NHKだけではないー台湾人を「台湾人」と呼べないマスメディア
2014/07/26/Sat
七月二十三日に台湾で発生した旅客機の墜落事故に遭った乗客に関し、「乗客のほとんどが台湾の人で、日本人は乗っていなかった」と報じたNHK。
本ブログの二十四日の記事で書いたように、台湾人を「台湾人」とせずに「台湾の人」と呼んだのを、NHKは「台湾は国ではなく地域とする政府の考え方に従った」と釈明する。「日本人」の「日本」は国名であるが「台湾」は地域名だから「台湾人」と表現できないというのだ。
しかしその一方でNHKはこれまで、やはり政府が「地域」とするパレスチナの住民については「パレスチナ人」と呼称している。
要するに「パレスチナ人」は可だが、「台湾人」だけは不可ということだ。それは「台湾は国ではなく、中国の一地方だ」と主張(宣伝)する中国の怒りを恐れているからだ。
こうした台湾人差別を、NHKは事故の犠牲者に対しても加えたわけだ。
それでは、他のマスメディアはどう報じているのか。

大勢の犠牲者を出した台湾での墜落事故。これ
を報じる日本のメディアはなおも中国の顔色をう
かがうのか
TBSは「日本人はおらず、死亡した2人のフランス人以外は台湾の乗客」とし、やはり「日本人」「フランス人」とはしながら「台湾人」とだけは呼んでいない。ここも禁句としているのだろうか。
毎日新聞は「フランス人2人と香港人1人を含む48人が死亡した」と伝えた。「地域」である香港の人を「香港人」と呼んでいる。要するにメディアが報じる「○○人」の○○は、何も国名とは限らないのである。NHKはずいぶんと好い加減な釈明をしたものだ。
もう一つ気になったのは産経新聞だ。「乗客にはフランス人2人も含まれており…残る56人は台湾籍」と書いている。
なぜわざわざ「台湾籍」としたのか。それを知るために産経の読者サービス室に電話をかけると、応対に出た相手も首をかしげた。
そして私が何も言わない内に、「あなたが想像されている通りではないか」とつぶやくのだ。
「何かへの配慮と言うことか」と聞くと、「はい…」と。しかし何への「配慮」かは、わからないとのこと。
もし「配慮」があるとしたら、中国に対してだろうか。これまで産経は「台湾人」との呼称は何度も用いており、その辺はNHKとは違うようだが。
それとも、在台中国人への配慮だろうか。国共内戦で敗れ、蒋介石と共に台湾へ亡命してきた人々やその子孫の内、自身を「台湾人ではなく中国人だ」と頑なに主張する人々があの国にはいて、中には口うるさい中華民族主義者もいるから、そのような勢力の感情を慮ったというなら、気の遣いすぎだ。
先頃、台湾の政治大学選挙研究センターが発表した世論調査の結果によると、台湾では自分を「台湾人」と考える人は六〇・四%で、九二年の調査開始以来の最高値を記録。「台湾人であり中国人」は過去最低の三二・七%で、「中国人」と考えるのも同じく三・五%に過ぎなかった。それに今や、中華民族主義者の代表者である馬英九総統ですら、「台湾人」と自称する時代なのだ。
ちなみに当の台湾のマスメディアはどう報道しているのだろうか。
私がざっと見た限りでは、だいたい台湾人の乗客については、ただ「乗客」とのみ表現していた。
それでは中国メディアはどうか。
香港のサウスチャイナ・モーニング・ポスト(中国語版)は台湾人を「台湾人」と書いていた。「二名のフランスの旅客を除く五十二名の乗客及び四名の乗組員はみな台湾人」と。
しかし中国国営通信の中国新聞社はそれとは違った。「二名のフランスの旅客を除く五十二名の乗客及び四名の乗組員はみな台湾地区籍」としている。「台湾地区籍」とは「中華人民共和国台湾地区籍」と言う意味だ。
産経の所謂「台湾籍」が、それを真似たものとは思わない。
しかし日本のマスメディアが、ここまで侵略主義剥き出しの国の顔色をうかがい、台湾人を「台湾人」と呼ぶことすらできないと言うなら、あまりにも無様だ。正義と言うものはないのかと言う話になる。
そのため、私はこういった問題への注意を喚起したいのである。
【過去の関連記事】
NHKの台湾人差別―旅客機墜落事故の報道でも 14/07/24
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2408.html
*******************************************
ブログランキング参加中
よろしければクリックをお願いします。 運動を拡大したいので。
↓ ↓

