悪いのは中国!媚中メディアも庇えない/台湾と中国の対話が停止
2016/07/01/Fri
■被害者である台湾を悪者にする中国覇権主義の宣伝
二〇〇八年に馬英九総統の国民党政権が発足して以来、中国がそれとの対話を受け入れて来たのは、同政権が九二年合意(九二年会談での「一つの中国」の確認)なるものを「交流の政治的基礎」としたからだ。
ところが五月に発足した蔡英文総統の民進党政権はそれを認めない。中国側はそれに苛立ちを隠さず、対台湾工作を司る国務院台湾事務弁公室(国台弁)の安峰山報道官は六月二十五日の記者会見で、ついにこう表明した。
「両岸(台湾と中国)の連絡・対話メカニズムはすでに停止している」と。
そして二十九日の会見でも、再度それを強調。この時は恫喝の被害者たる台湾を悪者に仕立て上げようともした。つまり「両岸互動の政治的基礎は動揺を受けている。責任は完全に台湾にある」とも付け加えたのだ。

恫喝の加害者が被害者を悪者にするに等しい中国・国台弁の悪質宣伝
かつて習近平主席が台湾に対して言い放った「基礎が牢固でなければ、地は動き山は揺れることになる」との恫喝のセリフを想起させるものだった。
■蔡英文総統は売国的な馬英九総統とは違う
それにしても中国は身勝手なものだ。
蔡総統は就任演説で、九二年会談は行われたとは認めたが、そうした合意があったとは言わなかった。なぜならそれが事実だからだ。
そもそも「台湾は中国の一部」とする「一つの中国」(一中)などはフィクションで、九二年合意は二〇〇〇年、「一中」を認めない陳水扁総統の民進党政権を牽制するため国民党が案出したものだ。
中国は当初その存在を否定したが、二〇〇五年に国民党が「聯共制台」(中共と提携して民進党など台湾人勢力を抑止する)に乗り出すと、一転してそれを事実と認め、国共連帯の合言葉とした。
言うまでもなく中国の狙いは、台湾側に「台湾は中国の一部」であると認めさせ、中国統一(台湾併呑)に道筋を付けることにある。
馬英九総統は中国系で、台湾人のために祖国と戦ってまでも台湾の主権を守る気はなかった。だから台湾を裏切るのはやむを得ないとしても、蔡総統にはそのような「一中」の虚構を受け入れることなどできないのだ。
■中国の反台宣伝に踊らなくなった日本メディア
「交流停止」を表明した中国の動きに、日本では早くも一部メディアが過剰な反応を見せた。
たとえば西日本新聞は二十六日、“台湾蔡政権 「海峡の波」高めぬために”と題する社説を掲げ、「中台関係は国民党の馬英九前政権下で安定していたが、独立志向の強い民進党が政権を握ったことで、台湾を自国の一部と見なす中国側は神経をとがらせており、波乱含みの局面に入っている」だとか、「中台関係の悪化は、東アジア全体の安定を揺るがしかねない」などと明らかに蔡総統に迷惑顔。
「台湾を中国の一部と認めよ」と言いたいようだが、そのように台湾に要求する権限が西日にあるのか。
このように中国が苛立つと台湾に譲歩を訴えたがるのが、従来散見された日本メディアの習性なのだが、ただ最近、ちょっとした変化に気付くのである。
私が見たかぎりなのだが、今回台湾に迷惑顔をしたのは西日だけ。NHKなどは次のように台湾側の対話維持への努力を伝えている。
―――(対中国政策を担当する大陸委員会は)「台湾海峡両岸の平和で安定的な発展を維持することは、共同の責任だ。われわれは、引き続き意思疎通の門を開いて現在のメカニズムの維持に全力を尽くすとともに、お互いの住民の権益や福祉を保障するために力を尽くすことを呼びかける」と強調し、中台間の対話を維持する重要性を訴えました。
メディア各社が、日中関係の悪化で中国が一方的に首脳会談に応じなかった時期に、「いつでも会談の門戸を開いている」と善意を示す安倍政権に、なおも対中譲歩を求めたことと比較しても、やはり変化はあるのかなと思うのだ。
■媚中メディアも今や増大する中国の脅威を隠蔽できない
