中国「国防白書」が「脅威」と警戒する「台湾独立」勢力を支持せよ
2015/05/28/Thu
■中国「国防白書」報道で朝日は日米牽制?

「国防白書が皆様にお目に掛ります」と笑顔で発表する中国国防部報道官。しかしその内容は世界
から笑顔を奪う
中国政府は五月二十六日、国防白書(中国の軍事戦略白書)を発表。「海上の軍事闘争とその準備を最優先」すると明記したことが世界中の焦点となっているが、朝日新聞の同日に速報の見出しは、「日米への警戒感明記 海洋戦略強化も鮮明」。どちらかと言えば「アジア回帰を目指す米国の『リバランス』政策や、日本の安倍政権が掲げる『戦後レジームからの脱却』への警戒感を明記」したことを、最大の焦点としたいようだ。
要するに中国の脅威ではなく、中国を刺激する日米の対抗姿勢を牽制したいのだろう。だから次のようにも書いている。
―――日本については「軍事安保政策の大幅な調整を行い、国家として進む方向について地域の国々の強い関心を呼び起こしている」と言及した。
―――埋め立てによる滑走路の建設など実効支配の強化を急ぐ南シナ海情勢については、「一部の地域外の国が介入し、頻繁に中国に対する偵察行為を続けている」と批判。米国などとの対立を念頭に「海洋の権益を保護するための戦いは長期化する」と、軍としても海洋戦略を重視して対抗していく決意を示した。
まるで「日米の強硬な姿勢が中国を更なる軍拡に追いやっている」と言わんばかりの書き方だ。それに加え、中国の脅威を批判するような文言は見当たらず、海外メディアの「中国脅威論」を警戒する中国への配慮で書いた記事かと疑わざるを得ない。
■白書は日本国民に「抑止力」の重要さを教える
それに比べて、読売新聞が二十八日に掲げた社説「中国国防白書 海洋の緊張高める『強軍戦略』」は的を衝いた内容だ。
「海上衝突を想定した「軍事闘争準備」を急ぐ方針を示した。公海での『航行の自由』に対する威嚇に等しい」と指摘する一方、「安倍政権の安保政策や日米同盟の強化に警戒感を示している」と述べた上で、「しかし、強引な海洋進出で戦後の地域秩序に挑戦しているのが中国だということを自覚すべきだ。菅官房長官が『我が国は地域の安定と平和のために歩んできている。指摘は全く当たらない』と反論したのは、当然である」として、次のように訴えている。

「白書」の安倍政権批判に反論する菅官房長官
「日本は、安保関連法案の早期成立を図るとともに、先に合意した新たな日米防衛協力の指針(ガイドライン)に基づき、抑止力を高めなければならない」と。
正論だと思う。
国会で安保法制を巡る議論が続く中、日本がいま最も求められているのは日米同盟の抑止力の強化であるとする政府の主張の正しさを、今回発表の国防白書は日本国民に教えてくれているのだ。

日米同盟強化による「抑止力」向上の重要性を教えてくれる
■日本メディアが報じない白書の「台湾問題」への言及
さて、中国軍は東支那海、南支那海の覇権だけではなく、その中間に位置する台湾海峡も狙っているのである。台湾海峡の覇権を握るというのは台湾を制覇するということ。中国が台湾という国家さえ奪えば、東支那海、南支那海は自ずとその内海と化することだろう。
したがって目下の中国の軍備拡張の眼目は台湾攻略、つまり台湾侵略の際に来援する米軍の接近阻止・領域拒否の戦略態勢構築にあると言って過言ではない。
白書も「中国軍が主に担う戦略任務」の一つとして「断固祖国の統一を防衛すること」を挙げている。
日本のメディアはほとんど報じないが、白書はその「台湾問題」についても言及している。
「台湾問題は国家統一と長期的発展に関わり、国家統一は中華民族の偉大なる復興の歴史的な必然である」として台湾併呑の目的を正当化した上で、次のように強調しているのだ。
「近年来、両岸関係は平和的発展という良好な状況を維持しているが、台湾海峡情勢に悪影響を及ぼす根源はいまだ取り除かれていない。台湾独立分裂勢力及びその分裂活動は依然として、両岸関係の平和的発展の最大の脅威である」
しかし「中国からの台湾独立」という問題は存在しない。なぜなら台湾は中華人民共和国の領土ではなく、これまで一度もその支配を受けたことないからだ。要するにあの国は、「統一」に反対する台湾の政治勢力を「台湾独立分裂勢力」と呼び、あたかも台湾が中国の一部であり、中国には統一の権利があるといった虚構宣伝を行っているのである。
■日本メディアは倒錯した台湾報道を止めるべき
従って白書の文言をわかりやすく書き換えれば、以下のようになろう。
「二〇〇八年に国民党の馬英九政権が発足し、『一つの中国』(台湾は中国の一部)を掲げて以来、中国は台湾との平和的な交流に応じ、以前よりも台湾海峡の緊張状態は緩和しているが、しかし中国が再び緊張を高める可能性は残されている。なぜなら野党民進党などが依然として、台湾を主権国家であるとし、『一つの中国』を認めないでいるからだ。中国にとってはこれら勢力こそが、この地域における最大の脅威である」

