在日台湾人が「中国国籍」から解放!/これは民間要求運動の一つの戦果だ
2012/07/10/Tue
■日本で法的身分は「中国国民」だった台湾人
在日外国人の身分証が七月九日から外国人登録証(外登証)から在留カードへと切り替わり、これを機に在日台湾人の外登証「国籍等」欄で記載されていた「中国」が、在留カードの「国籍・地域」欄において「台湾」と修正された。

在日台湾人の外登証(上)にあった「中国」は、在留カード(下)で「台湾」に
一九五二年から法務省が交付してきた外登証だが、なぜ「中国」とされてきたのか。
実は当初、それは「中華民国」を意味していた。
当時日本政府は「中国」政権として台湾へ亡命した中華民国を承認していたが、しかし台湾を中華民国領と認めていたわけではなかった(台湾は日本が放棄した後、その帰属先は未定だった)。しかし中華民国の旅券を所持する在日台湾人を無国籍とするわけにもいかず、便宜上「中華民国」籍と看做すこととなったのだ。
ところが一九七二年、日本は承認する「中国」政権を中華人民共和国に切り替え、外国人登録上の「中国」も「中華人民共和国」を意味するようになった後も、台湾人にはなお「中国」を押し付け続けたのである。
かくて台湾人の日本における法的身分は「中華人民共和国国民」となったのである。これにより彼らは言いも知れない屈辱を味わうこととなる。
たとえば自動車免許証上の「国籍」も「中国」となる。自動車で急病人の下に駆け付ける途中の台湾人医師が、警察官に免許証の提示を求められ、「中国」の二文字のために長時間にわたる職務質問を受けたとか、日本の大学に入学を果たした台湾人留学生が、校内名簿で「中国」出身者とされているのに目を疑ったなど、笑うに笑えないエピソードは枚挙にいとまがない。
だから今回の修正措置は、台湾人の尊厳、人権に対する政府の侵害行為の停止を意味したわけだが、事ここに至った背景には、在日台湾人や台湾を応援する台湾研究フォーラムなど日本人勢力の、二〇〇一年以来の訂正要求の運動があった。
■中国への恐れかー大胆なウソで修正拒否した法務省
運動開始当時、外登証を管轄する法務省入国管理局に対し、最初に調査の電話を入れる役を担ったのが私だった。
その時私は内心では、さすがの法務省も訂正に応じざるを得ないだろうと考えていた。
なぜならこうした措置は、いかなる詭弁やウソでも覆い隠しようもない一〇〇%の誤りだからだ。ちなみにこの措置は外国人登録法と言った法律に基づくものではなく、単なる入管内部の取り決め(内規)にしか過ぎず、修正は比較的に容易なはずだった。
ところが私の考えは甘すぎた。法務省は堂々と詭弁を弄し、かたくなに訂正を拒否したのだ。
曰く「台湾人を無国籍するわけにはいかない」だとか。「無国籍」が都合悪いと言って、なぜ「中国」にしなければならないのか。もちろん「無国籍の方がいい」と多くの台湾人が言っていた。
「『中国』とは広い意味の中国。台湾人の『中国』は中華人民共和国を意味しない」とも言い張った。
だが「広い意味の中国」がどこに存在するのか。法務省はそれには答えられなかった。そこで外務省に聞いて見たところ、当然のことながら「そんなものは存在しない。法務省は間違っている」と言っていた。
しかしそのようなウソ、詭弁の入れ知恵を裏で法務省に行っていたのは他ならぬ、この外務省だったと私は感じていた。
日本の政府はここまで大胆なウソを国民につくのか、と驚愕したものだ。もちろんその背景には、改正を行って中国との外交問題に発展させたくないとの思いもあったはずだ。
■台湾人の「大人しさ」をいいことに「中国」押し付ける
その後、在日台湾人とともに百五十人ほどの日台共闘抗議デモを東京入管と法務省に掛けることになった。
私からその予告を受けた東京入管は、私を個人的に知る職員を通じ、「デモで騒ぐまでもない。要求の文書はきちんと受け取る上げる」と言ったような話で私の籠絡を図ってきた。つまり、私や台湾人たちの怒りを甘く見ていたのだ。
台湾人は中国人や朝鮮人よりはるかに大人しいのを一番知っているのが入管だ。そもそも「中国」国籍の押し付けは、日本人に遠慮して強く抗議しない台湾人の「大人しさ」をいいことに継続されてきたと言ってもいい。
ところが東京入管前に現れたデモ隊は「大人しくなかった」。台湾人たちは積年の恨みを胸に、この日ばかりは激しい怒声を上げた。「台湾は中国ではない!」「台湾は台湾だ!」と。

