北京の抗日記念会に台湾史捏造教科書の元凶が出現!―日本を敵視し台湾を憎悪する中華民族主義 (附:台湾チャンネル関連報道)
2015/06/13/Sat
■中華民族主義高揚のための抗日史観が台湾の教科書に
民進党政権時代の学習指導要領(課綱)に基づく公正、客観的な史実重視の内容で評価されて来た台湾の高校用歴史教科書だが、今年九月の新学期に異変が起こる。
中共に呼応するかのように中華民族主義への回帰の動きを見せる馬英九・国民党政権の指示の下、その課網が改定されたことで、教科書に大中国史観が大きく反映されるためだ。
大中国史観に従えば、台湾史は古代から今日まで一貫した中国の領土となる。こうした虚構を前提とするため、数々の歴史捏造、歪曲が行われる訳だ。
さらに大中国史観はまた、強烈な日本糾弾で中華民族の栄光を際立たせる抗日史観を派生する。かくして従来の日本統治下の台湾の近代化建設に関する詳述は、日本による圧迫、搾取、台湾人の抗日等の強調に取って代えられる。
こうした前時代的な洗脳教科書の導入に、目下野党や学者、教員、そして生徒たちまでもが抗議運動を拡大し、台湾国内は騒然としているところだ。
■北京で大いに語る台湾史教科書改悪の元凶・王暁波
これに対して課綱の改定を主導し、最近も中共の統一戦線工作(統戦=敵の内部に味方を作る)との繋がりが疑われ、批判に曝されている王暁波・世新大教授は、なおも意気軒高である。
六月十日には中共中央統戦部、国務院台湾事務弁公室、中国人民抗日戦争記念館などが北京の台湾会館で開催した「台湾同胞愛国歴史写真展」の開幕式に、堂々と姿を見せた。
「中華民族の抗日」の歴史こそ国民党と中共の唯一の共通認識であり、それを大々的に記念し、中国統一に大きな弾みを付けるというのが中共の戦略の一つだが、この日も主催者は「両岸(台湾と中国)はコンセンサス、提携、協力を強化し、ともに中華民族の偉大なる復興という中国の夢を実現しよう」と訴えているが、こうした政治イベントに参加した王暁波は中共御用メディアの取材に対し、今回の課綱改定の狙いを大いに語っている。

北京で開催された「台湾同胞抗日歴史」を記念する集会。「抗日史」で
台湾との一体感を醸しだし、統一に弾みを付けるのが狙いだが、ここに
姿を見せたのが台湾の歴史教科書の中国化を主導した人物だ
■史実重視を「皇民史観」「日本史観」と罵る中華民族主義
それを見てみよう。日本統治時代の否定を指導したことに関し、王暁波はこう説明した。

台湾から出席した王暁波。中国の「同胞」たちを前に、歴史教科書改竄
の狙いについて大いに語った
―――課綱で「慰安婦の強制」について書けと要求した目的は、日本軍国主義の暴行を暴露すること。現行の課綱に基き、「台湾の女性は自ら進んで海外で慰安婦になった」と記述する教科書も見られるため、「強制」の二字を加えさせた。
―――現行の課綱は台湾の志願兵の問題も書かせている。その結果「熱血青年が愛国心に基づき聖戦に参加した」と言わんばかりの記述も見られる。だから我々はそれを「戦争への参加を迫られた」と書き改めさせることにした。しかし多くの人が「志願者もいた」と反論する。だから私も、この問題はよくわからない。
―――民進党の歴史観は完全に皇民史観、日本史観だ。両岸(台湾と中国)が共同で台湾史を研究し、台湾同胞の抗日史を欠くことは不可能だが、しかし今回の行事のように、我々にできることはたくさんある。
このように、日本時代についても史実重視の記述を指導した民進党時代の課綱に対し、「皇民史観」「日本史観」などと断罪、罵倒するのが中華民族主義というものなのだ。当時の歴史を徹底的に否定しなかった同党が漢奸(死屍をも鞭で打つべき中華民族の裏切り者)と映るわけである。
