日本震災救援で台湾人が自己確認する善良な民族性
2011/03/22/Tue
「人間として最も卑劣なのは幸災樂禍(他人の苦難を喜ぶ)と趁火打劫(火事場泥棒)だ」と強調するのは、三月十四日付の台湾紙自由時報にされたコラムだ。
「日本が強震、津波、大火に蹂躙され、被災地は地獄と化した。少しでも人間性があれば、誰もがあの光景を憐むだろう。ところが中国や台湾では、ごく少数の理性なき狂った人々がネットの上で日本への憎しみの言論を書いている」というのである。
そしてその中で「最も悪むべき」は趙志勳という人だという。「フェースブックで日本への援助に反対し、東京に攻め込んで数千人を殺したいと言い放った」からだと。
この人物が書いたのは「なぜ日本を援助しなければならないのか。まず釣魚台の返還が先。それからなら考えてよい。狗輝(犬の李登輝)と狗齢(犬の金美齢)に金を出させればいい。狗の祖国のことなのだから」というものだった。
彼の友人が「この機に乗じて軍を釣魚台へ派遣を」などとコメントを寄せると、それに応じて「東京に攻め込んで数千万人を…」と書いたわけである。
これに怒ったのが大勢のネットユーザーたちだ。そしてマスコミまでもが批判を加えるという騒ぎに発展した。
それはやはりこの人物が、国民党籍の黄昭順立法委員(国会議員)の秘書だったからだろう。
批判にさらされた趙志勳は「注視しよう。今はグリーン陣営(民進党や台湾派)のイデオロギーが基準になっている」などと嘯いた。ではこの人の「イデオロギー」はどういうものか。どうも彼は強烈な反日、反台意識が伴う中華愛国イデオロギーの持ち主らしい。
それは李登輝氏と金美齢氏の名を憎憎しげに挙げていることだけでわかるのである。
李・金両氏は、そうした在台中国人たちにとり、日本時代の奴隷教育の影響で日本人化して中国人意識を忘れ、日本の反中国派と提携しながら台湾を祖国中国から切り離そうとする、憎むべき台湾独立派のシンボルとなっているのだ。
こうした勢力の言論に、一般の台湾人は狂気のようなものを感じている。
もうひとつ、コラムが「悪むべき」として挙げたのが、中国のネットユーザーたちが日本の地震を喜んでいることだ。「日本鬼子が地震に遭ったことを熱烈に祝う」「中国に友好的ではない日本右派はみんな死んでしまえ」などと書かれているとか。
台湾では、こんなことも話題になっていたわけだが、コラムはこうした事例を挙げた上で、次のように書く。
―――前者は仇日意識。国民党政府の反日教育の毒の影響だ。後者は大国としての台頭の底にある内心の暗面の反映だ。
―――中国と日本の間の恨みなど、もう六十年以上が経ち、加害者も被害者もみな亡くなっているのだから、そのようなものは終わりにするべきだ。今この世界に生きている人のほとんどは、あの歴史とは無関係だ。中国がこれで騒ぐのはコンプレックスがあるからで、あの病態には深刻なものがある。
―――そして台湾だが、その数百年間の歴史を見ると、中国と日本の両方の殖民地統治を受けているわけだから、台湾人はことさら日本を恨む必要はない。
―――台湾人の戦後の反日仇日はすべて蒋介石による洗脳のためだ。民主化と本土化(※台湾化)という改革の「解毒」により、多数の台湾人は正常な情緒で日本に向かうことができる。
―――だから今の反日派と中国統一派はたいてい重なっている。これは断じて偶然ではないのだ。
コラムは以上のような内容だ。
ちなみに表題は「反日派と統一派は一体」。
台湾が中国統一を求める中国や、その統一要求に抵抗しない在台中国人勢力の攻勢を受けるなか、日本で大震災が発生した。そしてこの日本の不幸に対し、「救援せよ」と沸き立つ台湾人の性格と、「幸災樂禍」というべき中国人の民族性との異なりが浮き彫りになった。

街頭で日本語学部の学生たちが祈祷の千羽鶴の折り方を教えた
そこでコラムはおそらく、「日本を応援することは売国奴だと中国人から罵られても気にするな」「台湾人は自らの善良な民族性を認識し、誇りにし、異質なる中国人の統一攻勢に負けてはならない」などと訴えようとしたのだろう。
それにしても、台湾の日本に対して善良な民族性にはほんとに驚かされ、感動させられる。台湾政府が三月二十日に明らかにしたところによると、台湾官民の日本の震災の義援金はすでに十三億元(約三十五億五千万円)近くに達している(政府=一億元、民間=十二億元弱)。