モバイルはこちら
↓ ↓
http://blog.with2.net/link.php
link.php
本ブログの二十四日の記事で書いたように、台湾人を「台湾人」とせずに「台湾の人」と呼んだのを、NHKは「台湾は国ではなく地域とする政府の考え方に従った」と釈明する。「日本人」の「日本」は国名であるが「台湾」は地域名だから「台湾人」と表現できないというのだ。
しかしその一方でNHKはこれまで、やはり政府が「地域」とするパレスチナの住民については「パレスチナ人」と呼称している。
要するに「パレスチナ人」は可だが、「台湾人」だけは不可ということだ。それは「台湾は国ではなく、中国の一地方だ」と主張(宣伝)する中国の怒りを恐れているからだ。
こうした台湾人差別を、NHKは事故の犠牲者に対しても加えたわけだ。
それでは、他のマスメディアはどう報じているのか。

大勢の犠牲者を出した台湾での墜落事故。これ
を報じる日本のメディアはなおも中国の顔色をう
かがうのか
TBSは「日本人はおらず、死亡した2人のフランス人以外は台湾の乗客」とし、やはり「日本人」「フランス人」とはしながら「台湾人」とだけは呼んでいない。ここも禁句としているのだろうか。
毎日新聞は「フランス人2人と香港人1人を含む48人が死亡した」と伝えた。「地域」である香港の人を「香港人」と呼んでいる。要するにメディアが報じる「○○人」の○○は、何も国名とは限らないのである。NHKはずいぶんと好い加減な釈明をしたものだ。
もう一つ気になったのは産経新聞だ。「乗客にはフランス人2人も含まれており…残る56人は台湾籍」と書いている。
なぜわざわざ「台湾籍」としたのか。それを知るために産経の読者サービス室に電話をかけると、応対に出た相手も首をかしげた。
そして私が何も言わない内に、「あなたが想像されている通りではないか」とつぶやくのだ。
「何かへの配慮と言うことか」と聞くと、「はい…」と。しかし何への「配慮」かは、わからないとのこと。
もし「配慮」があるとしたら、中国に対してだろうか。これまで産経は「台湾人」との呼称は何度も用いており、その辺はNHKとは違うようだが。
それとも、在台中国人への配慮だろうか。国共内戦で敗れ、蒋介石と共に台湾へ亡命してきた人々やその子孫の内、自身を「台湾人ではなく中国人だ」と頑なに主張する人々があの国にはいて、中には口うるさい中華民族主義者もいるから、そのような勢力の感情を慮ったというなら、気の遣いすぎだ。
先頃、台湾の政治大学選挙研究センターが発表した世論調査の結果によると、台湾では自分を「台湾人」と考える人は六〇・四%で、九二年の調査開始以来の最高値を記録。「台湾人であり中国人」は過去最低の三二・七%で、「中国人」と考えるのも同じく三・五%に過ぎなかった。それに今や、中華民族主義者の代表者である馬英九総統ですら、「台湾人」と自称する時代なのだ。
ちなみに当の台湾のマスメディアはどう報道しているのだろうか。
私がざっと見た限りでは、だいたい台湾人の乗客については、ただ「乗客」とのみ表現していた。
それでは中国メディアはどうか。
香港のサウスチャイナ・モーニング・ポスト(中国語版)は台湾人を「台湾人」と書いていた。「二名のフランスの旅客を除く五十二名の乗客及び四名の乗組員はみな台湾人」と。
しかし中国国営通信の中国新聞社はそれとは違った。「二名のフランスの旅客を除く五十二名の乗客及び四名の乗組員はみな台湾地区籍」としている。「台湾地区籍」とは「中華人民共和国台湾地区籍」と言う意味だ。
産経の所謂「台湾籍」が、それを真似たものとは思わない。
しかし日本のマスメディアが、ここまで侵略主義剥き出しの国の顔色をうかがい、台湾人を「台湾人」と呼ぶことすらできないと言うなら、あまりにも無様だ。正義と言うものはないのかと言う話になる。
そのため、私はこういった問題への注意を喚起したいのである。
【過去の関連記事】
NHKの台湾人差別―旅客機墜落事故の報道でも 14/07/24
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2408.html
*******************************************
ブログランキング参加中
よろしければクリックをお願いします。 運動を拡大したいので。
↓ ↓

モバイルはこちら
↓ ↓
http://blog.with2.net/link.php
link.php
スポンサーサイト