2001年、「台湾は中国ではない」と叫んで東京入管に押し掛けた日台共闘のデモ隊
私は今でも、青ざめた顔で立ちつくす入管職員たちの姿を覚えている。たしか二〇〇一年八月のことだ。
■台湾人の「心の声」におびえた法務省
二〇〇四年には国会で西村眞悟衆院議員がこの問題に関する質問を森山真弓法相に対して行ったが、森山氏は「外国人登録が始まって以来『中国』になっている」と答えるのみで、まともに取り合わない。もっとも法務省としては、そうした詭弁にもならない詭弁で逃げざるを得ないほど、追い詰められていたのだろう。
二〇〇八年二月に発覚したことだが、同省が策定した人権擁護法案の規則案には、「中国」国籍の押し付けを人権侵害だとする申告は、人権委員会の調査の対象外になると書かれていた。
そこで私が法務省人権擁護局に詳細を聞くと、「この問題はいろいろな人たちから多くの声が寄せられている。そこで整理をしようとしているのだ」と答えた。
正直な答えだった。つまり「法務省は台湾人に対する人権侵害の加害者にされたくない」と告白したに等しかった(その後、規則案からこの記述は削除された)。
それほど法務省は、台湾人の心の声におびえていたのだ。
二〇〇七年ごろからは都内の日本人有志によって、改正を求める街頭署名活動が開始された。その後、我々日本李登輝友の会や台湾研究フォーラムなども全国的な署名集めを始めた。

署名活動が全国各地で展開された
そうしたなか、私が法務省から聞かされたのは、「間もなく在留カード導入の法案が提出される。もし可決されれば『中国』は『台湾』に変わる」だった。
「台湾」へ修正する理由は「情勢が変わったから」(台湾が脱中国化を図っていると言う意味らしい)と言うものだった。
そしてもう一つは「改正してほしいという声が高まっている」。在日台湾人の要求が、ついに法務省を動かしたのである。
かくて二〇一〇年に法案は可決。その結果、今回の在留カードの導入となり、それに伴い在日台湾人は晴れて屈辱の「中国」国籍から解放されるに至ったのだった。

