一部しか届かぬ「台湾の震災義捐金」問題について
2012/04/25/Wed
台湾から支援を受ける側の日本の国民としては、この問題を取り上げることに躊躇いがないわけではないが、しかしかねてから台湾の名誉を守りたいと考える複数の台湾の人々からの強い要望もあり、敢えて書くことにする。
台湾赤十字社(中華民国紅十字会)総会の会員代表会議が四月二十三日に開かれ、陳長文会長が辞意を表明した。
中央通信の報道によれば、「台湾赤十字が東日本大震災への義捐募金を巡り非難を浴びたためと見られている」という。

日本の被災地も訪れた台湾赤十字の陳長文会長だが
李鴻源内政部長(内務相)が三月二日に明らかにしたところでは、台湾赤十字が集めた義捐金総額は二十五万七千百五十一万元(約七十一億円)で、そのうち日本赤十字へ送ったのはわずか約八億元にとどまっている。
李部長は募金処理の過程で瑕疵があったことを認め、今後は処理の透明化を監督すると述べた。
だが実際には国民党政権は、赤十字は民間組織だとして不干渉の姿勢を見せてきた。そもそもこの組織は、幹部が国民党関係者で占められるなど、同党と密接な関係にある。
こうした状況だから、野党、そして国民の間では「ただちに全額を日本へ送れ」「台湾人の善意を踏み躙るな」「ネコババする気か」との怒声が当然のごとく巻き起こった。
もっとも台湾赤十字に対する国民の不信感は、早くから高まっている。
それはもともとこれが中国で設立され、今でも中国人意識が強い組織であることへの反撥からだけではない。
たとえば〇四年のスマトラ沖地震被災地への支援募金の際、台湾赤十字台北分会(支部)は、集めた義捐金額の一五%を「業務交通費」なる名目の手数料として引き抜かれたことが明るみに出た。募金業務に携わる職員への奨励金に充てられたとか。
〇五年に問題になったのが、幹部の給与問題だ。当時幹事長だった国民党の郝竜斌氏(現台北市長)の月給は十二万元もの高額で、その腹心八人の年収も一人当たり約一千万元。それらだけで赤十字の人件費の実に半分を占めた。
〇八年には郝竜斌市長の台北市が、かつて九九年の台湾大地震救援のために集めた義捐金の残金六千四百万元を、折から発生した国内の水害被災地に回すこともなく、台湾赤十字を通じて四川大地震の被災地に届けている。内政部はこれを「合法的だ」として咎めなかった。
こうした国民感情を裏切る行為が続いたため、東日本大震災の発生で国内の「日本支援熱」が高まる中、野党民進党や国民の間からは、「義捐金は台湾赤十字ではなく、直接日本赤十字へ送ろう」と呼びかけられ、実際に多くの人々がそれに従っている。
これに対して赤十字は「一五%の手数料は取らない」などと表明したものの、今度は義捐金の一部しか日本へ届けていないことが問題となったわけだ。
ちなみに震災発生直後に来日した陳会長は私の知人(在日台湾人)に対し、「日本へは現金ではなく、物資を送る」との意向を示していた。台湾赤十字の不透明さを知る知人はそれを聞き、金額のごまかしは生じないかと質問したが、陳会長はそれには何も答えなかったという。
義捐金を一括して日本へ送らない理由について知人は、台湾赤十字には総会のほか、台北分会、新北分会、台湾省分会などいくつもの分会があり、それぞれが総会とともに縄張り争いを演じ、まとまりが取れないためではないかとも分析していた。
一方台湾赤十字自身は三月三日、国民の疑惑を晴らすため、「義捐金は日本赤十字の求めに応じて送ることになっており、今後双方で協議する予定。約十七億元の残金は、病院、公営住宅、老人住宅などの建設に充てられる予定だ」と説明している。
ところで、日本のマスメディアが台湾赤十字の日本に対する「出し惜しみ」について、ほとんど報道しようとしないのはなぜか。
ある事情通は、台湾側が「書くな」と圧力をかけているのではないかと見ている。実際に台湾の駐日代表(大使に相当)は、国民党にとって好ましくない記事を書いた某新聞社に強い抗議を行い、困惑させるなどしている。
中国の圧力で国際社会での孤立を余儀なくされる台湾政府はこれまで、日本に対しては涙ぐましいほど低姿勢を貫いてきたが、今や中国への従属姿勢を強める国民党政権は、その「宗主国」の威を借り、在台中国人ならではの反日意識も手伝って、日本を見下すようになったのだろうか。
台湾赤十字は四川大地震被災地への支援金も「出し惜しみ」しようとしたのだが、中国側から「全部送れ」と要求され、それに従わざるを得なかったとか。
「台湾赤十字が預かる台湾人の善意をすべて日本へ届けさせるには、中国の恫喝の力を借りなければならないようだ」というのは、ある台湾の友人の戯言である。
ただ、今後こうした状況がいかにあれ、日本国民の台湾国民への信頼は揺るがないものと思っている。
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台湾に恩返し! ネット署名の協力しよう!
