中国の安倍政権への敵意ありありー日中外相会談で曝した前近代的な覇権志向
2016/05/01/Sun
■中華帝国のアジア主宰を再現したい
日中関係の悪化の原因は、中国の歴史問題、尖閣問題、安保問題等々における日本への身勝手、傲慢な姿勢にあると思う。

4月30日に北京で行われた日中外相会談。そこで見られたのは、中国がアジア支配を狙って
おり、そしてその障害として安倍政権を敵視していることだった
もちろん中国から見れば、「中華民族の偉大なる復興」という名の中国主宰のアジア新秩序建設の動きに日本が抵抗しているのが悪い、となりそうだが。
「偉大なる復興」などというが、要は中華帝国時代の冊封朝貢秩序のようなものを再現したいのだろう。そもそもそれがあの国が理想とする国際平和秩序の在り方である。国名の「中華」自体、漢民族を諸民族の中心とする伝統的世界観に基づく概念だ。
中国が米国に呼び掛ける「新型大国関係」なるものも、太平洋西側のアジアは中国に任せろ、というものだろう。
だからこんな中国にとり、アジアでのもう一方の雄たる日本を弱体化し(日米同盟を解消させるのがベストだ)、服従させることが、中国外交の至上命題の一つになっているのある。
このように言うと、「二十一世紀の今日、中華帝国もないだろう」と嗤う者は必ずいるのだが、しかし実際その通りであることを教える場面が、北京で四月三十日に行われた岸田文雄外相と王毅外相による日中外相会談で見られたのである。
■属国の使節を出迎える中華の官僚の如し
日本の外相が国際会議以外で訪中するのは四年半ぶり。「新しい時代にふさわしい日中関係を開く一歩にしたい。両国関係の歯車を回す訪問にしたい」(産経)との思いで会見に臨んだ岸田氏に対し、王毅氏が冒頭で語ったのは「もしあなたが真心、誠意を以っていらっしゃったというなら歓迎しましょう」。
まるで属国、朝貢国の使節を迎え入れた中華帝国の官僚の如し。中華に歯向かった夷狄に謝罪のチャンスを与えてやると言わんばかりだ。
そして、これは中国外務省が公表し、中共御用メディアが報じていることだが、王毅氏は岸田氏に対し、次の四つの要求を突き付けたのだ。
ーーー① 政治面では、日本側は中日共同声明など四つの重要文書を厳守し、真摯に歴史を直視、反省し、徹底的に一つの中国政策を堅持すべきである。これは両国関係の重要な政治的基礎であり、わずかな曖昧さもいかなる動揺も許されないものだ。
こうした中国お決まりの「歴史の直視、反省」要求が、戦争被害を受けた一般中国人の感情から来るものではないことは、日本でも最近は常識になりつつある。
その目的はやはり、日本の政府、国民に敗戦国(民)としての贖罪意識を抱かせ、永遠に中国に従属させることだろう。
■安倍政権と台湾新政権の接近を警戒
そして「一つの中国政策」を堅持せよというのは「台湾と付き合うな」という意味だ。
台湾を中国の一部とする「一つの中国」原則を認めない民進党政権時代、中国は盛んに「歴史問題と台湾問題は中日関係の政治的基礎だ」と強調していたが、この五月に再び民進党政権が発足するため、再びこれが始まったようだ。
しかし「徹底的に堅持する」も何も、日本に「一つの中国政策」というものはないのである。日中共同声明で中華民国ではなく中華人民共和国を「中国の唯一の合法政府であることを承認する」とは表明したが、台湾を中国の一部であると承認はしていないのだ。それでも中国はこのようなでっち上げを行い、日本側を惑わせようとの魂胆である。
戦略的要衝である台湾の併呑は、中国による新秩序建設の絶対的な前提条件と言えるが、その台湾の新政権と安倍政権の接近も予測される中、日台分断を「徹底的」に狙う動きは今後も強まりそうだ。
■日本に対する言論統制の試み

中国側は日本側をあたかも属国と看做すかのような姿勢だった
―――② 対中理解の面では、日本側は着実に「互いに協力のパートナーであり、互いに脅威とならない」との合意を具体的な行動に反映させ、積極的かつ健全な意識で中国の発展に対応し、二度とさまざまな中国脅威論や中国経済衰退論の流布や付和を行ってはならない。
これは属国に対するかのような言論統制の試みだ。
中華に魅力がなければ周辺国は「朝貢」(従属)したがらない。そのため中国には何より先ず国際社会で広がる「中国脅威論」や「中国経済衰退論」の火消しが求められている。
ここでは日本には「脅威」に脅えて沈黙し、「中国の発展に対応し」(中国に従属し)ていてほしいとの願望が言い表されている。
■安倍政権はアジア新秩序建設の邪魔
