用日台的語言。本集報導: ①主播永山英樹介紹他在高雄巧遇會講日語的長輩,抒發身為一個日本人的感想。②持續報導有關台湾參加WHA的問題。中國政治汚染WHO與支持台湾参加WHA之諸國的正義之聲。③被稱為「台湾的英雄」,也受日本人景仰的鄭成功是真英雄嗎?。介紹與大中国歴史観不同的新台湾人史観。 主播:永山英樹・謝惠芝
台湾は台湾!Chinese Taipeiではない!
2020東京五輪(奧運)「台湾正名」推進協議会に参加を!

協議会HP http://2020taiwan-seimei.tokyo/index.html
署名(連署)用紙 http://www.ganbare-nippon.net/PDF/2020taiwanshomei
連署漢語説明 http://2020taiwan-seimei.tokyo/petition_tw.html
昨年発足した蔡英文政権が台湾を中国領土の一部とする「一つの中国」原則を受け入れていないというのがその理由である。「一つの中国・一つの台湾」という現実に基づく台湾の国際舞台での活動を阻止するのが、この国の外交上の最大の課題の一つなのだ。
中国で対台湾工作を管轄する国務院台湾事務弁公室(国台弁)の報道官は二十五日の定例会見で、「なぜWHO総会は台湾を招請することを拒絶したのか」に関し、こう言い放っている。
―――国際社会は普遍的に「一つの中国」原則を承認しており、国連総会第二七五八号決議とWHO総会第二五・一号決議はこの原則を体現したもので、その権威性は疑いようのないものだ。WHOは国連の専門機関であり、上述の原則に照らして台湾問題を処理するのは天経地義(不変の正しい道)である。

「一つの中国」原則を掲げて台湾排除を正当化して見せる中国の国台弁報道官。しかしその内
容たるや作り話で満ちていた
このように「一つの中国」原則を正当化するため、盛んに「国連総会第二七五八号決議とWHO総会第二五・一号決議」を振りかざす中国だが、ここには明らかな事実捏造が見て取れる。
そもそも一九七一年と七二年に採択されたこれら決議は、中国唯一の合法的代表として、従来の台湾亡命中の中華民国政府ではなく中華人民共和国を承認するというものではあるが、しかし台湾を中華人民共和国の領土の一部と認めるものでは断じてないのである。
しかしWHO事務局もまた、この二つの決議を根拠に、WHOは「一つの中国」原則を守る立場だとして台湾に総会への招請状を発しなかったのだ。
要するに中国人であるマーガレット・チャン(陳馮富珍)事務局長をはじめとする同事務局は、すっかり中国の傀儡となってしまっているのである。日本では「WHOは中台関係への関与には消極的な姿勢だ」(日経)との報道が見られ、それは中国の台湾排除の動きに対して見て見ぬふりをしているとの指摘だと思うが、実際には同事務局は、WHO憲章が定める中立、平等の理念をも放棄し、進んで中国の操縦を受けているのだから、相当の「ワル」である。むしろ積極的に台湾の問題に関与していると言えよう。
そして「国際社会は普遍的に『一つの中国』原則を承認している」との国台弁の主張も、全くの作り話だ。なぜなら台湾を中国の一部と承認すると表明している国は四十数カ国(承認表明は主に中国との国交樹立のコミュニケで行われる)。中国と国交を結ぶ百七十四カ国の四分の一程度にとどまっている。
もっともそれ以外でも、WHO総会から台湾を排除しようとする中国の横暴、不条理な行動を容認、黙認する多くの国は「一つの中国」を認めるに等しく、その意味では中国の豪語はあながち嘘とは言い切れない。
実は総会の開幕直前、中国はジュネーブ駐在の各国代表に対して書簡を送り、中国政府は「中国台湾省」の総会参加を許さないことを決めた旨を伝達している。
おそらく中国と国交を持つ百七十四カ国の代表は、事実に反するなどとして「中国台湾省」との表現に異議を申し立てるようなことはしなかっただろう。もしそれをすれば中国との間で大きな外交トラブルを抱えることになるからである。
中国はこのように各国に圧力を掛けながら、「一つの中国」なるフィクションを既成事実化しているのである。
さて今回の総会では、間もなく任期切れとなるマーガレット・チャン事務局長の後任選挙が行われたのだが、選出されたのはエチオピアのテドロス・アダノム・ゲブレイエスス・元保健相だ。
これに関して台湾の陳時中・衛福部長(厚生相)は「テドロス氏は自分を弱者の代表者と強調するが、それは公平正義の姿勢を堅持している表れだろう。台湾としてはそれに期待し、健康の問題においては全世界の人々を公平に扱ってほしい」と期待感を表明している。
しかしも台湾で実際に広がるのは、期待ではなく失望だ。なぜならエチオピアと言えば中国の政治的影響を強く受ける「親中国家」。テドロス氏自身も親中だと言われているからである。

次期WHO事務局長に選出されたテドロス氏。右はマーガレット・チャン事務局長。親中派による事務局支配が続きうそうだ
「人種、宗教、政治信条や経済的・社会的条件によって差別されることなく、最高水準の健康に恵まれることは あらゆる人々にとっての基本的人権の一つ」(WHO憲章)として、台湾人民を含む全人類のそれの保護と増進を目指すのがWHOの使命のはずである。
WHOは今後も中国の影響下でそれを忘れ、腐敗堕落を続けるのだろうか。つまり新事務局長が引き続き「一つの中国」の虚偽宣伝を受け入れ、台湾の差別、排除を行うかどうかだ。
これまで台湾の総会参加を支持して来た日本を含む良識ある各国は、それを監視するべきだと思うのである。
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台湾チャンネル第184回は、①台湾の日本語老世代との感動的な触れ合いとは。②中国とその傀儡と化した世界保健機関(WHO)事務局の台湾排除姿勢の現状と、それに異を唱えた加盟各国の正義の声。③日本人との混血で17世紀に活躍した台湾ゆかりの鄭成功は日本でも英雄視されるが、しかし民主化後の台湾人史観に基づけば全く異なる人物像が。 キャスター:永山英樹・謝恵芝
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署名(連署)用紙 http://www.ganbare-nippon.net/PDF/2020taiwanshomei
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