中国統制下の日本の台湾報道ー「新華社」文書に照らして検証 (附:台湾チャンネル119回動画)
2016/02/23/Tue
言論・表現の自由が認められない中国では報道禁止用語が定められているが、それを一覧にした「新華社ニュース報道禁用詞」なる文書が台湾で話題だ。なぜなら台湾報道に対しても様々な規制があるのが判明したからである。

新華社の報道禁止用語一覧。台湾ではメディア各社が話題に
台湾の報道では、この文書は中共中央宣伝部の内部向け刊行物「新聞閲評動態」が昨秋掲載したという。だが私が調べたところ、実際には遅くとも二〇一四年には公表されているようでもある。いずれにせよ規制自体は、昔からあるものではある。
文書にはこうある。「台湾は中国の一省である。いかなる文字、地図、図表においても“国家”と称することのないよう特に注意しなくてはならない。特に多くの国家、地域名と列記する時は、“国家と地域”と付記し忘れないよう格別に注意すべきだ」と。
これがあの国の台湾報道における絶対条件だ。台湾を中国の領土(一省)と位置付けるのは事実ではなく、今後もそうなるべき理由もない。つまり台湾併呑という国家目標を正当化するための虚構宣伝に過ぎないわけだが、しかし日本での台湾報道に注意している人なら感じるはずだ。「日本のメディアもこうした規制を受け入れているのではないか」と。
日本でも複数の国名を列記する際、しばしば「国と地域」という表現を使う。台湾のように独立はしているが日本政府の承認を受けない台湾が入れば、「地域」と付記する訳だ。
ところが同じく未承認の地域である北朝鮮については、通常「地域」ではなく「国」扱い(たとえば北朝鮮を含め「六カ国協議」と呼ぶ)。つまり台湾だけが特別扱いなのは、「台湾は中国の一省」とせよとの中国の言論統制に従おうとの意思が働いているからに他ならない。
そしてそれは「文字」だけでない。「地図、図表」でも同様だ。テレビ、新聞が掲示する中国全図にはたいてい台湾が含まれている。また地図上に表示される各国の国名と「台湾」の二字はたいてい書体や太さが違う。それは台湾が「地域」だからではなく「中国の地域」と位置付けるためだ。同じ「地域」でも「北朝鮮」は他国名と同じ書体、太さである。
文書によれば、「台湾当局については“政権”システムやその他の機関の名称に触れざるを得ない時は引用符を付記しなければならない」という。たとえば“立法院”“行政院”“監察院”“選挙委員会”“行政院主計処”という感じだ。中国では中華民国を偽国家と看做さなくてはならず、立法、行政、司法などの国家機関もすべて偽機関と強調するため、引用符を付けるよう徹底しているのだ。“行政院長”“立法委員”等も同様だ。
“中央”“国立”“中華台北”等は「用いてはならず、やむを得ず触れる場合は引用記号を付記しなければならない」ともある。たとえば“中央銀行”というように。「中華台北」は「チャイニーズタイペイ」の漢訳。台湾で「中華」は「中華民国」を意味するとされているため、「中国台北」と表記せよと言っているのだ)
「中華民国総統」は引用符合を付けても「厳禁」だそうだ。「台湾地区の指導者」としなければならないらしい。
一般にはあまり記憶されていないと思うが、実は二〇〇三年十二月、外務省中国課が台湾政府に対して公民投票などの政策を差し控えるよう要求する内政干渉を行ったことがある。それが中国の意向を受けたものであるのは、総統府に当てた文書からも明らかだった。そこには総統を「総統」と括弧付きで表記されていた。
中国をバックにして気が大きくなったのだろう。これほど失礼な行為を中国課は一国の政府、一国の元首に対して行ったのである。
これは国会で問題になり、当時の川口順子外相は「我が国が台湾を国として扱っているという誤解を招かないために括弧を付けて表記をしている」と説明したが、「それではなぜ北朝鮮には括弧がないのか」と聞かれ、言葉に窮するとの場面もあった。要するに外務省もまた中国の言論統制を自ら進んで受け入れたということだ。
そしてもう一つ、台湾と中国を「中台」と並列にさせてはならず、「大陸(祖国大陸)と台湾」としなければならないそうだ。