ちなみに台湾の教育部(文科省)は、教科書の中国化を「脱台湾だ」とする批判に対し、「脱日本化を行っただけ。それによって台湾の主体性がより強調された」との詭弁を弄している。これらを見てもわかるように、こうした反日の強調は教科書の中国化の隠れ蓑になっているのだ。
■相変わらず露呈される中共御用学者のレベルに低さ
台湾の歴史教科書の中国化に声援を送るのが中共だ。会場では中国政府の最高シンクタンク、中国社会科学院にある近代史研究所台湾史研究室の李理副研究員も取材を受けた。
台湾の教科書の「脱台湾化」「中国化」について聞かれ、同じく大中国史観の持ち主として、王暁波らの考えを見事に代弁しているのだ。
李理が取り上げたのが台湾の日本統治を「日治」(日本統治)と呼ぶか「日拠」(日本占拠)と呼ぶかの問題だ。台湾では国民党独裁時代の五〇年代、「日拠」が公定用語となり「日治」の呼称は禁じられたが、従来の課綱は「日治」が史実に符合するとし、その使用を指導した。しかし現在は再び「日拠」も許されるようになっている。
こうした経緯を踏まえ、彼女は「日拠」こそが正確だと強調した。
―――台湾史の研究で、一部の台湾の学者はわざと一部の事柄を抹殺している。とくに教育体系においては、微妙に表現に変えることで、脱中国化の目的を達成した。たとえば「日治」か「日拠」の問題。一見して大差はないようで、実際は大きな隔たりがある。

台湾史を専門とする中共御用学者の李理。とても「学者」とは言えないレベル
の低さは、史実より政治を優先させるためだ
―――「拠」とは占領の意味。台湾は馬関条約(下関条約)で日本に割譲されたため、一種の占領だった。そしてまさにそれと同様に、カイロ宣言、ポツダム宣言によって台湾は中国へ戻った。だから日本の統治は不合理、不法なものだった。
相変わらずの中国の歴史学者のレベルの低さを、この人物は露呈している。要するに「割譲」と「占領」との違いもわかっていないのだ。
■大中国史観の導入は台湾人に対する愚民教育
日本の台湾統治は条約に基づいたものだからこそ、不法な「占拠」(占領)ではなく、合法的な「統治」だったのだ。したがって、「日拠」は単なる反日プロパガンダであって、「日治」こそが正確なのである。
しかし李理は、なおもこう言い張った。
―――「治」は統治であり、占領の意味を持たない。「日本統治」を合理化するのは、明らかな脱中国化である。
これを見ても明らかだろう。要するに「脱中国化」というものが許せないのだ。大中国史観はこのように史実よりも、中華民族の政治的利益や、自己中心の情念を優先させるものなのだ。
また李理は「カイロ宣言、ポツダム宣言によって台湾は中国へ戻った」とも強調するが、これは史実ではなく、終戦直後の中国(中華民国)による、それこそ不法だった台湾の領土編入を正当化するためのプロパガンダに過ぎないのだ。
しかし改定課綱は、こうした捏造された史実を、教科書に記述するよう指導している。
このように、政治を史実に優先させるからこそ、中華民族主義の学者はレベルが低いのだ。
だからこうした歴史観を、台湾の子供たちにまで刷り込むというのであれば、それは台湾人に対する洗脳愚民教育ということになる。
■将来の台湾併呑を視野に入れた大胆不敵の歴史捏造か
李理はさらに続ける。
―――台湾の教科書は「日本統治」だけでなく、「荷統治」(オランダ統治)との呼称も用いて来たが、これはそれらの時代の殖民地という本質的な意義を完全否定するものだ。
―――「鄭氏統治」とも呼んで来た。なぜ「明鄭統治」、つまり明朝の鄭成功の統治と呼ばないのか。「鄭氏」では国家による統治という意味合いがなくなる。
実際に改定課綱は、従来の「鄭氏」(鄭成功一族の統治)を「明鄭」に改めさせているが、それは李理が指摘した如く、あの時代は明国という中華国家による台湾統治が行われ、台湾は古来中国の一部だったとの強調なのだ。
