台湾の新政権を支持せよ!/中国恐れぬ日本たれ
2016/05/16/Mon
■蔡英文総統の就任を前に中国が
台湾では五月二十日、民進党政権が発足し、蔡英文総統が就任式典で演説を行うが、それを前に中国では十三日、国務院台湾事務弁公室の馬曉光報道官が蔡英文氏及び民進党に向けて、次のように訴えた。

総統就任式典の準備が進む総統府前
「九二年合意を歴史事実として受け入れ、その核心的意味を認めさえすれば、両岸(台湾と中国)は交流できるし、良性の連動もできるし、両岸関係の発展も持続できる」
この九二年合意とは、一九九二年の台中会談において、双方が「一つの中国」(台湾は中国の一部)を確認したとされる合意のことだが、現在の国民党政権と異なり民進党は、そのような合意の存在を認めていないし(実際に存在しないからだが)、そもそも「一つの中国」原則など認めていないのである(それも虚構なのだから)。
■民進党政権を牽制する中国の恫喝
そこで中国は国民党政権時代と同様に「交流できるし、関係も発展させることができる」などとして、何としてもそれを認めさせようとするのである。
もちろん恫喝国家ゆえ恫喝することも忘れていない。馬暁光は次のような物騒な発言もしている。
「両岸の平和的発展という現状が継続されることを希望する。しかしこれまでにおいて、誰が両岸共通の政治的基礎と平和的発展という大局を守り、誰が両岸共通の政治的基礎を破壊し、両岸の現状を改変してきたか。誰が道を守り誰が橋を壊したか。みながそれを知っているはず。もし両岸関係が膠着し、あるいは危機が招来されたら、その責任は現状を改変したものが負わなければならない」
■中台の平和と緊張のどちらが好いか
「一つの中国」を否定して、台湾は独立した主権国家であるとの現状を強調するのが民進党だが、そうした姿勢を中国は「現状改変」「台湾独立」などと断罪し、もし台湾側がそうした状況を持続させるなら、武力行使も辞さないという構え。ここでもはっきりと「危機が招来したら、台湾独立を画策する民進党のせいだ」と強調し、将来の武力行使の正当化を試みている。
そうした情勢だから、日本でも蔡英文氏の就任演説に注目が集まるのである。「果たして彼女は中国との平和で安定した関係を継承して行くのか、それとも逆に緊張を高める道を選ぶのか」と。
それでは、いったいそのどちらが好いのだろう。少なくとも国民党政権が関係改善の美名の下で求めていたのは「奴隷の平和」だった。
■台湾も尖閣やスプラトリーと同じことだ
そもそも中国が台湾側に「一つの中国」を認めさせようとするのは、平和統一(話し合いによる台湾併呑)への道筋を付けたいからに他ならない。
もし民進党政権までが緊張の高まりを恐れてそのようなものを受け入れ、将来台湾が中国に呑み込まれる事態となれば日本は、そしてアジアはどうなるだろう。
こう考えよう。
中国が、尖閣諸島を占領して東支那海に制海権を打ち立てるのは阻止しなければならないし、スプラトリー諸島の支配を強化して南支那海を制覇するのも阻止しなければならない。そしてそれと同じように、あの国が台湾を併合し、台湾海峡、東支那海、南支那海はおろか、西太平洋にまでがその勢力下に転落するのは阻止しなければならないのだと。
■総統就任演説は中国に屈しない方向らしい
要するにアジアにとっては、民進党政権が「一つの中国」を認め、中国の影響下に組み込まれるなどあってはならないことなのだ。
それでは当の民進党は、中国の「一つの中国」圧力を受けながら、いかなる姿勢で総統就任式に臨むのか。
民進党は極秘裏に就任演説の内容の検討を進めているとされるが、幸いなことに中国には屈しない方向であるらしい。
■演説で「主権自主」を求める民意を強調か
自由時報が十六日、関係筋の話として報じたところによると、蔡英文氏は演説で「台湾の主流民意は主権自主の方向に向かっている」ことを強調するという。そして「一つの中国」「九二年合意」には言及せず、九二年会談があったことだけを認めるというのだ。
その際、国に対していくらかの「善意」(配慮)を見せるものの、しかし「簡単に言えば、蔡英文氏はトラブルメーカーにはならず、中国の要求通りの表明も行わないということだ」という。
台湾の前途は、中国ではなく「台湾の民意」が決めると言う強調がなされるわけだ。
■中国が緊張を高めても日米は抑止するのみ
これであるなら日本の親中的な政治家もメディアも、中国の主張を擁護しにくいことだろう。なぜなら日本の「主流民意」がそれを許さないからである、というのが私の予測。
そうなることを祈りたい。
民進党政権が「一つの中国」を否定し続け、それによって中国が軍事的な緊張を高めても、台中の一体化が進んで各国が手も足も出せなくなるよりましだ。それはそれで日米同盟の抑止力を以って対処して行く以外にないのである。
日米は目下、ASEAN、豪、印を取り込む「対中国包囲網」の形成を進めているが、そこに台湾をも組み入れて行くことも有効だ。
