中国に遠慮しすぎの防衛白書―台湾侵略を目指す国は「侵略国」と!
2016/08/03/Wed
■なぜ政府は中国を「脅威」と位置付けない
今年の防衛白書が八月二日に公表された。中国の海洋進出など軍事的動向に強い警戒心を示したが、そこには問題もあるらしい。

中国の軍事的動向に警戒感を示した防衛白書だが…
産経新聞は三日の社説で次のように指摘する。
―――警戒感の表明は当然だが、中国についても「脅威」と記すべき時期にきている。自衛隊の南西諸島防衛の一層の強化や、南シナ海の沿岸国支援への国民の理解を深める上でもそれが自然だ。
中国には日本侵略の「能力」はあっても「意図」はない、というのが従来の政府見解だ。「脅威」は厳然と存在するのに、それを「懸念」などと言い換えるなどしてきたのは、言うまでもなく国際社会での中国脅威論の広がりを極度に恐れる中国への配慮だ。防衛省も「中国を含めて特定の国を脅威としない」(中谷元防衛相)との見解を示して来た。
中国脅威論が中国の拡張政策への抑止力を持つからこそ、あの国はそれを嫌う訳だが、そのような侵略主義国家をなぜ擁護し続けるなど、明らかに国民への背信だろう。
■中国の動きは「侵略」と呼ぶべきだ
社説は次のようにも。
―――他にも書きぶりをわかりやすく改めた方がよい点は少なくない。中国海空軍の目的を領土、領海、領空の「防衛」と記しているが、むしろ「覇権追求、侵略の先兵」というべきだろう。国際法を無視して傍若無人に振る舞う中国に、過度の配慮は必要ない。
まったくそのとおりである。
そもそも中国の言う「領土、領海、領空」には自国の領域外のエリアも含まれる。あの国が「核心的利益」と位置付け、侵略目標と定める領域がそれだ。
白書自身も次のように指摘する。
“中国はわが国や米国などに対し中国の「核心的利益」の尊重を強く求めている。「核心的利益」には「国家主権」「国家安全」「領土保全」「国家統一」「国家の政 治制度と社会の安定」「経済社会の持続的発展の基本的保障」などが含まれ、特に領土については、台湾、チベット、新疆を指すほか、東シナ海や南シナ海に おける領有権などが含まれているとの指摘もある”
中国が「台湾」「東シナ海や南シナ海」の「防衛」を口にするなら、やはり「侵略」と呼び変えるべきだ。
■中国の軍拡の目標は明らかに「隣国侵略」
中国の軍拡の第一目標を「台湾」に置いていると指摘する。以下のようにだ。
“軍事面では、過去25年以上にわたり、継続的に高い水準で国防費を増加させ、軍事力を広範かつ急速に強化している。特に中国は、台湾問題を国家主権にかかわる「核心的」な問題として重視しており、軍事力の強化においても当面は台湾の独立などを阻止する能力の向上を目指しているとみられる”
“その一環でもあるが、中国は周辺地域への他国の軍事力の接近・展開を阻止し、当該地域での軍事活動を阻害する非対称的な軍事能力(いわゆる「アクセス(接近)阻止/エリア(領域)拒 否」(「AAnti-Access/Area-Denial 2/AD」)能力9 )の強化に取り組んでいるとみられる”
“中国の軍事力強化においては、台湾問題への対処、具体的には台湾の独立及び外国軍隊による台湾の独立支援を阻止する能力の向上が、最優先の課題として念頭に置かれていると考えられる。”
このように、明らかに中国は隣国侵略という国家目標を掲げているのである。だから白書はそう書くべきだ。
■軽々に用いてならない中国の政治宣伝用語

