台湾―日本の「生命共同体」としての存在を知ろう
2007/12/01/Sat
台湾の対中渡航解禁から二十周年を向かえたことを機に、同国の海峡交流基金会が十一月二十八日に発表した世論調査の結果によると、戦後の洗脳教育によって植え込まれてきた中国人意識の除去が着実に進んでいることが明らかになった。
「あなたは台湾人か中国人か」と言うよくある問いで、次のような結果が出たのだ。
「私は台湾人」六三%、「私は台湾人にして中国人」一四%、「私は中国人」一八%。
民主化が始まった約二十年前なら、九割以上が「私は中国人」と答えていたことを考えれば、これは大きな変化だ。その後の調査でも、近年圧倒的に多かった「私は台湾人にして中国人」は今や一八%。もっともそれに「私は中国人」の一四%を足すと、三四%がいまだ中国人意思を拭えないでいるとも考えられるが、人口の約二〇%が中国人(外省人)に占められていることを思えば、その層にまで台湾人意識が浸透しつつあると言うこともできるのである。
調査では、この二十年間で「中国へ行ったことがある」は三七%、「親戚、友人が中国へ行ったことがある」が八二%だったそうだ。このように中国人とはいかなるものかを目の当たりにし、自己との異質性を確認できたことも、台湾人意識の向上に大きな役割を果たしている。
実は戦時中にも台湾人は、当時の中国の惨状を目の当たりにし、日本統治下の台湾社会の安定と繁栄を再確認して、日本国民としての意識を強化した。終戦後も中国の軍、官僚の前近代性を見て、反中国意識を強化したりで、いつも中国に甘い幻想を抱いては、幻想とは違う中国の現実を見るたびに、反中国に転じると言う繰り返しだが、情報化がすっかり進んだ今日、もはや中国の幻想(政治宣伝)には、簡単には騙されることはないだろう。
先日の十七大で胡錦濤は①「両岸(中国と台湾)は一つの中国に属す運命共同体だ」、②「両岸の人民が台湾の前途を決定する」と言い放ったが、①については六五%が反対、②については七六%が反対を表明した。もし中国の武力による圧力がなければ、これら反対回答の数値はおそらく一〇〇%に近づいて行くのではないだろうか。
中国国民党の洗脳教育や中国共産党の政治宣伝も、台湾人の中国人化には失敗したのは、台湾人が近代文明を持っていて、中国の国情とは合わない人々だからだ。だから胡錦濤がいかに「運命共同体だ」などと台湾人の同胞意識に訴えても、台湾人にはもはやそのような意識がないのだから仕方がない。
ところがそうした胡錦濤の虚しくも身勝手な台湾への思いに配慮して、台湾の国連加盟に反対するのが米国政府であり、台湾との政府間交流をあえて行おうとしないのが日本政府である。
台湾が中国に併呑されれば、困るのは日米である。ことに日本の場合は海外に対する出入り口を中国に扼されるようなもので、自国の存亡に関わる事態となる。そのような戦略的要衝である台湾の人々も、中国併呑に反対し、日米の陣営についていたいと願っているのだから、日台こそが「運命共同体」なのだ。
李登輝氏は昔から日台は「運命共同体だ」と言ってきた。そして最近ではもっと明確に「生命共同体だ」とまで訴えているのだが、日本国民の多くは平和ボケだから、いまだにそれが何の意味であるかがよくわからない。
共同体である以上、もっと日台は交流するべきだろう。軍事同盟締結、国交樹立も、日本さえ望めば、すぐに実現するのだ。日台なら文化、価値観は共通だし、ともに反中国意識が旺盛だから、とても仲のいいパートナーとしてやって行けることだろう。
そうなれば中国の膨張に対する大きな防波堤となるのだが、そうすると中国が怒るので、日本政府は何もできないのである。自らの「生命」を守ろうともしないところにこそ、今日の日本の国家としての最大欠陥があるのだ。
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「私は台湾人」六三%、「私は台湾人にして中国人」一四%、「私は中国人」一八%。
民主化が始まった約二十年前なら、九割以上が「私は中国人」と答えていたことを考えれば、これは大きな変化だ。その後の調査でも、近年圧倒的に多かった「私は台湾人にして中国人」は今や一八%。もっともそれに「私は中国人」の一四%を足すと、三四%がいまだ中国人意思を拭えないでいるとも考えられるが、人口の約二〇%が中国人(外省人)に占められていることを思えば、その層にまで台湾人意識が浸透しつつあると言うこともできるのである。
調査では、この二十年間で「中国へ行ったことがある」は三七%、「親戚、友人が中国へ行ったことがある」が八二%だったそうだ。このように中国人とはいかなるものかを目の当たりにし、自己との異質性を確認できたことも、台湾人意識の向上に大きな役割を果たしている。
実は戦時中にも台湾人は、当時の中国の惨状を目の当たりにし、日本統治下の台湾社会の安定と繁栄を再確認して、日本国民としての意識を強化した。終戦後も中国の軍、官僚の前近代性を見て、反中国意識を強化したりで、いつも中国に甘い幻想を抱いては、幻想とは違う中国の現実を見るたびに、反中国に転じると言う繰り返しだが、情報化がすっかり進んだ今日、もはや中国の幻想(政治宣伝)には、簡単には騙されることはないだろう。
先日の十七大で胡錦濤は①「両岸(中国と台湾)は一つの中国に属す運命共同体だ」、②「両岸の人民が台湾の前途を決定する」と言い放ったが、①については六五%が反対、②については七六%が反対を表明した。もし中国の武力による圧力がなければ、これら反対回答の数値はおそらく一〇〇%に近づいて行くのではないだろうか。
中国国民党の洗脳教育や中国共産党の政治宣伝も、台湾人の中国人化には失敗したのは、台湾人が近代文明を持っていて、中国の国情とは合わない人々だからだ。だから胡錦濤がいかに「運命共同体だ」などと台湾人の同胞意識に訴えても、台湾人にはもはやそのような意識がないのだから仕方がない。
ところがそうした胡錦濤の虚しくも身勝手な台湾への思いに配慮して、台湾の国連加盟に反対するのが米国政府であり、台湾との政府間交流をあえて行おうとしないのが日本政府である。
台湾が中国に併呑されれば、困るのは日米である。ことに日本の場合は海外に対する出入り口を中国に扼されるようなもので、自国の存亡に関わる事態となる。そのような戦略的要衝である台湾の人々も、中国併呑に反対し、日米の陣営についていたいと願っているのだから、日台こそが「運命共同体」なのだ。
李登輝氏は昔から日台は「運命共同体だ」と言ってきた。そして最近ではもっと明確に「生命共同体だ」とまで訴えているのだが、日本国民の多くは平和ボケだから、いまだにそれが何の意味であるかがよくわからない。
共同体である以上、もっと日台は交流するべきだろう。軍事同盟締結、国交樹立も、日本さえ望めば、すぐに実現するのだ。日台なら文化、価値観は共通だし、ともに反中国意識が旺盛だから、とても仲のいいパートナーとしてやって行けることだろう。
そうなれば中国の膨張に対する大きな防波堤となるのだが、そうすると中国が怒るので、日本政府は何もできないのである。自らの「生命」を守ろうともしないところにこそ、今日の日本の国家としての最大欠陥があるのだ。
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