日本の嫌韓と中国人の嫌台ー似て非なる物の比較で明かす中共・愛国主義の実相
2016/04/29/Fri
■中国人が日本と同様に憎しみを向けるのが台湾
内閣府が三月に発表した世論調査結果によると、中国について「親しみを感じない」は八三・二%で、韓国に対し「親しみを感じない」の六四・七%を上回っている。しかし日頃私が嫌中嫌韓意識の強い保守派層の言論を見る限り、その嫌悪感は中国(中国人)より韓国(韓国人)の方に強く向けられているようだ。

最近、中共御用メディアが公表した世論調査結果によれば、中国人の八割が台湾への武力行使を支持。一種の対台恫
喝の宣伝友分析されるが、しかしここで示された中国人の台湾人への憎悪は必ずしも虚構ではない
嫌中嫌韓の人々にとり、中韓はともに唯我独尊で欺瞞だらけの陰湿な反日国家といった印象だが、中でもより大きな脅威として日本に仇なすのは中国のはず。だがそれでも中国以上に韓国に対し嫌悪、憎悪の念を抱くのは、前者が大国であるのに対して後者が小国だからという理由も大きかろう。
小さく弱い相手に侮られ、嫌がらせを受け続ければ、苛立ちを抑え切れなくなるのが人情というものだ。
さて、「小さくて生意気な相手」に苛立つのは中国人も同様である。だから日本を「小日本」などと蔑称してストレス発散に勤しむわけだが、ただあの国にとっては更にもう一つ、日本以上に「小さくて生意気な相手」があるようなのだ。
それが台湾である。
■何の正当性もない中国の嫌台感情
台湾に対して中国人には、「中国の辺境の小さな島」でありながら、自分たち以上に高い生活水準を誇ってきたことへの嫉妬心も早くからあったわけだが、今やおそらくそれ以上に、「同じ中国人でありながら中国統一を拒絶する裏切り者」「日本の影響を受けて中国人であることを忘れた畜生」といった強烈な怒りが広く抱かれているのである。
このように、日本の嫌韓感情と中国の嫌台感情は、激越だという意味では両社共通しているが、しかし基本的には大きく異なる。
日本の嫌韓の背景には韓国の日本への不条理な非礼、悪意の横行があるのに対し、中国の嫌台は、「台湾は中国の不可分の一部」であるとする「一つの中国」の宣伝に洗脳された人々が、中国の横暴な姿勢に抵抗する台湾の反中感情に反撥するだけのものであって、そこに何の正当性も見出せない。
■私が目撃した中国人の異常な台湾憎悪
「統一」を拒む台湾人を中国人は「台独」(台湾独立運動)と呼ぶが、彼らの「台独勢力」への憎しみは「日本軍国主義」「日本右翼勢力」に対するよう強烈な時もある。
私が二〇〇八年四月、長野で行われた北京五輪の聖火リレー現場での抗議運動に参加にした時のことだ。動員された在日中国人群衆の前を前に拡声器で中国批判をどんなに展開するも、「日本右翼勢力の挑発に乗るな」と指令されていた群衆はひたすら笑顔で余裕の表情。
ところが、私と一緒にいた台湾人の友人が中国語で「台湾は中国ではない」と叫ぶと状況は一変した。群衆から笑顔は消え、「何だ、お前は台湾人か。裏切り者め」とばかりに、怒声が巻き起こったのである。

2008年4月、長野駅前に動員された中国人群衆。台湾人が抗議
の声を上がるや彼らの表情は一変し…
そこで私も友人に加勢し、中国語で同じことを叫ぶと、今度は「さっきまではお前を日本人と思っていたから大目に見てきたのだ。台湾人のくせによくも俺達を騙したな」という感じで、更に大きな怒声が返ってきた。
その激しさたるや尋常ならず、周囲の日本人達はびっくりして、「いったいあいつらに何を言ったんだ」という顔でこちらを見たが、実際に一番驚いていたのは台湾の友人だ。
「まるで狂気だ。中国人が日頃我々を同胞などと呼びながら、実際にはここまで我々を憎んでいるとは」と。
■中共の言いなりにならない台湾人は全て敵
ところで、そうした中国人達が現在注目するのが、台湾で五月二十日に行われる総統就任式で蔡英文新総統が、中共の要望に従って「一つの中国」原則の受け入れを明言するかどうかだが、多くは「台独」のレッテルが張られる蔡英文氏はそれに応じまいと見ていることだろう。