台湾侵略が中国軍の最優先の課題と指摘する白書
また白書は、中国は「台湾の独立及び外国軍隊による台湾の独立支援を阻止する能力の向上」を計っていると表現するが、これも問題だ。
あの国の所謂「台湾の独立」は「中華人民共和国からの独立」であり、台湾が自ら中国とは異なる独立した主権国家であるとの現状を主張すること自体も「台湾の独立」活動と位置付ける。しかし侵略を正当化するためのでっち上げ宣伝だ。台湾は中国の一部ではなく、それからの「独立」などあり得ないのだ。
従って白書は、この侵略国家の宣伝に加担する形で「台湾の独立」という言葉を軽率に用いるべきではない。
■「脅威」と呼ばずとも中国は怒るのだから…
さて今回公表の白書に関し、中国では早速激しい反撥を見せた。国防部の呉謙報道官は二日、次のようにコメントしている。
「南海問題の上で日本は挑発、離間の得意技を徹底的に繰り出し、南海の水をかき混ぜて魚を捕え、利益を得ようとし妄図している。航行の自由に問題はないのに、逆に日本は域外国家でありながら介入し、地域の平和と安定を破壊しようとしている」
「白書は従来の陳腐さを改めず、中国の政党、合理的な国防・軍隊建設をでたらめに論じ、故なく南海、東海問題で騒ぐなど、中国軍に対する悪意が充満している」
「中国軍はこれに対し、強烈な不満と断固たる反対を表明し、日本側に厳正なる交渉を申し出る」
こんな感じで日本を罵倒したのである。
ここまで口汚いのは、真実を指摘されたことで狼狽している証だ。
「脅威」とはっきり書かなくても叱られるのだから、これからは中国に遠慮なく(中国を恐れず)脅威ははっきりと「脅威」と指摘し、中国の侵略の意図を明確に伝えていくべきだろう。
それだけで国民はいっそう正しい現状認識ができるようになるし、防衛力強化を妨害する野党など国内の左翼勢力の宣伝に愚弄されることも免れよう。
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■台湾歴史講座第1回 「南島語族の島―『一つの中国』史観では語れない台湾史の魅力」
(台湾研究フォーラム第174回定例会)

従来の「一つの中国」史観、漢人移民中心史観などでは語ることのできない台湾史の魅力とは何か。日本ではあまり紹介されない隣国の“真姿”を考えたい。奮ってご参加下さい!
日時 平成28年8月5日(金) 18時30分~20時30分
場所 文京区民会議室5階会議室A+B
(東京都文京区春日1-16-21文京シビックセンター内)
交通:東京メトロ 後楽園駅・丸の内線(4a・5番出口)南北線(5番出口)徒歩1分
都営地下鉄春日駅三田線・大江戸線(文京シビックセンター連絡口)徒歩1分
JR総武線 水道橋駅(東口)徒歩9分
内容 講師 永山英樹氏(台湾研究フォーラム会長)
参加費 会員500円、一般1000円
(会場では今年度の会費[2000円]も受け付けます)
申込 不要
問合せ twkenkyuforum@yahoo.co.jp
今年の防衛白書が八月二日に公表された。中国の海洋進出など軍事的動向に強い警戒心を示したが、そこには問題もあるらしい。

中国の軍事的動向に警戒感を示した防衛白書だが…
産経新聞は三日の社説で次のように指摘する。
―――警戒感の表明は当然だが、中国についても「脅威」と記すべき時期にきている。自衛隊の南西諸島防衛の一層の強化や、南シナ海の沿岸国支援への国民の理解を深める上でもそれが自然だ。
中国には日本侵略の「能力」はあっても「意図」はない、というのが従来の政府見解だ。「脅威」は厳然と存在するのに、それを「懸念」などと言い換えるなどしてきたのは、言うまでもなく国際社会での中国脅威論の広がりを極度に恐れる中国への配慮だ。防衛省も「中国を含めて特定の国を脅威としない」(中谷元防衛相)との見解を示して来た。
中国脅威論が中国の拡張政策への抑止力を持つからこそ、あの国はそれを嫌う訳だが、そのような侵略主義国家をなぜ擁護し続けるなど、明らかに国民への背信だろう。
■中国の動きは「侵略」と呼ぶべきだ
社説は次のようにも。
―――他にも書きぶりをわかりやすく改めた方がよい点は少なくない。中国海空軍の目的を領土、領海、領空の「防衛」と記しているが、むしろ「覇権追求、侵略の先兵」というべきだろう。国際法を無視して傍若無人に振る舞う中国に、過度の配慮は必要ない。
まったくそのとおりである。
そもそも中国の言う「領土、領海、領空」には自国の領域外のエリアも含まれる。あの国が「核心的利益」と位置付け、侵略目標と定める領域がそれだ。
白書自身も次のように指摘する。
“中国はわが国や米国などに対し中国の「核心的利益」の尊重を強く求めている。「核心的利益」には「国家主権」「国家安全」「領土保全」「国家統一」「国家の政 治制度と社会の安定」「経済社会の持続的発展の基本的保障」などが含まれ、特に領土については、台湾、チベット、新疆を指すほか、東シナ海や南シナ海に おける領有権などが含まれているとの指摘もある”
中国が「台湾」「東シナ海や南シナ海」の「防衛」を口にするなら、やはり「侵略」と呼び変えるべきだ。
■中国の軍拡の目標は明らかに「隣国侵略」
中国の軍拡の第一目標を「台湾」に置いていると指摘する。以下のようにだ。
“軍事面では、過去25年以上にわたり、継続的に高い水準で国防費を増加させ、軍事力を広範かつ急速に強化している。特に中国は、台湾問題を国家主権にかかわる「核心的」な問題として重視しており、軍事力の強化においても当面は台湾の独立などを阻止する能力の向上を目指しているとみられる”
“その一環でもあるが、中国は周辺地域への他国の軍事力の接近・展開を阻止し、当該地域での軍事活動を阻害する非対称的な軍事能力(いわゆる「アクセス(接近)阻止/エリア(領域)拒 否」(「AAnti-Access/Area-Denial 2/AD」)能力9 )の強化に取り組んでいるとみられる”
“中国の軍事力強化においては、台湾問題への対処、具体的には台湾の独立及び外国軍隊による台湾の独立支援を阻止する能力の向上が、最優先の課題として念頭に置かれていると考えられる。”
このように、明らかに中国は隣国侵略という国家目標を掲げているのである。だから白書はそう書くべきだ。
■軽々に用いてならない中国の政治宣伝用語

