台中問題は日本問題/沖ノ鳥島問題に思う
2016/05/05/Thu
■なぜここまで露骨に反日言論を
先頃海保が沖ノ鳥島のEEZで台湾船を拿捕。これを受け政権交代間近の馬英九政権は、拿捕を違法と強調するため、同島をEEZの起点たり得ない岩礁と主張し始め、漢名「沖之鳥島」を中国と同様に「沖之鳥礁」と呼びはじめた。また日本への示威のため、海巡署の巡視船や海軍のフリゲートをその海域に向かわせるなど露骨な反日姿勢を見せている。

沖ノ鳥島海域を目指す台湾の軍艦。馬英九総統による反日デモンストレーションだが、これは中国に見せる
ためのものでもあるらしい
その意図について日本のメディアには次のような見方が多い。
「5月20日には民進党・蔡英文政権の発足を控える。馬政権の対日強硬姿勢の背景には、親日的とされる次期政権をけん制する狙いがあるとみられる」(日本経済新聞)。
実際に国民党の洪秀柱主席は今回の事件を受け、民進党を「中国を見れば必ず反撥し、日本を見れば必ず軟化する。これが理解できない」などと「けん制」していた。
■国民党の反日は中国の操縦下
馬英九総統もこの洪秀柱主席も、ともに中華民族主義者で台湾での台湾人意識の高揚に危機感を抱いているところだ。何としても民進党政権には「反日」という名の中華民族主義を継承させたいところだ。そしてそれはまた、中国への変わらぬ友好(忠誠と呼ぶべきか)の表明にもなる。
またこれを別の言い方で言えば、彼らはそれほど中国の操縦を受けているということだ。
日台分断と台湾政治の中華民族主義化こそ、中国には何としても完遂したい戦略的課題なのだ。
■台湾最大手紙も反日媚中に警鐘
こうした馬英九政権の蠢きに、台湾の最大手紙自由時報も五月五日、「親中、抗日、米国無視か」と題する社説を掲げ、警戒を呼び掛けている。
それによると、
―――二〇〇八年、国民党が再び政権を握った際、馬英九政権は「和中、友日、親米」なる対外戦略を打ち出し、三国との等距離関係で軍事安全、経済安全を確保しようとしたが、二〇一六年のまさに退陣しようとする今、従来批判し続けてきたはずの「烽火外交」(かつての民進党政権の攻撃性外交を批判する言葉)へと大転換し、いくつかの主要国家の高度な関心を受けている。
そして具体例として沖ノ鳥島方面への軍艦派遣のほか、この日総統府が国民党の長老たちを乗せた輸送機を台湾の支配下にあるスプラトリー諸島の太平島へ飛ばす計画であることに触れ、「もはや友日ではない」「南海の波を荒立てていると受け取られ、明らかに親米ではない」と指摘するのだ。
■やはり狙いは台湾新政権への牽制
さらには、最近馬英九が副総統らを連れ平和記念碑の序幕を行ったこと等々を挙げ、「和中だけが残っている」とも強調。
馬英九がこのように「日米安保体制から離れ、親中路線へ邁進する動機」としては、「退任後の個人的な活動空間路線の設定。そして新総統のレールを今から敷設し、その動きを間接的に限定させること」がある可能性としている。
そしてこうした「親中・抗日・米国無視」の効果だが、それは「国民との下野によって完全に消え去るものではなく、蔡英文が三国との関係を構築していく際に、中国は台湾人民の利益に反するさまざまな圧力をかける可能性が極めて高い」として警戒を呼び掛けるのだ。
■第一列島線攻略のための日台分断
日本も中国の、今後必ず強化されるであろう「日台分断」には警戒が必要だ。
中国はこの工作において、台湾の国民党の中華民族主義勢力だけでなく、日本の媚中売国勢力をも懸命に操縦しようとすることだろう。
日本人はたいてい「台湾と中国の問題は外国の問題」などとして関心を寄せようとしないが、中国は攻略目標である第一列島線を形成する台湾と日本の両方を視野に謀略を進めているということを知らなくてはならない。
【過去の関連記事】
台湾「沖ノ鳥島」騒動で疑われる馬英九総統の「反日媚中」策謀 16/05/02
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2841.html
中国の日台分断と台湾「沖ノ鳥島」騒動 16/05/03
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2842.html
沖ノ鳥島を「岩」と呼ぶ中国の西太平洋戦略に勝てるか 09/08/28
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-864.html