法案可決で「中国」が「台湾」に変更されることを報じた台湾紙。写真は署名活動の様子
これで台湾人の尊厳は守られ、政府もいくらかは名誉を回復することができるだろう。
■犠牲者は日本国民―さらに困難な地理教科書問題
しかし解決すべき問題はまだまだある。
その最も大きな一つは文科省の問題。
教科書検定を通じ、小中高校用の社会科教科書、地理教科書で台湾を中国領土だと記載させ、そうしたものを日本に将来を担う子供たちに与えていることだ。
こうした措置は一九七二年に中華人民共和国を政府承認して以来のもので、すでに四十年近く続けられており、おそらく全人口の過半数がこうした誤記述の教科書で学んできている。
つまりこの問題では、何よりも第一に日本国民自身が犠牲者なのである。
これはたんに誤った地理認識を植え付けられるという問題ではない。台湾侵略政策(東アジア拡張政策)を正当化するための中国政府のプロパガンダの洗脳を受けているのだ。
そこで我々は現在、その是正を求める署名活動を展開中だが、もちろんこちらの改善は外登証問題よりはるかに困難だと思われる。
なぜならまず中国が、そればかりは許さない。したがって文科省も訂正要求には意地でも応じない。それに文科省は「犯行を認めない犯罪者」の如く、今更日本の子供たちに行ってきた背信行為の責任を認めるなどとてもできまい。
かつて法務省が、台湾人からの抗議がないのをいいことに背信行為を続けてきたのと同様に、文科省もまた一般国民から抗議がないのに安心して、こうしたことを続けてきた。
そこで我々は国民の抗議の声の輪を広げたいと努力しているところだ。
■台湾併呑が予感される中での運動継続
さて余談だが、台湾で二〇〇八年に発足した国民党の馬英九政権は中国傾斜政策を進める一方で、対日政策の実績を有権者に対して強調しようと、今回の在日台湾人の国籍表記改正措置を自らの交渉の成果だと宣伝している。
それを盛んに行っていたのが、先ごろ離任した馮寄台駐日代表(駐日大使)だ。馬英九政権の対中関係「改善」政策によって台湾海峡の緊張が緩和し、そこで日本政府も中国に気兼ねすることなく、こうした改正を行い得たと言った意味の話を台湾メディアに対して盛んにし、記事にもさせていた。
ところが二年ほど前、馮寄台氏がある日本のメディアに寄稿し、そのなかでこの宣伝を含めた際、編集部から「これは民間運動の成果ではないのか」と聞かれるや、ただちにその箇所を削除しているのだ。
寒風酷暑ものかはと、街頭に立って懸命に署名を集め続けた日本人、台湾人の姿を思い浮かべれば、「やはり在台中国人勢力は調子がいいな」と思いたくもなる。
せっかく在日台湾人たちがこれほどの「戦果」を上げたのだ。台湾メディアにはもっとこの事実を伝え、台湾本国の人々を激励してほしかったものだ。
もしそれでも馬英九政権は自らの手柄だと言うのなら、ぜひ文科省に対しても同じように教科書改善を要求を行ってほしいと思う。
しかしそれは無理だというのが実際のところだ。
「一つの中国」(台湾は中国の一部)を掲げ、中国との「関係改善」(実際には中国の属国化)に忙しい同政権に、そのようなことなど残念ながら期待できない。
このように将来における台湾併呑の危機が予測されつつある中、我々は更に一層「一つの中国」打破の国民運動を進めて行かなくてはならないと思っている。
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動画ー台湾を中国とする「地理教科書」改善運動の現況報告/台湾研究フォーラム
mahorobajapan さんが 2012/06/27 に公開
「台湾は中国の不可分の領土」というのは台湾侵略を正当化するために行う中国政府のプロパガンダであるが、このような宣伝を日本の子供たちに押し付けているのが文部科学省?だ。中国への配慮から、教科書検定を悪利用し、教科書発行者に対して台湾を中国領と記載せよと強要しているのである。
こうした文科省の背信行為、属国心理を打破し、子供たちを洗脳から救出し、以って台湾及び日本を含むアジア太平洋地域の平和を確立するため、現在台湾研究フォーラムなどは?街宣や署名集めを通じ、地理教科書改善を求める運動を展開中だ。
この映像は2012年6月24日、同会の定例会で行われた運動の現況報告である。
全国国民に運動への協力をお願いしたい。
■台湾を中国領土とする文部科学省教科書検定の是正を求める署名に協力を!
用紙→ http://taiwanisnotchina.org/documents/tnc_shomei.pdf
■7・14-15靖国神社前台湾を「中国領土」とする文科省「教科書検定」を許すな!街宣・署名活動

中国のプロパガンダそのままに、台湾を「中国領土」と小中高の社会科教科書(地理・地図帳)に記述させる文科省の教科書検定に訂正を求める街宣・署名活動を、「みたままつり」が行われる靖国神社前で実施しますので、ぜひご参加ください。
【日時】7月14日(土)、15日(日)午後3時~7時
【場所】靖国神社第一鳥居前(地下鉄「九段下駅」1番出口出てすぐ)
【活動内容】街頭演説、署名集め、チラシ配布
【主催】 台湾研究フォーラム
【問合せ】 090-4138-6397
■台湾研究フォーラム 第155回定例会

講師 土屋敬之氏(東京都議会議員・拓殖大学日本文化研究所客員教授)
演題「日本と台湾の友好の絆一日本統治時代前から今日、未来へ」
日時 7月17日(火) 18時30分~20時30分
場所 文京区民会議室4Fホール (文京シビックセンター内。文京区民センターではありません)
交通 東京メトロ丸の内線・南北線「後楽園駅」徒歩1分
都営地下鉄三田線・大江戸線「春日駅」徒歩1分
JR総武線「水道橋駅」(東口)徒歩9分
(講師より)
台湾から、東北大震災に対する義援金は、200億を超え、世界からの支援第一位となっている。
これは、日本と台湾との友情が、政治的な圧力に反して、強固なものであることを証明している。
台湾統治時代も、台湾住民は勇壮に「大東亜戦争を戦った」その後、いわゆる国民政府からの白
色テロを克服して、台湾は確実に「中共ではない“台湾”」を世界に発信している。
以前、わが国は中華民国政府と国交があった。田中買弁内閣で国交が断絶したが、その後、李登輝氏が
総統に就任することで、台湾人の台湾の道を歩み始めている。ある意味、いい結果が出たと言うことだ。
確かに、台湾の前途は困難ではある。しかし、北京政府がいくらとりつくろうとも、自由民主主義
は台湾にしかない。(後略)
会費 会員 500円/一般 1,000円
懇親会(閉会後、近くの居酒屋で)3,000円
お申込 mamoretaiwan@gmail.com
お問合せ 090-4138-6397
在日外国人の身分証が七月九日から外国人登録証(外登証)から在留カードへと切り替わり、これを機に在日台湾人の外登証「国籍等」欄で記載されていた「中国」が、在留カードの「国籍・地域」欄において「台湾」と修正された。

