左翼―媚中ゆえに台湾に傲慢
2016/06/16/Thu
■ある地方紙が見せた左翼的な愚かさ

蔡英文総統。リベラルな民進党と日本の左翼
勢力との関係が広がらないのはなぜか
台湾での蔡英文総統の民進党政権の発足から五日後の五月二十五日、愛媛新聞が「台湾新政権発足 『現状維持』路線で中国と対話を」と題する社説を掲げた。
同紙は共同通信の加盟地方紙であり、あそこが提供した文章を元に書いたものかもしれないが、内容にはいかにも日本の左翼に見られる不見識さ、身勝手さが感じられ、気になった。
内容は標題の通り、「独立」ではなく「現状維持」路線で中国を刺激するなと新政権に訴えるものだが、要するに「台湾などは中国に妥協していればいいのだ」との安易、傲慢な考えに立ってのもののようなのだ。
「(蔡英文総統が)党綱領に掲げる「台湾独立」に中国が神経をとがらせる中、『現状維持』路線を改めて鮮明にし、中国に対話を呼び掛けた。前国民党政権の過度の対中融和は修正するが、独立を前面には出さない、との意思表示でもある。現実的な対応と評価できよう」と冒頭で褒めて見せるのだが、実に偉そうだ。
中国の「一つの中国」の虚構宣伝が国際社会をも覆い尽くす中、一刻も早く台湾は主権独立国家であることを自ら明確にしなければならないのに、中国の怒りやそれへの米国の懸念などにも配慮し「独立を前面には出さない」ことを余儀なくされた蔡氏。台湾人民の自決権を自ら制限するという不条理な状況に陥っているというのに、何が「現実的な対応」なのか。なぜここで、そこまで台湾を追い込んだ中国覇権主義に非難の声を上げないのか。
■意味が摑みにくい誤った解説
あまり台湾には関心を寄せてこなかったからだろうか。これを書いた担当者はあの国の状況を必ずしも好く理解していないようだ。たとえば以下の説明など、意味がよく摑めなかった。

台湾を理解しないまま適当に書いたのか。その内容のレベルの低さにあきれる
―――台湾では若い世代を中心に、統一でも独立でもない「現状維持」が主流になっている。前政権は主に経済面で中国と結び付きを強めたものの、恩恵は社会に行き渡らず、中国の存在感が高まるにつれて人々は対中依存からの脱却を望んだ。
日本では以前から「台湾では統一でも独立でもない現状維持が主流」との印象が定着しているが、その一方で最近は「若い世代を中心」に「対中依存からの脱却」を望む声が「主流」になっているとの解説もよく見られる。
そこでこれを社説担当者は勉強不足ゆえにそれらを混同し、「対中依存からの脱却」を求める民意と「現状維持」を求める民意はイコールだと勘違いしたのではないか。
ちなみに民主化以降の時代に育った今の「若い世代」は「天然独」(独立自主の価値観が天然成分の世代の意)とも称され、これが「対中依存からの脱却」を望み、「現状維持」にも不満を強めているとされているのだ。
だからそうした状況も手伝い、台湾民意基金会が五月二十七日に発表した世論調査によれば、「独立」支持が五一・二%で過半数を占め、それに対して「現状維持」支持は二四・六%に過ぎなかった(「統一」支持は一四・九%)。
だがこうした台湾の実際の民意の動向など、社説担当者にとってはどうでも好いのかも知れない。彼が一番書きたいのはあくまで、「『現状維持』路線で中国と対話を」なのだろう。
■滑稽なまでの台湾への傲慢さ
そういった傲慢さ、つまり中国に迎合する日本人によく見られる台湾への滑稽なまでの傲慢さは、この社説からははっきりと感じ取れる。
たとえば以下を見よう。蔡英文氏の就任演説について論じた部分だ。
―――気掛かりなのは、演説で「中国と距離を置く」と示唆するばかりで、具体的な対中政策にほとんど言及しなかったことだ。(中略)対外経済の多元化を模索する中で中国をどう位置付けるのか、中台交流の柱は何か、などを明示しなければなるまい。
何がどう「気掛かり」だと言うのか。演説でははっきりとそれらを「明示」しているではないか。
たとえば「対外経済の多元化を模索する中での中国の位置付け」については、「新南向政策を推進し、対外的な経済の構造と多元性を強化し、過去の単一市場(※中国市場)に過度に依存した現象に別れを告げる」とはっきり表明している。
「中台交流の柱」についても、「台湾の民主主義の原則と普遍的な民意」などの「既存の政治的基礎」の上で「両岸関係の平和、安定と発展を推進して行く」等々と事細かに説明しているが、それらのいったい何が不満なのか。
要するに、中国の満足が行く話を「明示していない」と言いたいに違いない。このように台湾を中国の奴隷視するような姿勢を傲慢と呼ばずして何と呼ぶのか。
■台湾ではなく中国を非難せよ
そして、そうした中国迎合癖があるからこそ、平然と次のようにも書けるのだろう。
―――日米は、ASEANと協調して対中包囲網の構築を目指している。台湾の参加を期待しているのは想像に難くない。蔡氏に近い専門家の中にも日米との戦略関係強化を主張する声があるが、いたずらに中国を刺激し、「現状維持」や対話路線と矛盾しないよう慎重さが必要だ。
台湾が日米同盟と歩調を合わせず、対中妥協路線を強化して行けばどうなると思っているのだろう。
そうした安全保障の危機については敢えて考えたがらないのが媚中日本人の通癖だが、このまま台湾が中国の影響下に陥り、台湾の二千三百万人もの人々の民主、自由、人権、あるいは生命、尊厳、子孫の未来がどうなろうと知ったことではないという顔をするのも彼らに共通する心の醜さだ。
―――台湾海峡の緊張は、アジア全体の不安定化を招きかねない。中台双方に抑制的な対応を促すとともに、国際社会に対話を後押しする役割を求めたい。
台湾を侵略・併呑の対象としかみていないのが中国だ。その横暴な軍事大国との対話を行うよう台湾に圧力をかけよと国際社会に訴えている。
「中台双方」ではなく一方的に台湾及びアジア全体を脅かす中国にこそ「抑制的な対応を促す」べきではないのか。台湾にまで圧力をかければ中国を喜ばすだけである。
まずは愛媛新聞が台湾牽制ではなく中国非難をやってみたら好い。
もちろん同紙と同じく媚中故に台湾を軽視、侮辱する不見識、身勝手な全国の人々もだ。
安保法制反対で躍起になる左翼などはそんな感じだろう。
リベラルな民進党と日本の左翼との交流が広がらないのは、そうしたところにも大きな原因があるはずだ。
人権、平和も台湾に関してはあまりに無関心。日本の左翼メディアの中国迎合姿勢などは、むしろ台湾の国民党系右翼メディアと符合するところ大だ。
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■アジア自由民主連帯協議会 第20回講演会 「台湾蔡英文政権と日本」