そうした中の四月二十五日、中共御用メディアの環球時報が上海社会科学院と合同で行ったネットユーザー対象の世論調査の結果を公表した。
一日で数万人ものユーザーが回答を寄せてきたとされるこの調査。それによると「台湾は中国の不可分の一部」とする回答は九九%。誰もが虚構宣伝に洗脳されているのがわかる。
そして「民進党は明独(明確な台独)で国民党は暗独(隠れ台独)。両者に本質的な違いはない」と見るのは八〇%。従来「一つの中国」を受け入れ、中国との和解に努めてきた国民党だが、「統一」交渉に応じない限りは不倶戴天の「台独」と看做されるわけだ。
要するに中国の言いなりにならない台湾人は、すべて「死敵」(絶対に和解できない敵)となるのだろう。
■世論調査で八割は台湾への武力行使を支持
そして驚くべきことに、「台湾で今後台独支持者は増加する」は七八%で、「もし台独支持者が増加するなら武力での台湾統一を支持する」は八五%にも達しったことだ。「三年から五年内の台湾侵攻を支持する」は三五%だった。「平和統一(協議による統一)の可能性は低い」との見方は七〇%を超えている。
多くは武力行使に際は「日米は介入する」と見ている。しかしそれでも六三%は「中国は絶対に勝つ」と答えた。
ちなみに「長期間の戦争状態からの苦しみも辞さない」は三五%で、「自身の生命を献じたい」は三四・七%だった。
まさに中国人の台湾憎悪の感情が、ここではストレートに反映されている。
もっとも台湾では「中共の世論調査は精度、信用度が疑われる。台湾人民を恫喝し、新政権に圧力をかけ、台湾が独立する方向へ進むのを防ごうと狙った」(台湾の国会議員)との見方も一般的だ(環球時報はネット上に公開した調査結果を程なく削除している)。
■実は「勝てない戦争はしない」のが中国人の民族性
たしかに、この調査結果とは異なる分析もある。たとえば米国の著名な中国系ジャーナリスト、曹長青氏は最近台湾のテレビ番組で、「中国は台湾に武力行使できない」と指摘。その理由の一つは「台湾に日米という後ろ盾がある」から。
「中国軍では米国には勝てない。日米が提携すればなおのことだ」という。
それから「中国人自身がそれを望んでいない」ことも挙げた。
「もし中国人に投票させれば、圧倒的多数は武力行使に反対する。それで株式市場が崩壊するから。太子党もそれは望まない。もし習近平が台湾挑発に失敗したら、党上層部は引きずりおろされることにもなる」というのだ。
「勝つ見込みのない戦いはしない」というのが中国の民族性と言われるが、それに照らせば曹長青氏の分析の方が正しく、環球時報の調査結果は台湾牽制のためのハッタリだったようにも思えて来る。
■中国の膨張政策を支える好戦的愛国主義

第一列島線(日本・台湾)をも勢力下に組み込もうと軍拡に邁進する中共。その覇権主義を支えるのが民衆の盲目的な
愛国排外主義だ
しかし、あの調査結果で示された中国人の好戦的性格は、実際に日頃から見られるものであり、まったくの印象操作とも思えない。
あの国のネット上で普通に見られる嫌台言論たるや、それはまさに台湾人を夷狄視するかのような激越さ(反日言論も同様だが)。しかもそれがネット上だけのものでないことは、私自身が長野で確認しているわけだ。
中共の操縦により、民衆の自国社会への強い不満が排外主義へと転化された結果生まれたのが中国の嫌台であり嫌日であるとも言えるが、それが日本の嫌中嫌韓とは異なるのは、二十一世紀の文明社会で求められる理性に欠如していることである。
台湾に武力行使をする可能性が高いか否かはともかく、やがては台湾を取り日本を服従させようとする中国の海洋膨張政策を支える愛国主義というもの実相が、実はこうした激しく盲目的な情念であるということも忘れてはならない。
