台湾映画「KANO」―「日台の友情」と「台湾の栄光」を描く感動作が日本上陸!(附:「台湾チャンネル」KANOプレミア特集動画)
2015/01/23/Fri
■甲子園台湾代表の実話を基に
昨年台湾で大ヒットした台湾映画「KANO」(馬志翔監督)が一月二十四日から日本でも全国公開される。

台湾のポスター。昨年上映され記録的ヒットとなった
邦題は「KANO―1931海の向こうの甲子園」。これを見てもわかるように、台湾が日本統治下にあった一九三一年、もともと弱小だった嘉義農林学校(嘉農=KANO)の野球部が、日本人監督のスパルタ指導によって勝ち進み、ついに台湾代表として甲子園に出場し、準優勝に輝いて日本全国を沸かしたという実話に基づく内容だ。
このように純粋な熱血野球映画ではあるのだが、実は台湾では公開前から、この作品を巡り、政治的な大論争が起こっていた。
「大論争」とは言っても、実際にはマスコミ、政客など外省人の政治勢力が、作品を見る前から大騒ぎしただけなのだが、彼らはこの作品を「媚日」だというのである。
■政治的論争をよそに大フィーバー
日本人監督の指導の下、台湾人、原住民、日本人の選手が結束し、感動的な物語を展開する点や、セリフのほとんどが日本語である点などは日本讃美、殖民地美化であって、「抗日」の要素がないというのが彼らの大方の主張だった。
いわば大中国史観に立った批判である。

映画館前で「皇民になるな」などと書かれたプラカードを持ち、「KANO」ボイコットを訴える人々
公開当時はちょうど、そうした勢力の主導により、高校の歴史教科書の指導要領を改編し、台湾史の記述にそうした抗日史観を反映されることが決まった時期だった。
そうしたことを踏まえながら、作品の賛否を巡る論争が見られたわけだが、一般社会ではそんな批判をよそに、公開前から「KANO」フィーバーが巻き起こった。嘉義市で行われた初プレミアに先立つ記念イベントでは、実に六万とも十万ともされる群衆が集まっている。

嘉義のプレミア前の記念パレードでは数万人の群衆が詰めかけた
その後、三カ月のロングランという記録的ヒットとなった。
■台湾人栄光の感動ストーリー
それではなぜこの作品はヒットしたのか。その理由は何より、これが台湾人にとっては栄光の感動的ストーリーだからだろう。
そして嘉義農林の活躍は、あの時代を経験した世代なら誰もが記憶しているが、しかし戦後生まれの多くは知らないでいた。そもそもこの世代は、戦後の中国化政策によって日本時代が全面否定されていたため、あの時代の歴史自体を良く知らないできた。そこにこうした台湾人栄光の物語が発掘された訳だから、驚きと感動も一入だった。
また、劇中ではかつての街並み、風俗も良く再現され、所謂「古き良き時代」の空気がよく描かれており、老世代にはそれが懐かしく、当時を暗黒時代と思い込まされた若い世代もそれが新鮮に映ったようだ。

