大拍手を浴びた李登輝氏とイリハム氏(ウイグル)、タシィ氏(チベット)との握手
2011/11/03/Thu
戦後台湾を占領した中華民国亡命政権(蒋介石の国民党)は、台湾支配を正当化するため、台湾は中国領土と宣伝する一方、そのことを徹底的に台湾住民に刷り込もうと、中国各地の地名などを、全島の通りの名称とした。
たとえば私が日本ウイグル協会のイリハム・マハムティ会長と十月二十二、二十三日にかけて訪れた高雄市でも、河北路、山東街のほか、北平街(中華民国時代の北京の呼称)、熱河街(中華民国時代の熱河省)、興安街(同じく興安省)といった骨董的名称も多々見られるが、それより何より馬鹿馬鹿しいのは、どれもこれもが台湾とは何の関係もないということだろう。
ただ民進党の陳菊市長執政の高雄市の場合、その馬鹿馬鹿しさを少しでも取り払おうとの努力も見られる。
市内には西蔵街というのもある。中華民国は支配したこともない西蔵(チベット)をも、領土の一部と規定しているから、このような名称が用いられるのだが、チベット民族蜂起五十周年記念日にあたった九八年三月十日、陳菊市長(民進党)はこれを「図博街」と呼び改めた。
「図博」とは「チベット」の音訳。このように中国中心思想から来る「西蔵」から、チベット民族自身の呼称である「チベット」に切り替えた背景に、チベットは中国の領土ではないとの主張(中華民国体制否定の主張)があることは間違いないだろう。
かくして「西蔵街」と書かれた道路標識には「図博街」も併記され(併記に留めたのは中華民国体制に固執する国民党勢力から政治問題化されるのを避けるためだろう)、英文表記は「西蔵街」を意味する「SizangStreet」から「Tibet Street」へと完全に書き換えられ、さらにチベット国旗まで表示された。

「西蔵街」に「図博街」と表記。英文名は「Tibet Street」とだけ

こちらは修正前からのもの
陳菊市長といえば、〇九年八月の大水害後にはダライ・ラマ法王の被災者慰問を招聘している。
中国傾斜を強め、中共が敵視する「疆独」(東トルキスタン独立分子)、「蔵独」(チベット独立分子)と台湾との接触を望まない国民党政権は、世界ウイグル会議のラビア・カーディル議長の台湾入国は拒否しても、さすがに被災者の慰問、法要のために訪れるダライ・ラマ法王のそれは有権者の手前、さすがに断ることができず、そのため中共は中国人観光ツアーの高雄訪問キャンセルという報復、高雄市に加えている。
そこで我々もその標識を見に行ったのだが、堂々とチベット国旗を表示していることに(日本の地方自治体ならやらない)、台湾人の良識、正義感が表れているようで、何とも清々しい思いがした。
ところが、この「図博街」と並行して走るのが「新疆街」だ。
中華民国は東トルキスタンをも自国の「新疆省」などと規定しているわけだが、やはり中国中心思想が生んだ「新疆」の呼称を「東トルキスタン街」と改めることまではしていなかった。
それはなぜかといえば台湾では、チベット支援の機運は高まっていても、東トルキスタン(ウイグル民族)支援の機運はまだまだだからだ。
だからイリハム氏は今回、台湾国民に対し、東トルキスタンの現状を紹介し、理解を得ようとの思いで、初めての訪台を行ったわけだ。
実際に我々が現地へ行って、台湾では東トルキスタンに関する情報が日本よりも少ないことを実感した。
しかしだからといって関心がないとわけでは断じてないことも、イリハム氏の講演会場での聴衆の反応を通じて理解できた。たとえば「新疆ではなく東トルキスタンと呼んで」と同氏が訴えれば、みな嬉々としてそれを受け入れた。

