中国監視船が現場放棄!-「頑張れ日本!全国行動委員会」の第16回尖閣漁業活動レポート
2013/08/21/Wed
「頑張れ日本!全国行動委員会」は八月十七、十八日、第十六回目の尖閣諸島集団漁業活動を実施。私も参加した。
今回の目的は漁撈に加え、ちょうど一年前と同様に大東亜戦争末期に尖閣諸島付近で空襲に遭い、魚釣島に漂着後死亡した民間人の慰霊法要を行うことにあった。
十六日から続々と石垣島に集結した三十名前後のメンバーは、まず十七日午後五時ごろ、慰霊活動の一環として石垣島に建つ慰霊碑前で法要を行う。

魚釣島では異例ができないため、石垣島に慰霊碑が立っている
そして午後十時過ぎに新川漁港で五隻の漁船に分乗し、出港した。

新川漁港を出航。中国監視船の襲撃が予測され、乗り組員の士気は高まった
今回も予想されたのが中国の武装監視船「海警」の襲撃だ。漁業活動を通じて実効支配の事実を積み重ねる我々漁船団に対抗し、我々が帰途に着いた際、一斉に追跡を始め、「日本の漁船を駆逐した」と内外に向けて宣伝し、中国による実効支配をでっち上げるというのが中国の常套手段である。
現在尖閣諸島の接続水域、領海には海警が「常駐」している状況が続き、十六日には四隻が徘徊し、その後新たな五隻と入れ替わるなどしており、我々が出港前にも海保から「尖閣周辺には九隻の海警がいる」「今までになく荒っぽいことをする恐れがある」といった情報が伝わっていた。
十八日午前五時すぎ、漁船団は南小島、北小島の西側を抜けて魚釣島周辺の海域に至ると、いつもながらに海保の巡視船やゴムボートが押し寄せてきて、島から一マイル以内への侵入を阻止しよう立ちはだかった。

夜明け前に南小島、北小島付近を通過。海保巡視船が追尾して来た

魚釣島への接近を拒む海保船
一マイル以内への進入禁止には法的根拠はない。海保はただ我々が海に飛び込み、泳いで上陸を目指すのだけを警戒しているのである。
そこで上陸を許されない我々は、船上で慰霊法要を行った。読経の間、それまでの波はぱたりと止んだ。亡くなった人々が我々の心を受け容れたのだろう。

石垣島で有名な桃林寺の住職による船上での慰霊追善法要。補佐するのは長尾たかし前衆議院議員。この時、波が治まった
しかし五隻の漁船のうち一隻はその場にいなかった。後で判明したことだが、四隻は一マイル以内に入っていたが、それだけは海保に阻止され、慰霊活動に加わることができなかったのである。
その後、午後一時に帰途に着くまでの間、各船は漁労を行ったのだが、いずれも不漁だったようだ。海保による海域の制限が影響したのだという。
さて中国の監視船だが、この日はついに姿を現さなかった。石垣島に帰着し、海保からの話として聞かされたのは、台風接近のため午前中に接続海域を出たというもの(報道では十七日夜に出た)。
今回の活動にはBBC、AP、ロイターなど欧米メディアが関心を寄せたほか、中国の御用メディアも速報を繰り返した。さすがに今回ばかりは「中国船が漁船を駆逐した」とのでっち上げはしなかったが、しかしだからといって漁業活動が成功を収めたという事実だけは何としても否定しようとした。
国営新華社や中共機関紙人民日報系の国際情報紙環球時報などは、おおよそ次のように強調している。
「日本の右翼団体、『頑張れ日本!全国行動委員会」のメンバーは島まで一マイルの地点で、海保艦船から引き返すよう命じられた」
「海保の阻止を受け、島への接近を禁じられて上陸できず、この団体が言うところの『第十六回尖閣諸島集団漁業活動・慰霊祭』は不成功に終わった」
「NHKなど日本の主流メディアは彼らの活動を報道せず、非主流メディアのニコニコ動画だけが伝えていた」
「不成功に終わった」というが、これは完全な作り話だ。
我々にはもともと上陸する計画などなく、予測された中国船の妨害もなく、漁業、慰霊活動を予定通り、そして滞りなく成し遂げているのである。

