台湾各地で高校生がデモ!歴史教科書の「中国化」に抗議
2015/07/06/Mon
台湾では昨年、国民党の馬英九政権が高校用の予定外の学習指導要領(課綱)改定を行った。
たとえば台湾史の教科書には大中国史観を導入し、台湾の歴史と中国の歴史との関連を強調するため、数々の史実の捏造、歪曲に手を染めた。その狙いは台湾人の中国人化を図る同党独裁時代の洗脳教育の復活だ。
改定課綱に基づく教科書は今年九月の新学期から使用させる。中には台湾を「台湾地区」、中国を「大陸地区」と呼び、それぞれの歴史を合わせて「本国史」として扱うものもある。
このように、「一つの中国」(台湾は中国の一部)を強調し、民主化後の台湾人意識の高揚を食い止めたい国民党政権だが、これにはもちろん中共も大賛成である。
「聯共制台」(中共との提携で台湾人勢力の台頭を制する)を続け、今や中共の強い影響下に置かれているのが国民党だ。もしかしたら今回の措置は、中共の要請、激励を受けてのことかも知れない。事実、歴史課綱の改定を主導した学者たちは、中国統一志向が強烈な勢力で多く占められた。
そこで野党、文化人、そして教職員の間から抗議の声が上がっているのだが、特筆すべきは洗脳の直接被害を受ける全国の高校生までが課綱撤回の要求運動を盛り上げていることだ。
そして七月五日、いよいよ各地の高校生グループが大規模な抗争を開始した。

台湾では各地で一斉に高校生が蜂起。メディアも一面トップで報道
台北では北部の五十のグループや父兄、そして支援に来た台湾独立派団体のメンバーなどを含む約千人が教育部(文科相に相当)の国教署(国民・学前教育署)に集結。シンボルとなる黒い傘を広げ、「課綱撤回、国の未来を守れ」「洗脳教育反対」を叫び、教育部長(文科相)宛の手紙を紙飛行機にして飛ばした。

この日の要求は第一に「課綱内容の多元性、専門性、一貫性、客観性」。つまり一元的な大中国史観を廃すること、課綱改定を行う学者は歴史専門家に限ること、従来の課綱内容との一貫性を保つこと、客観的な記述で政治的な記述書き換えを止めること、といったところだろう。


第二に「課綱審査の課程を公開し、透明性を持たせ、法律や民主主義的なプロセスに従うこと」。今回の審査では委員などの氏名や会議の記録は隠蔽され、不法との判決すら受けている。それはそうだろう。政治謀略は隠蔽する以外にないからだ。
第三に「改定課綱を撤廃し、完全な手続くを経ている前課綱を用いること」
中部の台中では、国教署台中事務所前で、現地や高雄、台南、嘉義の生徒約百名が集まった。
南部の台南でも台南駅前で座談会が行われ、「台湾は主権国家。洗脳教育による中国への取り入り、生徒への思想改造の強要は許されない」といったアピールが行われた。

南部の台南駅前でも
このように各地で立ち上がった高校生たちは、七月十日までに改定課綱の撤回を教育部に要求。もしそれを受け入れなければ、「抗議の規模をさらに拡大させ、さらに激しい形で自分たちの未来を守ることになる」という。

7月10日までに改定課綱を撤回しなければ、更に運動を激化させると言う
これに対して教育部は書面でコメントを発表。「教科書は新旧版のいずれも使用していいことにしており、争議を大学入試に持ち込まない。みなで教科書を執筆する計画を推進するので、生徒の話し合いを継続したい」としたが、高校生がこの程度の回答に満足するはずがない。
民主化時代に生まれ育った現在の若者たちは、「一つの中国」なる虚構や、それに基づく洗脳教育など受け入れることはできない。教育部の対応も、生徒を宥めるための甘言であることに気が付いている。
国民党政権は、昨年の大学生を中心とした「太陽花(ヒマワリ)学生運動」の高校版に発展することを警戒する一方、来年の総統選挙で政権交代の可能性が高まる中、でき得る限り教育の中国化を強行する構え。
そうした国共両党の「制台」に対し、今や高校生までもが防波堤の役割を担いつつある。
だがこれほどの情勢であるのに、日本のマスメディアがほとんど報じないのは、国内の媚中歴史教科書を擁護する立場だからか。
*******************************************
ブログランキング参加中
よろしければクリックをお願いします。 運動を拡大したいので。
↓ ↓

