日本も注目を!蔡英文がTIME誌「影響力100人」に/傲慢な中国に対抗する台湾次期総統
2016/04/22/Fri
アメリカのタイム誌が、毎年恒例の「世界で最も影響力のある100人」を発表。これについて日本では四月二十二日、FNNが速報している。

それによれば、
「2016年は、10回目のヒラリー・クリントンさん、ドナルド・トランプさん、バーニー・サンダースさんと、大統領選の候補者が選ばれているのが特徴」
「2016年、アカデミー賞で初の主演男優賞を受賞したレオナルド・ディカプリオさんや、指導者では、北朝鮮の金正恩第1書記も6回目の選出」
「日本人では、芸術家の草間彌生さんが、初めて選出された」
ちなみにNHKによると、「指導者の部門では、ミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家顧問も選ばれ」ているという。
実は今回、初めて台湾の蔡英文氏も選ばれている。言うまでもなくこの人物は、五月に総統に就任する民進党主席だが、ちょっと残念だったのは日本のメディアがこれを取り上げなかったことだ。
一月の総統選挙の際は、日本でもそこそこ注目された蔡英文氏だが、しかし今回はクローズアップされなかったのは、その日本や日本人に対する「影響力」がまだまだということなのだろう。
しかしそれは蔡英文氏自身というより、アジア太平洋地域での同氏の存在の重要性にあまり気付かない日本人側に問題があると思う。
タイムが「100人」の発表とともに掲載した蔡英文氏の人物評の一部を引用しよう。

「100人」に選出された蔡英文氏。「新しい民主主義の顔」と好意的な評価だ
見出しは「民主主義の新しい顔」。書いたのは香港の実業家で民主運動の支援者であるジミー・ライこと黎智英氏。この人物自身も昨年の「100人」に選ばれている。
―――蔡英文は静けさの中に鋼の意志を持つ。台湾の新総統としてこの二つの性格は必要なものだ。
―――彼女にとり最も差し迫った課題は、中国のために国際的に孤立する中で経済成長を再始動すること。これは厳しい課題だ
―――中国を支持はしないが、それとの対立も望まない二千三百万人を代表し、全ての力と傲慢さを備えたあの世界最大の国に対抗して行かなくてはならない。
―――ただし蔡には中国の指導者が持たない国民の信任という物がある。中国人社会において民主主義は可能であり、しかも平和的に実現できるということを彼女は示したのだ。
―――台湾は蔡英文という、民の欲するところを知るリーダを持ったのである。
ここにある「中国人社会」とは原文の「Chinese society」の訳。この場合は「華人」と訳すべきだとの意見もあろうが、「中国人」であれ「華人」であれ、台湾社会をそう表現するには色々な意味で抵抗を感じる。たとえば台湾の民主化はそもそも中国文化と対立する台湾人の価値観に基づいて推進されたと言えるし、また蔡英文自身も「chinese」ではなく「taiwanese」意識の高揚を背景に当選を 果たしている。
だがそれはともかく、以上を読むだだけでも、この人物が今後、日本を含むアジア太平洋地域情勢に大きな影響を与えることは十分予想できよう。何しろ日本のすぐ隣で、中国との「対抗」を余儀なくされることになるのだから。
実はその中国の習近平国家主席も、今回の「100人」の中に選ばれており、こちらに関してはロデリック・マクファーカー・ハーバード大教授(中国現代史)による「毛沢東の後継者」と題する評が載っている(蔡英文氏の「民主主義の新しい顔」とは実に対照的である)。

「毛沢東の後継者」こと習近平氏も選ばれた独裁、個人崇拝、人権弾圧、膨張政策な
どが警戒されている
―――習近平は自らを毛沢東以降最強の指導者にした。
―――個人崇拝を許し、彼に関する賛歌や本などが国内外に流布されている。
―――習近平が唱える「中国の夢」は民族の復興。それには近隣国を無視した南支那海の島々の占領や、中国主導の新たな国際制度の創設も含まれる。
こんな状況の中国と蔡英文氏は「対抗」するわけなのだから、日本人としてもやはり今後の動向から目が離せない。そしてもちろん日本には、「蔡英文の台湾」と「習近平との中国」との間で中立という選択肢はあり得ないし、後者の側に就くというなど以ての外だ。