「白書」が「台独は脅威」と指摘したことを報じる台湾の親中紙旺報。要するに中国の宣伝への協力だが、こうし
たものに惑わされてはならない
日本政府は台湾を「地域」と呼ぶが、そこが主権国家であることは否定しようのない現実である。少なくとも「中国の一部」などでは断じてない。日本政府も「中国の地域」であるとは認めていない。
そして現在、その「現実」を中国への配慮で努めて曖昧化してきた馬英九政権に台湾国民の不満が高まり、その「現実」を国際社会に訴え続けて来た民進党が、来年の総統選挙で政権を奪う可能性が高まっているところだ。
ところがこうした状況を受けると、日本のメディアはたちまち倒錯した報道を行ってしまう傾向がある。
すなわち中国の宣伝に従って、民進党を「両岸関係の平和的発展の最大の脅威」と看做し、懸念を表明しようとするのだ。
ちなみに白書に「最大の脅威」と呼ばれた民進党のスポークスマンは、次のようにコメントした。
「民進党の主張は台湾海峡の平和と発展を守り、あわせて台湾の民主主義と今後の自主性を守ることにあり、この主張は圧倒的多数の台湾人民に支持されている。中国との平和的現状の維持は民進党だけが負うものでなく、台湾と中国が共同で負うべきもの。皆で努力すべきだ」

「白書」による言われなき批判に、民進党は反論。日本のメディアも耳を傾けるべき
言っていることは至極当然。ここには「国際社会は中国の一方的宣伝に惑わされないでほしい」との訴えも含まれているようだ。
朝日新聞には多くは望めないとしても、中国の脅威に対してはっきりとノーを突きつけることのできる読売新聞などは、あくまでも「最大の脅威」(あるいは「唯一の脅威」)は中国であり、台湾の主権国家が守られることは日本を含むアジア太平洋地域の防衛に繋がるとの認識を堅持し、東支那海、南支那海の問題と同様に、台湾問題においても、中国の侵略的姿勢に反対の言論を展開すべきだ。
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「国防白書が皆様にお目に掛ります」と笑顔で発表する中国国防部報道官。しかしその内容は世界
から笑顔を奪う
中国政府は五月二十六日、国防白書(中国の軍事戦略白書)を発表。「海上の軍事闘争とその準備を最優先」すると明記したことが世界中の焦点となっているが、朝日新聞の同日に速報の見出しは、「日米への警戒感明記 海洋戦略強化も鮮明」。どちらかと言えば「アジア回帰を目指す米国の『リバランス』政策や、日本の安倍政権が掲げる『戦後レジームからの脱却』への警戒感を明記」したことを、最大の焦点としたいようだ。
要するに中国の脅威ではなく、中国を刺激する日米の対抗姿勢を牽制したいのだろう。だから次のようにも書いている。
―――日本については「軍事安保政策の大幅な調整を行い、国家として進む方向について地域の国々の強い関心を呼び起こしている」と言及した。
―――埋め立てによる滑走路の建設など実効支配の強化を急ぐ南シナ海情勢については、「一部の地域外の国が介入し、頻繁に中国に対する偵察行為を続けている」と批判。米国などとの対立を念頭に「海洋の権益を保護するための戦いは長期化する」と、軍としても海洋戦略を重視して対抗していく決意を示した。
まるで「日米の強硬な姿勢が中国を更なる軍拡に追いやっている」と言わんばかりの書き方だ。それに加え、中国の脅威を批判するような文言は見当たらず、海外メディアの「中国脅威論」を警戒する中国への配慮で書いた記事かと疑わざるを得ない。
■白書は日本国民に「抑止力」の重要さを教える
それに比べて、読売新聞が二十八日に掲げた社説「中国国防白書 海洋の緊張高める『強軍戦略』」は的を衝いた内容だ。
「海上衝突を想定した「軍事闘争準備」を急ぐ方針を示した。公海での『航行の自由』に対する威嚇に等しい」と指摘する一方、「安倍政権の安保政策や日米同盟の強化に警戒感を示している」と述べた上で、「しかし、強引な海洋進出で戦後の地域秩序に挑戦しているのが中国だということを自覚すべきだ。菅官房長官が『我が国は地域の安定と平和のために歩んできている。指摘は全く当たらない』と反論したのは、当然である」として、次のように訴えている。