しかしこれもまた、大中国史観による歴史捏造なのだ。なぜなら鄭成功はたしかに明国に仕えてはいたが、台湾占領当時はすでに明国は滅亡しており、しかも鄭一族の台湾政権は、後に中国には隷属しない「東寧」なる独立王朝を樹立していたからだ。
こうした史実を台湾の人々はよく理解している。しかしそれでも、ここまで大胆な捏造の歴史を敢えて押しつけようというのだから、中華民族主義者の振る舞いは大胆不敵である。
そのようなものが通用すると考えるのはなぜか。おそらく、いずれ台湾は中共に併呑され、思想統制が実施されることになると見ているからではないのか。
■中華民族主義者の台湾憎悪と台湾人の抵抗
李理は「台湾の過去二十年間の脱中国化教育によって、台湾人の思想に大きな変化が生まれた」との批判も展開したが、これなどは、かつての台湾人政権に対する、王暁波、そして馬英九政権の憎悪の代弁でもある。
李登輝政権、民進党政権時代の二十年間に及んだ民主化時代、台湾の生徒たちはようやく大中国史観の洗脳教育から脱し、自分たちの生まれ育った台湾の歴史の事実を学ぶことができるようになった。そしてそれによって、従来になく台湾を愛し、台湾人としての誇りを抱けるようになったのだが、国民党や中共の中華民族主義者たちは、このような台湾人の「脱中国」の動きが、どうしても許せないのである。
また日本統治時代を客観的に評価する台湾人の理知的な歴史観への過剰な批判には、これまで台湾の中国化を阻害して来た一つである日本の文化的影響への警戒心も作用しているのだろう。
そして、こうした歪んだ情念、身勝手な憎悪の結晶が、今回の改定課綱領であるに他ならないのだ。
そして高校生を含む多くの台湾人は、そのことをよくわかっているからこそ、こうした反台湾勢力による愚民教育、洗脳教育の陰謀に、激しい抗議の声を上げているところなのだ。
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こうした前時代的な洗脳教科書の導入に、目下野党や学者、教員、そして生徒たちまでもが抗議運動を拡大し、台湾国内は騒然としているところだ。
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―――現行の課綱は台湾の志願兵の問題も書かせている。その結果「熱血青年が愛国心に基づき聖戦に参加した」と言わんばかりの記述も見られる。だから我々はそれを「戦争への参加を迫られた」と書き改めさせることにした。しかし多くの人が「志願者もいた」と反論する。だから私も、この問題はよくわからない。
―――民進党の歴史観は完全に皇民史観、日本史観だ。両岸(台湾と中国)が共同で台湾史を研究し、台湾同胞の抗日史を欠くことは不可能だが、しかし今回の行事のように、我々にできることはたくさんある。
このように、日本時代についても史実重視の記述を指導した民進党時代の課綱に対し、「皇民史観」「日本史観」などと断罪、罵倒するのが中華民族主義というものなのだ。当時の歴史を徹底的に否定しなかった同党が漢奸(死屍をも鞭で打つべき中華民族の裏切り者)と映るわけである。
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李理が取り上げたのが台湾の日本統治を「日治」(日本統治)と呼ぶか「日拠」(日本占拠)と呼ぶかの問題だ。台湾では国民党独裁時代の五〇年代、「日拠」が公定用語となり「日治」の呼称は禁じられたが、従来の課綱は「日治」が史実に符合するとし、その使用を指導した。しかし現在は再び「日拠」も許されるようになっている。
こうした経緯を踏まえ、彼女は「日拠」こそが正確だと強調した。