日本時代を描いた「KANO」は台湾人にはノスタルジーに溢れ、台湾への愛情を高めさせる作
品でもある
こうしたものを見て人々は、ますます台湾に対する愛着を沸かせたことだろう。
■「愛台湾」と「親日本」への批判
そしてもうひとつ、民族の違いを乗り越え、日本人と共に一つの目標に向かって懸命に努力するという物語展開も、多くの人々の心を打ったらしい。
主人公達が甲子園に出場し、日本人から大喝采を浴びるというシーンにも、大きな感動を味わったはずだ。台湾人の多くは日本に対して強い親しみを持つ人々なのだから。
戦後一貫して「抗日」史観を振りかざし、台湾人の中国人化を企図して来た政治勢力は、「愛台湾」と「親日本」をしばしば同義語として受け取りがちだ。
そのような勢力にとって「KANO」は、一種の政治的脅威に見えるのだろう。
あの勢力はさすがに「愛台」ばかりは大っぴらには批判できない。そこでその代わりに「親日」批判に力を入れる傾向が彼らにはある。この作品をことさら「媚日」と過剰に謗るのも、そうした背景があるのだろう。
■「反台湾」のアンチテーゼとして
一方台湾人の「KANO」フィーバーには、一部では次のような心理も働いたのではないか。
つまり政府の中国傾斜及び台湾の中国化の動きへの反撥から、台湾人の誇りを描いたこの作品を支持したいという。言わば「反台」政策への反撥としてだ。
そして「日本を好んで何が悪い。台湾人は偏狭な仇日感情を持つ中国人とは違う」との、言われなき「媚日」批判への対抗心もだ。
これらはあくまで私の推測だが、しかし実際にこうした心理の動きは、台湾では良く見られるのである。
■「親日」の色彩をどう受け止める
さてこの作品がいよいよ日本で公開される訳だが、日本人はこれをどう評価されるのだろうか。
もしかしたら、いやたぶん、日本統治時代を舞台にしながら「抗日」の色彩がない「親日映画」として、大勢の人々から驚きを以って受け止められるだろう。
中国人の歴史観と歩調を合わす人々には、やはり「親日」は「媚日」であって、自らの政治的主張には都合が悪いためか快く思えず、蔑みの表情を浮かべそうだが、それはごく一部の人間の問題として、ここでは措く。
一方、次のように好意的に受け止める人もいるはずだ。中には少なからずが「台湾人は日本統治を評価している。日本人は良いことをしたからだ」と喜ぶに違いない。そして「台湾人は親日だから仲良くしてやろう」と。
こうした反響は皆無ではないはずだ。日本人の台湾観、台湾への感情を見続けてきた私の経験からも、そう思う。
もちろんそれが悪いと言う気はない。しかし「日本」ことばかりに感動するのなら、あまりにもったいない。
■日本人が感動すべき台湾の友情
先日都内で行われたジャパンプレミアで魏徳聖プロデューサーは、「この作品は台湾と日本のために作った」と述べている。
言うまでもなくこの作品は、日本人を喜ばすためだけのものではない。先ずは台湾人に勇気と誇りを与えるとの意図は明らかだ。そしてそれとともに描いているのが、誇りある台湾人の日本に対する友情なのである。
したがって「日本」だけでなく「台湾」にも感動したらいいと思う。これほど誇り高い日本の友人が日本のすぐ隣に存在しているという感激をぜひ味わってほしい。
そうしたことが日台の関係をより豊かなものにするはずだ。
■応援を!日本人なら感動する!
プレミアでは日本文化チャンネル桜の番組「台湾チャンネル」が観客にマイクを向け、作品の感想を聞いたところ、何人かの若い人たちが台湾人の「誇り」、そして「日本への友情」に感動したと話していた。
嬉しくなる。日本人は台湾人の友情をしっかりと受け止めることができるのだ。
そこでそうした感動を、全国の人々にも味わってほしいと思うのである。
世間では何かと軽視されがちなアジア映画だからか、プレミアには台湾のメディアは取材に来ていても、日本の民放は一社も現れなかった。
そのためか魏プロデユーサーは会見で「この映画を見て好いと思ったら、フェイスブック、ツイッターで宣伝してほしい」と呼び掛けた。
そこでそれをみんなでやったらどうか。どこまでできるかはわからないが、一人でも多くが劇場に足を運んで興業成績を押し上げ、それを以って日本の台湾に対する友情表明とすればいいと思うのだ。
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【台湾チャンネル】第65回、日本の心揺さぶる台湾映画「KANO」―プレミア・インタビュー[桜H27/1/23]
SakuraSoTV
2015/01/22 に公開
日本と台湾の交流情報を、日本語と台湾の言語で同時にお送りする情報番組。
日本統治時代の台湾野球の史実を基に、日台の友情を描いた台湾の大ヒット映画「KANO-1931海の向こうの甲子園」がいよいよ1月24日、日本全国で公開!今回は、それに先立ち都内で行われたプレミアの模様を紹介。会場が感動に包まれる中、監督、出演者らにインタビューを行い、この作品の魅力、日台交流に対する意義、更には日本時代の歴史の捉え方などを聞く。観客たちのコメントも、台湾への友情に溢れて感動的だ。作品の予告編も収録。
キャスター:永山英樹・謝恵芝
【日台交流頻道】第65集、掀起感動浪潮的「KANO」東京試映會
本節目使用日台的語言,傳播日本與台灣之間的交流情報。
本集報導:「KANO」日本首映前的試映會,感動的浪潮席捲全場。介紹日本演員永瀨正敏、坂井真紀對台灣的感言,專訪馬志翔導演、曹佑寧、陳勁宏,闡述作品想要傳達的理念及對日本的友誼,分享觀眾片後的感想及對台灣的情誼,並呼籲全國人民共同來支持充滿台日共同回憶的「KANO」。
主播:永山英樹・謝惠芝
昨年台湾で大ヒットした台湾映画「KANO」(馬志翔監督)が一月二十四日から日本でも全国公開される。

