尖閣問題で黙らない台湾駐在の日本メディア (付:チャンネル桜報道動画)
2010/09/19/Sun
尖閣海域での中国船拿捕事件で、中国外交部が日本の大使を繰り返し呼び出し抗議するなか、台湾の外交部も沈呂巡政務次長が十三日午後、同じマネをやってしまった。
こちらは同海域での台湾漁船への度重なる取締りに抗議するためだ。ちょうどこの日は保釣運動家の乗った漁船が尖閣上陸パフォーマンスのため、台北県の港を出航の予定だった。それと関係があるのだろう。
外交部は翌十四日にも、尖閣問題に関して声明を発表することとなり、章計平副報道官が記者会見に臨んだ。会場には「日経新聞、毎日新聞、時事通信、NHKなど日本の記者で一杯になった」(聯合報)。
会見は一時間遅れで始まった。質問が受け付けられ始めるや、日本人らは「尖閣が台湾のものであるとの根拠は何か」などと執拗に聞いてくる。そこで章計平氏も態度を硬化させ、「文献や歴史資料にそう書いてある。自分たちで確認を」と突っぱねた。

だが会見が終わっても日本人たちは納得できない。章計平氏を包囲し、「なぜ中国の漁船が尖閣海域に入ったことに抗議せず、我が国に抗議するのか」と聞いた。
章計平氏は中国との問題は大陸委員会の管轄だと逃げたが、「理解できない」と繰り返す日本人側。「それならいっそ両岸で統一するばいい。そうなると主権どころではなくなるが」と吐き捨てた。
ちなみに十三日の海岸巡防署の記者会見でも日本の記者が殺到した。時事通信の記者は「中国の漁船はあなたたちが主権を強調する尖閣海域を侵犯したが、台湾はこれについて、中華民国の主権が侵されたと考えているか」と聞いている。
さて章計平氏に話を戻すが、会見では、日本への抗議は中国と歩調を合わせたものではないと強調した。こうした日本に対する強硬な姿勢は「あくまでも国内からの弱腰批判を避けるための態度表明とみられる」(日経)。
だが中国側は十五日、保釣運動家の船が日本の領海侵犯を試みたことに関し、尖閣問題は「中国と台湾の同胞にとって共通の利益だ」(国務院台湾事務弁公室)と理解を示し、台湾との連携をアピールしている。
国共両党の主張はともに「釣魚台(釣魚島)は中国古来の領土であり、台湾(中国台湾)の付属島嶼」と言うものだ。
従って台湾側が尖閣を自国領と主張することは、日台関係を損なうだけでなく、台湾自体が中国領だと認めることになり、台湾にとっては百害あって一利もなく、逆に中国には労せずして戦略目標に近づけさせるものなのである。

台中の連携をアピールする中国側。その策略の目的は一目瞭然
国内から「弱腰」と批判されるのを恐れていると言う台湾政府だが、国民に対して尖閣領有権の真相を説明し、中国と歩調を合わせることの危険性を説けば、おそらく多くは理解を示すことだろう。なぜなら台湾人は中国人ではなく、領土的野心もなければ排外主義にも染まっていない。反日民族主義を叫んでストレスを発散するようなこともしない。
なお、日本の記者たちが台湾で強硬な姿勢を見せていることは、現地のメディアでも話題になっている。各社はこうした毅然たる姿勢で中国にも対応してほしい。
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