日時 平成28年6月19日(日) 14時30分 (14時00分開場)
場所 TKP スター貸会議室代々木 カンファレンスルーム 6
http://www.kashikaigishitsu.net/facilitys/st-yoyogi/access/
講師 永山英樹(台湾研究フォーラム会長)
参加費 1,000円 (会員 500円)
お問合せ アジア自由民主連帯協議会
TEL 03-3681-9310 MAIL info@freeasia2011.org

蔡英文総統。リベラルな民進党と日本の左翼
勢力との関係が広がらないのはなぜか
台湾での蔡英文総統の民進党政権の発足から五日後の五月二十五日、愛媛新聞が「台湾新政権発足 『現状維持』路線で中国と対話を」と題する社説を掲げた。
同紙は共同通信の加盟地方紙であり、あそこが提供した文章を元に書いたものかもしれないが、内容にはいかにも日本の左翼に見られる不見識さ、身勝手さが感じられ、気になった。
内容は標題の通り、「独立」ではなく「現状維持」路線で中国を刺激するなと新政権に訴えるものだが、要するに「台湾などは中国に妥協していればいいのだ」との安易、傲慢な考えに立ってのもののようなのだ。
「(蔡英文総統が)党綱領に掲げる「台湾独立」に中国が神経をとがらせる中、『現状維持』路線を改めて鮮明にし、中国に対話を呼び掛けた。前国民党政権の過度の対中融和は修正するが、独立を前面には出さない、との意思表示でもある。現実的な対応と評価できよう」と冒頭で褒めて見せるのだが、実に偉そうだ。
中国の「一つの中国」の虚構宣伝が国際社会をも覆い尽くす中、一刻も早く台湾は主権独立国家であることを自ら明確にしなければならないのに、中国の怒りやそれへの米国の懸念などにも配慮し「独立を前面には出さない」ことを余儀なくされた蔡氏。台湾人民の自決権を自ら制限するという不条理な状況に陥っているというのに、何が「現実的な対応」なのか。なぜここで、そこまで台湾を追い込んだ中国覇権主義に非難の声を上げないのか。
■意味が摑みにくい誤った解説
あまり台湾には関心を寄せてこなかったからだろうか。これを書いた担当者はあの国の状況を必ずしも好く理解していないようだ。たとえば以下の説明など、意味がよく摑めなかった。

