小沢代表が胡錦濤に自制を求める?―台湾の国民投票問題で
2007/12/07/Fri
中国が今頭を悩ませているのが、台湾が来年予定する国連加盟申請の賛否を巡る国民投票だ。これをやられて、加盟を熱望する台湾国民の声が世界に伝わってしまったら、国際世論は台湾の加盟の支持に傾きかねず、「中国統一」と言うものも中国側の一方的な無理強いだとばれてしまうことになるから、必死なのだ。
だが中国がどんなに台湾に警告しても、台湾側としてはそもそも、そんな脅迫妨害活動が嫌になって国民投票で活路を求めようとしているのだから、聞く耳は持たない。そこで唯一の方策として「台湾の守護神」(宗主国)の役割を果たしてきた米国に強く要求し、反対圧力をかけているところだ。
先月下旬にも楊外交部長はライス国務長官と会見し、次のように要求している。あいかわらず、あたかも台湾が中国に脅威を与えているかのように、表現が大げさだ。
「台湾海峡は現在、非常に複雑で敏感な情勢にある。陳水扁氏は国際社会の反対を無視して、勝手放題に、一層ひどく、分裂活動『国連加盟住民投票』を推進し、『台湾の法理上の独立』を図り、台湾海峡の平和と安定を深刻に脅かしている」
「『国連加盟住民投票』に反対し、これを阻止し、台湾海峡の平和・安定を守ることは、中米の共通利益に合致する」
「中米間の三つのコミュニケを実際の行動によって履行し、台湾問題において中国側に示した厳粛な約束を恪守し、台湾への先進武器の売却を停止し、陳水扁当局に誤ったシグナルを送らず、台湾海峡の平和・安定と中米関係の大局を共同で守るように」
台湾が「国際社会の反対を無視し」? どの国も中国の横暴な圧力に屈して台湾加盟の支持を言い出せないだけだ。
「勝手放題に」? 台湾の自由だ。
「平和と安定を脅かしている」? それは一〇〇%、中国自身だ。
米国の「厳格な約束」? 米国は三つのコミュニケでも、台湾が中国領土などとは言っていない。いったい何の約束だ?
いかにも無法国家らしく、言いがかりに満ちている。
ところがライスはこれに対し、「台湾当局の国民投票には反対する」と答えるのである。先日、高村外相は「国民投票は支持しない」と答えたが、こちらはもっと露骨である。いずれにせよ米国も日本も、中国の前に出ると、台湾の民主主義理念を否定していることには変わりない。
独裁国家の要求に屈して民主国家を守れないとなれば、独裁国家からは平和を守れることなどできはしない。今の東アジアは、そう言う事態なのだ。
ところで本七日、国会をすっぽかして訪中している民主党の小沢代表が胡錦濤と会い、台中問題も議題にするらしい。日経は「小沢氏は来年3月の台湾での国連加盟の国民投票に関して『(中国との)緊張関係が強くなる』と懸念を表明しており、中国に自制を促す可能性もある」と報じているが、どう言うことだろう。
おそらく高村外相のように、せいぜい「両岸問題が平和的に解決するよう望む。早期の話し合いを」と言って、「自制を求めました」と強調するだけではないか。それとも時々中国には言いたいことをはっきり言う小沢氏だから、もっとしっかりした態度を示すのだろうか。
みなが台湾問題で中国に対して口をつぐむ中、思わず、藁にもすがる気持ちで、この人物にほのかな期待を寄せてしまうのだが…。
中国訪問を成功させ、民主党の存在価値を際立てようと言うのが今回の狙いらしいが、そう考えること事態、この党も朝貢外交の心理に陥っている証拠だ。つまり中国の覚えめでたいところを示して箔をつけようと言うのは、中華帝国の冊封を受けたかつての周辺諸国と同じなのだ。
中国はここまでいきり立っているのに、それをさらに怒らせるようなことは、やはり言わないだろう。
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だが中国がどんなに台湾に警告しても、台湾側としてはそもそも、そんな脅迫妨害活動が嫌になって国民投票で活路を求めようとしているのだから、聞く耳は持たない。そこで唯一の方策として「台湾の守護神」(宗主国)の役割を果たしてきた米国に強く要求し、反対圧力をかけているところだ。
先月下旬にも楊外交部長はライス国務長官と会見し、次のように要求している。あいかわらず、あたかも台湾が中国に脅威を与えているかのように、表現が大げさだ。
「台湾海峡は現在、非常に複雑で敏感な情勢にある。陳水扁氏は国際社会の反対を無視して、勝手放題に、一層ひどく、分裂活動『国連加盟住民投票』を推進し、『台湾の法理上の独立』を図り、台湾海峡の平和と安定を深刻に脅かしている」
「『国連加盟住民投票』に反対し、これを阻止し、台湾海峡の平和・安定を守ることは、中米の共通利益に合致する」
「中米間の三つのコミュニケを実際の行動によって履行し、台湾問題において中国側に示した厳粛な約束を恪守し、台湾への先進武器の売却を停止し、陳水扁当局に誤ったシグナルを送らず、台湾海峡の平和・安定と中米関係の大局を共同で守るように」
台湾が「国際社会の反対を無視し」? どの国も中国の横暴な圧力に屈して台湾加盟の支持を言い出せないだけだ。
「勝手放題に」? 台湾の自由だ。
「平和と安定を脅かしている」? それは一〇〇%、中国自身だ。
米国の「厳格な約束」? 米国は三つのコミュニケでも、台湾が中国領土などとは言っていない。いったい何の約束だ?
いかにも無法国家らしく、言いがかりに満ちている。
ところがライスはこれに対し、「台湾当局の国民投票には反対する」と答えるのである。先日、高村外相は「国民投票は支持しない」と答えたが、こちらはもっと露骨である。いずれにせよ米国も日本も、中国の前に出ると、台湾の民主主義理念を否定していることには変わりない。
独裁国家の要求に屈して民主国家を守れないとなれば、独裁国家からは平和を守れることなどできはしない。今の東アジアは、そう言う事態なのだ。
ところで本七日、国会をすっぽかして訪中している民主党の小沢代表が胡錦濤と会い、台中問題も議題にするらしい。日経は「小沢氏は来年3月の台湾での国連加盟の国民投票に関して『(中国との)緊張関係が強くなる』と懸念を表明しており、中国に自制を促す可能性もある」と報じているが、どう言うことだろう。
おそらく高村外相のように、せいぜい「両岸問題が平和的に解決するよう望む。早期の話し合いを」と言って、「自制を求めました」と強調するだけではないか。それとも時々中国には言いたいことをはっきり言う小沢氏だから、もっとしっかりした態度を示すのだろうか。
みなが台湾問題で中国に対して口をつぐむ中、思わず、藁にもすがる気持ちで、この人物にほのかな期待を寄せてしまうのだが…。
中国訪問を成功させ、民主党の存在価値を際立てようと言うのが今回の狙いらしいが、そう考えること事態、この党も朝貢外交の心理に陥っている証拠だ。つまり中国の覚えめでたいところを示して箔をつけようと言うのは、中華帝国の冊封を受けたかつての周辺諸国と同じなのだ。
中国はここまでいきり立っているのに、それをさらに怒らせるようなことは、やはり言わないだろう。
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