「図博街」を案内してくれた台湾独立建国連盟高雄支部の責任者、董進賢氏(中
央)。イリハム氏(左)から東トルキスタン国旗を贈られた
そうしたなか、我々の台湾滞在中、とても感動的な場面も見られた。
それは十月二十四日、台北市内のホテルで開かれた黄文雄氏の『哲人政治家・李登輝の原点』(台湾版)の出版発表会でのことだ。

台北で盛大に開かれた黄文雄氏の出版発表会
そこには李登輝元総統をはじめ、羅福全・元駐日大使、許世楷・元駐日大使、黄昭堂・台湾独立建国連盟主席、張炎憲・元国史館館長、黄昆輝・台湾団結連盟主席、蔡焜燦・李登輝民主協会理事長ら台湾独立派が顔を揃え、次々とスピーチを行ったのだが、会場にいたイリハム氏、そしてタシィ・ツェリン・チベット青年会議台湾分会前主席(長野の北京五輪聖火リレー現場で逮捕されたチベット人。台北在住)の二人が、司会(呉錦発・元文建委員会副主任委員)により、参会者の前で紹介されたのだ。
かくて東トルキスタン独立、チベット独立の志士たちは立ち上がり、最前列に座っていた李登輝氏の前に進んだ。タシィ氏からチベット人が敬意を表する時に贈る白いスカーフ(カター)をかけられた李登輝氏は、笑顔で二人と固く握手した。

李登輝氏と握手を交わすイリハム氏とタシィ氏(右)。大きな拍手が巻き起こった
このときイリハム氏は李登輝氏から「ようこそ台湾へ。私たちは友人だ」との言葉をかけられたそうだ。
会場内では拍手が巻き起こった。この日一番の大きな拍手だったと思う。
やはり台湾の独立派の人々は、中共の迫害を受けるウイグル人、チベット人を応援したい気持ちが強いのだ。
中共が李登輝氏の訪日を恐れてきた最大の理由は、「台独」と「日本右翼」(中国にノーをいう日本人に対する中共側の呼称)との結合強化を警戒するからだが、このとき現出した「台独」と「疆独」「蔵独」との交流はどのように捉えるのだろうか。
「一つの中国」の原則が虚構であることを国際社会に暴露し続けるこれら三つの「勢力」の結合は中共にとり、それはそれは恐ろしいものであるはずだ。
そもそも日本、台湾、ウイグル、チベットとの連帯の道を模索することも、我々の訪台の大きな目的だったから、私は何とも嬉しかった。
【10/21~27台湾訪問関連記事】
イリハム氏(日本ウイグル協会会長)が無事に台湾入国
http://http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1673.html
日本と台湾、そしてウイグルは連帯できる!ー台湾高雄の独立派シンポに参加して(付 動画)
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1676.html
台北で中国人観光客を前にチベット人権アピール/タシィ・ツェリン氏(長野の英雄)の銀輪部隊に参加
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1677.html
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【東京都千代田区】 11.4 TPP絶対阻止!国会大包囲!国民行動
平成23年11月4日(金)
12時00分 準備 第二議員会館前
13時00分 国会大包囲!国民行動 第二議員会館前
国会周辺・議員会館前・首相官邸前等での抗議行動
(~15時00分)
※プラカード持参可(ただし、民族差別的なものは禁止)
※国旗以外の旗類・拡声器の持込はご遠慮下さい
主催 頑張れ日本!全国行動委員会 草莽全国地方議員の会 チャンネル桜ニ千人委員会有志の会
連絡先 頑張れ日本!全国行動委員会 TEL 03-5468-9222
http://www.ganbare-nippon.net/
チラシダウンロード
http://www.ch-sakura.jp/sakura/20111104_TPP.pdf
【群馬県高崎市】 頑張れ日本!全国行動委員会・群馬 チラシ配布&講演会
平成23年11月6日(日)
《チラシ配布》
11時00分 集合 / 11時15分 スタート
於・JR「高崎」駅西口 西交番前付近
《講演会》
14時30分 (14時00開場)
於・高崎市中央公民館 第二集会室 http://www.city.takasaki.gunma.jp/soshiki/kouminkan/chuou.htm
講師:永山英樹(頑張れ日本!全国行動委員会 常任幹事・台湾研究フォーラム会長)
演題:「中国の脅威と民主党の迎合政策を許すな」「国を守る国民運動のあり方」
※ 「高崎」駅から中央公民館までは徒歩約20分。チラシ配布後、移動用の車を乗合でご利用になれます。
主催 頑張れ日本!全国行動委員会 群馬支部設立準備委員会
ご連絡先 TEL 080-6686-2352 (寺林)
たとえば私が日本ウイグル協会のイリハム・マハムティ会長と十月二十二、二十三日にかけて訪れた高雄市でも、河北路、山東街のほか、北平街(中華民国時代の北京の呼称)、熱河街(中華民国時代の熱河省)、興安街(同じく興安省)といった骨董的名称も多々見られるが、それより何より馬鹿馬鹿しいのは、どれもこれもが台湾とは何の関係もないということだろう。
ただ民進党の陳菊市長執政の高雄市の場合、その馬鹿馬鹿しさを少しでも取り払おうとの努力も見られる。
市内には西蔵街というのもある。中華民国は支配したこともない西蔵(チベット)をも、領土の一部と規定しているから、このような名称が用いられるのだが、チベット民族蜂起五十周年記念日にあたった九八年三月十日、陳菊市長(民進党)はこれを「図博街」と呼び改めた。
「図博」とは「チベット」の音訳。このように中国中心思想から来る「西蔵」から、チベット民族自身の呼称である「チベット」に切り替えた背景に、チベットは中国の領土ではないとの主張(中華民国体制否定の主張)があることは間違いないだろう。
かくして「西蔵街」と書かれた道路標識には「図博街」も併記され(併記に留めたのは中華民国体制に固執する国民党勢力から政治問題化されるのを避けるためだろう)、英文表記は「西蔵街」を意味する「SizangStreet」から「Tibet Street」へと完全に書き換えられ、さらにチベット国旗まで表示された。