台湾を理解しないまま適当に書いたのか。その内容のレベルの低さにあきれる
―――台湾では若い世代を中心に、統一でも独立でもない「現状維持」が主流になっている。前政権は主に経済面で中国と結び付きを強めたものの、恩恵は社会に行き渡らず、中国の存在感が高まるにつれて人々は対中依存からの脱却を望んだ。
日本では以前から「台湾では統一でも独立でもない現状維持が主流」との印象が定着しているが、その一方で最近は「若い世代を中心」に「対中依存からの脱却」を望む声が「主流」になっているとの解説もよく見られる。
そこでこれを社説担当者は勉強不足ゆえにそれらを混同し、「対中依存からの脱却」を求める民意と「現状維持」を求める民意はイコールだと勘違いしたのではないか。
ちなみに民主化以降の時代に育った今の「若い世代」は「天然独」(独立自主の価値観が天然成分の世代の意)とも称され、これが「対中依存からの脱却」を望み、「現状維持」にも不満を強めているとされているのだ。
だからそうした状況も手伝い、台湾民意基金会が五月二十七日に発表した世論調査によれば、「独立」支持が五一・二%で過半数を占め、それに対して「現状維持」支持は二四・六%に過ぎなかった(「統一」支持は一四・九%)。
だがこうした台湾の実際の民意の動向など、社説担当者にとってはどうでも好いのかも知れない。彼が一番書きたいのはあくまで、「『現状維持』路線で中国と対話を」なのだろう。
■滑稽なまでの台湾への傲慢さ
そういった傲慢さ、つまり中国に迎合する日本人によく見られる台湾への滑稽なまでの傲慢さは、この社説からははっきりと感じ取れる。
たとえば以下を見よう。蔡英文氏の就任演説について論じた部分だ。
―――気掛かりなのは、演説で「中国と距離を置く」と示唆するばかりで、具体的な対中政策にほとんど言及しなかったことだ。(中略)対外経済の多元化を模索する中で中国をどう位置付けるのか、中台交流の柱は何か、などを明示しなければなるまい。
何がどう「気掛かり」だと言うのか。演説でははっきりとそれらを「明示」しているではないか。
たとえば「対外経済の多元化を模索する中での中国の位置付け」については、「新南向政策を推進し、対外的な経済の構造と多元性を強化し、過去の単一市場(※中国市場)に過度に依存した現象に別れを告げる」とはっきり表明している。
「中台交流の柱」についても、「台湾の民主主義の原則と普遍的な民意」などの「既存の政治的基礎」の上で「両岸関係の平和、安定と発展を推進して行く」等々と事細かに説明しているが、それらのいったい何が不満なのか。
要するに、中国の満足が行く話を「明示していない」と言いたいに違いない。このように台湾を中国の奴隷視するような姿勢を傲慢と呼ばずして何と呼ぶのか。
■台湾ではなく中国を非難せよ
そして、そうした中国迎合癖があるからこそ、平然と次のようにも書けるのだろう。
―――日米は、ASEANと協調して対中包囲網の構築を目指している。台湾の参加を期待しているのは想像に難くない。蔡氏に近い専門家の中にも日米との戦略関係強化を主張する声があるが、いたずらに中国を刺激し、「現状維持」や対話路線と矛盾しないよう慎重さが必要だ。
台湾が日米同盟と歩調を合わせず、対中妥協路線を強化して行けばどうなると思っているのだろう。
そうした安全保障の危機については敢えて考えたがらないのが媚中日本人の通癖だが、このまま台湾が中国の影響下に陥り、台湾の二千三百万人もの人々の民主、自由、人権、あるいは生命、尊厳、子孫の未来がどうなろうと知ったことではないという顔をするのも彼らに共通する心の醜さだ。
―――台湾海峡の緊張は、アジア全体の不安定化を招きかねない。中台双方に抑制的な対応を促すとともに、国際社会に対話を後押しする役割を求めたい。
台湾を侵略・併呑の対象としかみていないのが中国だ。その横暴な軍事大国との対話を行うよう台湾に圧力をかけよと国際社会に訴えている。
「中台双方」ではなく一方的に台湾及びアジア全体を脅かす中国にこそ「抑制的な対応を促す」べきではないのか。台湾にまで圧力をかければ中国を喜ばすだけである。
まずは愛媛新聞が台湾牽制ではなく中国非難をやってみたら好い。
もちろん同紙と同じく媚中故に台湾を軽視、侮辱する不見識、身勝手な全国の人々もだ。
安保法制反対で躍起になる左翼などはそんな感じだろう。
リベラルな民進党と日本の左翼との交流が広がらないのは、そうしたところにも大きな原因があるはずだ。
人権、平和も台湾に関してはあまりに無関心。日本の左翼メディアの中国迎合姿勢などは、むしろ台湾の国民党系右翼メディアと符合するところ大だ。
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日時 平成28年6月19日(日) 14時30分 (14時00分開場)
場所 TKP スター貸会議室代々木 カンファレンスルーム 6
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講師 永山英樹(台湾研究フォーラム会長)
参加費 1,000円 (会員 500円)
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