ここまで日本の安全に関わる台湾総統選挙―台湾人に激励の声を送れ
2007/12/10/Mon
昨日都内では在日台湾人団体の主催で曹長青氏の講演会が開かれた。曹氏は中国人で、当局の弾圧を受けて米国に亡命したジャーナリスト。反共、台湾・チベット独立支持の論陣を張り、台湾では人気が高い。
講演で曹氏は、来年の台湾総統選挙について語る中で、こう言った。
「台湾人民が選ぶのは『謝長廷(民進党)か、馬英九(国民党)か』ではなく、『台湾か、中国か』だ」と。
まさにそのとおりだろう。馬英九の国民党と言う中国人(外省人)主導の勢力が、台湾人から政権を奪い返すために中国との提携を強め、すでにその傀儡となっていることは周知の事実だ。これは日本など、安全保障上、台湾とは密接な関係を持つ日本などの周辺諸国にとっても重大な問題で、日本人には無関心ではいられない。もし国民党が台湾で政権を握ったならどうなるか。これまで親日的だった台湾は、反日国になるのである。つまり中国の膨張を防いで日本周辺の安全を守ってきた台湾の島が、その中国の影響下に転がり込んで行くと言うことだ。
馬英九は先日の訪日で、「私の任期中に中国統一を口にすることはない」などと言って、一部の国会議員たちを安心させ、その支持を取り付けることに成功したらしいが、とんでもないことだ。もちろん馬英九は当選を果たしても、台湾人からすれば「売国」を意味する「統一」は口にするまい。だが任期中に着々と、台湾を中国の側にもって行くことは間違いないのだ。彼の選挙公約である「両岸統一市場」「両岸和平協定」などは第一ステップ以外の何物でもないのである。
馬英九ら国民党には「売国」との自覚はない。なぜなら台湾はもともと中国の一部だと言う信念が、これら中国人たちにはあるからだ。「何で台湾や台湾人のために、祖国から軍事的脅威を受けなければならなのか」「それなら台湾は祖国に差し上げるよ」と言う考えだ。
ところが、このような危機的状況であるのに、いまだ目が覚めないのが台湾人の選挙民だ。彼らは台湾人である以上、中国の支配下に入りたいなどとは思っていない。台湾は「一つの中国」と言った意味のない制約から解放され、中国とは何の関係もない「台湾人の国」としてやって行きたい(国家正常化)と願っている。
しかし国民党に牛耳られたマスメディアの操作によって、国民党でなければ景気は悪化する、失業率は下がらない、豊かさは手に入らない、政治は混乱する、政治汚職の蔓延はとまらない等々、根拠のない情報を真に受けている。もちろんそうなってしまう背景には、民進党であれば中国から武力行使を受ける危険があり、中国の覚えめでたい国民党にすがるしかないと言う諦観にようなものが作用していることも確かだ。
曹氏も「台湾のメディアはいつも、民進党政府に呼応して台湾独立の道を行ってはいけない、さもなくば中国が攻めてくる、と警告を発している。これは台湾人から国家正常化の自信を奪うためだ」と強調している。
そして「台湾人の台湾へのアイデンティティが総統選挙の勝敗を決するポイントとなる」と指摘しているが、それはもっともである。台湾の国民の圧倒的多数が、中国人ではなく台湾人としての自覚を持つまでになった今日、どこまで勇気を持って「台湾」に投票できるかが鍵なのだ。
曹氏は総統選挙に影響を及ぼす三大要素として、この「台湾人民」以外に「中国」と「米国」を挙げている。もちろん台湾を恫喝する中国の動向は大きい。そしてその中国から米国は台湾を守ってくれるのかどうかも大きい。しかしこの米国は、台湾の国連加盟に反対しているように、必ずしも台湾のため、中国の前に立ちはだかってはくれないかの印象が強い。
米国の現政策から見れば、中国との宥和を図る国民党政権のほうが好ましいのではないだろうか。
ところで、その三大要素の中に日本が入っていないのは残念だ。この選挙は日本の安全、そして独立にも大きな影響を及ぼすものとなるが、日本はただそれを傍観している以外に方法はないということだ。
地政学的に台湾とは運命共同体である日本は、台湾を守る日米安保体制の一翼を担っていながらも、極端な媚中姿勢で信頼もされていないと言うか、台湾人の眼中にも置かれていないから、それはやむを得ないのだ。
だが私の観察するところ、たとえば「国民党が政権をとったらアジアに不利だ」とか、「台湾の国連加盟は当然だ」などと言った言論が日本の国会議員やオピニオンリーダーたちの間で見られると、そうしたものを台湾のメディアが大きく報道する傾向があることだ。
やはり台湾人は、中国のために国際社会で孤立に追い込まれている中、米国と言う大国以外には、すぐ隣の日本と言う大国による支持を欲しているのである。日本も運命共同体として台湾の将来に関心があると知れば、それが大きな励みとなるのだ。だから謝長廷も馬英九も、日本との良好な関係を有権者にアピールしようとしているのではないか。
よって日本も、国民党による中国への台湾献上を阻止する方法はあるのである。それは国会議員、識者、国民世論が、「台湾人よ目を覚ませ」「台湾人の台湾を支持する」とのエールを台湾に大々的に送るだけで、必ず多くの台湾人を激励することになるのだ。
