日米同盟は習近平「人類運命共同体」の夢を打ち砕く
2015/06/03/Wed
中国で三月二十八日に開幕した国際会議「ボアオ・アジアフォーラム」。習近平主席がこの日の演説でアジアインフラ投資銀行(AIIB)や「一帯一路」の構想を示したことは日本でも大きく報じられたが、それは「アジア運命共同体」「人類運命共同体」という新秩序建設の呼び掛けでもあった。

世界平和を説く習近平主席だが、中国にとり何が「平和」化が問題だ
「各国は相互連絡、相互依存を進め、平和、発展、協力、ウインウインを目指す時代の潮流に従い、政界平和に有利な方向へ発展し、国際情勢の安定を守ろう」というわけだが、中国は本気で、そうした平和な世界秩序作りを目指しているのだろうか。そもそも、この覇権主義国家が言う「平和」とは、我々が求めるそれとは異なるのではないか。
中国軍の孫建国副総参謀長も、五月三十一日にシンガポールでのアジア安全保障会議(シャングリラ対話)で行った講演で、「中国の人類の平和的発展のための中国の方略だ」として習近平氏の「人類運命共同体」構想を説明し、「中国は平和発展の道を堅持し、地域と世界の繁栄、安定の促進に力を致す」と強調。さらに「地域の平和と安定を維持し、領土主権と海洋権益を巡る争いを妥当に処理する」とし、「中国は『隣国と善を為す・隣国を以ってパートナーとする』『親・誠・恵・容』との周辺外交理念を堅持する」と表明してはいる。

衣の下の鎧を見せた孫建国副総参謀長
しかしその反面、次のようにも語っているのである。
「現在、南支那海情勢は相対的に平和で安定しており、航行の自由については何の問題も起きていない。中国は一部の島や岩礁で建設工事を進めているが、それは主に島礁の機能を完全にし、駐在人員の作業、生活条件を改善し、軍事防衛のニーズを満たすと同時に、海上救助、防災、減災、海洋研究、気象観測、環境保護、航行安全、漁業支援などの国際的責任、任務を果たすためのものだ」
そしてこうも付け加えた。
「あらためて申し上げるが、こうした建設は完全に中国の主権範囲内のことであり、合法、合理、合情のものであって、いかなる国に向けたものでもなく、航行の自由に影響を与えるものでもない。関係国にはお互い向かい合って、平和、友好、協力の海を建設して行くことを希望する」と。

「平和・友好・協力の海」を目指すとしながら軍事目的のため南支那海で人口島の建設を急ぐ中国
衣の下の鎧を目撃した各国は騒然とした。日本のメディア各社も例外ではない。たとえば毎日新聞は、「(孫建国副総参謀長は)南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島の岩礁埋め立てについて『防衛上のニーズ』が理由の一つだと述べ、軍事利用の意向を認めた。そのうえで『中国の主権の範囲内の行為で合法かつ正当だ』と主張」したとし、中国側が初めて「埋め立て」が軍事目的のものと明言したことに注目する。
そして「講演後の質疑応答では『中国は外部の力や覇権に従属せずに主権を守る』と発言し、南シナ海への関与を強める米国や日本をけん制した」とも伝えた。
共同通信は「中国側は『米国が南シナ海問題で対立をあおり立てている』との主張を周辺国などに展開、米国を排除した新たなアジアの安全保障秩序の構築へ向け、環境づくりを図りたい思惑もある」と報じたが、要するに中国が構築を目指す平和な国際秩序とは、米国の影響を受けない中国を中心とした国際秩序、「パックスアメリカーナ」(米国支配下の平和)に代わる「パックスシニカ」(中国支配下の平和)ということなのだ。
習近平氏はそれを「人類運命共同体」と呼ぶ訳だが、もちろん「パックスシニカ」のモデルは、かつての中華帝国を中心とした冊封朝貢秩序だ。
各国が中華帝国に臣属すれば、中華は各国の平和を保障してやるというあれであるが、主権平等を原則とする国際社会で、そうした不平等秩序の形成の企みは争いを生むばかり。つまり中国の各国への内政干渉や軍事侵略を誘発するものである。
ところでその中国が、「米国や日本をけん制」したがるのはなぜかと言えば、日米同盟こそがあの国の覇権主義の一大障害になっているからである。日本は、好むと好まざるとに関わらず、アジアの大国の一つとして、すでに中国から平和秩序を防衛するという責務を担っているのである。
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世界平和を説く習近平主席だが、中国にとり何が「平和」化が問題だ
「各国は相互連絡、相互依存を進め、平和、発展、協力、ウインウインを目指す時代の潮流に従い、政界平和に有利な方向へ発展し、国際情勢の安定を守ろう」というわけだが、中国は本気で、そうした平和な世界秩序作りを目指しているのだろうか。そもそも、この覇権主義国家が言う「平和」とは、我々が求めるそれとは異なるのではないか。
中国軍の孫建国副総参謀長も、五月三十一日にシンガポールでのアジア安全保障会議(シャングリラ対話)で行った講演で、「中国の人類の平和的発展のための中国の方略だ」として習近平氏の「人類運命共同体」構想を説明し、「中国は平和発展の道を堅持し、地域と世界の繁栄、安定の促進に力を致す」と強調。さらに「地域の平和と安定を維持し、領土主権と海洋権益を巡る争いを妥当に処理する」とし、「中国は『隣国と善を為す・隣国を以ってパートナーとする』『親・誠・恵・容』との周辺外交理念を堅持する」と表明してはいる。