やはりその原因は中国の脅威の大だろう。さすがの媚中メディアももはや隠蔽しきれないほど、あの軍事的脅威は周辺諸国に押し迫りつつある。
中国の尖閣諸島やスプラトリー諸島に対する侵略攻勢に国中が不安や怒りを抱いている中、今度は二千三百万人もの人々が暮らす民主主義の島まで脅威に曝されているのだ。とても中国の姿勢を庇いきれまい。
なお、対台湾交流窓口である米国在台協会(AIT)のレイモンド・バッガード理事長はVOAのインタビューに応え、中国による対話停止の表明は「不幸なことだ」と述べる一方で、九二年合意については会談当事者からも聞いたことがないと語った。

AITのバッガード理事長の発言は米国が蔡政権を支持していることを知らせた
それは「米国が九二年合意を事実と位置付けるのを止め、蔡政権の対中政策に信頼を寄せていることを示す」(民進党立法委員)ものと受け止められている。
また「台湾は米国のアジア回帰政策の上で最も重要な役割を担っている」「台湾の国際社会での地位の確保に協力し、台湾が今後も自身の前途を決めることができるよう協力する。これらの政策目標は不変だ」とも強調している。
■安倍政権の反中国だけは許さないのはなぜか
自ら一方的に交流を停止しながら、「責任は完全に台湾にある」と強調した中国。屈服しない台湾政権を、平和と安定を破壊するトラブルメーカーだと宣伝し、国際社会で孤立させようとのいつもながらの魂胆だ。
残念ながら日本では、西日本新聞がそうした宣伝謀略に踊らされたが(自ら進んで加担したか)、しかし日本も米国も「責任は完全に中国にある」との認識は定着しつつあるらしい。
今や誰の目からも、トラブルメーカーは中国しかないのである。
ところで日本のメディアだが、反中国で覚醒したようで、実際にはまだまだだ。相手が日米同盟を強化して中国の膨張の抑止に努める安倍政権となると、なぜかそれをトラブルメーカー視する報道(宣伝)に躍起となるのだ。
これはいったいどう考えればいいのだろう。
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二〇〇八年に馬英九総統の国民党政権が発足して以来、中国がそれとの対話を受け入れて来たのは、同政権が九二年合意(九二年会談での「一つの中国」の確認)なるものを「交流の政治的基礎」としたからだ。
ところが五月に発足した蔡英文総統の民進党政権はそれを認めない。中国側はそれに苛立ちを隠さず、対台湾工作を司る国務院台湾事務弁公室(国台弁)の安峰山報道官は六月二十五日の記者会見で、ついにこう表明した。
「両岸(台湾と中国)の連絡・対話メカニズムはすでに停止している」と。
そして二十九日の会見でも、再度それを強調。この時は恫喝の被害者たる台湾を悪者に仕立て上げようともした。つまり「両岸互動の政治的基礎は動揺を受けている。責任は完全に台湾にある」とも付け加えたのだ。

恫喝の加害者が被害者を悪者にするに等しい中国・国台弁の悪質宣伝
かつて習近平主席が台湾に対して言い放った「基礎が牢固でなければ、地は動き山は揺れることになる」との恫喝のセリフを想起させるものだった。
■蔡英文総統は売国的な馬英九総統とは違う
それにしても中国は身勝手なものだ。
蔡総統は就任演説で、九二年会談は行われたとは認めたが、そうした合意があったとは言わなかった。なぜならそれが事実だからだ。
そもそも「台湾は中国の一部」とする「一つの中国」(一中)などはフィクションで、九二年合意は二〇〇〇年、「一中」を認めない陳水扁総統の民進党政権を牽制するため国民党が案出したものだ。
中国は当初その存在を否定したが、二〇〇五年に国民党が「聯共制台」(中共と提携して民進党など台湾人勢力を抑止する)に乗り出すと、一転してそれを事実と認め、国共連帯の合言葉とした。
言うまでもなく中国の狙いは、台湾側に「台湾は中国の一部」であると認めさせ、中国統一(台湾併呑)に道筋を付けることにある。
