台湾で天長節(天皇誕生日)奉祝のレセプションー中国無視して進む交流
2007/12/13/Thu
日本の駐台大使館にあたる交流協会台北事務所は昨十二日、台北市内の国賓大飯店で天長節を奉祝するレセプションを行った。
これは各国に駐在する大使館、領事館が毎年行うナショナルデー・レセプションの一環だ。台湾では「日華断交」後、「台湾は国ではない」との理由で行われないでいたのが、平成十五年からは毎年開催されるようになっている。
その第一回目を開催した内田勝久前台北事務所長(大使に相当)の著書『大丈夫か、日台関係―「台湾大使」の本音録』によると、当時「政治的状況、政治的配慮もあって天皇誕生日レセプションを差し控えて、今日に至っている。しかし、その後日台関係を巡る状況は着実に進展、成熟しており、今や両国の友好と親善のシンボルとして天皇誕生日レセプション開催の機は熟している」との判断が下され、外務省からも難なく許可が下りたのだそうだ。
ただ問題となったのは、招待する台湾政府要人についてだった。陳水扁総統、呂秀蓮副総統は「必ずしも適当ではない」とされた。李登輝前総統については「いろいろと迷惑がかかることがあるから」との理由で欠席との意向を予め確認した上で、招待状は送らなかったと言う。
なぜこのような問題になるのかと言えば、もちろん「中国」のためである。日本側が総統を総統として招待しては、中国から「政府間交流だ。台湾を国家と認める気か!」となるし、李登輝氏にしても「悪辣なる台湾独立の広告塔であり、そんな者と交流するなどもっての外だ!」となり、「日台関係を根底から覆す」と騒がれること必定である。
それでこれら要人を招くことなく第一回を開催したのだが、翌日中国の外交部は直ちに次のような非難のコメントを出した。
「中国側の度重なる申し出にも関わらず、日本側が天皇誕生日レセプションを台北で開催し、台湾当局の外交部長、総統府秘書長ら要人を招待したことに対し、われわれは強い不満を表明する」
「台湾問題は中国の主権および領土の保全に関わり、中国側はいかなる国家、いかなる形式であろうと他国の台湾当局との公的関係、公的交流に反対する。日本側の措置は、中日共同声明の関連の原則、精神に背くものだ。中国外交部は在中国日本大使館に再度厳正な申し入れを行い、日本側が劣悪な影響を取り除き、類似事案を二度と起こさないよう要求した」
台湾は中国の領土ではないのだから、日本が台湾との公的交流を行っても文句を言われる筋合いはない。日中共同声明でも日本側は台湾を中国領土などとは認めていない。それなのにいったい何が「共同声明の原則、精神に背く」と言うのか。尊い天長節に関わる問題だけに、中国と言う国の劣悪さが殊更際立っている。
このような国に対し、台湾の方はどうだったか。当日参加した人から聞いたことがあるが、台湾人はレセプション開催をとても喜んだと言う。ことに日本時代を経験している年輩の出席者は、久しぶりの天長節に感無量の様子だったとか。
昨年のレセプションには李登輝氏も初めて出席したそうだ。当時日本のメディアでは「中国が『独立派の総代表』と非難する李氏の出席は初めて」などとわざわざ伝えていたように、これもまた日台関係の深まりの象徴と言えるだろう。
そして昨日のレセプションも盛大だったらしい。台湾側からは邱義仁行政院副院長(副首相)、黄志芳外交部長(外相)、王金平立法院長(国会議長)、陳唐山国家安全会議秘書長のほか、立法委員(国会議員)、経済界の要人などが大勢参加したと言う。
なお今年は交流協会高雄事務所(領事館)も初めてレセプションを開催し、陳菊高雄市長が出席している。

高雄でのレセプション。陳菊高雄市長(左)と
高橋雅二交流協会理事長。(中央通訊社)
ところで黄外交部長は、中国が日本と接触されることを嫌う台湾の外交担当閣僚として、初めて祝辞を述べた。
産経新聞(十二月十三日)によると、黄部長は「(交流協会台北事務所の)池田維代表を『大使』と呼び、『意義深い会合で台湾政府と人民を代表してあいさつし、天皇陛下を始め日本政府と国民に祝賀の意を表することができ光栄だ』と述べた」そうだ。台湾人のことだから、きっと心をこめて、そのように挨拶したものと思われ、日本人としてはとてもありがたく感じる。
あとは日本側が中国に気兼ねをするのをやめ、台湾の駐日代表を堂々と「大使」と呼ぶことができれば、万々歳なのだが。日本人さえ中国を怖がらなければ、両政府の「心からの交流」は可能であると断言できる。もともと日本人と台湾人は、そのような間柄なのだ。
ここまで書いて思い出されるのが、私自身の経験だ。私は毎年天長節には皇居前で一般参賀者への日の丸の旗配りの奉仕に参加している。そこへは大勢の外国人観光客もやってくるのだが、旗を礼儀正しく、あるいは嬉しそうに受け取るのが台湾人で、険しい顔をして、差し出された旗を迷惑そうに拒絶するのが中国人だ。この違いは非常にはっきりしており、そのため奉仕団の団員たちは、台湾人が大好きで、中国人が大嫌いである。