在日台湾人の外登証(上)にあった「中国」は、在留カード(下)で「台湾」に
一九五二年から法務省が交付してきた外登証だが、なぜ「中国」とされてきたのか。
実は当初、それは「中華民国」を意味していた。
当時日本政府は「中国」政権として台湾へ亡命した中華民国を承認していたが、しかし台湾を中華民国領と認めていたわけではなかった(台湾は日本が放棄した後、その帰属先は未定だった)。しかし中華民国の旅券を所持する在日台湾人を無国籍とするわけにもいかず、便宜上「中華民国」籍と看做すこととなったのだ。
ところが一九七二年、日本は承認する「中国」政権を中華人民共和国に切り替え、外国人登録上の「中国」も「中華人民共和国」を意味するようになった後も、台湾人にはなお「中国」を押し付け続けたのである。
かくて台湾人の日本における法的身分は「中華人民共和国国民」となったのである。これにより彼らは言いも知れない屈辱を味わうこととなる。
たとえば自動車免許証上の「国籍」も「中国」となる。自動車で急病人の下に駆け付ける途中の台湾人医師が、警察官に免許証の提示を求められ、「中国」の二文字のために長時間にわたる職務質問を受けたとか、日本の大学に入学を果たした台湾人留学生が、校内名簿で「中国」出身者とされているのに目を疑ったなど、笑うに笑えないエピソードは枚挙にいとまがない。
だから今回の修正措置は、台湾人の尊厳、人権に対する政府の侵害行為の停止を意味したわけだが、事ここに至った背景には、在日台湾人や台湾を応援する台湾研究フォーラムなど日本人勢力の、二〇〇一年以来の訂正要求の運動があった。
■中国への恐れかー大胆なウソで修正拒否した法務省
運動開始当時、外登証を管轄する法務省入国管理局に対し、最初に調査の電話を入れる役を担ったのが私だった。
その時私は内心では、さすがの法務省も訂正に応じざるを得ないだろうと考えていた。
なぜならこうした措置は、いかなる詭弁やウソでも覆い隠しようもない一〇〇%の誤りだからだ。ちなみにこの措置は外国人登録法と言った法律に基づくものではなく、単なる入管内部の取り決め(内規)にしか過ぎず、修正は比較的に容易なはずだった。
ところが私の考えは甘すぎた。法務省は堂々と詭弁を弄し、かたくなに訂正を拒否したのだ。
曰く「台湾人を無国籍するわけにはいかない」だとか。「無国籍」が都合悪いと言って、なぜ「中国」にしなければならないのか。もちろん「無国籍の方がいい」と多くの台湾人が言っていた。
「『中国』とは広い意味の中国。台湾人の『中国』は中華人民共和国を意味しない」とも言い張った。
だが「広い意味の中国」がどこに存在するのか。法務省はそれには答えられなかった。そこで外務省に聞いて見たところ、当然のことながら「そんなものは存在しない。法務省は間違っている」と言っていた。
しかしそのようなウソ、詭弁の入れ知恵を裏で法務省に行っていたのは他ならぬ、この外務省だったと私は感じていた。
日本の政府はここまで大胆なウソを国民につくのか、と驚愕したものだ。もちろんその背景には、改正を行って中国との外交問題に発展させたくないとの思いもあったはずだ。
■台湾人の「大人しさ」をいいことに「中国」押し付ける
その後、在日台湾人とともに百五十人ほどの日台共闘抗議デモを東京入管と法務省に掛けることになった。
私からその予告を受けた東京入管は、私を個人的に知る職員を通じ、「デモで騒ぐまでもない。要求の文書はきちんと受け取る上げる」と言ったような話で私の籠絡を図ってきた。つまり、私や台湾人たちの怒りを甘く見ていたのだ。
台湾人は中国人や朝鮮人よりはるかに大人しいのを一番知っているのが入管だ。そもそも「中国」国籍の押し付けは、日本人に遠慮して強く抗議しない台湾人の「大人しさ」をいいことに継続されてきたと言ってもいい。
ところが東京入管前に現れたデモ隊は「大人しくなかった」。台湾人たちは積年の恨みを胸に、この日ばかりは激しい怒声を上げた。「台湾は中国ではない!」「台湾は台湾だ!」と。