馬英九総統は中国系で、台湾人のために祖国と戦ってまでも台湾の主権を守る気はなかった。だから台湾を裏切るのはやむを得ないとしても、蔡総統にはそのような「一中」の虚構を受け入れることなどできないのだ。
■中国の反台宣伝に踊らなくなった日本メディア
「交流停止」を表明した中国の動きに、日本では早くも一部メディアが過剰な反応を見せた。
たとえば西日本新聞は二十六日、“台湾蔡政権 「海峡の波」高めぬために”と題する社説を掲げ、「中台関係は国民党の馬英九前政権下で安定していたが、独立志向の強い民進党が政権を握ったことで、台湾を自国の一部と見なす中国側は神経をとがらせており、波乱含みの局面に入っている」だとか、「中台関係の悪化は、東アジア全体の安定を揺るがしかねない」などと明らかに蔡総統に迷惑顔。
「台湾を中国の一部と認めよ」と言いたいようだが、そのように台湾に要求する権限が西日にあるのか。
このように中国が苛立つと台湾に譲歩を訴えたがるのが、従来散見された日本メディアの習性なのだが、ただ最近、ちょっとした変化に気付くのである。
私が見たかぎりなのだが、今回台湾に迷惑顔をしたのは西日だけ。NHKなどは次のように台湾側の対話維持への努力を伝えている。
―――(対中国政策を担当する大陸委員会は)「台湾海峡両岸の平和で安定的な発展を維持することは、共同の責任だ。われわれは、引き続き意思疎通の門を開いて現在のメカニズムの維持に全力を尽くすとともに、お互いの住民の権益や福祉を保障するために力を尽くすことを呼びかける」と強調し、中台間の対話を維持する重要性を訴えました。
メディア各社が、日中関係の悪化で中国が一方的に首脳会談に応じなかった時期に、「いつでも会談の門戸を開いている」と善意を示す安倍政権に、なおも対中譲歩を求めたことと比較しても、やはり変化はあるのかなと思うのだ。
■媚中メディアも今や増大する中国の脅威を隠蔽できない
やはりその原因は中国の脅威の大だろう。さすがの媚中メディアももはや隠蔽しきれないほど、あの軍事的脅威は周辺諸国に押し迫りつつある。
中国の尖閣諸島やスプラトリー諸島に対する侵略攻勢に国中が不安や怒りを抱いている中、今度は二千三百万人もの人々が暮らす民主主義の島まで脅威に曝されているのだ。とても中国の姿勢を庇いきれまい。
なお、対台湾交流窓口である米国在台協会(AIT)のレイモンド・バッガード理事長はVOAのインタビューに応え、中国による対話停止の表明は「不幸なことだ」と述べる一方で、九二年合意については会談当事者からも聞いたことがないと語った。

AITのバッガード理事長の発言は米国が蔡政権を支持していることを知らせた
それは「米国が九二年合意を事実と位置付けるのを止め、蔡政権の対中政策に信頼を寄せていることを示す」(民進党立法委員)ものと受け止められている。
また「台湾は米国のアジア回帰政策の上で最も重要な役割を担っている」「台湾の国際社会での地位の確保に協力し、台湾が今後も自身の前途を決めることができるよう協力する。これらの政策目標は不変だ」とも強調している。
■安倍政権の反中国だけは許さないのはなぜか
自ら一方的に交流を停止しながら、「責任は完全に台湾にある」と強調した中国。屈服しない台湾政権を、平和と安定を破壊するトラブルメーカーだと宣伝し、国際社会で孤立させようとのいつもながらの魂胆だ。
残念ながら日本では、西日本新聞がそうした宣伝謀略に踊らされたが(自ら進んで加担したか)、しかし日本も米国も「責任は完全に中国にある」との認識は定着しつつあるらしい。
今や誰の目からも、トラブルメーカーは中国しかないのである。
ところで日本のメディアだが、反中国で覚醒したようで、実際にはまだまだだ。相手が日米同盟を強化して中国の膨張の抑止に努める安倍政権となると、なぜかそれをトラブルメーカー視する報道(宣伝)に躍起となるのだ。
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