日本人「台北ツアー」内容の実態―これでは「中国政治文化」巡りだ
2017/01/12/Thu
テレビで大手旅行代理店のCMを見た。三泊四日の台北ツアーの宣伝なのだが、それに参加するとなかなか立派なレストランやマッサージ店などに連れて言ってもらえる他、市内四カ所の観光名所にも案内されるというのだが、その観光名所の内、三カ所は案の定…。

「案の定」と言うのは、ここだけでなく他のどこの代理店でも、台北ツアーにはたいてい組み込むスポットだからなのだが、名前を上げると中正記(紀)念堂、忠烈祠、そして故宮博物院だ。
中正記念堂とは、戦後の台湾で長年にわたり、多くの台湾人を迫害、弾圧、虐殺した独裁者、蒋介石を記念する建物で、台湾人に国民党独裁政権への忠誠心を維持させるための洗脳施設である。

忠烈祠とは、国民党のために中国での内戦や対日戦争で戦死した人々を中心に(台湾とは無関係な中国人を中心に)祀る施設である。

故宮博物院とは、中華歴代皇帝の財宝を所蔵することで、中華民国こそが中国唯一の合法的な代表政権であると内外に宣伝するための施設だ。

要するにこの三カ所はどれもが、台湾人を国民党に奉仕させるべく実施された「中国人化」の残酷な洗脳教育施設に他ならないのである。
もっとも民主化後の今日、独裁政権などとうに滅び、「中国人化」など過去の話なのだが、しかしこれらはいまだかつてのままの施設である。なぜなら当時の支配者階級の残党勢力が、ふたたび独裁の座に返り咲く日を夢見ながら(同じ中華民族たる中共の手を借りて台湾人の上に君臨したい)、身を張ってこれらを温存しているわけだ。
そうした反民主勢力がヒステリックに反対するからこそ、たとえば中正記念堂の場合、民進党政権時代の二〇〇七年、独裁者崇拝を否定するため台湾民主記念館へと改称されたが、その内部の巨大な蒋介石像までは撤去できなかった。そして国民党政権復活後の二〇〇九年には、ふたたび中正記念堂の名を取り戻し、今日に至っている。
もちろん民主と自由を大切にする人々は、こうした施設がいつまでも温存させることに眉を顰めており、昨年の民進党政権発足で独裁時代の清算が求められる中、中正記念堂の存廃は議論の対象の一つである。

もっとも、日本の旅行代理店にとり、こうした「政治問題」はともかく、これらの場所への立ち寄りは、顧客を満足させるために不可欠と判断していると思う。
なにしろ中正記念堂はあの広大さ、壮大さだし、儀仗兵の交替式は見ものだ。忠烈祠もまた儀仗兵を見物できる。そして故宮博物院に至っては、中国本国でも見ることのできない中華帝国の至宝の数々を拝むことができる。
「これらをコースに入れずして、台北のどこを案内しろというのか」というに違いない。
台北にはまだまだ「中国」の歴史文化、政治文化とは異なる「台湾」独自の文化を触れることのできるスポットはいくらでもあるが、たしかに広大さ、荘厳さで手っ取り早く顧客を喜ばせる場所は、そうはないのかもしれない。
それで私は提案したいのだが、これら三カ所を周るツアーは、必ず参加者にそれらを建設した独裁政権の意図、そしてそれらの歴史的背景などをきちんと説明してはどうだろう。
そしてこうした人を圧するような広大、荘厳さを強調する文化は、あくまでも中国伝統の独裁政治の文化であり、心優しく開放的で、そしてだからこそ親日的でもある台湾人元来の文化とは根本的に異なるものであるということも伝えたらいいと思うのだ。
中国政治文化施設を連れて歩く以上は、「台湾は中国の一部」だとの誤解を顧客に抱かせないよう細心の注意を払うべきではないだろうか。
そうしないと国民党や中共の「宣伝代理店」との謗りは免れない。
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「案の定」と言うのは、ここだけでなく他のどこの代理店でも、台北ツアーにはたいてい組み込むスポットだからなのだが、名前を上げると中正記(紀)念堂、忠烈祠、そして故宮博物院だ。
中正記念堂とは、戦後の台湾で長年にわたり、多くの台湾人を迫害、弾圧、虐殺した独裁者、蒋介石を記念する建物で、台湾人に国民党独裁政権への忠誠心を維持させるための洗脳施設である。

忠烈祠とは、国民党のために中国での内戦や対日戦争で戦死した人々を中心に(台湾とは無関係な中国人を中心に)祀る施設である。

故宮博物院とは、中華歴代皇帝の財宝を所蔵することで、中華民国こそが中国唯一の合法的な代表政権であると内外に宣伝するための施設だ。

要するにこの三カ所はどれもが、台湾人を国民党に奉仕させるべく実施された「中国人化」の残酷な洗脳教育施設に他ならないのである。
もっとも民主化後の今日、独裁政権などとうに滅び、「中国人化」など過去の話なのだが、しかしこれらはいまだかつてのままの施設である。なぜなら当時の支配者階級の残党勢力が、ふたたび独裁の座に返り咲く日を夢見ながら(同じ中華民族たる中共の手を借りて台湾人の上に君臨したい)、身を張ってこれらを温存しているわけだ。
そうした反民主勢力がヒステリックに反対するからこそ、たとえば中正記念堂の場合、民進党政権時代の二〇〇七年、独裁者崇拝を否定するため台湾民主記念館へと改称されたが、その内部の巨大な蒋介石像までは撤去できなかった。そして国民党政権復活後の二〇〇九年には、ふたたび中正記念堂の名を取り戻し、今日に至っている。
もちろん民主と自由を大切にする人々は、こうした施設がいつまでも温存させることに眉を顰めており、昨年の民進党政権発足で独裁時代の清算が求められる中、中正記念堂の存廃は議論の対象の一つである。

もっとも、日本の旅行代理店にとり、こうした「政治問題」はともかく、これらの場所への立ち寄りは、顧客を満足させるために不可欠と判断していると思う。
なにしろ中正記念堂はあの広大さ、壮大さだし、儀仗兵の交替式は見ものだ。忠烈祠もまた儀仗兵を見物できる。そして故宮博物院に至っては、中国本国でも見ることのできない中華帝国の至宝の数々を拝むことができる。
「これらをコースに入れずして、台北のどこを案内しろというのか」というに違いない。
台北にはまだまだ「中国」の歴史文化、政治文化とは異なる「台湾」独自の文化を触れることのできるスポットはいくらでもあるが、たしかに広大さ、荘厳さで手っ取り早く顧客を喜ばせる場所は、そうはないのかもしれない。
それで私は提案したいのだが、これら三カ所を周るツアーは、必ず参加者にそれらを建設した独裁政権の意図、そしてそれらの歴史的背景などをきちんと説明してはどうだろう。
そしてこうした人を圧するような広大、荘厳さを強調する文化は、あくまでも中国伝統の独裁政治の文化であり、心優しく開放的で、そしてだからこそ親日的でもある台湾人元来の文化とは根本的に異なるものであるということも伝えたらいいと思うのだ。
中国政治文化施設を連れて歩く以上は、「台湾は中国の一部」だとの誤解を顧客に抱かせないよう細心の注意を払うべきではないだろうか。
そうしないと国民党や中共の「宣伝代理店」との謗りは免れない。
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