「西蔵街」に「図博街」と表記。英文名は「Tibet Street」とだけ

こちらは修正前からのもの
陳菊市長といえば、〇九年八月の大水害後にはダライ・ラマ法王の被災者慰問を招聘している。
中国傾斜を強め、中共が敵視する「疆独」(東トルキスタン独立分子)、「蔵独」(チベット独立分子)と台湾との接触を望まない国民党政権は、世界ウイグル会議のラビア・カーディル議長の台湾入国は拒否しても、さすがに被災者の慰問、法要のために訪れるダライ・ラマ法王のそれは有権者の手前、さすがに断ることができず、そのため中共は中国人観光ツアーの高雄訪問キャンセルという報復、高雄市に加えている。
そこで我々もその標識を見に行ったのだが、堂々とチベット国旗を表示していることに(日本の地方自治体ならやらない)、台湾人の良識、正義感が表れているようで、何とも清々しい思いがした。
ところが、この「図博街」と並行して走るのが「新疆街」だ。
中華民国は東トルキスタンをも自国の「新疆省」などと規定しているわけだが、やはり中国中心思想が生んだ「新疆」の呼称を「東トルキスタン街」と改めることまではしていなかった。
それはなぜかといえば台湾では、チベット支援の機運は高まっていても、東トルキスタン(ウイグル民族)支援の機運はまだまだだからだ。
だからイリハム氏は今回、台湾国民に対し、東トルキスタンの現状を紹介し、理解を得ようとの思いで、初めての訪台を行ったわけだ。
実際に我々が現地へ行って、台湾では東トルキスタンに関する情報が日本よりも少ないことを実感した。
しかしだからといって関心がないとわけでは断じてないことも、イリハム氏の講演会場での聴衆の反応を通じて理解できた。たとえば「新疆ではなく東トルキスタンと呼んで」と同氏が訴えれば、みな嬉々としてそれを受け入れた。