海保に追われて活動が失敗したというのは中国のデマだ。このように漁は行われ、実効支配の事実が積み重ねられた
海保による「阻止」は事実だ。海保は不必要に自国民の活動を阻止したため、完全に中国の宣伝に利用されてしまっているわけだ。このような行為が報じられることで、「日本の政府もまた尖閣諸島の主権争議の存在を認めている」といった印象が内外に拡散されるのは必至である。
「NHKなど主流メディア」が活動を一切報じないのも事実であり、やはりこのことも宣伝で利用されているのだろう。
その他、我々が海警が尖閣海域から離脱したのに乗じて進入したといった作り話も見られるなど、実に言いたい放題だ。しかしそれはそれほどあの国が、我々の行動を警戒しているということだ。

中国メディアは漁業活動を逐一報道し続けた
実際に次のような警鐘も打ち鳴らされている。
中国現代国際関係研究院の学者である劉軍紅氏は環球時報の取材を受け、次のように語った
「日本のやり方は無頼だ。しかし国際法の問題として、このような無頼で姑息なやり方も無視はできない。中国は抗議すべきは必ず抗議すべきだ。もし中国が日本右翼の無頼行為を相手にしなければ、いずれ日本は『あなたたちは抗議しなかった』とし、それを理由に主権に関する要求を強化するだろう。これは国際法上の問題である。近代国際法によれば主権の割譲は領土占有の唯一の権原であり、それは主に植民者の利益を守るものだ。だから主権争議では直ちに抗議すべき。日本側は法理上、民間の行為を通じた騒擾に期待している」
この「学者」のコメントは、日本が尖閣諸島を奪おうとしていると強調するデタラメではあるが、しかしここからはっきりと伝わってくるのは、こうした漁業活動の継続を許し、日本の実効支配がますます強化されることへの焦燥感である。
それではなぜ今回、中国の監視船はこうした漁業活動を目の当たりにしながら「現場放棄」をしたのか。もちろん「台風」云々は口実だろう。
おそらくこれまでの如く「駆逐」は海保の阻止によって不可能であり、それによって恥をさらし続け、あるいは徒に海保との間で緊張を高め続けるの不利と見たからではないだろうか。
七月末に行われた外務省の斎木昭隆事務次官と中国政府高官との尖閣諸島問題を巡る交渉で、日本側が我々の上陸を阻止する代わりに、中国側は我々に接近しないことで合意があったとする情報もあるようだ。
事実、中国メディアは前述の如く、海保が漁船の島への接近を阻止したことを強調している。

執拗に漁船の後を付けてきた海保船。この光景を中国に見せたかったようだ
もしそれであるのなら、「実効支配」を巡る「頑張れ日本」と中国監視船とのせめぎ合いでは、前者が大成功を収めているということではないのか。
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今回の目的は漁撈に加え、ちょうど一年前と同様に大東亜戦争末期に尖閣諸島付近で空襲に遭い、魚釣島に漂着後死亡した民間人の慰霊法要を行うことにあった。
十六日から続々と石垣島に集結した三十名前後のメンバーは、まず十七日午後五時ごろ、慰霊活動の一環として石垣島に建つ慰霊碑前で法要を行う。


魚釣島では異例ができないため、石垣島に慰霊碑が立っている
そして午後十時過ぎに新川漁港で五隻の漁船に分乗し、出港した。


新川漁港を出航。中国監視船の襲撃が予測され、乗り組員の士気は高まった
今回も予想されたのが中国の武装監視船「海警」の襲撃だ。漁業活動を通じて実効支配の事実を積み重ねる我々漁船団に対抗し、我々が帰途に着いた際、一斉に追跡を始め、「日本の漁船を駆逐した」と内外に向けて宣伝し、中国による実効支配をでっち上げるというのが中国の常套手段である。
現在尖閣諸島の接続水域、領海には海警が「常駐」している状況が続き、十六日には四隻が徘徊し、その後新たな五隻と入れ替わるなどしており、我々が出港前にも海保から「尖閣周辺には九隻の海警がいる」「今までになく荒っぽいことをする恐れがある」といった情報が伝わっていた。
十八日午前五時すぎ、漁船団は南小島、北小島の西側を抜けて魚釣島周辺の海域に至ると、いつもながらに海保の巡視船やゴムボートが押し寄せてきて、島から一マイル以内への侵入を阻止しよう立ちはだかった。

夜明け前に南小島、北小島付近を通過。海保巡視船が追尾して来た

魚釣島への接近を拒む海保船
一マイル以内への進入禁止には法的根拠はない。海保はただ我々が海に飛び込み、泳いで上陸を目指すのだけを警戒しているのである。
そこで上陸を許されない我々は、船上で慰霊法要を行った。読経の間、それまでの波はぱたりと止んだ。亡くなった人々が我々の心を受け容れたのだろう。