モバイルはこちら
↓ ↓
http://blog.with2.net/link.php
link.php
【過去の関連記事】
「反日」捏造が再び―台湾の歴史教科書が危機!(上) 14/01/30
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2294.html
日本統治の不法化は中国人化教育―台湾の歴史教科書が危機!(中)14/02/02
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2297.html
洗脳教育は台湾抹殺の前奏曲―台湾の歴史教科書が危機!(下)/附・「台湾チャンネル」関連解説動画
14/02/04
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2298.html
「日本統治」否定に見る台湾歴史教育「中国化」の蠢きー国民党の洗脳政策に高校生も反撥!15/06/04
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2573.html
戦う台湾の高校生!歴史教科書問題で国民党政権(中華民族主義)に立ち向かう 15/06/06
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2575.html
台湾紙で慰安婦の真実を訴えた (附:台湾チャンネル第84回動画)15/06/08
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2577.html
抗日史観拒否!台湾人の戦後七十周年 15/06/09
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2578.html
快挙!台湾で高校生が親中教育部長(文相)を包囲―歴史教科書「中国化」問題 (付:ニュース映像)15/06/10
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2579.html
北京の抗日記念会に台湾史捏造教科書の元凶が出現!―日本を敵視し台湾を憎悪する中華民族主義 (附:台湾チャンネル関連報道) 15/06/13
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2582.html
台湾歴史教科書―「脱日本」という名の「中国化」愚民教育の策謀 15/06/15
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2584.html
国民党の「日本時代」批判は台湾人批判―総統選挙に向けた中華民族主義の狂奔 15/06/23
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2590.html
■台湾研究フォーラム(台湾研究論壇)第170回定例会

講師 黄錦容先生(台湾国立政治大学日本語学部特別招聘教授)
演題 台湾ナショナリズムの現在ー愛国主義と非物語的な虚構性
第170回定例会では、台湾から来日される黄錦容先生を講師にお迎えします。
昨年の太陽花(ひまわり)学生運動以降に見られる様々な現象やナショナリズム的な言説について考察。広がりを見せるナショナリズムのオタク的心情の内面も突きながら、台湾における社会運動や社会の改造の可能性、策略などを解説していただきます。
日時 平成27年7月18日 (土)18:30~20:15
場所 アカデミー文京 学習室(文京シビックセンター地下1階)
(東京都文京区春日1-16-21)
交通:東京メトロ丸ノ内線・南北線「後楽園駅」直結
都営地下鉄三田線・大江戸線「春日駅」直結
JR中央線・総武線「水道橋駅」徒歩約10分
会費 会員500円・一般1000円
(会場では入会も受け付けます。年会費2000円)
問合せ twkenkyuforum@yahoo.co.jp
たとえば台湾史の教科書には大中国史観を導入し、台湾の歴史と中国の歴史との関連を強調するため、数々の史実の捏造、歪曲に手を染めた。その狙いは台湾人の中国人化を図る同党独裁時代の洗脳教育の復活だ。
改定課綱に基づく教科書は今年九月の新学期から使用させる。中には台湾を「台湾地区」、中国を「大陸地区」と呼び、それぞれの歴史を合わせて「本国史」として扱うものもある。
このように、「一つの中国」(台湾は中国の一部)を強調し、民主化後の台湾人意識の高揚を食い止めたい国民党政権だが、これにはもちろん中共も大賛成である。
「聯共制台」(中共との提携で台湾人勢力の台頭を制する)を続け、今や中共の強い影響下に置かれているのが国民党だ。もしかしたら今回の措置は、中共の要請、激励を受けてのことかも知れない。事実、歴史課綱の改定を主導した学者たちは、中国統一志向が強烈な勢力で多く占められた。
そこで野党、文化人、そして教職員の間から抗議の声が上がっているのだが、特筆すべきは洗脳の直接被害を受ける全国の高校生までが課綱撤回の要求運動を盛り上げていることだ。
そして七月五日、いよいよ各地の高校生グループが大規模な抗争を開始した。

台湾では各地で一斉に高校生が蜂起。メディアも一面トップで報道
台北では北部の五十のグループや父兄、そして支援に来た台湾独立派団体のメンバーなどを含む約千人が教育部(文科相に相当)の国教署(国民・学前教育署)に集結。シンボルとなる黒い傘を広げ、「課綱撤回、国の未来を守れ」「洗脳教育反対」を叫び、教育部長(文科相)宛の手紙を紙飛行機にして飛ばした。

この日の要求は第一に「課綱内容の多元性、専門性、一貫性、客観性」。つまり一元的な大中国史観を廃すること、課綱改定を行う学者は歴史専門家に限ること、従来の課綱内容との一貫性を保つこと、客観的な記述で政治的な記述書き換えを止めること、といったところだろう。