テレビのチャリティーイベントで義援金を呼びかけるスターたち
従来、台湾への無関心が目立った日本人だが、今回の災害を受け、あの国から届くさまざまな友情メッセージに、日本でも感動の輪が広がりつつある。「これほど善良な隣人がいたなんて」と驚いている日本人も少なくあるまい。

台湾大地震で甚大な被害を受けた埔里でも日本声援の活動が
困ったときに手を差し伸べてくるのが真の友人というものだが、日本もこれからは台湾のよき友人とならなければならないだろう。
双方とも善良な民族だから、両国の心の絆はどんどん深まっていくものと思っている。
【追記】ここで用いる「在台中国人」とは所謂外省人のすべてを指すのではなく、長年台湾で生活しながらも台湾人意識を持つことを拒否するごく一部の人々のことだ。
<関連記事>
がんばろう!台湾から日本激励の声が届いている 03/12
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1447.html
日本の震災被害に台湾元首相も悲しみ隠さず
ーそれなのに日本政府の台湾への対応は… 03/13
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1448.html
動画紹介―日本の被災地に台湾人149人が応援メッセージ 03/14
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1449.html
動画―震災日本を応援する台湾ヒップホップ歌手の歌 03/15
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1450.html
ありがとう!台湾救援隊が被災地入り
ー二度と許されない日本政府の非礼 03/16
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1451.html
感動動画―日本被災地に台湾の小学一年生たちがエール 03/17
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1452.html
台北で日本被災者の為に祈祷するチベット人とチベット支援者 (付・動画) 03/18
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1453.html
台湾で「日本の被災者を救え!」
-4時間半のチャリティーイベントで義援金21億5千万円! (付:動画) 03/19
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1454.html
震災救援―李登輝氏も苦言を呈する菅直人首相の指導力欠如 03/20
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1455.html
「日本救援」に立ち上がった台湾の友情に応えたい 03/2
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1456.html
********************************************
ブログランキング参加中
運動を拡大したいので、
よろしければクリックをお願いします。

モバイルはこちら → http://blog.with2.net/link.php?486253
メルマガ版「台湾は日本の生命線!」
反中華覇権主義運動のさまざまな関連情報を配信中。
これまで不正確なアドレスを表示していました。ご迷惑をおかけしました。
登録先・バックナンバー http://www.melma.com/backnumber_174014/
「日本が強震、津波、大火に蹂躙され、被災地は地獄と化した。少しでも人間性があれば、誰もがあの光景を憐むだろう。ところが中国や台湾では、ごく少数の理性なき狂った人々がネットの上で日本への憎しみの言論を書いている」というのである。
そしてその中で「最も悪むべき」は趙志勳という人だという。「フェースブックで日本への援助に反対し、東京に攻め込んで数千人を殺したいと言い放った」からだと。
この人物が書いたのは「なぜ日本を援助しなければならないのか。まず釣魚台の返還が先。それからなら考えてよい。狗輝(犬の李登輝)と狗齢(犬の金美齢)に金を出させればいい。狗の祖国のことなのだから」というものだった。
彼の友人が「この機に乗じて軍を釣魚台へ派遣を」などとコメントを寄せると、それに応じて「東京に攻め込んで数千万人を…」と書いたわけである。
これに怒ったのが大勢のネットユーザーたちだ。そしてマスコミまでもが批判を加えるという騒ぎに発展した。
それはやはりこの人物が、国民党籍の黄昭順立法委員(国会議員)の秘書だったからだろう。
批判にさらされた趙志勳は「注視しよう。今はグリーン陣営(民進党や台湾派)のイデオロギーが基準になっている」などと嘯いた。ではこの人の「イデオロギー」はどういうものか。どうも彼は強烈な反日、反台意識が伴う中華愛国イデオロギーの持ち主らしい。
それは李登輝氏と金美齢氏の名を憎憎しげに挙げていることだけでわかるのである。
李・金両氏は、そうした在台中国人たちにとり、日本時代の奴隷教育の影響で日本人化して中国人意識を忘れ、日本の反中国派と提携しながら台湾を祖国中国から切り離そうとする、憎むべき台湾独立派のシンボルとなっているのだ。
こうした勢力の言論に、一般の台湾人は狂気のようなものを感じている。
もうひとつ、コラムが「悪むべき」として挙げたのが、中国のネットユーザーたちが日本の地震を喜んでいることだ。「日本鬼子が地震に遭ったことを熱烈に祝う」「中国に友好的ではない日本右派はみんな死んでしまえ」などと書かれているとか。
台湾では、こんなことも話題になっていたわけだが、コラムはこうした事例を挙げた上で、次のように書く。
―――前者は仇日意識。国民党政府の反日教育の毒の影響だ。後者は大国としての台頭の底にある内心の暗面の反映だ。
―――中国と日本の間の恨みなど、もう六十年以上が経ち、加害者も被害者もみな亡くなっているのだから、そのようなものは終わりにするべきだ。今この世界に生きている人のほとんどは、あの歴史とは無関係だ。中国がこれで騒ぐのはコンプレックスがあるからで、あの病態には深刻なものがある。
―――そして台湾だが、その数百年間の歴史を見ると、中国と日本の両方の殖民地統治を受けているわけだから、台湾人はことさら日本を恨む必要はない。
―――台湾人の戦後の反日仇日はすべて蒋介石による洗脳のためだ。民主化と本土化(※台湾化)という改革の「解毒」により、多数の台湾人は正常な情緒で日本に向かうことができる。
―――だから今の反日派と中国統一派はたいてい重なっている。これは断じて偶然ではないのだ。
コラムは以上のような内容だ。
ちなみに表題は「反日派と統一派は一体」。
台湾が中国統一を求める中国や、その統一要求に抵抗しない在台中国人勢力の攻勢を受けるなか、日本で大震災が発生した。そしてこの日本の不幸に対し、「救援せよ」と沸き立つ台湾人の性格と、「幸災樂禍」というべき中国人の民族性との異なりが浮き彫りになった。