「図博街」を案内してくれた台湾独立建国連盟高雄支部の責任者、董進賢氏(中
央)。イリハム氏(左)から東トルキスタン国旗を贈られた
そうしたなか、我々の台湾滞在中、とても感動的な場面も見られた。
それは十月二十四日、台北市内のホテルで開かれた黄文雄氏の『哲人政治家・李登輝の原点』(台湾版)の出版発表会でのことだ。

台北で盛大に開かれた黄文雄氏の出版発表会
そこには李登輝元総統をはじめ、羅福全・元駐日大使、許世楷・元駐日大使、黄昭堂・台湾独立建国連盟主席、張炎憲・元国史館館長、黄昆輝・台湾団結連盟主席、蔡焜燦・李登輝民主協会理事長ら台湾独立派が顔を揃え、次々とスピーチを行ったのだが、会場にいたイリハム氏、そしてタシィ・ツェリン・チベット青年会議台湾分会前主席(長野の北京五輪聖火リレー現場で逮捕されたチベット人。台北在住)の二人が、司会(呉錦発・元文建委員会副主任委員)により、参会者の前で紹介されたのだ。
かくて東トルキスタン独立、チベット独立の志士たちは立ち上がり、最前列に座っていた李登輝氏の前に進んだ。タシィ氏からチベット人が敬意を表する時に贈る白いスカーフ(カター)をかけられた李登輝氏は、笑顔で二人と固く握手した。

李登輝氏と握手を交わすイリハム氏とタシィ氏(右)。大きな拍手が巻き起こった
このときイリハム氏は李登輝氏から「ようこそ台湾へ。私たちは友人だ」との言葉をかけられたそうだ。
会場内では拍手が巻き起こった。この日一番の大きな拍手だったと思う。
やはり台湾の独立派の人々は、中共の迫害を受けるウイグル人、チベット人を応援したい気持ちが強いのだ。
中共が李登輝氏の訪日を恐れてきた最大の理由は、「台独」と「日本右翼」(中国にノーをいう日本人に対する中共側の呼称)との結合強化を警戒するからだが、このとき現出した「台独」と「疆独」「蔵独」との交流はどのように捉えるのだろうか。
「一つの中国」の原則が虚構であることを国際社会に暴露し続けるこれら三つの「勢力」の結合は中共にとり、それはそれは恐ろしいものであるはずだ。
そもそも日本、台湾、ウイグル、チベットとの連帯の道を模索することも、我々の訪台の大きな目的だったから、私は何とも嬉しかった。
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イリハム氏(日本ウイグル協会会長)が無事に台湾入国
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日本と台湾、そしてウイグルは連帯できる!ー台湾高雄の独立派シンポに参加して(付 動画)
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平成23年11月4日(金)
12時00分 準備 第二議員会館前
13時00分 国会大包囲!国民行動 第二議員会館前
国会周辺・議員会館前・首相官邸前等での抗議行動
(~15時00分)
※プラカード持参可(ただし、民族差別的なものは禁止)
※国旗以外の旗類・拡声器の持込はご遠慮下さい
主催 頑張れ日本!全国行動委員会 草莽全国地方議員の会 チャンネル桜ニ千人委員会有志の会
連絡先 頑張れ日本!全国行動委員会 TEL 03-5468-9222
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チラシダウンロード
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平成23年11月6日(日)
《チラシ配布》
11時00分 集合 / 11時15分 スタート
於・JR「高崎」駅西口 西交番前付近
《講演会》
14時30分 (14時00開場)
於・高崎市中央公民館 第二集会室 http://www.city.takasaki.gunma.jp/soshiki/kouminkan/chuou.htm
講師:永山英樹(頑張れ日本!全国行動委員会 常任幹事・台湾研究フォーラム会長)
演題:「中国の脅威と民主党の迎合政策を許すな」「国を守る国民運動のあり方」
※ 「高崎」駅から中央公民館までは徒歩約20分。チラシ配布後、移動用の車を乗合でご利用になれます。
主催 頑張れ日本!全国行動委員会 群馬支部設立準備委員会
ご連絡先 TEL 080-6686-2352 (寺林)
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