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講演で曹氏は、来年の台湾総統選挙について語る中で、こう言った。
「台湾人民が選ぶのは『謝長廷(民進党)か、馬英九(国民党)か』ではなく、『台湾か、中国か』だ」と。
まさにそのとおりだろう。馬英九の国民党と言う中国人(外省人)主導の勢力が、台湾人から政権を奪い返すために中国との提携を強め、すでにその傀儡となっていることは周知の事実だ。これは日本など、安全保障上、台湾とは密接な関係を持つ日本などの周辺諸国にとっても重大な問題で、日本人には無関心ではいられない。もし国民党が台湾で政権を握ったならどうなるか。これまで親日的だった台湾は、反日国になるのである。つまり中国の膨張を防いで日本周辺の安全を守ってきた台湾の島が、その中国の影響下に転がり込んで行くと言うことだ。
馬英九は先日の訪日で、「私の任期中に中国統一を口にすることはない」などと言って、一部の国会議員たちを安心させ、その支持を取り付けることに成功したらしいが、とんでもないことだ。もちろん馬英九は当選を果たしても、台湾人からすれば「売国」を意味する「統一」は口にするまい。だが任期中に着々と、台湾を中国の側にもって行くことは間違いないのだ。彼の選挙公約である「両岸統一市場」「両岸和平協定」などは第一ステップ以外の何物でもないのである。
馬英九ら国民党には「売国」との自覚はない。なぜなら台湾はもともと中国の一部だと言う信念が、これら中国人たちにはあるからだ。「何で台湾や台湾人のために、祖国から軍事的脅威を受けなければならなのか」「それなら台湾は祖国に差し上げるよ」と言う考えだ。
ところが、このような危機的状況であるのに、いまだ目が覚めないのが台湾人の選挙民だ。彼らは台湾人である以上、中国の支配下に入りたいなどとは思っていない。台湾は「一つの中国」と言った意味のない制約から解放され、中国とは何の関係もない「台湾人の国」としてやって行きたい(国家正常化)と願っている。
しかし国民党に牛耳られたマスメディアの操作によって、国民党でなければ景気は悪化する、失業率は下がらない、豊かさは手に入らない、政治は混乱する、政治汚職の蔓延はとまらない等々、根拠のない情報を真に受けている。もちろんそうなってしまう背景には、民進党であれば中国から武力行使を受ける危険があり、中国の覚えめでたい国民党にすがるしかないと言う諦観にようなものが作用していることも確かだ。
曹氏も「台湾のメディアはいつも、民進党政府に呼応して台湾独立の道を行ってはいけない、さもなくば中国が攻めてくる、と警告を発している。これは台湾人から国家正常化の自信を奪うためだ」と強調している。
そして「台湾人の台湾へのアイデンティティが総統選挙の勝敗を決するポイントとなる」と指摘しているが、それはもっともである。台湾の国民の圧倒的多数が、中国人ではなく台湾人としての自覚を持つまでになった今日、どこまで勇気を持って「台湾」に投票できるかが鍵なのだ。
曹氏は総統選挙に影響を及ぼす三大要素として、この「台湾人民」以外に「中国」と「米国」を挙げている。もちろん台湾を恫喝する中国の動向は大きい。そしてその中国から米国は台湾を守ってくれるのかどうかも大きい。しかしこの米国は、台湾の国連加盟に反対しているように、必ずしも台湾のため、中国の前に立ちはだかってはくれないかの印象が強い。
米国の現政策から見れば、中国との宥和を図る国民党政権のほうが好ましいのではないだろうか。
ところで、その三大要素の中に日本が入っていないのは残念だ。この選挙は日本の安全、そして独立にも大きな影響を及ぼすものとなるが、日本はただそれを傍観している以外に方法はないということだ。
地政学的に台湾とは運命共同体である日本は、台湾を守る日米安保体制の一翼を担っていながらも、極端な媚中姿勢で信頼もされていないと言うか、台湾人の眼中にも置かれていないから、それはやむを得ないのだ。
だが私の観察するところ、たとえば「国民党が政権をとったらアジアに不利だ」とか、「台湾の国連加盟は当然だ」などと言った言論が日本の国会議員やオピニオンリーダーたちの間で見られると、そうしたものを台湾のメディアが大きく報道する傾向があることだ。
やはり台湾人は、中国のために国際社会で孤立に追い込まれている中、米国と言う大国以外には、すぐ隣の日本と言う大国による支持を欲しているのである。日本も運命共同体として台湾の将来に関心があると知れば、それが大きな励みとなるのだ。だから謝長廷も馬英九も、日本との良好な関係を有権者にアピールしようとしているのではないか。
よって日本も、国民党による中国への台湾献上を阻止する方法はあるのである。それは国会議員、識者、国民世論が、「台湾人よ目を覚ませ」「台湾人の台湾を支持する」とのエールを台湾に大々的に送るだけで、必ず多くの台湾人を激励することになるのだ。
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