街頭で日本語学部の学生たちが祈祷の千羽鶴の折り方を教えた
そこでコラムはおそらく、「日本を応援することは売国奴だと中国人から罵られても気にするな」「台湾人は自らの善良な民族性を認識し、誇りにし、異質なる中国人の統一攻勢に負けてはならない」などと訴えようとしたのだろう。
それにしても、台湾の日本に対して善良な民族性にはほんとに驚かされ、感動させられる。台湾政府が三月二十日に明らかにしたところによると、台湾官民の日本の震災の義援金はすでに十三億元(約三十五億五千万円)近くに達している(政府=一億元、民間=十二億元弱)。

テレビのチャリティーイベントで義援金を呼びかけるスターたち
従来、台湾への無関心が目立った日本人だが、今回の災害を受け、あの国から届くさまざまな友情メッセージに、日本でも感動の輪が広がりつつある。「これほど善良な隣人がいたなんて」と驚いている日本人も少なくあるまい。

台湾大地震で甚大な被害を受けた埔里でも日本声援の活動が
困ったときに手を差し伸べてくるのが真の友人というものだが、日本もこれからは台湾のよき友人とならなければならないだろう。
双方とも善良な民族だから、両国の心の絆はどんどん深まっていくものと思っている。
【追記】ここで用いる「在台中国人」とは所謂外省人のすべてを指すのではなく、長年台湾で生活しながらも台湾人意識を持つことを拒否するごく一部の人々のことだ。
<関連記事>
がんばろう!台湾から日本激励の声が届いている 03/12
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1447.html
日本の震災被害に台湾元首相も悲しみ隠さず
ーそれなのに日本政府の台湾への対応は… 03/13
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1448.html
動画紹介―日本の被災地に台湾人149人が応援メッセージ 03/14
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1449.html
動画―震災日本を応援する台湾ヒップホップ歌手の歌 03/15
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1450.html
ありがとう!台湾救援隊が被災地入り
ー二度と許されない日本政府の非礼 03/16
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1451.html
感動動画―日本被災地に台湾の小学一年生たちがエール 03/17
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1452.html
台北で日本被災者の為に祈祷するチベット人とチベット支援者 (付・動画) 03/18
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1453.html
台湾で「日本の被災者を救え!」
-4時間半のチャリティーイベントで義援金21億5千万円! (付:動画) 03/19
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1454.html
震災救援―李登輝氏も苦言を呈する菅直人首相の指導力欠如 03/20
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1455.html
「日本救援」に立ち上がった台湾の友情に応えたい 03/2
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1456.html
********************************************
ブログランキング参加中
運動を拡大したいので、
よろしければクリックをお願いします。

モバイルはこちら → http://blog.with2.net/link.php?486253
メルマガ版「台湾は日本の生命線!」
反中華覇権主義運動のさまざまな関連情報を配信中。
これまで不正確なアドレスを表示していました。ご迷惑をおかけしました。
登録先・バックナンバー http://www.melma.com/backnumber_174014/
スポンサーサイト