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台湾では五月二十日、民進党政権が発足し、蔡英文総統が就任式典で演説を行うが、それを前に中国では十三日、国務院台湾事務弁公室の馬曉光報道官が蔡英文氏及び民進党に向けて、次のように訴えた。

総統就任式典の準備が進む総統府前
「九二年合意を歴史事実として受け入れ、その核心的意味を認めさえすれば、両岸(台湾と中国)は交流できるし、良性の連動もできるし、両岸関係の発展も持続できる」
この九二年合意とは、一九九二年の台中会談において、双方が「一つの中国」(台湾は中国の一部)を確認したとされる合意のことだが、現在の国民党政権と異なり民進党は、そのような合意の存在を認めていないし(実際に存在しないからだが)、そもそも「一つの中国」原則など認めていないのである(それも虚構なのだから)。
■民進党政権を牽制する中国の恫喝
そこで中国は国民党政権時代と同様に「交流できるし、関係も発展させることができる」などとして、何としてもそれを認めさせようとするのである。
もちろん恫喝国家ゆえ恫喝することも忘れていない。馬暁光は次のような物騒な発言もしている。
「両岸の平和的発展という現状が継続されることを希望する。しかしこれまでにおいて、誰が両岸共通の政治的基礎と平和的発展という大局を守り、誰が両岸共通の政治的基礎を破壊し、両岸の現状を改変してきたか。誰が道を守り誰が橋を壊したか。みながそれを知っているはず。もし両岸関係が膠着し、あるいは危機が招来されたら、その責任は現状を改変したものが負わなければならない」
■中台の平和と緊張のどちらが好いか
「一つの中国」を否定して、台湾は独立した主権国家であるとの現状を強調するのが民進党だが、そうした姿勢を中国は「現状改変」「台湾独立」などと断罪し、もし台湾側がそうした状況を持続させるなら、武力行使も辞さないという構え。ここでもはっきりと「危機が招来したら、台湾独立を画策する民進党のせいだ」と強調し、将来の武力行使の正当化を試みている。
そうした情勢だから、日本でも蔡英文氏の就任演説に注目が集まるのである。「果たして彼女は中国との平和で安定した関係を継承して行くのか、それとも逆に緊張を高める道を選ぶのか」と。
それでは、いったいそのどちらが好いのだろう。少なくとも国民党政権が関係改善の美名の下で求めていたのは「奴隷の平和」だった。
■台湾も尖閣やスプラトリーと同じことだ
そもそも中国が台湾側に「一つの中国」を認めさせようとするのは、平和統一(話し合いによる台湾併呑)への道筋を付けたいからに他ならない。
もし民進党政権までが緊張の高まりを恐れてそのようなものを受け入れ、将来台湾が中国に呑み込まれる事態となれば日本は、そしてアジアはどうなるだろう。
こう考えよう。
中国が、尖閣諸島を占領して東支那海に制海権を打ち立てるのは阻止しなければならないし、スプラトリー諸島の支配を強化して南支那海を制覇するのも阻止しなければならない。そしてそれと同じように、あの国が台湾を併合し、台湾海峡、東支那海、南支那海はおろか、西太平洋にまでがその勢力下に転落するのは阻止しなければならないのだと。
■総統就任演説は中国に屈しない方向らしい
要するにアジアにとっては、民進党政権が「一つの中国」を認め、中国の影響下に組み込まれるなどあってはならないことなのだ。
それでは当の民進党は、中国の「一つの中国」圧力を受けながら、いかなる姿勢で総統就任式に臨むのか。
民進党は極秘裏に就任演説の内容の検討を進めているとされるが、幸いなことに中国には屈しない方向であるらしい。
■演説で「主権自主」を求める民意を強調か
自由時報が十六日、関係筋の話として報じたところによると、蔡英文氏は演説で「台湾の主流民意は主権自主の方向に向かっている」ことを強調するという。そして「一つの中国」「九二年合意」には言及せず、九二年会談があったことだけを認めるというのだ。
その際、国に対していくらかの「善意」(配慮)を見せるものの、しかし「簡単に言えば、蔡英文氏はトラブルメーカーにはならず、中国の要求通りの表明も行わないということだ」という。
台湾の前途は、中国ではなく「台湾の民意」が決めると言う強調がなされるわけだ。
■中国が緊張を高めても日米は抑止するのみ
これであるなら日本の親中的な政治家もメディアも、中国の主張を擁護しにくいことだろう。なぜなら日本の「主流民意」がそれを許さないからである、というのが私の予測。
そうなることを祈りたい。
民進党政権が「一つの中国」を否定し続け、それによって中国が軍事的な緊張を高めても、台中の一体化が進んで各国が手も足も出せなくなるよりましだ。それはそれで日米同盟の抑止力を以って対処して行く以外にないのである。
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