中国軍部が語る尖閣諸島の戦略的重要性―開始された対日攻勢 (付:動画―中国大使館前における抗議行動)
2010/09/20/Mon
尖閣諸島近海での中国漁船拿捕事件での日本側の中国に対する毅然とした対応は、あの国にとっては予想外だったらしい。なかなか妥協してこない日本に対し、政府が手も足も出せないでいるのに苛立ったのだろうか、日ごろから軍部のスポークスマンの如く、メディアを通じて対外強硬発言を繰り返すことで有名な中国軍事科学学会副秘書長の羅援少将が、いよいよ口を開いた。

羅援少将。その強硬発言には軍の意見が反映されていると見られる
そのコメントは十九日の香港文匯報に掲載されているが、もちろん今回も強硬だ。「釣魚島の争いは実質的には主権の争いであり、この問題で中国には話し合いをする余地はまったくない」としながら、こう論じている。
―――調査結果によれば、東海(東支那海)の石油、ガスの埋蔵量は七十七億トンで、中国は少なくとも八十年は使用できる。一方日本の扇千景前国交大臣は「この海域には日本にとり、三百二十年分のマンガン、千三百年分のコバルト、百年分のニッケル、百年分の天然ガス、そしてその他の鉱物が埋蔵され、漁業資源もある」と指摘していた。もし日本が東海のこれら資源を手にすれば、あの資源小国は資源大国になってしまう。
―――日本がこれら資源を獲得できるかどうかの戦略的カギが釣魚島なのだ。中国と日本の大陸棚の間には沖縄トラフが横たわるが、釣魚島はその西側にある。もしそこが日本に帰属するなら、中国と日本は大陸棚を共有することとなり、国際海洋法条約の規定により、大陸棚は中間線で区分けされてしまう。そうなれば中国は大洋管轄区と海底資源を大幅に失い、しかも米日の戦略的な対中包囲ラインは、第一列島線からさらに中間線以西に移ることになる。
―――中国は固有の領土である釣魚島に対し寸土必争(わずかな土地でも決して敵に渡さないよう戦う)の構えをとらなければならない。
以上を読めばわかるだろう。中国にとっても尖閣諸島は、東支那海を制覇するため重大なカギなのであり、何としてでもここを日本から奪取しなければならないと考えているのである。
十七日の産経新聞によると、今回の事件について米政府は「偶発的なものではなく、中国政府黙認の下で起きた『組織的な事件』との見方を強め、中国の動向を警戒している」と言う。「尖閣諸島の実効支配が機関決定された可能性があり、『漁船を隠れみのに軍と一体となって、この方針を行動に移している』(日米関係筋)との見方を強めている」そうだ。
このほど中国側は、ガス田の白樺に掘削用ドリルのような機材を搬入し、日本への報復措置と見られているが、ガス田共同開発の条約締結交渉の延期も含め、どれもが漁船の領海侵犯行動と同時に計画された「組織的な事件」なのかも知れない。
つまり東支那海制圧を目指し、いよいよ攻勢に出始めたと言うことではないのか。そうした可能性も否定できないと、羅援少将の発言を聞いて思わざるを得ない。
一方、香港の成報も十九日、香港浸會大学欧州文献センターの楊達主任のコメントを伝えている。
―――釣魚台の主権は象徴的問題に過ぎない。両国の核心的利益は東海の資源を抜きには語れないのだ。中国は事件発生後、直ちに協議の延期を決め、日本側が直ちに中国外交部に面会を求めたのは、中国側が要害を衝いている証だ。
―――日本の右翼はこれまで一貫して軍隊の正常化を求め、自衛隊の上陸作戦、長距離作戦能力の向上を望んでいるが、国内の反戦感情が邪魔をしてきた。そこでこの問題を解決するため、米国の支持を求めるだけでなく、北朝鮮、中国の脅威を引き合いに出し、国民に警戒感を抱かせ、支持を得ようとしている。
―――中日双方の指導者は国連総会での会談を見送っており、この問題が短期間で解決することはないだろう。
こうした見方は、中国人特有の日本右翼の陰謀説によるものだ。日本人は国家を防衛するため、こうした陰謀を抱いているに違いないと見抜いているわけだ。もちろん中国側が警戒する以上、こうした陰謀は日本にとっては必要だと思うべきだ。