―――台湾史の研究で、一部の台湾の学者はわざと一部の事柄を抹殺している。とくに教育体系においては、微妙に表現に変えることで、脱中国化の目的を達成した。たとえば「日治」か「日拠」の問題。一見して大差はないようで、実際は大きな隔たりがある。

台湾史を専門とする中共御用学者の李理。とても「学者」とは言えないレベル
の低さは、史実より政治を優先させるためだ
―――「拠」とは占領の意味。台湾は馬関条約(下関条約)で日本に割譲されたため、一種の占領だった。そしてまさにそれと同様に、カイロ宣言、ポツダム宣言によって台湾は中国へ戻った。だから日本の統治は不合理、不法なものだった。
相変わらずの中国の歴史学者のレベルの低さを、この人物は露呈している。要するに「割譲」と「占領」との違いもわかっていないのだ。
■大中国史観の導入は台湾人に対する愚民教育
日本の台湾統治は条約に基づいたものだからこそ、不法な「占拠」(占領)ではなく、合法的な「統治」だったのだ。したがって、「日拠」は単なる反日プロパガンダであって、「日治」こそが正確なのである。
しかし李理は、なおもこう言い張った。
―――「治」は統治であり、占領の意味を持たない。「日本統治」を合理化するのは、明らかな脱中国化である。
これを見ても明らかだろう。要するに「脱中国化」というものが許せないのだ。大中国史観はこのように史実よりも、中華民族の政治的利益や、自己中心の情念を優先させるものなのだ。
また李理は「カイロ宣言、ポツダム宣言によって台湾は中国へ戻った」とも強調するが、これは史実ではなく、終戦直後の中国(中華民国)による、それこそ不法だった台湾の領土編入を正当化するためのプロパガンダに過ぎないのだ。
しかし改定課綱は、こうした捏造された史実を、教科書に記述するよう指導している。
このように、政治を史実に優先させるからこそ、中華民族主義の学者はレベルが低いのだ。
だからこうした歴史観を、台湾の子供たちにまで刷り込むというのであれば、それは台湾人に対する洗脳愚民教育ということになる。
■将来の台湾併呑を視野に入れた大胆不敵の歴史捏造か
李理はさらに続ける。
―――台湾の教科書は「日本統治」だけでなく、「荷統治」(オランダ統治)との呼称も用いて来たが、これはそれらの時代の殖民地という本質的な意義を完全否定するものだ。
―――「鄭氏統治」とも呼んで来た。なぜ「明鄭統治」、つまり明朝の鄭成功の統治と呼ばないのか。「鄭氏」では国家による統治という意味合いがなくなる。
実際に改定課綱は、従来の「鄭氏」(鄭成功一族の統治)を「明鄭」に改めさせているが、それは李理が指摘した如く、あの時代は明国という中華国家による台湾統治が行われ、台湾は古来中国の一部だったとの強調なのだ。
しかしこれもまた、大中国史観による歴史捏造なのだ。なぜなら鄭成功はたしかに明国に仕えてはいたが、台湾占領当時はすでに明国は滅亡しており、しかも鄭一族の台湾政権は、後に中国には隷属しない「東寧」なる独立王朝を樹立していたからだ。
こうした史実を台湾の人々はよく理解している。しかしそれでも、ここまで大胆な捏造の歴史を敢えて押しつけようというのだから、中華民族主義者の振る舞いは大胆不敵である。
そのようなものが通用すると考えるのはなぜか。おそらく、いずれ台湾は中共に併呑され、思想統制が実施されることになると見ているからではないのか。
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そして、こうした歪んだ情念、身勝手な憎悪の結晶が、今回の改定課綱領であるに他ならないのだ。
そして高校生を含む多くの台湾人は、そのことをよくわかっているからこそ、こうした反台湾勢力による愚民教育、洗脳教育の陰謀に、激しい抗議の声を上げているところなのだ。
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