日本が台湾新政権を支持すべき理由/一国平和主義を捨てて提携強化を
2016/05/09/Mon
日本でも報道されているが、中共機関紙人民日報が五月五日、五月二十日に発足する台湾の新政権に向けた警告の論文を第一面に掲載した。
台湾は中国の一部であるとする「一つの中国」原則を認めことで、かつて台中が合意したとされる「九二年合意」を、国民党政権と同様に堅持しろと要求する内容だ。

間もなく台湾総統に就任する蔡英文氏。中国から「一つの中国」原則を認めろと迫られているが・・・
「両岸(台中)の関係、平和的発展の道を確保し歩んで行くのか。それとも逃げや曖昧な態度で台独分裂の主張を放棄することを拒み、両岸関係を再び不安、不穏なものにするのか。台湾の新指導者と民進党はそれを必ず答えなくてはならない」などと迫るのである。

日本人はこんなものを聞かされ、どう感じるのだろう。もしよくいる一国平和主義者であれば、たいていは「平和が一番。蔡英文は譲歩して九二年合意とやらを受け入れてほしい」と考えるのだろう。二〇〇〇年から八年続いた陳水扁総統の民進党政権時代は、そんな感じで台湾をトラブルメーカーと見る者が多かった。
だが今日の台中対立は、かつてのような中国の正統政権の座を争った国共対立の延長戦などではなく、台湾侵略を目論む中国やそれに迎合する国民党と、そうした中国人勢力から「台湾人の台湾を守りたい」と願う台湾人との対立と見るべきである。それでも日本人は、以前のように中国の側に立って台湾に迷惑顔を見せるのか。
そもそも「一つの中国」というが、台湾は中国の領土などではないのである。また「台独分裂主義」などというが、どうして中国に支配されない台湾が中国から独立・分裂できるというのか。
日本ではこんな虚構宣伝に惑わされるマスメディア、国民は多いのだが、要するに中国は、「統一」を拒否し、台湾の主権国家としての現状を守ろうとする台湾の勢力を「台独」などと呼び、あたかも内戦を惹起しかねない反乱分子だと国際社会に向かって叫び続け、将来の武力行使を正当化しようとしているわけである。
人民日報は次期総統の蔡英文氏を実名で呼ぶ代わりに「台湾の新指導者」と呼んだのは、「まだあなたにはチャンスをあげよう」というメッセージ。「台独分裂主義者として名指し批判され、中国人民から罪人とレッテルを貼られるのが嫌なら、早く九二年合意を受け入れなさい」という完全な脅しだ。
このように覇権主義国家とはやることがヤクザと同じなのである。それでもそうしたことも理解できない(理解したがらない)のが多いのは、そうした人々が親中派左翼に占められているからだろう。
しかし良識ある日本人は、そんな勢力の誤った言論に惑わされることなく、正しい現状認識を行うべきだ。
そしてそのために参考になるのが、台湾で五月九日に開かれた台湾独立建国聯盟の記者会見である。
自由時報によれば、総統就任式典で演説する蔡英文氏に対し、「演説は台湾の民意に依拠するものであるべき。中国内戦の枠組みに陥らないように」とのアピールがなされたそうだ。
席上、沈清楷・輔仁大哲學部助理教授はこうも語った。「もし蔡英文氏が圧力を受けて九二年合意を受け入れれば政権は『地は動き山は揺れる』といった状況に見舞われるだろう」と。
この「地動山揺」とは、もともとは中国の習近平主席の言葉である。「もし九二合意という基礎が堅牢でなければ地動山揺となる」などと蔡英文氏を牽制したわけだが、逆にそんな「基礎」を設けるならば、国内世論が黙っていまいというわけだ。
また陳南天・同聯盟主席も次のように論じた。
「中国政府と馬英九が新政権に圧力をかけ、親中、依中路線を継承させようとしている。しかし台湾の圧倒的多の人民はすでに自身を中国人ではなく台湾人であると認識しており、『一つの中国』から脱却する時だ」
そしてその上で、「天然独」世代に期待を寄せるのだが、この「天然独」とは、今日の若い世代のことである。「独立自主の価値観は、すでに若い世代の天然成分になっている」という蔡英文氏の言葉から生まれた新語だ。
このように台湾人は国民党の「一つの中国」の宣伝から脱却しつつある。そしてまた、最初からそんな洗脳を受けていない新世代が育ちつつあるのである。
やはり日本人としては、もし今後も中国が台湾を恫喝し続けるなら、こんな覇権主義国より台湾を応援し、それとの提携を深めて行くべきではないだろうか。
地政学的に見れば台湾は、そもそも日本とは中国覇権主義の前における運命共同体なのだから。
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台湾は中国の一部であるとする「一つの中国」原則を認めことで、かつて台中が合意したとされる「九二年合意」を、国民党政権と同様に堅持しろと要求する内容だ。