いずれにせよ中国の脅威増大を受け、日本国内でナショナリズムが勃興しつつある情勢を把握した上での言説と言え、逆に日本人が日本の状況を理解する上で役に立ちそうだ。
それにしても民主党政権が「短期間で解決」しようとするかが心配だ。つまり中国や、その傀儡勢力の圧力に耐えかねて、譲歩の道を選ばないかと言うことだ。
一方的に攻勢を掛けてくる相手に妥協することは後退であり、敗北に繋がるものである。国民は「寸土必争」のナショナリズムで、これを監視しなければならない。
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9月14日、中国大使館前における尖閣諸島侵略に抗議
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そのコメントは十九日の香港文匯報に掲載されているが、もちろん今回も強硬だ。「釣魚島の争いは実質的には主権の争いであり、この問題で中国には話し合いをする余地はまったくない」としながら、こう論じている。
―――調査結果によれば、東海(東支那海)の石油、ガスの埋蔵量は七十七億トンで、中国は少なくとも八十年は使用できる。一方日本の扇千景前国交大臣は「この海域には日本にとり、三百二十年分のマンガン、千三百年分のコバルト、百年分のニッケル、百年分の天然ガス、そしてその他の鉱物が埋蔵され、漁業資源もある」と指摘していた。もし日本が東海のこれら資源を手にすれば、あの資源小国は資源大国になってしまう。
―――日本がこれら資源を獲得できるかどうかの戦略的カギが釣魚島なのだ。中国と日本の大陸棚の間には沖縄トラフが横たわるが、釣魚島はその西側にある。もしそこが日本に帰属するなら、中国と日本は大陸棚を共有することとなり、国際海洋法条約の規定により、大陸棚は中間線で区分けされてしまう。そうなれば中国は大洋管轄区と海底資源を大幅に失い、しかも米日の戦略的な対中包囲ラインは、第一列島線からさらに中間線以西に移ることになる。
―――中国は固有の領土である釣魚島に対し寸土必争(わずかな土地でも決して敵に渡さないよう戦う)の構えをとらなければならない。
以上を読めばわかるだろう。中国にとっても尖閣諸島は、東支那海を制覇するため重大なカギなのであり、何としてでもここを日本から奪取しなければならないと考えているのである。
十七日の産経新聞によると、今回の事件について米政府は「偶発的なものではなく、中国政府黙認の下で起きた『組織的な事件』との見方を強め、中国の動向を警戒している」と言う。「尖閣諸島の実効支配が機関決定された可能性があり、『漁船を隠れみのに軍と一体となって、この方針を行動に移している』(日米関係筋)との見方を強めている」そうだ。
このほど中国側は、ガス田の白樺に掘削用ドリルのような機材を搬入し、日本への報復措置と見られているが、ガス田共同開発の条約締結交渉の延期も含め、どれもが漁船の領海侵犯行動と同時に計画された「組織的な事件」なのかも知れない。
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こうした見方は、中国人特有の日本右翼の陰謀説によるものだ。日本人は国家を防衛するため、こうした陰謀を抱いているに違いないと見抜いているわけだ。もちろん中国側が警戒する以上、こうした陰謀は日本にとっては必要だと思うべきだ。
いずれにせよ中国の脅威増大を受け、日本国内でナショナリズムが勃興しつつある情勢を把握した上での言説と言え、逆に日本人が日本の状況を理解する上で役に立ちそうだ。
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一方的に攻勢を掛けてくる相手に妥協することは後退であり、敗北に繋がるものである。国民は「寸土必争」のナショナリズムで、これを監視しなければならない。
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