中国が震災追悼式を欠席―日台の接近を嫌い五年連続
2017/03/13/Mon
■擁護の必要などない中国の式典欠席
今年も政府主催の東日本大震災追悼式が三月十一日に国立劇場で開かれた。そして多くの国の大使なども参列し、犠牲者の鎮魂の祈りを捧げたのだが、相変わらず中国の代表は欠席したのだろう。それを確認すべく私は週明けの十三日、内閣府に電話をかけて見た。
(私)中国の代表は参列したか。
(内閣府)していない。
(私)なぜか。
(内閣府)それは聞いていない。
(私)毎年欠席か。
(内閣府)違う。最初の年は参列していた。
私は「内閣府はなぜここまで中国などを庇うのだろう」と思った。「はっきり言ってしまえばいいのに」と。

政府主催の東日本大震災6周年追悼式。これを出しに中国
は日本に圧力をかける気か
事実を言おう。確かに中国の駐日大使は二〇一二年の一周年追悼式には参列しているが、しかしその後は今回の六周年追悼式に至るまで、一貫して参列をボイコットしているのである。
そしてその目的は、日本が台湾との関係を強化しないよう圧力をかけることにあるのだ。そもそも慰霊祭を政治利用するなど不謹慎極まりない。こんな国をなぜ庇う必要があるのだろうか。
■ここまで台湾を侮辱した民主党政権
一周年追悼式で政府は台湾代表(駐日代表処=大使館の副代表)を各国代表が座る一階の来賓席ではなく、二階の企業・団体関係者の席に座らせ、そして一般参列者として献花させたのである。
これは台湾及び台湾国民に対するこの上なく侮辱と言えた。まして台湾は、被災地支援のために、少なくとも官民合わせて二百億円もの義捐金を集めた国である。その額はもちろん世界最高だ。他の九十三カ国からの義捐金総額を上回っている。
それでありながらも政府は、ここまでの侮辱を加えたのだ。翌十二日、自民党議員から「失礼な扱いだ。一番たくさんの義援金をくれた国だ。友情に応えるべきだった。一人の日本人として台湾の皆さまにお詫びしたい」と批判された民主党の野田佳彦首相は、「温かい支援を頂いた台湾の皆さんの気持ちを傷つけることがあったら申し訳ない。行き届いていなかったことを深く反省したい」と陳謝した。
それではなぜこのような非礼を働いたのかと言えば、もし台湾代表に他国の代表と同様の待遇を与えれば、台湾は国家ではなく自国領土の一部に過ぎないと主張する中国覇権主義からお叱りを受けるからである。
実際に自民党政権が翌二〇一三年の式典で台湾代表を他国の代表と同待遇で招くと、実際に中国は憤りを隠さなかった。
■中国のボイコットは好い状況
憤りのあまり式典参列をボイコットまでしたのだ。
その日、中国外務省報道官は次のようにコメントを発している。
「日本は今年の追悼式で台湾の人員を外交使節団や国際機関職員と同じく扱ったが、これは中日共同声明の原則、精神、そして台湾問題に関する約束に反するものである。中国は日本に対し断固たる反対の態度を表明した。我々はすでに日本側に対して厳正なる交渉を行い、日本の行為への強烈なる不満を表明した」
かくて中国はその後の四周年、五周年、そして今年の六周年の追悼式にも、欠席し続けているのである。
しかしそもそも日本は、なぜ台湾代表の招待に関し、中国から批判を受けなければならないのか。中国は日中共同声明等々を持ち出して、あたかも日本が台湾を中国の一部であると承認したかのような物言いだが、実際にはそのような承認はしたことがないのである。
確かに日本は台湾を国家と承認せず、「地域」との扱いをしているが、しかし「中国の一地域」と認めたわけではないのだ。そして日本は「地域」と位置付けるも、実際には台湾はモンテビデオ条約(国家の権利及び義務に関する条約)が定める国家の要件をしっかりと満たす事実上の国家なのである。
