中国との交流が屈従に繋がる仕組みー日本人も知っておきたい台湾での事例
2015/09/15/Tue
二〇〇八年の馬英九政権発足以降、台中交流は深まる一方だが、なぜ交流が深化したかと言えば、交流で緊張の緩和と経済の活性化を狙う馬政権が、「一つの中国」を掲げ、台中が「国と国との関係」にないことを認めたためだ。言わば褒美としての交流深化。しかもそれは「統一」の前段階の戦略の一環につき、中国側は自ずと交流の上では台湾に極めて傲慢である。
それを示すエピソードも、後を絶たない。
最近の例を挙げよう。
九月十一日のこと。高雄市警察に中国広東省の地方の県の派出所から公文書が郵送さた。内容は「中華人民共和国の法に基づき、台湾人某を拘留したので、その旨を家族に伝えよ」との指示だった。
本来であれば、台中間でのこうした通知はさらにハイレベル間で行われるべきもの。しかし今回、このように直接放り投げて来た。
「中国が台湾の警察を指揮するのか」と台湾国内では怒りの声が。野党台湾団結連盟の黄昆輝主席も「完全に馬英九総統の中国傾斜政策の結果だ」と批判する。
その通りである。台湾は完全に侮られているのだ。ちなみに、郵便の封筒に書かれた宛先の住所は「中華民国高雄市」でも「台湾高雄市」でもなく、「台湾省高雄市」。「中華人民共和国台湾省」扱いである。そして宛名は「負責人」(責任者)とのみ。

中国の地方の派出所から郵送された文書。あて先の住所にも注目
中国はこうした侮辱行為の積み重ねで、台湾との主従関係をさらに固めようと狙っているのも明らかだ。高雄の警官達も、さぞや屈辱を味わったことだろう。
そしてもう一つ、似たような話が十四日に報じられた。
今度は中国の河北海外国際旅行社なるちっぽけな観光会社が、台湾の観光業界に指示の文書を送ったというもの。訪台する中国人観光客に、反共内容のDVDを見せるなとの内容だ。
何でも、台湾の某旅行会社のガイドの黄さんが、観光バスの中でそういったものを見せたため、客の一人が帰国後に通報したらしい。そのためその会社は、河北省と石家庄市の旅行局からこっぴどく叱られたのだとか。

中国の地方の一旅行会社が台湾の業界に送りつけて来た指示の
文書。こんなものでも台湾側は無視できないはずだ
しかし実際に黄さんが見せたDVDは反共の内容ではなく、台湾で売られている毛沢東のドキュメンタリー(英国人の原作は中共も翻訳したこともあるから“無害”のはず)。客のリクエストに応えて見せただけだという。
それでは、なぜこのような話になったのか。
中国人相手のガイドたちは、中国側が問題にしたのは別のDVD、つまり六・四天安門事件に関する三時間以上もの長編ドキュメンタリーだと分析する。
中国人客には大人気らしい。もちろん中国では販売禁止。事件のことは語ることも憚れている。
おそらく今後、ガイドたちは、そのDVDを見せにくくなるだろう。
そう言えば、私も台北市内で見たことがある。ある台湾人ガイドは、中国人客たちが在台チベット人からチベットの実情を訴えるチラシを受け取っているのを見て、真っ青になって回収(強制没収)していたのを。
そこで思うのだ。台湾でも日本でも、中国相手に商売する業者は、このようにして中国に操縦されて行くのだろうと。
指示の文書を一枚送付するだけで、「中国の嫌がることはしない、言わない」となるのだから、中国には簡単なことである。
それにしても、来訪した中国人に天安門事件を教えるのは好いことだ。
海外に出るのは富裕層につき、こうしたものを聞かされても、ただちに中共に反感を抱くとは限らないが、しかし中国人なら国家の秘密をのぞき見するのは大好きなはず。きっと帰国後は事件の真相を話しまくり、そうした口コミが民衆の政権への不満、怒りを押し上げているのではないか。
だからもし今後、台湾や日本が、自由、民主、人権を守る立場での中共批判の言論に満ちた国になれば、中共も相手国籠絡のコマである観光客を送りだすにも、躊躇いが出て来るのではないか。
要するに堂々と「中国の嫌がることもする、言う」くらいにならなければ、いつまでも中共の指揮、指示に屈するはめになるということだ。
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それを示すエピソードも、後を絶たない。
最近の例を挙げよう。
九月十一日のこと。高雄市警察に中国広東省の地方の県の派出所から公文書が郵送さた。内容は「中華人民共和国の法に基づき、台湾人某を拘留したので、その旨を家族に伝えよ」との指示だった。
本来であれば、台中間でのこうした通知はさらにハイレベル間で行われるべきもの。しかし今回、このように直接放り投げて来た。
「中国が台湾の警察を指揮するのか」と台湾国内では怒りの声が。野党台湾団結連盟の黄昆輝主席も「完全に馬英九総統の中国傾斜政策の結果だ」と批判する。
その通りである。台湾は完全に侮られているのだ。ちなみに、郵便の封筒に書かれた宛先の住所は「中華民国高雄市」でも「台湾高雄市」でもなく、「台湾省高雄市」。「中華人民共和国台湾省」扱いである。そして宛名は「負責人」(責任者)とのみ。