台湾侵略が中国軍の最優先の課題と指摘する白書
また白書は、中国は「台湾の独立及び外国軍隊による台湾の独立支援を阻止する能力の向上」を計っていると表現するが、これも問題だ。
あの国の所謂「台湾の独立」は「中華人民共和国からの独立」であり、台湾が自ら中国とは異なる独立した主権国家であるとの現状を主張すること自体も「台湾の独立」活動と位置付ける。しかし侵略を正当化するためのでっち上げ宣伝だ。台湾は中国の一部ではなく、それからの「独立」などあり得ないのだ。
従って白書は、この侵略国家の宣伝に加担する形で「台湾の独立」という言葉を軽率に用いるべきではない。
■「脅威」と呼ばずとも中国は怒るのだから…
さて今回公表の白書に関し、中国では早速激しい反撥を見せた。国防部の呉謙報道官は二日、次のようにコメントしている。
「南海問題の上で日本は挑発、離間の得意技を徹底的に繰り出し、南海の水をかき混ぜて魚を捕え、利益を得ようとし妄図している。航行の自由に問題はないのに、逆に日本は域外国家でありながら介入し、地域の平和と安定を破壊しようとしている」
「白書は従来の陳腐さを改めず、中国の政党、合理的な国防・軍隊建設をでたらめに論じ、故なく南海、東海問題で騒ぐなど、中国軍に対する悪意が充満している」
「中国軍はこれに対し、強烈な不満と断固たる反対を表明し、日本側に厳正なる交渉を申し出る」
こんな感じで日本を罵倒したのである。
ここまで口汚いのは、真実を指摘されたことで狼狽している証だ。
「脅威」とはっきり書かなくても叱られるのだから、これからは中国に遠慮なく(中国を恐れず)脅威ははっきりと「脅威」と指摘し、中国の侵略の意図を明確に伝えていくべきだろう。
それだけで国民はいっそう正しい現状認識ができるようになるし、防衛力強化を妨害する野党など国内の左翼勢力の宣伝に愚弄されることも免れよう。
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■台湾歴史講座第1回 「南島語族の島―『一つの中国』史観では語れない台湾史の魅力」
(台湾研究フォーラム第174回定例会)

従来の「一つの中国」史観、漢人移民中心史観などでは語ることのできない台湾史の魅力とは何か。日本ではあまり紹介されない隣国の“真姿”を考えたい。奮ってご参加下さい!
日時 平成28年8月5日(金) 18時30分~20時30分
場所 文京区民会議室5階会議室A+B
(東京都文京区春日1-16-21文京シビックセンター内)
交通:東京メトロ 後楽園駅・丸の内線(4a・5番出口)南北線(5番出口)徒歩1分
都営地下鉄春日駅三田線・大江戸線(文京シビックセンター連絡口)徒歩1分
JR総武線 水道橋駅(東口)徒歩9分
内容 講師 永山英樹氏(台湾研究フォーラム会長)
参加費 会員500円、一般1000円
(会場では今年度の会費[2000円]も受け付けます)
申込 不要
問合せ twkenkyuforum@yahoo.co.jp
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