石垣島で有名な桃林寺の住職による船上での慰霊追善法要。補佐するのは長尾たかし前衆議院議員。この時、波が治まった
しかし五隻の漁船のうち一隻はその場にいなかった。後で判明したことだが、四隻は一マイル以内に入っていたが、それだけは海保に阻止され、慰霊活動に加わることができなかったのである。
その後、午後一時に帰途に着くまでの間、各船は漁労を行ったのだが、いずれも不漁だったようだ。海保による海域の制限が影響したのだという。
さて中国の監視船だが、この日はついに姿を現さなかった。石垣島に帰着し、海保からの話として聞かされたのは、台風接近のため午前中に接続海域を出たというもの(報道では十七日夜に出た)。
今回の活動にはBBC、AP、ロイターなど欧米メディアが関心を寄せたほか、中国の御用メディアも速報を繰り返した。さすがに今回ばかりは「中国船が漁船を駆逐した」とのでっち上げはしなかったが、しかしだからといって漁業活動が成功を収めたという事実だけは何としても否定しようとした。
国営新華社や中共機関紙人民日報系の国際情報紙環球時報などは、おおよそ次のように強調している。
「日本の右翼団体、『頑張れ日本!全国行動委員会」のメンバーは島まで一マイルの地点で、海保艦船から引き返すよう命じられた」
「海保の阻止を受け、島への接近を禁じられて上陸できず、この団体が言うところの『第十六回尖閣諸島集団漁業活動・慰霊祭』は不成功に終わった」
「NHKなど日本の主流メディアは彼らの活動を報道せず、非主流メディアのニコニコ動画だけが伝えていた」
「不成功に終わった」というが、これは完全な作り話だ。
我々にはもともと上陸する計画などなく、予測された中国船の妨害もなく、漁業、慰霊活動を予定通り、そして滞りなく成し遂げているのである。


海保に追われて活動が失敗したというのは中国のデマだ。このように漁は行われ、実効支配の事実が積み重ねられた
海保による「阻止」は事実だ。海保は不必要に自国民の活動を阻止したため、完全に中国の宣伝に利用されてしまっているわけだ。このような行為が報じられることで、「日本の政府もまた尖閣諸島の主権争議の存在を認めている」といった印象が内外に拡散されるのは必至である。
「NHKなど主流メディア」が活動を一切報じないのも事実であり、やはりこのことも宣伝で利用されているのだろう。
その他、我々が海警が尖閣海域から離脱したのに乗じて進入したといった作り話も見られるなど、実に言いたい放題だ。しかしそれはそれほどあの国が、我々の行動を警戒しているということだ。

中国メディアは漁業活動を逐一報道し続けた
実際に次のような警鐘も打ち鳴らされている。
中国現代国際関係研究院の学者である劉軍紅氏は環球時報の取材を受け、次のように語った
「日本のやり方は無頼だ。しかし国際法の問題として、このような無頼で姑息なやり方も無視はできない。中国は抗議すべきは必ず抗議すべきだ。もし中国が日本右翼の無頼行為を相手にしなければ、いずれ日本は『あなたたちは抗議しなかった』とし、それを理由に主権に関する要求を強化するだろう。これは国際法上の問題である。近代国際法によれば主権の割譲は領土占有の唯一の権原であり、それは主に植民者の利益を守るものだ。だから主権争議では直ちに抗議すべき。日本側は法理上、民間の行為を通じた騒擾に期待している」
この「学者」のコメントは、日本が尖閣諸島を奪おうとしていると強調するデタラメではあるが、しかしここからはっきりと伝わってくるのは、こうした漁業活動の継続を許し、日本の実効支配がますます強化されることへの焦燥感である。
それではなぜ今回、中国の監視船はこうした漁業活動を目の当たりにしながら「現場放棄」をしたのか。もちろん「台風」云々は口実だろう。
おそらくこれまでの如く「駆逐」は海保の阻止によって不可能であり、それによって恥をさらし続け、あるいは徒に海保との間で緊張を高め続けるの不利と見たからではないだろうか。
七月末に行われた外務省の斎木昭隆事務次官と中国政府高官との尖閣諸島問題を巡る交渉で、日本側が我々の上陸を阻止する代わりに、中国側は我々に接近しないことで合意があったとする情報もあるようだ。
事実、中国メディアは前述の如く、海保が漁船の島への接近を阻止したことを強調している。


執拗に漁船の後を付けてきた海保船。この光景を中国に見せたかったようだ
もしそれであるのなら、「実効支配」を巡る「頑張れ日本」と中国監視船とのせめぎ合いでは、前者が大成功を収めているということではないのか。
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