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内閣府が三月に発表した世論調査結果によると、中国について「親しみを感じない」は八三・二%で、韓国に対し「親しみを感じない」の六四・七%を上回っている。しかし日頃私が嫌中嫌韓意識の強い保守派層の言論を見る限り、その嫌悪感は中国(中国人)より韓国(韓国人)の方に強く向けられているようだ。

最近、中共御用メディアが公表した世論調査結果によれば、中国人の八割が台湾への武力行使を支持。一種の対台恫
喝の宣伝友分析されるが、しかしここで示された中国人の台湾人への憎悪は必ずしも虚構ではない
嫌中嫌韓の人々にとり、中韓はともに唯我独尊で欺瞞だらけの陰湿な反日国家といった印象だが、中でもより大きな脅威として日本に仇なすのは中国のはず。だがそれでも中国以上に韓国に対し嫌悪、憎悪の念を抱くのは、前者が大国であるのに対して後者が小国だからという理由も大きかろう。
小さく弱い相手に侮られ、嫌がらせを受け続ければ、苛立ちを抑え切れなくなるのが人情というものだ。
さて、「小さくて生意気な相手」に苛立つのは中国人も同様である。だから日本を「小日本」などと蔑称してストレス発散に勤しむわけだが、ただあの国にとっては更にもう一つ、日本以上に「小さくて生意気な相手」があるようなのだ。
それが台湾である。
■何の正当性もない中国の嫌台感情
台湾に対して中国人には、「中国の辺境の小さな島」でありながら、自分たち以上に高い生活水準を誇ってきたことへの嫉妬心も早くからあったわけだが、今やおそらくそれ以上に、「同じ中国人でありながら中国統一を拒絶する裏切り者」「日本の影響を受けて中国人であることを忘れた畜生」といった強烈な怒りが広く抱かれているのである。
このように、日本の嫌韓感情と中国の嫌台感情は、激越だという意味では両社共通しているが、しかし基本的には大きく異なる。
日本の嫌韓の背景には韓国の日本への不条理な非礼、悪意の横行があるのに対し、中国の嫌台は、「台湾は中国の不可分の一部」であるとする「一つの中国」の宣伝に洗脳された人々が、中国の横暴な姿勢に抵抗する台湾の反中感情に反撥するだけのものであって、そこに何の正当性も見出せない。
■私が目撃した中国人の異常な台湾憎悪
「統一」を拒む台湾人を中国人は「台独」(台湾独立運動)と呼ぶが、彼らの「台独勢力」への憎しみは「日本軍国主義」「日本右翼勢力」に対するよう強烈な時もある。
私が二〇〇八年四月、長野で行われた北京五輪の聖火リレー現場での抗議運動に参加にした時のことだ。動員された在日中国人群衆の前を前に拡声器で中国批判をどんなに展開するも、「日本右翼勢力の挑発に乗るな」と指令されていた群衆はひたすら笑顔で余裕の表情。
ところが、私と一緒にいた台湾人の友人が中国語で「台湾は中国ではない」と叫ぶと状況は一変した。群衆から笑顔は消え、「何だ、お前は台湾人か。裏切り者め」とばかりに、怒声が巻き起こったのである。

2008年4月、長野駅前に動員された中国人群衆。台湾人が抗議
の声を上がるや彼らの表情は一変し…
そこで私も友人に加勢し、中国語で同じことを叫ぶと、今度は「さっきまではお前を日本人と思っていたから大目に見てきたのだ。台湾人のくせによくも俺達を騙したな」という感じで、更に大きな怒声が返ってきた。
その激しさたるや尋常ならず、周囲の日本人達はびっくりして、「いったいあいつらに何を言ったんだ」という顔でこちらを見たが、実際に一番驚いていたのは台湾の友人だ。
「まるで狂気だ。中国人が日頃我々を同胞などと呼びながら、実際にはここまで我々を憎んでいるとは」と。
■中共の言いなりにならない台湾人は全て敵
ところで、そうした中国人達が現在注目するのが、台湾で五月二十日に行われる総統就任式で蔡英文新総統が、中共の要望に従って「一つの中国」原則の受け入れを明言するかどうかだが、多くは「台独」のレッテルが張られる蔡英文氏はそれに応じまいと見ていることだろう。