しかしそれを認めたくない中国は上記の如く、日本に根拠なき言いがかりを付けるのである。そして従来の政府はそれを恐れ、唯々諾々として台湾に冷淡で非礼な態度をとってきたのだ。何も民主党政権だけでなく、それ以前の自民党政権もだ。
ところが今や上記のように五年連続で中国を怒らせているのである。恫喝を跳ね返すことであの国をお手上げ状態に追い込んでいるとも言うことができる。
だからそのような意味からも、これは非常に評価して好い状況なのだ。
■台湾は特別な友人との認識が広がる
政府が六周年追悼式に台湾の謝長廷駐日代表(大使に相当)を招いたのと同時に、日本の対台窓口機関である日本台湾交流協会台北事務所(大使館に相当)も台北で開催の追悼式に台湾各界の人々を招待した。
読売新聞によれば、「同事務所の沼田幹男代表はあいさつで『台湾は心と心がつながった本当に特別な友人だ』と謝意。対日関係を担当する『亜東関係協会』の邱義仁会長は「台日の絆が証明された」と応じた」とのことだ。

台北での追悼式。沼田幹夫代表(左)と邱義仁会長
この日台は「特別な友人」だという認識は、六年前に台湾から被災地への支援があり、それに日本側が感謝、感激して以来、両国で急速に広がっているが、台湾併呑を目指す中国から見れば、こうした日台の「絆」の強まる事態は脅威以外の何物でもあるまい。
日本が中国には卑屈で台湾には傲慢だった従来の姿勢を改めたことで台湾との友情が深まり、それが中国覇権主義への抑止力を高めつつあるというのが今日の状況である。
そう言えば二〇一三年、中国の外交部報道官が上記の通り日本批判を行った際、こんなことも強調していた。
「二〇一一年に日本で三一一地震が発生すると、中国の政府と人民は日本人民に対して慰問と支持の気持ちを伝え、中国台湾地区も日本人民に支援を提供した」
台湾人の支援も自国の支援の一部だと言ってのけた中国。このように、我が「特別な友人」の存在をも否定してみせる国を、日本人は許して好いのか。
かつての日本はこんな国の言いなりになっていたのである訳だから隔世の感もないわけではない。
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(私)中国の代表は参列したか。
(内閣府)していない。
(私)なぜか。
(内閣府)それは聞いていない。
(私)毎年欠席か。
(内閣府)違う。最初の年は参列していた。
私は「内閣府はなぜここまで中国などを庇うのだろう」と思った。「はっきり言ってしまえばいいのに」と。

政府主催の東日本大震災6周年追悼式。これを出しに中国
は日本に圧力をかける気か
事実を言おう。確かに中国の駐日大使は二〇一二年の一周年追悼式には参列しているが、しかしその後は今回の六周年追悼式に至るまで、一貫して参列をボイコットしているのである。
そしてその目的は、日本が台湾との関係を強化しないよう圧力をかけることにあるのだ。そもそも慰霊祭を政治利用するなど不謹慎極まりない。こんな国をなぜ庇う必要があるのだろうか。
■ここまで台湾を侮辱した民主党政権
一周年追悼式で政府は台湾代表(駐日代表処=大使館の副代表)を各国代表が座る一階の来賓席ではなく、二階の企業・団体関係者の席に座らせ、そして一般参列者として献花させたのである。
これは台湾及び台湾国民に対するこの上なく侮辱と言えた。まして台湾は、被災地支援のために、少なくとも官民合わせて二百億円もの義捐金を集めた国である。その額はもちろん世界最高だ。他の九十三カ国からの義捐金総額を上回っている。
それでありながらも政府は、ここまでの侮辱を加えたのだ。翌十二日、自民党議員から「失礼な扱いだ。一番たくさんの義援金をくれた国だ。友情に応えるべきだった。一人の日本人として台湾の皆さまにお詫びしたい」と批判された民主党の野田佳彦首相は、「温かい支援を頂いた台湾の皆さんの気持ちを傷つけることがあったら申し訳ない。行き届いていなかったことを深く反省したい」と陳謝した。