「一つの中国」原則を掲げる中国にとり、「中台」は「一つの中国・一つの台湾」「台湾独立」を彷彿とさせるため、決して許される表現ではないのだ。
これに対し日本メディアは一般的に「中台」を用いている。「日米」「日韓」と同様に「中国と台湾」についてはそう表現するのは当然だが、それでも新聞記事をこまめにチェックすると、台湾に対して中国をわざわざ「中国大陸」と呼ぶのをよく見かける(主に産経、日経など)。「中国本土」と呼ぶ場合もあるが(主にNHKなど)、いずれにせよ同じことだ。このようにして時折、台湾は「中国大陸」に対する「中国台湾」、つまり「中国の一省」だと表現して見せるのである。自ら中国の検閲官に申告するかのようにだ。

2月22日配信の産経新聞の記事。台湾に対し「中国大陸」とある
こんな政府、メディアでいいのか。こうした属国の如き惨状が問題にならないのは、国民自身がその誤りに気付かないでいるからなのだ。中国の長年にわたる対日報道統制によって「一つの中国」のプロパガンダはすっかり浸透、定着してしまっているのである。
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【台湾CH Vol.119】南部地震と台湾人、日本人の真心・「チャイニーズ・タイペイと呼ぶな」と署名活動[桜H28/2/11]
https://youtu.be/xXztQskIewM
「台湾チャンネル」第119回は①2月6日未明に台湾南部で発生した地震について。被¬災した同胞の救援に乗り出した関係者や、それを見守る全国国民の思い、そして東日本大¬震災当時の恩返しのため支援に乗り出す日本人の思いにも焦点を当てる。②IOCの規則¬で国際競技会では「チャイニーズタイペイ」(中国領台北)と名乗らされる台湾代表。2¬020年の東京五輪では「台湾」名義で来日させたいと願う運動が進行中。キャスター:永山英樹・謝恵芝
【日台交流頻道】第119集,南部地震與日台國民的愛心・別説「CHINESE TAIPEI」連署活動
本集報導: ①台湾南部地震 祈求受災者平安的台灣人之及在日本各地開始進行的賑災募款活動。②友台日本人開始進行¬反對「CHINESE TAIPEI」稱呼之活動。支持台灣代表隊在2020年東京奥運時以台灣隊出場的連署¬活動開始。主播:永山英樹・謝惠芝
「台湾2020東京」アクションー署名にご協力を!

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台湾の報道では、この文書は中共中央宣伝部の内部向け刊行物「新聞閲評動態」が昨秋掲載したという。だが私が調べたところ、実際には遅くとも二〇一四年には公表されているようでもある。いずれにせよ規制自体は、昔からあるものではある。
文書にはこうある。「台湾は中国の一省である。いかなる文字、地図、図表においても“国家”と称することのないよう特に注意しなくてはならない。特に多くの国家、地域名と列記する時は、“国家と地域”と付記し忘れないよう格別に注意すべきだ」と。
これがあの国の台湾報道における絶対条件だ。台湾を中国の領土(一省)と位置付けるのは事実ではなく、今後もそうなるべき理由もない。つまり台湾併呑という国家目標を正当化するための虚構宣伝に過ぎないわけだが、しかし日本での台湾報道に注意している人なら感じるはずだ。「日本のメディアもこうした規制を受け入れているのではないか」と。
日本でも複数の国名を列記する際、しばしば「国と地域」という表現を使う。台湾のように独立はしているが日本政府の承認を受けない台湾が入れば、「地域」と付記する訳だ。
ところが同じく未承認の地域である北朝鮮については、通常「地域」ではなく「国」扱い(たとえば北朝鮮を含め「六カ国協議」と呼ぶ)。つまり台湾だけが特別扱いなのは、「台湾は中国の一省」とせよとの中国の言論統制に従おうとの意思が働いているからに他ならない。