そうした中の四月二十五日、中共御用メディアの環球時報が上海社会科学院と合同で行ったネットユーザー対象の世論調査の結果を公表した。
一日で数万人ものユーザーが回答を寄せてきたとされるこの調査。それによると「台湾は中国の不可分の一部」とする回答は九九%。誰もが虚構宣伝に洗脳されているのがわかる。
そして「民進党は明独(明確な台独)で国民党は暗独(隠れ台独)。両者に本質的な違いはない」と見るのは八〇%。従来「一つの中国」を受け入れ、中国との和解に努めてきた国民党だが、「統一」交渉に応じない限りは不倶戴天の「台独」と看做されるわけだ。
要するに中国の言いなりにならない台湾人は、すべて「死敵」(絶対に和解できない敵)となるのだろう。
■世論調査で八割は台湾への武力行使を支持
そして驚くべきことに、「台湾で今後台独支持者は増加する」は七八%で、「もし台独支持者が増加するなら武力での台湾統一を支持する」は八五%にも達しったことだ。「三年から五年内の台湾侵攻を支持する」は三五%だった。「平和統一(協議による統一)の可能性は低い」との見方は七〇%を超えている。
多くは武力行使に際は「日米は介入する」と見ている。しかしそれでも六三%は「中国は絶対に勝つ」と答えた。
ちなみに「長期間の戦争状態からの苦しみも辞さない」は三五%で、「自身の生命を献じたい」は三四・七%だった。
まさに中国人の台湾憎悪の感情が、ここではストレートに反映されている。
もっとも台湾では「中共の世論調査は精度、信用度が疑われる。台湾人民を恫喝し、新政権に圧力をかけ、台湾が独立する方向へ進むのを防ごうと狙った」(台湾の国会議員)との見方も一般的だ(環球時報はネット上に公開した調査結果を程なく削除している)。
■実は「勝てない戦争はしない」のが中国人の民族性
たしかに、この調査結果とは異なる分析もある。たとえば米国の著名な中国系ジャーナリスト、曹長青氏は最近台湾のテレビ番組で、「中国は台湾に武力行使できない」と指摘。その理由の一つは「台湾に日米という後ろ盾がある」から。
「中国軍では米国には勝てない。日米が提携すればなおのことだ」という。
それから「中国人自身がそれを望んでいない」ことも挙げた。
「もし中国人に投票させれば、圧倒的多数は武力行使に反対する。それで株式市場が崩壊するから。太子党もそれは望まない。もし習近平が台湾挑発に失敗したら、党上層部は引きずりおろされることにもなる」というのだ。
「勝つ見込みのない戦いはしない」というのが中国の民族性と言われるが、それに照らせば曹長青氏の分析の方が正しく、環球時報の調査結果は台湾牽制のためのハッタリだったようにも思えて来る。
■中国の膨張政策を支える好戦的愛国主義

第一列島線(日本・台湾)をも勢力下に組み込もうと軍拡に邁進する中共。その覇権主義を支えるのが民衆の盲目的な
愛国排外主義だ
しかし、あの調査結果で示された中国人の好戦的性格は、実際に日頃から見られるものであり、まったくの印象操作とも思えない。
あの国のネット上で普通に見られる嫌台言論たるや、それはまさに台湾人を夷狄視するかのような激越さ(反日言論も同様だが)。しかもそれがネット上だけのものでないことは、私自身が長野で確認しているわけだ。
中共の操縦により、民衆の自国社会への強い不満が排外主義へと転化された結果生まれたのが中国の嫌台であり嫌日であるとも言えるが、それが日本の嫌中嫌韓とは異なるのは、二十一世紀の文明社会で求められる理性に欠如していることである。
台湾に武力行使をする可能性が高いか否かはともかく、やがては台湾を取り日本を服従させようとする中国の海洋膨張政策を支える愛国主義というもの実相が、実はこうした激しく盲目的な情念であるということも忘れてはならない。
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