実は日本にも危険な台湾海峡中間線「新航路」設定
2015/01/15/Thu
産経新聞は一月十四日、「台湾の交通部(国土交通省に相当)民用航空局は13日、中国が台湾海峡の中間線付近に民間航空機の航路を一方的に設定したとして、『受け入れられない』と抗議する声明を発表した」と報じている。
それによれば、
――― 民航局によると、中国は12日午前、中間線付近の西側に海峡を南北に縦断する航路1本、同航路から浙江省の東山、福建省の福州、アモイを東西に結ぶ航路3本の新設を公表した。3月5日から運航する。中台では昨年から海峡を縦断する航路について当局間で非公式に協議していたが、東西航路3本は協議の対象にもなっておらず、「突然、公表された」(同局)という。
―――海峡を縦断する航路は国際線も利用し、中間線に最も近い部分で距離8・2カイリ(約15キロ)。付近の台湾側には台湾空軍の演習空域も設定されている。東西航路3本は台湾本島から大陸に近い金門島や馬祖島を結ぶ台湾側の航路と近く、気象条件が悪い場合などに「飛行安全のリスクを生じる」として衝突の危険性があると示唆している。
―――台湾側は「ICAOは、(航路が)近隣国と近い場合はその国との協議を求めている」(沈啓民航局長)として国際民間航空条約の精神に反すると主張。
※ICAO=国際民間航空機関
――― 一方、「一つの中国」原則を掲げる中国にとっては、台北FIRも「国内」との建前で、今回の航路新設も一方的にICAOに通知したという。

記事は「台湾側は今後、正式な中台当局間協議で南北航路を西側に移動させることなどを求める考えだが、中国側が応じるかは不明だ」と書いているが、日本の読者からすれば、日本とは直接関係のない台中間トラブル程度にしか受け取れないかもしれない。
メディア各社もあまり深刻にとらえていないのか、報道は少ない。
しかし台湾紙自由時報の同日の報道にはこうあった。
―――中国の近年における南支那海での石油の探査掘削の強行、東支那海での一方的な防空識別圏の設定。昨年末に明らかになった浙江省・南麂列島での軍事基地建設(※尖閣諸島から北西約三百キロの地点)、そして今回の台湾海峡中間線西側絵の一方的な新航路設定だ。
つまり中国の今回の措置は、東支那海、南支那海に対する覇権確立の動きと連携したものだというわけだ。
こうも書いている。
―――各国の中でも、先ず矛先を向けられた台湾が特に深刻な安全上の脅威に直面している。
東支那海の日中中間線の西側で中国が一方的にガス田開発を進めるのも、同海域全体の支配を目論んだものであると考えれば、今回も台湾海峡全体の制覇を狙ったものだと容易に推測できよう。
第一列島線と中国とが最も接近し、東支那海と南支那海とを分断する要衝が台湾海峡だ。そしてその「中間線」は米太平洋司令軍が一九五一年に中国軍の侵攻から台湾を防衛するために設定したもので、それが今日まで台中境界線として機能して来たわけだ。
だから中国の動きは台湾側の防空を大きく脅かすとともに、アジア全体に脅威を及ぼすものとして警戒を要する事態といえる。台湾海峡が中国の内海となれば、東支那海と南支那海における中国の軍事力は一体化し、列島線内部全体の海域があの国の内海となろう。
中国が「一つの中国」なる建前(プロパガンダ)をそのまま現実化に向けて歩を進めるのは、台湾側の抵抗力が減退している証。台湾の交通部と国防部は抗議したが、対中政策を司る大陸委員会の反応は鈍い。そうした国民党政権の危機感の欠如が、中国の覇権主義を励ましているのだ。
実は中国は二〇〇七年にも新航路の設定を企てている。しかし当時の民進党政権が米国に働きかけ、中国に圧力を掛けさせて思いとどまらせたという経緯がある。
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それによれば、
――― 民航局によると、中国は12日午前、中間線付近の西側に海峡を南北に縦断する航路1本、同航路から浙江省の東山、福建省の福州、アモイを東西に結ぶ航路3本の新設を公表した。3月5日から運航する。中台では昨年から海峡を縦断する航路について当局間で非公式に協議していたが、東西航路3本は協議の対象にもなっておらず、「突然、公表された」(同局)という。
―――海峡を縦断する航路は国際線も利用し、中間線に最も近い部分で距離8・2カイリ(約15キロ)。付近の台湾側には台湾空軍の演習空域も設定されている。東西航路3本は台湾本島から大陸に近い金門島や馬祖島を結ぶ台湾側の航路と近く、気象条件が悪い場合などに「飛行安全のリスクを生じる」として衝突の危険性があると示唆している。
―――台湾側は「ICAOは、(航路が)近隣国と近い場合はその国との協議を求めている」(沈啓民航局長)として国際民間航空条約の精神に反すると主張。
※ICAO=国際民間航空機関
――― 一方、「一つの中国」原則を掲げる中国にとっては、台北FIRも「国内」との建前で、今回の航路新設も一方的にICAOに通知したという。

記事は「台湾側は今後、正式な中台当局間協議で南北航路を西側に移動させることなどを求める考えだが、中国側が応じるかは不明だ」と書いているが、日本の読者からすれば、日本とは直接関係のない台中間トラブル程度にしか受け取れないかもしれない。
メディア各社もあまり深刻にとらえていないのか、報道は少ない。
しかし台湾紙自由時報の同日の報道にはこうあった。
―――中国の近年における南支那海での石油の探査掘削の強行、東支那海での一方的な防空識別圏の設定。昨年末に明らかになった浙江省・南麂列島での軍事基地建設(※尖閣諸島から北西約三百キロの地点)、そして今回の台湾海峡中間線西側絵の一方的な新航路設定だ。
つまり中国の今回の措置は、東支那海、南支那海に対する覇権確立の動きと連携したものだというわけだ。
こうも書いている。
―――各国の中でも、先ず矛先を向けられた台湾が特に深刻な安全上の脅威に直面している。
東支那海の日中中間線の西側で中国が一方的にガス田開発を進めるのも、同海域全体の支配を目論んだものであると考えれば、今回も台湾海峡全体の制覇を狙ったものだと容易に推測できよう。
第一列島線と中国とが最も接近し、東支那海と南支那海とを分断する要衝が台湾海峡だ。そしてその「中間線」は米太平洋司令軍が一九五一年に中国軍の侵攻から台湾を防衛するために設定したもので、それが今日まで台中境界線として機能して来たわけだ。
だから中国の動きは台湾側の防空を大きく脅かすとともに、アジア全体に脅威を及ぼすものとして警戒を要する事態といえる。台湾海峡が中国の内海となれば、東支那海と南支那海における中国の軍事力は一体化し、列島線内部全体の海域があの国の内海となろう。
中国が「一つの中国」なる建前(プロパガンダ)をそのまま現実化に向けて歩を進めるのは、台湾側の抵抗力が減退している証。台湾の交通部と国防部は抗議したが、対中政策を司る大陸委員会の反応は鈍い。そうした国民党政権の危機感の欠如が、中国の覇権主義を励ましているのだ。
実は中国は二〇〇七年にも新航路の設定を企てている。しかし当時の民進党政権が米国に働きかけ、中国に圧力を掛けさせて思いとどまらせたという経緯がある。
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