それではなぜこのような非礼を働いたのかと言えば、もし台湾代表に他国の代表と同様の待遇を与えれば、台湾は国家ではなく自国領土の一部に過ぎないと主張する中国覇権主義からお叱りを受けるからである。
実際に自民党政権が翌二〇一三年の式典で台湾代表を他国の代表と同待遇で招くと、実際に中国は憤りを隠さなかった。
■中国のボイコットは好い状況
憤りのあまり式典参列をボイコットまでしたのだ。
その日、中国外務省報道官は次のようにコメントを発している。
「日本は今年の追悼式で台湾の人員を外交使節団や国際機関職員と同じく扱ったが、これは中日共同声明の原則、精神、そして台湾問題に関する約束に反するものである。中国は日本に対し断固たる反対の態度を表明した。我々はすでに日本側に対して厳正なる交渉を行い、日本の行為への強烈なる不満を表明した」
かくて中国はその後の四周年、五周年、そして今年の六周年の追悼式にも、欠席し続けているのである。
しかしそもそも日本は、なぜ台湾代表の招待に関し、中国から批判を受けなければならないのか。中国は日中共同声明等々を持ち出して、あたかも日本が台湾を中国の一部であると承認したかのような物言いだが、実際にはそのような承認はしたことがないのである。
確かに日本は台湾を国家と承認せず、「地域」との扱いをしているが、しかし「中国の一地域」と認めたわけではないのだ。そして日本は「地域」と位置付けるも、実際には台湾はモンテビデオ条約(国家の権利及び義務に関する条約)が定める国家の要件をしっかりと満たす事実上の国家なのである。
しかしそれを認めたくない中国は上記の如く、日本に根拠なき言いがかりを付けるのである。そして従来の政府はそれを恐れ、唯々諾々として台湾に冷淡で非礼な態度をとってきたのだ。何も民主党政権だけでなく、それ以前の自民党政権もだ。
ところが今や上記のように五年連続で中国を怒らせているのである。恫喝を跳ね返すことであの国をお手上げ状態に追い込んでいるとも言うことができる。
だからそのような意味からも、これは非常に評価して好い状況なのだ。
■台湾は特別な友人との認識が広がる
政府が六周年追悼式に台湾の謝長廷駐日代表(大使に相当)を招いたのと同時に、日本の対台窓口機関である日本台湾交流協会台北事務所(大使館に相当)も台北で開催の追悼式に台湾各界の人々を招待した。
読売新聞によれば、「同事務所の沼田幹男代表はあいさつで『台湾は心と心がつながった本当に特別な友人だ』と謝意。対日関係を担当する『亜東関係協会』の邱義仁会長は「台日の絆が証明された」と応じた」とのことだ。

台北での追悼式。沼田幹夫代表(左)と邱義仁会長
この日台は「特別な友人」だという認識は、六年前に台湾から被災地への支援があり、それに日本側が感謝、感激して以来、両国で急速に広がっているが、台湾併呑を目指す中国から見れば、こうした日台の「絆」の強まる事態は脅威以外の何物でもあるまい。
日本が中国には卑屈で台湾には傲慢だった従来の姿勢を改めたことで台湾との友情が深まり、それが中国覇権主義への抑止力を高めつつあるというのが今日の状況である。
そう言えば二〇一三年、中国の外交部報道官が上記の通り日本批判を行った際、こんなことも強調していた。
「二〇一一年に日本で三一一地震が発生すると、中国の政府と人民は日本人民に対して慰問と支持の気持ちを伝え、中国台湾地区も日本人民に支援を提供した」
台湾人の支援も自国の支援の一部だと言ってのけた中国。このように、我が「特別な友人」の存在をも否定してみせる国を、日本人は許して好いのか。
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