2001年、「台湾は中国ではない」と叫んで東京入管に押し掛けた日台共闘のデモ隊
私は今でも、青ざめた顔で立ちつくす入管職員たちの姿を覚えている。たしか二〇〇一年八月のことだ。
■台湾人の「心の声」におびえた法務省
二〇〇四年には国会で西村眞悟衆院議員がこの問題に関する質問を森山真弓法相に対して行ったが、森山氏は「外国人登録が始まって以来『中国』になっている」と答えるのみで、まともに取り合わない。もっとも法務省としては、そうした詭弁にもならない詭弁で逃げざるを得ないほど、追い詰められていたのだろう。
二〇〇八年二月に発覚したことだが、同省が策定した人権擁護法案の規則案には、「中国」国籍の押し付けを人権侵害だとする申告は、人権委員会の調査の対象外になると書かれていた。
そこで私が法務省人権擁護局に詳細を聞くと、「この問題はいろいろな人たちから多くの声が寄せられている。そこで整理をしようとしているのだ」と答えた。
正直な答えだった。つまり「法務省は台湾人に対する人権侵害の加害者にされたくない」と告白したに等しかった(その後、規則案からこの記述は削除された)。
それほど法務省は、台湾人の心の声におびえていたのだ。
二〇〇七年ごろからは都内の日本人有志によって、改正を求める街頭署名活動が開始された。その後、我々日本李登輝友の会や台湾研究フォーラムなども全国的な署名集めを始めた。

署名活動が全国各地で展開された
そうしたなか、私が法務省から聞かされたのは、「間もなく在留カード導入の法案が提出される。もし可決されれば『中国』は『台湾』に変わる」だった。
「台湾」へ修正する理由は「情勢が変わったから」(台湾が脱中国化を図っていると言う意味らしい)と言うものだった。
そしてもう一つは「改正してほしいという声が高まっている」。在日台湾人の要求が、ついに法務省を動かしたのである。
かくて二〇一〇年に法案は可決。その結果、今回の在留カードの導入となり、それに伴い在日台湾人は晴れて屈辱の「中国」国籍から解放されるに至ったのだった。