第二に「課綱審査の課程を公開し、透明性を持たせ、法律や民主主義的なプロセスに従うこと」。今回の審査では委員などの氏名や会議の記録は隠蔽され、不法との判決すら受けている。それはそうだろう。政治謀略は隠蔽する以外にないからだ。
第三に「改定課綱を撤廃し、完全な手続くを経ている前課綱を用いること」
中部の台中では、国教署台中事務所前で、現地や高雄、台南、嘉義の生徒約百名が集まった。
南部の台南でも台南駅前で座談会が行われ、「台湾は主権国家。洗脳教育による中国への取り入り、生徒への思想改造の強要は許されない」といったアピールが行われた。

南部の台南駅前でも
このように各地で立ち上がった高校生たちは、七月十日までに改定課綱の撤回を教育部に要求。もしそれを受け入れなければ、「抗議の規模をさらに拡大させ、さらに激しい形で自分たちの未来を守ることになる」という。

7月10日までに改定課綱を撤回しなければ、更に運動を激化させると言う
これに対して教育部は書面でコメントを発表。「教科書は新旧版のいずれも使用していいことにしており、争議を大学入試に持ち込まない。みなで教科書を執筆する計画を推進するので、生徒の話し合いを継続したい」としたが、高校生がこの程度の回答に満足するはずがない。
民主化時代に生まれ育った現在の若者たちは、「一つの中国」なる虚構や、それに基づく洗脳教育など受け入れることはできない。教育部の対応も、生徒を宥めるための甘言であることに気が付いている。
国民党政権は、昨年の大学生を中心とした「太陽花(ヒマワリ)学生運動」の高校版に発展することを警戒する一方、来年の総統選挙で政権交代の可能性が高まる中、でき得る限り教育の中国化を強行する構え。
そうした国共両党の「制台」に対し、今や高校生までもが防波堤の役割を担いつつある。
だがこれほどの情勢であるのに、日本のマスメディアがほとんど報じないのは、国内の媚中歴史教科書を擁護する立場だからか。
*******************************************
ブログランキング参加中
よろしければクリックをお願いします。 運動を拡大したいので。
↓ ↓

モバイルはこちら
↓ ↓
http://blog.with2.net/link.php
link.php
【過去の関連記事】
「反日」捏造が再び―台湾の歴史教科書が危機!(上) 14/01/30
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2294.html
日本統治の不法化は中国人化教育―台湾の歴史教科書が危機!(中)14/02/02
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2297.html
洗脳教育は台湾抹殺の前奏曲―台湾の歴史教科書が危機!(下)/附・「台湾チャンネル」関連解説動画
14/02/04
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2298.html
「日本統治」否定に見る台湾歴史教育「中国化」の蠢きー国民党の洗脳政策に高校生も反撥!15/06/04
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2573.html
戦う台湾の高校生!歴史教科書問題で国民党政権(中華民族主義)に立ち向かう 15/06/06
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2575.html
台湾紙で慰安婦の真実を訴えた (附:台湾チャンネル第84回動画)15/06/08
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2577.html
抗日史観拒否!台湾人の戦後七十周年 15/06/09
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2578.html
快挙!台湾で高校生が親中教育部長(文相)を包囲―歴史教科書「中国化」問題 (付:ニュース映像)15/06/10
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2579.html
北京の抗日記念会に台湾史捏造教科書の元凶が出現!―日本を敵視し台湾を憎悪する中華民族主義 (附:台湾チャンネル関連報道) 15/06/13
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2582.html
台湾歴史教科書―「脱日本」という名の「中国化」愚民教育の策謀 15/06/15
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2584.html
国民党の「日本時代」批判は台湾人批判―総統選挙に向けた中華民族主義の狂奔 15/06/23
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2590.html
■台湾研究フォーラム(台湾研究論壇)第170回定例会

講師 黄錦容先生(台湾国立政治大学日本語学部特別招聘教授)
演題 台湾ナショナリズムの現在ー愛国主義と非物語的な虚構性
第170回定例会では、台湾から来日される黄錦容先生を講師にお迎えします。
昨年の太陽花(ひまわり)学生運動以降に見られる様々な現象やナショナリズム的な言説について考察。広がりを見せるナショナリズムのオタク的心情の内面も突きながら、台湾における社会運動や社会の改造の可能性、策略などを解説していただきます。
日時 平成27年7月18日 (土)18:30~20:15
場所 アカデミー文京 学習室(文京シビックセンター地下1階)
(東京都文京区春日1-16-21)
交通:東京メトロ丸ノ内線・南北線「後楽園駅」直結
都営地下鉄三田線・大江戸線「春日駅」直結
JR中央線・総武線「水道橋駅」徒歩約10分
会費 会員500円・一般1000円
(会場では入会も受け付けます。年会費2000円)
問合せ twkenkyuforum@yahoo.co.jp
スポンサーサイト