―――③ 経済交流面では、日本側は協力互恵の理念を着実に打ち立て、一方が他方から離れられないとか、一方が他方をより必要としているという時代遅れの思考を捨て、中国とは真に対等、互恵という基礎の上で各領域での実務的な協力を推進するべきだ。
―――④ 地域、国際問題の上では、お互いの正当な利益と関心事項を尊重し、適時かつ必要な意思疎通、協力を強化するべきだ。日本側は対抗心理を捨て、中国と共にこの地域の平和、安定そして繁栄を維持することに力を致すべきだ。
これは安倍政権による東支那海問題や南支那海問題などの「国際化」、つまりこれらを国際会議などで取り上げ、中国への圧力を高めようとする安倍政権の「対抗心理」を取り下げよとの要求だろう。
「お互いの正当な利益と関心事項を尊重」するというのは、お互いやりたいことを邪魔しないということである。「中華は新秩序建設という仕事があり、夷狄はそれを邪魔しない範囲内で好きなことをやっていればいい」ということなのだ。
■日本の左翼勢力が演じる飛んでもない役割
以上、まるで相手の都合を考えない子供の身勝手な要求のようだが、前近代の中華の皇帝が臣下に下した要求も、おそらくこんなものだったのだろう。
こんな国を相手に日本はいかに「新しい時代にふさわしい日中関係を開く」くべきか。
想像してみよう。中国との対立を恐れて譲歩しても、譲歩は譲歩を呼び、この不条理な国家との間の摩擦、対立は解消されないばかりか、さらに深まるのは目に見えている。
したがって日米同盟の強化、台湾、ASEAN、豪、印等々の世界の民主主義国家と提携し、中国の前近代的な世界秩序再興の動きを抑止するしか他にないのだ。
その意味で中国の軍事膨張に対抗するための平和安全法制は有効だが、それでありながらこれの廃止を要求する野党、マスメディアなどの左翼勢力とは何なのか。
ちなみに中華中心の秩序は、秩序建設に無抵抗であり、そして中華の権威を認める周辺諸民族の存在があってはじめて建設され、維持されるものだ。どうも日本の左翼は、そうした飛んでもない勢力を演じているようである。
だからこそ中共の御用メディアが絶えず彼らにエールを送るわけだが、しかし平和を愛する国際社会にとっては、何とも迷惑な存在である。
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日中関係の悪化の原因は、中国の歴史問題、尖閣問題、安保問題等々における日本への身勝手、傲慢な姿勢にあると思う。

4月30日に北京で行われた日中外相会談。そこで見られたのは、中国がアジア支配を狙って
おり、そしてその障害として安倍政権を敵視していることだった
もちろん中国から見れば、「中華民族の偉大なる復興」という名の中国主宰のアジア新秩序建設の動きに日本が抵抗しているのが悪い、となりそうだが。
「偉大なる復興」などというが、要は中華帝国時代の冊封朝貢秩序のようなものを再現したいのだろう。そもそもそれがあの国が理想とする国際平和秩序の在り方である。国名の「中華」自体、漢民族を諸民族の中心とする伝統的世界観に基づく概念だ。
中国が米国に呼び掛ける「新型大国関係」なるものも、太平洋西側のアジアは中国に任せろ、というものだろう。
だからこんな中国にとり、アジアでのもう一方の雄たる日本を弱体化し(日米同盟を解消させるのがベストだ)、服従させることが、中国外交の至上命題の一つになっているのある。
このように言うと、「二十一世紀の今日、中華帝国もないだろう」と嗤う者は必ずいるのだが、しかし実際その通りであることを教える場面が、北京で四月三十日に行われた岸田文雄外相と王毅外相による日中外相会談で見られたのである。
■属国の使節を出迎える中華の官僚の如し
日本の外相が国際会議以外で訪中するのは四年半ぶり。「新しい時代にふさわしい日中関係を開く一歩にしたい。両国関係の歯車を回す訪問にしたい」(産経)との思いで会見に臨んだ岸田氏に対し、王毅氏が冒頭で語ったのは「もしあなたが真心、誠意を以っていらっしゃったというなら歓迎しましょう」。
まるで属国、朝貢国の使節を迎え入れた中華帝国の官僚の如し。中華に歯向かった夷狄に謝罪のチャンスを与えてやると言わんばかりだ。
そして、これは中国外務省が公表し、中共御用メディアが報じていることだが、王毅氏は岸田氏に対し、次の四つの要求を突き付けたのだ。
ーーー① 政治面では、日本側は中日共同声明など四つの重要文書を厳守し、真摯に歴史を直視、反省し、徹底的に一つの中国政策を堅持すべきである。これは両国関係の重要な政治的基礎であり、わずかな曖昧さもいかなる動揺も許されないものだ。