間もなく台湾総統に就任する蔡英文氏。中国から「一つの中国」原則を認めろと迫られているが・・・
「両岸(台中)の関係、平和的発展の道を確保し歩んで行くのか。それとも逃げや曖昧な態度で台独分裂の主張を放棄することを拒み、両岸関係を再び不安、不穏なものにするのか。台湾の新指導者と民進党はそれを必ず答えなくてはならない」などと迫るのである。

日本人はこんなものを聞かされ、どう感じるのだろう。もしよくいる一国平和主義者であれば、たいていは「平和が一番。蔡英文は譲歩して九二年合意とやらを受け入れてほしい」と考えるのだろう。二〇〇〇年から八年続いた陳水扁総統の民進党政権時代は、そんな感じで台湾をトラブルメーカーと見る者が多かった。
だが今日の台中対立は、かつてのような中国の正統政権の座を争った国共対立の延長戦などではなく、台湾侵略を目論む中国やそれに迎合する国民党と、そうした中国人勢力から「台湾人の台湾を守りたい」と願う台湾人との対立と見るべきである。それでも日本人は、以前のように中国の側に立って台湾に迷惑顔を見せるのか。
そもそも「一つの中国」というが、台湾は中国の領土などではないのである。また「台独分裂主義」などというが、どうして中国に支配されない台湾が中国から独立・分裂できるというのか。
日本ではこんな虚構宣伝に惑わされるマスメディア、国民は多いのだが、要するに中国は、「統一」を拒否し、台湾の主権国家としての現状を守ろうとする台湾の勢力を「台独」などと呼び、あたかも内戦を惹起しかねない反乱分子だと国際社会に向かって叫び続け、将来の武力行使を正当化しようとしているわけである。
人民日報は次期総統の蔡英文氏を実名で呼ぶ代わりに「台湾の新指導者」と呼んだのは、「まだあなたにはチャンスをあげよう」というメッセージ。「台独分裂主義者として名指し批判され、中国人民から罪人とレッテルを貼られるのが嫌なら、早く九二年合意を受け入れなさい」という完全な脅しだ。
このように覇権主義国家とはやることがヤクザと同じなのである。それでもそうしたことも理解できない(理解したがらない)のが多いのは、そうした人々が親中派左翼に占められているからだろう。
しかし良識ある日本人は、そんな勢力の誤った言論に惑わされることなく、正しい現状認識を行うべきだ。
そしてそのために参考になるのが、台湾で五月九日に開かれた台湾独立建国聯盟の記者会見である。
自由時報によれば、総統就任式典で演説する蔡英文氏に対し、「演説は台湾の民意に依拠するものであるべき。中国内戦の枠組みに陥らないように」とのアピールがなされたそうだ。
席上、沈清楷・輔仁大哲學部助理教授はこうも語った。「もし蔡英文氏が圧力を受けて九二年合意を受け入れれば政権は『地は動き山は揺れる』といった状況に見舞われるだろう」と。
この「地動山揺」とは、もともとは中国の習近平主席の言葉である。「もし九二合意という基礎が堅牢でなければ地動山揺となる」などと蔡英文氏を牽制したわけだが、逆にそんな「基礎」を設けるならば、国内世論が黙っていまいというわけだ。
また陳南天・同聯盟主席も次のように論じた。
「中国政府と馬英九が新政権に圧力をかけ、親中、依中路線を継承させようとしている。しかし台湾の圧倒的多の人民はすでに自身を中国人ではなく台湾人であると認識しており、『一つの中国』から脱却する時だ」
そしてその上で、「天然独」世代に期待を寄せるのだが、この「天然独」とは、今日の若い世代のことである。「独立自主の価値観は、すでに若い世代の天然成分になっている」という蔡英文氏の言葉から生まれた新語だ。
このように台湾人は国民党の「一つの中国」の宣伝から脱却しつつある。そしてまた、最初からそんな洗脳を受けていない新世代が育ちつつあるのである。
やはり日本人としては、もし今後も中国が台湾を恫喝し続けるなら、こんな覇権主義国より台湾を応援し、それとの提携を深めて行くべきではないだろうか。
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