日台の幸福な心の繋がりを、もっともっと強いものにして行くべきではないだろうか。
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これは各国に駐在する大使館、領事館が毎年行うナショナルデー・レセプションの一環だ。台湾では「日華断交」後、「台湾は国ではない」との理由で行われないでいたのが、平成十五年からは毎年開催されるようになっている。
その第一回目を開催した内田勝久前台北事務所長(大使に相当)の著書『大丈夫か、日台関係―「台湾大使」の本音録』によると、当時「政治的状況、政治的配慮もあって天皇誕生日レセプションを差し控えて、今日に至っている。しかし、その後日台関係を巡る状況は着実に進展、成熟しており、今や両国の友好と親善のシンボルとして天皇誕生日レセプション開催の機は熟している」との判断が下され、外務省からも難なく許可が下りたのだそうだ。
ただ問題となったのは、招待する台湾政府要人についてだった。陳水扁総統、呂秀蓮副総統は「必ずしも適当ではない」とされた。李登輝前総統については「いろいろと迷惑がかかることがあるから」との理由で欠席との意向を予め確認した上で、招待状は送らなかったと言う。
なぜこのような問題になるのかと言えば、もちろん「中国」のためである。日本側が総統を総統として招待しては、中国から「政府間交流だ。台湾を国家と認める気か!」となるし、李登輝氏にしても「悪辣なる台湾独立の広告塔であり、そんな者と交流するなどもっての外だ!」となり、「日台関係を根底から覆す」と騒がれること必定である。
それでこれら要人を招くことなく第一回を開催したのだが、翌日中国の外交部は直ちに次のような非難のコメントを出した。
「中国側の度重なる申し出にも関わらず、日本側が天皇誕生日レセプションを台北で開催し、台湾当局の外交部長、総統府秘書長ら要人を招待したことに対し、われわれは強い不満を表明する」
「台湾問題は中国の主権および領土の保全に関わり、中国側はいかなる国家、いかなる形式であろうと他国の台湾当局との公的関係、公的交流に反対する。日本側の措置は、中日共同声明の関連の原則、精神に背くものだ。中国外交部は在中国日本大使館に再度厳正な申し入れを行い、日本側が劣悪な影響を取り除き、類似事案を二度と起こさないよう要求した」
台湾は中国の領土ではないのだから、日本が台湾との公的交流を行っても文句を言われる筋合いはない。日中共同声明でも日本側は台湾を中国領土などとは認めていない。それなのにいったい何が「共同声明の原則、精神に背く」と言うのか。尊い天長節に関わる問題だけに、中国と言う国の劣悪さが殊更際立っている。
このような国に対し、台湾の方はどうだったか。当日参加した人から聞いたことがあるが、台湾人はレセプション開催をとても喜んだと言う。ことに日本時代を経験している年輩の出席者は、久しぶりの天長節に感無量の様子だったとか。
昨年のレセプションには李登輝氏も初めて出席したそうだ。当時日本のメディアでは「中国が『独立派の総代表』と非難する李氏の出席は初めて」などとわざわざ伝えていたように、これもまた日台関係の深まりの象徴と言えるだろう。
そして昨日のレセプションも盛大だったらしい。台湾側からは邱義仁行政院副院長(副首相)、黄志芳外交部長(外相)、王金平立法院長(国会議長)、陳唐山国家安全会議秘書長のほか、立法委員(国会議員)、経済界の要人などが大勢参加したと言う。
なお今年は交流協会高雄事務所(領事館)も初めてレセプションを開催し、陳菊高雄市長が出席している。

高雄でのレセプション。陳菊高雄市長(左)と
高橋雅二交流協会理事長。(中央通訊社)
ところで黄外交部長は、中国が日本と接触されることを嫌う台湾の外交担当閣僚として、初めて祝辞を述べた。
産経新聞(十二月十三日)によると、黄部長は「(交流協会台北事務所の)池田維代表を『大使』と呼び、『意義深い会合で台湾政府と人民を代表してあいさつし、天皇陛下を始め日本政府と国民に祝賀の意を表することができ光栄だ』と述べた」そうだ。台湾人のことだから、きっと心をこめて、そのように挨拶したものと思われ、日本人としてはとてもありがたく感じる。
あとは日本側が中国に気兼ねをするのをやめ、台湾の駐日代表を堂々と「大使」と呼ぶことができれば、万々歳なのだが。日本人さえ中国を怖がらなければ、両政府の「心からの交流」は可能であると断言できる。もともと日本人と台湾人は、そのような間柄なのだ。
ここまで書いて思い出されるのが、私自身の経験だ。私は毎年天長節には皇居前で一般参賀者への日の丸の旗配りの奉仕に参加している。そこへは大勢の外国人観光客もやってくるのだが、旗を礼儀正しく、あるいは嬉しそうに受け取るのが台湾人で、険しい顔をして、差し出された旗を迷惑そうに拒絶するのが中国人だ。この違いは非常にはっきりしており、そのため奉仕団の団員たちは、台湾人が大好きで、中国人が大嫌いである。
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