「沖ノ鳥島保全法」が成立―今や西太平洋は国防第一線 10/05/27
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1179.html
侮れず!沖ノ鳥島を「岩」と呼ぶ中国の戦略的「情報操作」工作 12/05/25
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1855.html
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先頃海保が沖ノ鳥島のEEZで台湾船を拿捕。これを受け政権交代間近の馬英九政権は、拿捕を違法と強調するため、同島をEEZの起点たり得ない岩礁と主張し始め、漢名「沖之鳥島」を中国と同様に「沖之鳥礁」と呼びはじめた。また日本への示威のため、海巡署の巡視船や海軍のフリゲートをその海域に向かわせるなど露骨な反日姿勢を見せている。

沖ノ鳥島海域を目指す台湾の軍艦。馬英九総統による反日デモンストレーションだが、これは中国に見せる
ためのものでもあるらしい
その意図について日本のメディアには次のような見方が多い。
「5月20日には民進党・蔡英文政権の発足を控える。馬政権の対日強硬姿勢の背景には、親日的とされる次期政権をけん制する狙いがあるとみられる」(日本経済新聞)。
実際に国民党の洪秀柱主席は今回の事件を受け、民進党を「中国を見れば必ず反撥し、日本を見れば必ず軟化する。これが理解できない」などと「けん制」していた。
■国民党の反日は中国の操縦下
馬英九総統もこの洪秀柱主席も、ともに中華民族主義者で台湾での台湾人意識の高揚に危機感を抱いているところだ。何としても民進党政権には「反日」という名の中華民族主義を継承させたいところだ。そしてそれはまた、中国への変わらぬ友好(忠誠と呼ぶべきか)の表明にもなる。
またこれを別の言い方で言えば、彼らはそれほど中国の操縦を受けているということだ。
日台分断と台湾政治の中華民族主義化こそ、中国には何としても完遂したい戦略的課題なのだ。
■台湾最大手紙も反日媚中に警鐘
こうした馬英九政権の蠢きに、台湾の最大手紙自由時報も五月五日、「親中、抗日、米国無視か」と題する社説を掲げ、警戒を呼び掛けている。
それによると、
―――二〇〇八年、国民党が再び政権を握った際、馬英九政権は「和中、友日、親米」なる対外戦略を打ち出し、三国との等距離関係で軍事安全、経済安全を確保しようとしたが、二〇一六年のまさに退陣しようとする今、従来批判し続けてきたはずの「烽火外交」(かつての民進党政権の攻撃性外交を批判する言葉)へと大転換し、いくつかの主要国家の高度な関心を受けている。
そして具体例として沖ノ鳥島方面への軍艦派遣のほか、この日総統府が国民党の長老たちを乗せた輸送機を台湾の支配下にあるスプラトリー諸島の太平島へ飛ばす計画であることに触れ、「もはや友日ではない」「南海の波を荒立てていると受け取られ、明らかに親米ではない」と指摘するのだ。
■やはり狙いは台湾新政権への牽制
さらには、最近馬英九が副総統らを連れ平和記念碑の序幕を行ったこと等々を挙げ、「和中だけが残っている」とも強調。
馬英九がこのように「日米安保体制から離れ、親中路線へ邁進する動機」としては、「退任後の個人的な活動空間路線の設定。そして新総統のレールを今から敷設し、その動きを間接的に限定させること」がある可能性としている。
そしてこうした「親中・抗日・米国無視」の効果だが、それは「国民との下野によって完全に消え去るものではなく、蔡英文が三国との関係を構築していく際に、中国は台湾人民の利益に反するさまざまな圧力をかける可能性が極めて高い」として警戒を呼び掛けるのだ。
■第一列島線攻略のための日台分断
日本も中国の、今後必ず強化されるであろう「日台分断」には警戒が必要だ。
中国はこの工作において、台湾の国民党の中華民族主義勢力だけでなく、日本の媚中売国勢力をも懸命に操縦しようとすることだろう。
日本人はたいてい「台湾と中国の問題は外国の問題」などとして関心を寄せようとしないが、中国は攻略目標である第一列島線を形成する台湾と日本の両方を視野に謀略を進めているということを知らなくてはならない。
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