台湾のポスター。昨年上映され記録的ヒットとなった
邦題は「KANO―1931海の向こうの甲子園」。これを見てもわかるように、台湾が日本統治下にあった一九三一年、もともと弱小だった嘉義農林学校(嘉農=KANO)の野球部が、日本人監督のスパルタ指導によって勝ち進み、ついに台湾代表として甲子園に出場し、準優勝に輝いて日本全国を沸かしたという実話に基づく内容だ。
このように純粋な熱血野球映画ではあるのだが、実は台湾では公開前から、この作品を巡り、政治的な大論争が起こっていた。
「大論争」とは言っても、実際にはマスコミ、政客など外省人の政治勢力が、作品を見る前から大騒ぎしただけなのだが、彼らはこの作品を「媚日」だというのである。
■政治的論争をよそに大フィーバー
日本人監督の指導の下、台湾人、原住民、日本人の選手が結束し、感動的な物語を展開する点や、セリフのほとんどが日本語である点などは日本讃美、殖民地美化であって、「抗日」の要素がないというのが彼らの大方の主張だった。
いわば大中国史観に立った批判である。

映画館前で「皇民になるな」などと書かれたプラカードを持ち、「KANO」ボイコットを訴える人々
公開当時はちょうど、そうした勢力の主導により、高校の歴史教科書の指導要領を改編し、台湾史の記述にそうした抗日史観を反映されることが決まった時期だった。
そうしたことを踏まえながら、作品の賛否を巡る論争が見られたわけだが、一般社会ではそんな批判をよそに、公開前から「KANO」フィーバーが巻き起こった。嘉義市で行われた初プレミアに先立つ記念イベントでは、実に六万とも十万ともされる群衆が集まっている。

嘉義のプレミア前の記念パレードでは数万人の群衆が詰めかけた
その後、三カ月のロングランという記録的ヒットとなった。
■台湾人栄光の感動ストーリー
それではなぜこの作品はヒットしたのか。その理由は何より、これが台湾人にとっては栄光の感動的ストーリーだからだろう。
そして嘉義農林の活躍は、あの時代を経験した世代なら誰もが記憶しているが、しかし戦後生まれの多くは知らないでいた。そもそもこの世代は、戦後の中国化政策によって日本時代が全面否定されていたため、あの時代の歴史自体を良く知らないできた。そこにこうした台湾人栄光の物語が発掘された訳だから、驚きと感動も一入だった。
また、劇中ではかつての街並み、風俗も良く再現され、所謂「古き良き時代」の空気がよく描かれており、老世代にはそれが懐かしく、当時を暗黒時代と思い込まされた若い世代もそれが新鮮に映ったようだ。