そしてそれは「文字」だけでない。「地図、図表」でも同様だ。テレビ、新聞が掲示する中国全図にはたいてい台湾が含まれている。また地図上に表示される各国の国名と「台湾」の二字はたいてい書体や太さが違う。それは台湾が「地域」だからではなく「中国の地域」と位置付けるためだ。同じ「地域」でも「北朝鮮」は他国名と同じ書体、太さである。
文書によれば、「台湾当局については“政権”システムやその他の機関の名称に触れざるを得ない時は引用符を付記しなければならない」という。たとえば“立法院”“行政院”“監察院”“選挙委員会”“行政院主計処”という感じだ。中国では中華民国を偽国家と看做さなくてはならず、立法、行政、司法などの国家機関もすべて偽機関と強調するため、引用符を付けるよう徹底しているのだ。“行政院長”“立法委員”等も同様だ。
“中央”“国立”“中華台北”等は「用いてはならず、やむを得ず触れる場合は引用記号を付記しなければならない」ともある。たとえば“中央銀行”というように。「中華台北」は「チャイニーズタイペイ」の漢訳。台湾で「中華」は「中華民国」を意味するとされているため、「中国台北」と表記せよと言っているのだ)
「中華民国総統」は引用符合を付けても「厳禁」だそうだ。「台湾地区の指導者」としなければならないらしい。
一般にはあまり記憶されていないと思うが、実は二〇〇三年十二月、外務省中国課が台湾政府に対して公民投票などの政策を差し控えるよう要求する内政干渉を行ったことがある。それが中国の意向を受けたものであるのは、総統府に当てた文書からも明らかだった。そこには総統を「総統」と括弧付きで表記されていた。
中国をバックにして気が大きくなったのだろう。これほど失礼な行為を中国課は一国の政府、一国の元首に対して行ったのである。
これは国会で問題になり、当時の川口順子外相は「我が国が台湾を国として扱っているという誤解を招かないために括弧を付けて表記をしている」と説明したが、「それではなぜ北朝鮮には括弧がないのか」と聞かれ、言葉に窮するとの場面もあった。要するに外務省もまた中国の言論統制を自ら進んで受け入れたということだ。
そしてもう一つ、台湾と中国を「中台」と並列にさせてはならず、「大陸(祖国大陸)と台湾」としなければならないそうだ。
「一つの中国」原則を掲げる中国にとり、「中台」は「一つの中国・一つの台湾」「台湾独立」を彷彿とさせるため、決して許される表現ではないのだ。
これに対し日本メディアは一般的に「中台」を用いている。「日米」「日韓」と同様に「中国と台湾」についてはそう表現するのは当然だが、それでも新聞記事をこまめにチェックすると、台湾に対して中国をわざわざ「中国大陸」と呼ぶのをよく見かける(主に産経、日経など)。「中国本土」と呼ぶ場合もあるが(主にNHKなど)、いずれにせよ同じことだ。このようにして時折、台湾は「中国大陸」に対する「中国台湾」、つまり「中国の一省」だと表現して見せるのである。自ら中国の検閲官に申告するかのようにだ。

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「台湾チャンネル」第119回は①2月6日未明に台湾南部で発生した地震について。被¬災した同胞の救援に乗り出した関係者や、それを見守る全国国民の思い、そして東日本大¬震災当時の恩返しのため支援に乗り出す日本人の思いにも焦点を当てる。②IOCの規則¬で国際競技会では「チャイニーズタイペイ」(中国領台北)と名乗らされる台湾代表。2¬020年の東京五輪では「台湾」名義で来日させたいと願う運動が進行中。キャスター:永山英樹・謝恵芝
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本集報導: ①台湾南部地震 祈求受災者平安的台灣人之及在日本各地開始進行的賑災募款活動。②友台日本人開始進行¬反對「CHINESE TAIPEI」稱呼之活動。支持台灣代表隊在2020年東京奥運時以台灣隊出場的連署¬活動開始。主播:永山英樹・謝惠芝
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