法案可決で「中国」が「台湾」に変更されることを報じた台湾紙。写真は署名活動の様子
これで台湾人の尊厳は守られ、政府もいくらかは名誉を回復することができるだろう。
■犠牲者は日本国民―さらに困難な地理教科書問題
しかし解決すべき問題はまだまだある。
その最も大きな一つは文科省の問題。
教科書検定を通じ、小中高校用の社会科教科書、地理教科書で台湾を中国領土だと記載させ、そうしたものを日本に将来を担う子供たちに与えていることだ。
こうした措置は一九七二年に中華人民共和国を政府承認して以来のもので、すでに四十年近く続けられており、おそらく全人口の過半数がこうした誤記述の教科書で学んできている。
つまりこの問題では、何よりも第一に日本国民自身が犠牲者なのである。
これはたんに誤った地理認識を植え付けられるという問題ではない。台湾侵略政策(東アジア拡張政策)を正当化するための中国政府のプロパガンダの洗脳を受けているのだ。
そこで我々は現在、その是正を求める署名活動を展開中だが、もちろんこちらの改善は外登証問題よりはるかに困難だと思われる。
なぜならまず中国が、そればかりは許さない。したがって文科省も訂正要求には意地でも応じない。それに文科省は「犯行を認めない犯罪者」の如く、今更日本の子供たちに行ってきた背信行為の責任を認めるなどとてもできまい。
かつて法務省が、台湾人からの抗議がないのをいいことに背信行為を続けてきたのと同様に、文科省もまた一般国民から抗議がないのに安心して、こうしたことを続けてきた。
そこで我々は国民の抗議の声の輪を広げたいと努力しているところだ。
■台湾併呑が予感される中での運動継続
さて余談だが、台湾で二〇〇八年に発足した国民党の馬英九政権は中国傾斜政策を進める一方で、対日政策の実績を有権者に対して強調しようと、今回の在日台湾人の国籍表記改正措置を自らの交渉の成果だと宣伝している。
それを盛んに行っていたのが、先ごろ離任した馮寄台駐日代表(駐日大使)だ。馬英九政権の対中関係「改善」政策によって台湾海峡の緊張が緩和し、そこで日本政府も中国に気兼ねすることなく、こうした改正を行い得たと言った意味の話を台湾メディアに対して盛んにし、記事にもさせていた。
ところが二年ほど前、馮寄台氏がある日本のメディアに寄稿し、そのなかでこの宣伝を含めた際、編集部から「これは民間運動の成果ではないのか」と聞かれるや、ただちにその箇所を削除しているのだ。
寒風酷暑ものかはと、街頭に立って懸命に署名を集め続けた日本人、台湾人の姿を思い浮かべれば、「やはり在台中国人勢力は調子がいいな」と思いたくもなる。
せっかく在日台湾人たちがこれほどの「戦果」を上げたのだ。台湾メディアにはもっとこの事実を伝え、台湾本国の人々を激励してほしかったものだ。
もしそれでも馬英九政権は自らの手柄だと言うのなら、ぜひ文科省に対しても同じように教科書改善を要求を行ってほしいと思う。
しかしそれは無理だというのが実際のところだ。
「一つの中国」(台湾は中国の一部)を掲げ、中国との「関係改善」(実際には中国の属国化)に忙しい同政権に、そのようなことなど残念ながら期待できない。
このように将来における台湾併呑の危機が予測されつつある中、我々は更に一層「一つの中国」打破の国民運動を進めて行かなくてはならないと思っている。
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動画ー台湾を中国とする「地理教科書」改善運動の現況報告/台湾研究フォーラム
mahorobajapan さんが 2012/06/27 に公開
「台湾は中国の不可分の領土」というのは台湾侵略を正当化するために行う中国政府のプロパガンダであるが、このような宣伝を日本の子供たちに押し付けているのが文部科学省?だ。中国への配慮から、教科書検定を悪利用し、教科書発行者に対して台湾を中国領と記載せよと強要しているのである。
こうした文科省の背信行為、属国心理を打破し、子供たちを洗脳から救出し、以って台湾及び日本を含むアジア太平洋地域の平和を確立するため、現在台湾研究フォーラムなどは?街宣や署名集めを通じ、地理教科書改善を求める運動を展開中だ。
この映像は2012年6月24日、同会の定例会で行われた運動の現況報告である。
全国国民に運動への協力をお願いしたい。
■台湾を中国領土とする文部科学省教科書検定の是正を求める署名に協力を!
用紙→ http://taiwanisnotchina.org/documents/tnc_shomei.pdf
■7・14-15靖国神社前台湾を「中国領土」とする文科省「教科書検定」を許すな!街宣・署名活動

中国のプロパガンダそのままに、台湾を「中国領土」と小中高の社会科教科書(地理・地図帳)に記述させる文科省の教科書検定に訂正を求める街宣・署名活動を、「みたままつり」が行われる靖国神社前で実施しますので、ぜひご参加ください。
【日時】7月14日(土)、15日(日)午後3時~7時
【場所】靖国神社第一鳥居前(地下鉄「九段下駅」1番出口出てすぐ)
【活動内容】街頭演説、署名集め、チラシ配布
【主催】 台湾研究フォーラム
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■台湾研究フォーラム 第155回定例会

講師 土屋敬之氏(東京都議会議員・拓殖大学日本文化研究所客員教授)
演題「日本と台湾の友好の絆一日本統治時代前から今日、未来へ」
日時 7月17日(火) 18時30分~20時30分
場所 文京区民会議室4Fホール (文京シビックセンター内。文京区民センターではありません)
交通 東京メトロ丸の内線・南北線「後楽園駅」徒歩1分
都営地下鉄三田線・大江戸線「春日駅」徒歩1分
JR総武線「水道橋駅」(東口)徒歩9分
(講師より)
台湾から、東北大震災に対する義援金は、200億を超え、世界からの支援第一位となっている。
これは、日本と台湾との友情が、政治的な圧力に反して、強固なものであることを証明している。
台湾統治時代も、台湾住民は勇壮に「大東亜戦争を戦った」その後、いわゆる国民政府からの白
色テロを克服して、台湾は確実に「中共ではない“台湾”」を世界に発信している。
以前、わが国は中華民国政府と国交があった。田中買弁内閣で国交が断絶したが、その後、李登輝氏が
総統に就任することで、台湾人の台湾の道を歩み始めている。ある意味、いい結果が出たと言うことだ。
確かに、台湾の前途は困難ではある。しかし、北京政府がいくらとりつくろうとも、自由民主主義
は台湾にしかない。(後略)
会費 会員 500円/一般 1,000円
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