国際社会に大きな影響を及ぼしながら、自身はすっかり中国の影響下にあるISO(国際標準化機構、本部・ジュネーヴ)。これが台湾の標準国名として規定する“TAIWAN,province of china”(中国の一省・台湾)を、“TAIWAN”(台湾)へと是正するよう求めるネット署名が、台湾で呼び掛けられている。
日本人も協力しよう!被災地を支援してくれた台湾に対する恩返しだ!
http://www.change.org/petitions/iso-change-the-country-name-for-taiwan-province-of-china-into-simply-taiwan
参加を! 4・27頑張れ、石原都知事!守るぞ、尖閣!緊急国民行動
4月27日(金)
12時00分~13時00分 東京都庁前 (第一庁舎と第二庁舎の間の道)
13時30分~15時00分 「新宿」駅西口
※プラカード持参可(ただし、民族差別的なものは禁止)
※国旗以外の旗類・拡声器の持込はご遠慮下さい
主催 頑張れ日本!全国行動委員会、草莽全国地方議員の会、チャンネル桜ニ千人委員会有志の会
問い合わせ 頑張れ日本!全国行動委員会 事務局
http://www.ganbare-nippon.net/ TEL 03-5468-9222 MAIL info@ganbare-nippon.net
台湾研究フォーラム主催/黄文雄氏・3時間特別セミナー
「中華文明は劣っている―アジア諸民族の前で“野蛮化”する中国」

進化論に従えば、人は文明化へと向かう存在でありながら、二十一世紀においてもなお野蛮化へと進むのが中国だ。侵略と恐怖政治で南モンゴル、チベット、ウイグルを制圧したのち、いまや台湾だけでなく、日本を含むアジア・太平洋へと向け、拡張主義の矛先を向けているが、それが「中華の禍」というものである。あの民族の野蛮性の本質を文明史の観点から探求し、それに対する日本の対処の在り方を考えるため、この問題の第一人者である評論家の黄文雄氏を講師にお招きし、三時間にわたる特別セミナーを開催する。
【日時】5月4日(祝/金)午後1時~4時半
【場所】文京区民センター2A会議室 (文京区本郷4-15-14 TEL 03-3814-6731)
交通:都営三田線・大江戸線「春日駅」下車、徒歩1分
東京メトロ丸ノ内線・南北線「後楽園駅」下車、徒歩5分
JR「水道橋駅」徒歩15分
【会費】会員500円、一般1000円
【懇親会】閉会後、付近の居酒屋で。会費3000円
【主催】台湾研究フォーラム
【問合せ・参加申込み】090-4138-6397 mamoretaiwan@gmail.com
台湾赤十字社(中華民国紅十字会)総会の会員代表会議が四月二十三日に開かれ、陳長文会長が辞意を表明した。
中央通信の報道によれば、「台湾赤十字が東日本大震災への義捐募金を巡り非難を浴びたためと見られている」という。

日本の被災地も訪れた台湾赤十字の陳長文会長だが
李鴻源内政部長(内務相)が三月二日に明らかにしたところでは、台湾赤十字が集めた義捐金総額は二十五万七千百五十一万元(約七十一億円)で、そのうち日本赤十字へ送ったのはわずか約八億元にとどまっている。
李部長は募金処理の過程で瑕疵があったことを認め、今後は処理の透明化を監督すると述べた。
だが実際には国民党政権は、赤十字は民間組織だとして不干渉の姿勢を見せてきた。そもそもこの組織は、幹部が国民党関係者で占められるなど、同党と密接な関係にある。
こうした状況だから、野党、そして国民の間では「ただちに全額を日本へ送れ」「台湾人の善意を踏み躙るな」「ネコババする気か」との怒声が当然のごとく巻き起こった。