衣の下の鎧を見せた孫建国副総参謀長
しかしその反面、次のようにも語っているのである。
「現在、南支那海情勢は相対的に平和で安定しており、航行の自由については何の問題も起きていない。中国は一部の島や岩礁で建設工事を進めているが、それは主に島礁の機能を完全にし、駐在人員の作業、生活条件を改善し、軍事防衛のニーズを満たすと同時に、海上救助、防災、減災、海洋研究、気象観測、環境保護、航行安全、漁業支援などの国際的責任、任務を果たすためのものだ」
そしてこうも付け加えた。
「あらためて申し上げるが、こうした建設は完全に中国の主権範囲内のことであり、合法、合理、合情のものであって、いかなる国に向けたものでもなく、航行の自由に影響を与えるものでもない。関係国にはお互い向かい合って、平和、友好、協力の海を建設して行くことを希望する」と。

「平和・友好・協力の海」を目指すとしながら軍事目的のため南支那海で人口島の建設を急ぐ中国
衣の下の鎧を目撃した各国は騒然とした。日本のメディア各社も例外ではない。たとえば毎日新聞は、「(孫建国副総参謀長は)南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島の岩礁埋め立てについて『防衛上のニーズ』が理由の一つだと述べ、軍事利用の意向を認めた。そのうえで『中国の主権の範囲内の行為で合法かつ正当だ』と主張」したとし、中国側が初めて「埋め立て」が軍事目的のものと明言したことに注目する。
そして「講演後の質疑応答では『中国は外部の力や覇権に従属せずに主権を守る』と発言し、南シナ海への関与を強める米国や日本をけん制した」とも伝えた。
共同通信は「中国側は『米国が南シナ海問題で対立をあおり立てている』との主張を周辺国などに展開、米国を排除した新たなアジアの安全保障秩序の構築へ向け、環境づくりを図りたい思惑もある」と報じたが、要するに中国が構築を目指す平和な国際秩序とは、米国の影響を受けない中国を中心とした国際秩序、「パックスアメリカーナ」(米国支配下の平和)に代わる「パックスシニカ」(中国支配下の平和)ということなのだ。
習近平氏はそれを「人類運命共同体」と呼ぶ訳だが、もちろん「パックスシニカ」のモデルは、かつての中華帝国を中心とした冊封朝貢秩序だ。
各国が中華帝国に臣属すれば、中華は各国の平和を保障してやるというあれであるが、主権平等を原則とする国際社会で、そうした不平等秩序の形成の企みは争いを生むばかり。つまり中国の各国への内政干渉や軍事侵略を誘発するものである。
ところでその中国が、「米国や日本をけん制」したがるのはなぜかと言えば、日米同盟こそがあの国の覇権主義の一大障害になっているからである。日本は、好むと好まざるとに関わらず、アジアの大国の一つとして、すでに中国から平和秩序を防衛するという責務を担っているのである。
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