こうした中国お決まりの「歴史の直視、反省」要求が、戦争被害を受けた一般中国人の感情から来るものではないことは、日本でも最近は常識になりつつある。
その目的はやはり、日本の政府、国民に敗戦国(民)としての贖罪意識を抱かせ、永遠に中国に従属させることだろう。
■安倍政権と台湾新政権の接近を警戒
そして「一つの中国政策」を堅持せよというのは「台湾と付き合うな」という意味だ。
台湾を中国の一部とする「一つの中国」原則を認めない民進党政権時代、中国は盛んに「歴史問題と台湾問題は中日関係の政治的基礎だ」と強調していたが、この五月に再び民進党政権が発足するため、再びこれが始まったようだ。
しかし「徹底的に堅持する」も何も、日本に「一つの中国政策」というものはないのである。日中共同声明で中華民国ではなく中華人民共和国を「中国の唯一の合法政府であることを承認する」とは表明したが、台湾を中国の一部であると承認はしていないのだ。それでも中国はこのようなでっち上げを行い、日本側を惑わせようとの魂胆である。
戦略的要衝である台湾の併呑は、中国による新秩序建設の絶対的な前提条件と言えるが、その台湾の新政権と安倍政権の接近も予測される中、日台分断を「徹底的」に狙う動きは今後も強まりそうだ。
■日本に対する言論統制の試み

中国側は日本側をあたかも属国と看做すかのような姿勢だった
―――② 対中理解の面では、日本側は着実に「互いに協力のパートナーであり、互いに脅威とならない」との合意を具体的な行動に反映させ、積極的かつ健全な意識で中国の発展に対応し、二度とさまざまな中国脅威論や中国経済衰退論の流布や付和を行ってはならない。
これは属国に対するかのような言論統制の試みだ。
中華に魅力がなければ周辺国は「朝貢」(従属)したがらない。そのため中国には何より先ず国際社会で広がる「中国脅威論」や「中国経済衰退論」の火消しが求められている。
ここでは日本には「脅威」に脅えて沈黙し、「中国の発展に対応し」(中国に従属し)ていてほしいとの願望が言い表されている。
■安倍政権はアジア新秩序建設の邪魔
―――③ 経済交流面では、日本側は協力互恵の理念を着実に打ち立て、一方が他方から離れられないとか、一方が他方をより必要としているという時代遅れの思考を捨て、中国とは真に対等、互恵という基礎の上で各領域での実務的な協力を推進するべきだ。
―――④ 地域、国際問題の上では、お互いの正当な利益と関心事項を尊重し、適時かつ必要な意思疎通、協力を強化するべきだ。日本側は対抗心理を捨て、中国と共にこの地域の平和、安定そして繁栄を維持することに力を致すべきだ。
これは安倍政権による東支那海問題や南支那海問題などの「国際化」、つまりこれらを国際会議などで取り上げ、中国への圧力を高めようとする安倍政権の「対抗心理」を取り下げよとの要求だろう。
「お互いの正当な利益と関心事項を尊重」するというのは、お互いやりたいことを邪魔しないということである。「中華は新秩序建設という仕事があり、夷狄はそれを邪魔しない範囲内で好きなことをやっていればいい」ということなのだ。
■日本の左翼勢力が演じる飛んでもない役割
以上、まるで相手の都合を考えない子供の身勝手な要求のようだが、前近代の中華の皇帝が臣下に下した要求も、おそらくこんなものだったのだろう。
こんな国を相手に日本はいかに「新しい時代にふさわしい日中関係を開く」くべきか。
想像してみよう。中国との対立を恐れて譲歩しても、譲歩は譲歩を呼び、この不条理な国家との間の摩擦、対立は解消されないばかりか、さらに深まるのは目に見えている。
したがって日米同盟の強化、台湾、ASEAN、豪、印等々の世界の民主主義国家と提携し、中国の前近代的な世界秩序再興の動きを抑止するしか他にないのだ。
その意味で中国の軍事膨張に対抗するための平和安全法制は有効だが、それでありながらこれの廃止を要求する野党、マスメディアなどの左翼勢力とは何なのか。
ちなみに中華中心の秩序は、秩序建設に無抵抗であり、そして中華の権威を認める周辺諸民族の存在があってはじめて建設され、維持されるものだ。どうも日本の左翼は、そうした飛んでもない勢力を演じているようである。
だからこそ中共の御用メディアが絶えず彼らにエールを送るわけだが、しかし平和を愛する国際社会にとっては、何とも迷惑な存在である。
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