蔡英文と習近平。前者ではなく後者に就く選択は、民主国家の日本には許されないはず
ちなみに今回の選定前に先立って発表された「世界で最も影響を与える100人」に関する読者のオンライン投票では、蔡英文氏は十九位で習近平氏の八十二位を大きく上回っていた。これは世界の人々の蔡英文氏に対する期待感や支持の思いの表れではないだろうか。
【過去の関連記事】
台湾の民主は中華文化と無関係ー2016総統選挙は「中華」脱却の戦い 15/06/20
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2588.html
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それによれば、
「2016年は、10回目のヒラリー・クリントンさん、ドナルド・トランプさん、バーニー・サンダースさんと、大統領選の候補者が選ばれているのが特徴」
「2016年、アカデミー賞で初の主演男優賞を受賞したレオナルド・ディカプリオさんや、指導者では、北朝鮮の金正恩第1書記も6回目の選出」
「日本人では、芸術家の草間彌生さんが、初めて選出された」
ちなみにNHKによると、「指導者の部門では、ミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家顧問も選ばれ」ているという。
実は今回、初めて台湾の蔡英文氏も選ばれている。言うまでもなくこの人物は、五月に総統に就任する民進党主席だが、ちょっと残念だったのは日本のメディアがこれを取り上げなかったことだ。
一月の総統選挙の際は、日本でもそこそこ注目された蔡英文氏だが、しかし今回はクローズアップされなかったのは、その日本や日本人に対する「影響力」がまだまだということなのだろう。
しかしそれは蔡英文氏自身というより、アジア太平洋地域での同氏の存在の重要性にあまり気付かない日本人側に問題があると思う。
タイムが「100人」の発表とともに掲載した蔡英文氏の人物評の一部を引用しよう。

「100人」に選出された蔡英文氏。「新しい民主主義の顔」と好意的な評価だ
見出しは「民主主義の新しい顔」。書いたのは香港の実業家で民主運動の支援者であるジミー・ライこと黎智英氏。この人物自身も昨年の「100人」に選ばれている。
―――蔡英文は静けさの中に鋼の意志を持つ。台湾の新総統としてこの二つの性格は必要なものだ。
―――彼女にとり最も差し迫った課題は、中国のために国際的に孤立する中で経済成長を再始動すること。これは厳しい課題だ
―――中国を支持はしないが、それとの対立も望まない二千三百万人を代表し、全ての力と傲慢さを備えたあの世界最大の国に対抗して行かなくてはならない。
―――ただし蔡には中国の指導者が持たない国民の信任という物がある。中国人社会において民主主義は可能であり、しかも平和的に実現できるということを彼女は示したのだ。
―――台湾は蔡英文という、民の欲するところを知るリーダを持ったのである。
ここにある「中国人社会」とは原文の「Chinese society」の訳。この場合は「華人」と訳すべきだとの意見もあろうが、「中国人」であれ「華人」であれ、台湾社会をそう表現するには色々な意味で抵抗を感じる。たとえば台湾の民主化はそもそも中国文化と対立する台湾人の価値観に基づいて推進されたと言えるし、また蔡英文自身も「chinese」ではなく「taiwanese」意識の高揚を背景に当選を 果たしている。
だがそれはともかく、以上を読むだだけでも、この人物が今後、日本を含むアジア太平洋地域情勢に大きな影響を与えることは十分予想できよう。何しろ日本のすぐ隣で、中国との「対抗」を余儀なくされることになるのだから。
実はその中国の習近平国家主席も、今回の「100人」の中に選ばれており、こちらに関してはロデリック・マクファーカー・ハーバード大教授(中国現代史)による「毛沢東の後継者」と題する評が載っている(蔡英文氏の「民主主義の新しい顔」とは実に対照的である)。

「毛沢東の後継者」こと習近平氏も選ばれた独裁、個人崇拝、人権弾圧、膨張政策な
どが警戒されている
―――習近平は自らを毛沢東以降最強の指導者にした。
―――個人崇拝を許し、彼に関する賛歌や本などが国内外に流布されている。
―――習近平が唱える「中国の夢」は民族の復興。それには近隣国を無視した南支那海の島々の占領や、中国主導の新たな国際制度の創設も含まれる。
こんな状況の中国と蔡英文氏は「対抗」するわけなのだから、日本人としてもやはり今後の動向から目が離せない。そしてもちろん日本には、「蔡英文の台湾」と「習近平との中国」との間で中立という選択肢はあり得ないし、後者の側に就くというなど以ての外だ。


蔡英文と習近平。前者ではなく後者に就く選択は、民主国家の日本には許されないはず
ちなみに今回の選定前に先立って発表された「世界で最も影響を与える100人」に関する読者のオンライン投票では、蔡英文氏は十九位で習近平氏の八十二位を大きく上回っていた。これは世界の人々の蔡英文氏に対する期待感や支持の思いの表れではないだろうか。
【過去の関連記事】
台湾の民主は中華文化と無関係ー2016総統選挙は「中華」脱却の戦い 15/06/20
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