もっとも台湾赤十字に対する国民の不信感は、早くから高まっている。
それはもともとこれが中国で設立され、今でも中国人意識が強い組織であることへの反撥からだけではない。
たとえば〇四年のスマトラ沖地震被災地への支援募金の際、台湾赤十字台北分会(支部)は、集めた義捐金額の一五%を「業務交通費」なる名目の手数料として引き抜かれたことが明るみに出た。募金業務に携わる職員への奨励金に充てられたとか。
〇五年に問題になったのが、幹部の給与問題だ。当時幹事長だった国民党の郝竜斌氏(現台北市長)の月給は十二万元もの高額で、その腹心八人の年収も一人当たり約一千万元。それらだけで赤十字の人件費の実に半分を占めた。
〇八年には郝竜斌市長の台北市が、かつて九九年の台湾大地震救援のために集めた義捐金の残金六千四百万元を、折から発生した国内の水害被災地に回すこともなく、台湾赤十字を通じて四川大地震の被災地に届けている。内政部はこれを「合法的だ」として咎めなかった。
こうした国民感情を裏切る行為が続いたため、東日本大震災の発生で国内の「日本支援熱」が高まる中、野党民進党や国民の間からは、「義捐金は台湾赤十字ではなく、直接日本赤十字へ送ろう」と呼びかけられ、実際に多くの人々がそれに従っている。
これに対して赤十字は「一五%の手数料は取らない」などと表明したものの、今度は義捐金の一部しか日本へ届けていないことが問題となったわけだ。
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一方台湾赤十字自身は三月三日、国民の疑惑を晴らすため、「義捐金は日本赤十字の求めに応じて送ることになっており、今後双方で協議する予定。約十七億元の残金は、病院、公営住宅、老人住宅などの建設に充てられる予定だ」と説明している。
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4月27日(金)
12時00分~13時00分 東京都庁前 (第一庁舎と第二庁舎の間の道)
13時30分~15時00分 「新宿」駅西口
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台湾研究フォーラム主催/黄文雄氏・3時間特別セミナー
「中華文明は劣っている―アジア諸民族の前で“野蛮化”する中国」

進化論に従えば、人は文明化へと向かう存在でありながら、二十一世紀においてもなお野蛮化へと進むのが中国だ。侵略と恐怖政治で南モンゴル、チベット、ウイグルを制圧したのち、いまや台湾だけでなく、日本を含むアジア・太平洋へと向け、拡張主義の矛先を向けているが、それが「中華の禍」というものである。あの民族の野蛮性の本質を文明史の観点から探求し、それに対する日本の対処の在り方を考えるため、この問題の第一人者である評論家の黄文雄氏を講師にお招きし、三時間にわたる特別セミナーを開催する。
【日時】5月4日(祝/金)午後1時~4時半
【場所】文京区民センター2A会議室 (文京区本郷4-15-14 TEL 03-3814-6731)
交通:都営三田線・大江戸線「春日駅」下車、徒歩1分
東京メトロ丸ノ内線・南北線「後楽園駅」下車、徒歩5分
JR「水道橋駅」徒歩15分
【会費】会員500円、一般1000円
【懇親会】閉会後、付近の居酒屋で。会費3000円
【主催】台湾研究フォーラム
【問合せ・参加申込み】090-4138-6397 mamoretaiwan@gmail.com
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