「白書」の安倍政権批判に反論する菅官房長官
「日本は、安保関連法案の早期成立を図るとともに、先に合意した新たな日米防衛協力の指針(ガイドライン)に基づき、抑止力を高めなければならない」と。
正論だと思う。
国会で安保法制を巡る議論が続く中、日本がいま最も求められているのは日米同盟の抑止力の強化であるとする政府の主張の正しさを、今回発表の国防白書は日本国民に教えてくれているのだ。

日米同盟強化による「抑止力」向上の重要性を教えてくれる
■日本メディアが報じない白書の「台湾問題」への言及
さて、中国軍は東支那海、南支那海の覇権だけではなく、その中間に位置する台湾海峡も狙っているのである。台湾海峡の覇権を握るというのは台湾を制覇するということ。中国が台湾という国家さえ奪えば、東支那海、南支那海は自ずとその内海と化することだろう。
したがって目下の中国の軍備拡張の眼目は台湾攻略、つまり台湾侵略の際に来援する米軍の接近阻止・領域拒否の戦略態勢構築にあると言って過言ではない。
白書も「中国軍が主に担う戦略任務」の一つとして「断固祖国の統一を防衛すること」を挙げている。
日本のメディアはほとんど報じないが、白書はその「台湾問題」についても言及している。
「台湾問題は国家統一と長期的発展に関わり、国家統一は中華民族の偉大なる復興の歴史的な必然である」として台湾併呑の目的を正当化した上で、次のように強調しているのだ。
「近年来、両岸関係は平和的発展という良好な状況を維持しているが、台湾海峡情勢に悪影響を及ぼす根源はいまだ取り除かれていない。台湾独立分裂勢力及びその分裂活動は依然として、両岸関係の平和的発展の最大の脅威である」
しかし「中国からの台湾独立」という問題は存在しない。なぜなら台湾は中華人民共和国の領土ではなく、これまで一度もその支配を受けたことないからだ。要するにあの国は、「統一」に反対する台湾の政治勢力を「台湾独立分裂勢力」と呼び、あたかも台湾が中国の一部であり、中国には統一の権利があるといった虚構宣伝を行っているのである。
■日本メディアは倒錯した台湾報道を止めるべき
従って白書の文言をわかりやすく書き換えれば、以下のようになろう。
「二〇〇八年に国民党の馬英九政権が発足し、『一つの中国』(台湾は中国の一部)を掲げて以来、中国は台湾との平和的な交流に応じ、以前よりも台湾海峡の緊張状態は緩和しているが、しかし中国が再び緊張を高める可能性は残されている。なぜなら野党民進党などが依然として、台湾を主権国家であるとし、『一つの中国』を認めないでいるからだ。中国にとってはこれら勢力こそが、この地域における最大の脅威である」

「白書」が「台独は脅威」と指摘したことを報じる台湾の親中紙旺報。要するに中国の宣伝への協力だが、こうし
たものに惑わされてはならない
日本政府は台湾を「地域」と呼ぶが、そこが主権国家であることは否定しようのない現実である。少なくとも「中国の一部」などでは断じてない。日本政府も「中国の地域」であるとは認めていない。
そして現在、その「現実」を中国への配慮で努めて曖昧化してきた馬英九政権に台湾国民の不満が高まり、その「現実」を国際社会に訴え続けて来た民進党が、来年の総統選挙で政権を奪う可能性が高まっているところだ。
ところがこうした状況を受けると、日本のメディアはたちまち倒錯した報道を行ってしまう傾向がある。
すなわち中国の宣伝に従って、民進党を「両岸関係の平和的発展の最大の脅威」と看做し、懸念を表明しようとするのだ。
ちなみに白書に「最大の脅威」と呼ばれた民進党のスポークスマンは、次のようにコメントした。
「民進党の主張は台湾海峡の平和と発展を守り、あわせて台湾の民主主義と今後の自主性を守ることにあり、この主張は圧倒的多数の台湾人民に支持されている。中国との平和的現状の維持は民進党だけが負うものでなく、台湾と中国が共同で負うべきもの。皆で努力すべきだ」

「白書」による言われなき批判に、民進党は反論。日本のメディアも耳を傾けるべき
言っていることは至極当然。ここには「国際社会は中国の一方的宣伝に惑わされないでほしい」との訴えも含まれているようだ。
朝日新聞には多くは望めないとしても、中国の脅威に対してはっきりとノーを突きつけることのできる読売新聞などは、あくまでも「最大の脅威」(あるいは「唯一の脅威」)は中国であり、台湾の主権国家が守られることは日本を含むアジア太平洋地域の防衛に繋がるとの認識を堅持し、東支那海、南支那海の問題と同様に、台湾問題においても、中国の侵略的姿勢に反対の言論を展開すべきだ。
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