中国の地方の派出所から郵送された文書。あて先の住所にも注目
中国はこうした侮辱行為の積み重ねで、台湾との主従関係をさらに固めようと狙っているのも明らかだ。高雄の警官達も、さぞや屈辱を味わったことだろう。
そしてもう一つ、似たような話が十四日に報じられた。
今度は中国の河北海外国際旅行社なるちっぽけな観光会社が、台湾の観光業界に指示の文書を送ったというもの。訪台する中国人観光客に、反共内容のDVDを見せるなとの内容だ。
何でも、台湾の某旅行会社のガイドの黄さんが、観光バスの中でそういったものを見せたため、客の一人が帰国後に通報したらしい。そのためその会社は、河北省と石家庄市の旅行局からこっぴどく叱られたのだとか。

中国の地方の一旅行会社が台湾の業界に送りつけて来た指示の
文書。こんなものでも台湾側は無視できないはずだ
しかし実際に黄さんが見せたDVDは反共の内容ではなく、台湾で売られている毛沢東のドキュメンタリー(英国人の原作は中共も翻訳したこともあるから“無害”のはず)。客のリクエストに応えて見せただけだという。
それでは、なぜこのような話になったのか。
中国人相手のガイドたちは、中国側が問題にしたのは別のDVD、つまり六・四天安門事件に関する三時間以上もの長編ドキュメンタリーだと分析する。
中国人客には大人気らしい。もちろん中国では販売禁止。事件のことは語ることも憚れている。
おそらく今後、ガイドたちは、そのDVDを見せにくくなるだろう。
そう言えば、私も台北市内で見たことがある。ある台湾人ガイドは、中国人客たちが在台チベット人からチベットの実情を訴えるチラシを受け取っているのを見て、真っ青になって回収(強制没収)していたのを。
そこで思うのだ。台湾でも日本でも、中国相手に商売する業者は、このようにして中国に操縦されて行くのだろうと。
指示の文書を一枚送付するだけで、「中国の嫌がることはしない、言わない」となるのだから、中国には簡単なことである。
それにしても、来訪した中国人に天安門事件を教えるのは好いことだ。
海外に出るのは富裕層につき、こうしたものを聞かされても、ただちに中共に反感を抱くとは限らないが、しかし中国人なら国家の秘密をのぞき見するのは大好きなはず。きっと帰国後は事件の真相を話しまくり、そうした口コミが民衆の政権への不満、怒りを押し上げているのではないか。
だからもし今後、台湾や日本が、自由、民主、人権を守る立場での中共批判の言論に満ちた国になれば、中共も相手国籠絡のコマである観光客を送りだすにも、躊躇いが出て来るのではないか。
要するに堂々と「中国の嫌がることもする、言う」くらいにならなければ、いつまでも中共の指揮、指示に屈するはめになるということだ。
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