日本時代を描いた「KANO」は台湾人にはノスタルジーに溢れ、台湾への愛情を高めさせる作
品でもある
こうしたものを見て人々は、ますます台湾に対する愛着を沸かせたことだろう。
■「愛台湾」と「親日本」への批判
そしてもうひとつ、民族の違いを乗り越え、日本人と共に一つの目標に向かって懸命に努力するという物語展開も、多くの人々の心を打ったらしい。
主人公達が甲子園に出場し、日本人から大喝采を浴びるというシーンにも、大きな感動を味わったはずだ。台湾人の多くは日本に対して強い親しみを持つ人々なのだから。
戦後一貫して「抗日」史観を振りかざし、台湾人の中国人化を企図して来た政治勢力は、「愛台湾」と「親日本」をしばしば同義語として受け取りがちだ。
そのような勢力にとって「KANO」は、一種の政治的脅威に見えるのだろう。
あの勢力はさすがに「愛台」ばかりは大っぴらには批判できない。そこでその代わりに「親日」批判に力を入れる傾向が彼らにはある。この作品をことさら「媚日」と過剰に謗るのも、そうした背景があるのだろう。
■「反台湾」のアンチテーゼとして
一方台湾人の「KANO」フィーバーには、一部では次のような心理も働いたのではないか。
つまり政府の中国傾斜及び台湾の中国化の動きへの反撥から、台湾人の誇りを描いたこの作品を支持したいという。言わば「反台」政策への反撥としてだ。
そして「日本を好んで何が悪い。台湾人は偏狭な仇日感情を持つ中国人とは違う」との、言われなき「媚日」批判への対抗心もだ。
これらはあくまで私の推測だが、しかし実際にこうした心理の動きは、台湾では良く見られるのである。
■「親日」の色彩をどう受け止める
さてこの作品がいよいよ日本で公開される訳だが、日本人はこれをどう評価されるのだろうか。
もしかしたら、いやたぶん、日本統治時代を舞台にしながら「抗日」の色彩がない「親日映画」として、大勢の人々から驚きを以って受け止められるだろう。
中国人の歴史観と歩調を合わす人々には、やはり「親日」は「媚日」であって、自らの政治的主張には都合が悪いためか快く思えず、蔑みの表情を浮かべそうだが、それはごく一部の人間の問題として、ここでは措く。
一方、次のように好意的に受け止める人もいるはずだ。中には少なからずが「台湾人は日本統治を評価している。日本人は良いことをしたからだ」と喜ぶに違いない。そして「台湾人は親日だから仲良くしてやろう」と。
こうした反響は皆無ではないはずだ。日本人の台湾観、台湾への感情を見続けてきた私の経験からも、そう思う。
もちろんそれが悪いと言う気はない。しかし「日本」ことばかりに感動するのなら、あまりにもったいない。
■日本人が感動すべき台湾の友情
先日都内で行われたジャパンプレミアで魏徳聖プロデューサーは、「この作品は台湾と日本のために作った」と述べている。
言うまでもなくこの作品は、日本人を喜ばすためだけのものではない。先ずは台湾人に勇気と誇りを与えるとの意図は明らかだ。そしてそれとともに描いているのが、誇りある台湾人の日本に対する友情なのである。
したがって「日本」だけでなく「台湾」にも感動したらいいと思う。これほど誇り高い日本の友人が日本のすぐ隣に存在しているという感激をぜひ味わってほしい。
そうしたことが日台の関係をより豊かなものにするはずだ。
■応援を!日本人なら感動する!
プレミアでは日本文化チャンネル桜の番組「台湾チャンネル」が観客にマイクを向け、作品の感想を聞いたところ、何人かの若い人たちが台湾人の「誇り」、そして「日本への友情」に感動したと話していた。
嬉しくなる。日本人は台湾人の友情をしっかりと受け止めることができるのだ。
そこでそうした感動を、全国の人々にも味わってほしいと思うのである。
世間では何かと軽視されがちなアジア映画だからか、プレミアには台湾のメディアは取材に来ていても、日本の民放は一社も現れなかった。
そのためか魏プロデユーサーは会見で「この映画を見て好いと思ったら、フェイスブック、ツイッターで宣伝してほしい」と呼び掛けた。
そこでそれをみんなでやったらどうか。どこまでできるかはわからないが、一人でも多くが劇場に足を運んで興業成績を押し上げ、それを以って日本の台湾に対する友情表明とすればいいと思うのだ。
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【台湾チャンネル】第65回、日本の心揺さぶる台湾映画「KANO」―プレミア・インタビュー[桜H27/1/23]
SakuraSoTV
2015/01/22 に公開
日本と台湾の交流情報を、日本語と台湾の言語で同時にお送りする情報番組。
日本統治時代の台湾野球の史実を基に、日台の友情を描いた台湾の大ヒット映画「KANO-1931海の向こうの甲子園」がいよいよ1月24日、日本全国で公開!今回は、それに先立ち都内で行われたプレミアの模様を紹介。会場が感動に包まれる中、監督、出演者らにインタビューを行い、この作品の魅力、日台交流に対する意義、更には日本時代の歴史の捉え方などを聞く。観客たちのコメントも、台湾への友情に溢れて感動的だ。作品の予告編も収録。
キャスター:永山英樹・謝恵芝
【日台交流頻道】第65集、掀起感動浪潮的「KANO」東京試映會
本節目使用日台的語言,傳播日本與台灣之間的交流情報。
本集報導:「KANO」日本首映前的試映會,感動的浪潮席捲全場。介紹日本演員永瀨正敏、坂井真紀對台灣的感言,專訪馬志翔導演、曹佑寧、陳勁宏,闡述作品想要傳達的理念及對日本的友誼,分享觀眾片後的感想及對台灣的情誼,並呼籲全國人民共同來支持充滿台日共同回憶的「KANO」。
主播:永山英樹・謝惠芝
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