尖閣騒動は中国政府の国内向け「愛国劇」-林保華氏が語る中共「心の虚弱」
2010/09/16/Thu
■拿捕された中国漁船に共産党党員はいなかったか
尖閣海域で暴走した漁船拿捕問題に関し、中国の政権内部事情に詳しい台湾の政治評論家、林保華(中国出身)が九月十五日の自由時報に寄せた論評は、日本人にとっても教えられることが多い。
たとえば日本の巡視船と中国漁船のどちらが体当たりをしたかについて日中間の主張が異なる中、林氏は「日本は民主国家であり、関係者が集団で嘘の証言をするのは難しい。一方共産党は九十数年間にわたって嘘を言い続けできた。だから両者の陳述が対立するときは、やはり日本の方を信じるべきだ」と述べる。

露呈する中国メディアのウソツキ体質。日本の巡視船が中国の漁船に体当たりしたと報じ、反日を煽っているところだ
だがそう言うとおそらく、「民間の漁船が日本の艦艇に体当たりするだろうか」との疑問も抱かれるだろう。だが林氏は「それくらいはやる」と断言した上でこう言う。
「問題にすべきは、船員の中には共産党員はいなかったかだ。情報員はどうか。たとえ一般庶民だったとしても、中国政府から問題の海域で主権を宣揚して来いと励まされていなかったか」と。

工作員はいなかったのか
■台湾に対してここまで横暴な中国漁船
またそれとともに林氏は、八月に台湾近海で発生した中国の漁船の横暴な振る舞いにも言及する。
多くの漁船が台湾領海を侵犯して操業し、沿岸警備隊の取締りを受けるや、「台湾は中国の一部」だとして、「船を修理しろ」と要求したり、台湾漁船の網を損壊させたりし、そうした結果、台湾の漁民は体当たり攻撃などの報復を恐れ、出航できなくなったのだが、林氏は尖閣海域での体当たりも、「それと同じようなものだろうか」とも言っている。

台湾の沿岸警備隊による中国漁船の取り締まり件数。赤が駆逐で青が行政
処分。年度は民国暦(西暦-11)
ただその一方で林氏が中国側の態度から見抜くのが、その「内心的に虚弱な本質」である。

前列右が林保華氏。ラビア・カーディル氏と
それによると、
―――当初は日本に対し、外交部の下のレベルから「厳正交渉」を行っていたが、それに効果がないと知るやレベルを上げ、「交渉」は「抗議」に変わった。そして外交部副部長、駐日大使、外交部部長補佐、外交部報道官などが前後して騒ぎ、その後はさらに楊潔篪外交部長自らのお出ましとなった。だが日本の「親中」政府は主権問題においてはまったく譲らず、結局中国はさらなる高層の戴秉国国務委員の出陣を仰がざるを得なくなった。そして十二日未明、日本の丹羽宇一郎大使を呼び出し恐喝が行われたのだ。
■ロシア軍による貨物船撃沈には文句を言えず
こうした中国側の一連の動作に関して林氏は「ショーでなくて何だろう」と皮肉る。つまり、もし温家宝総理が「中国の名監督」なら、これら役人たちは「最優秀男優」となるが、こうした演技は「中国人、とくに『憤青』(社会に不満を持つ「憤怒青年」)だけに向け、自分たちの愛国心を認めてもらおうと言うもの」だと言うのだ。
ではなぜそこまで愛国心をアピールしたがるのか。林氏の答えは「中国政府は元来、あまり愛国的ではないからだ」である。
「これまでも多くの領土をロシアなどに渡してきただけでない。昨年二月には中国の貨物船がロシアの軍艦の砲撃を受け、ウラジオストック付近で沈没し、七人の乗員が行方不明となり、船長はロシア国内で起訴された。だがこれほどの事件に関して北京は、ただ低級レベルでの『交渉』を行っただけだった」

死者ももたらしたロシアには物言えなかった中
国…
■日本の反米を望む中国に民主党は取り込まれるな
それに対して「今回の日本に対する高圧的姿勢には、何らかの政治的動機がある。日本の軟弱さを利用して覇権を押し広げようとしたのだろう」と見る林氏。「だから日本は十四名の乗組員を釈放して適当な妥協を示しながらも、船長の勾留は続け、主権を守る意思を示したのだ」と分析するのだが、最後にこう付け加える。
―――ただ長期的に見れば、中国の最大の敵は民主国家のリーダーである米国だ。そこで「同文同種」を理由に日本を取り込み、日米安保条約を瓦解させ、第一列島線を自国の領土、あるいは勢力範囲にしたいと考えているだろう。
―――これに対して台湾、日本、米国は軽率さを戒めなければならないし、それ以上に弱みを見せてはならない。
そのとおりだ。日本はまずは東支那海で弱みを見せないことである。一度妥協すればさらなる妥協を要求され、あの国の勢力範囲へと転がり落ちかねなくなる。
ところで東支那海を睨む沖縄米軍基地の問題で民主党政権が紛糾をもたらし続けるのは、やはり日米同盟の「瓦解」を目指す中国からの何らかの「取り込み」を受けてのことだろうか。
政府はこれからも中国を恐れるな。今回の騒動を通じ、あの国がいかに内心的に「虚弱」であるか見定めるべきである。
過去の関連記事
尖閣海域での「中国漁船」暴走は民主党政権への試金石 9/7
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1279.html
尖閣海域「中国漁船」事件で中国紙が日本に警告 9/8
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1280.html
尖閣騒動―恐れるに値しない中国の反日恫喝 9/9
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1281.html
船長逮捕で中国は恥辱ー武装「漁業監視船」の尖閣派遣を恐れるな 9/10
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1282.html
尖閣騒動―従属しない日本に狼狽する中国 9/11
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1283.html
海上保安庁が東支那海で雪辱―中国の対日恫喝はまたも失敗 9/12
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1284.html
尖閣海域「中国船拿捕」問題に対して台湾は冷静―メディアでは「日本支持」論も 9/13
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1285.html
尖閣問題―「保釣船」出航を阻止できなかった台湾は日本を敵に回すだけ 9/14
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1286.html
尖閣騒動―蓮舫発言で戸惑う中国メディア (付:チャンネル桜の報道動画)9/15
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1287.html
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9・17 「NHK 一万人集団訴訟」 緊急報告集会
番組出演者・藍昭光氏、パイワン族原告 陳清福氏、華阿財氏 緊急来日!
期日 平成22年9月17日(金)
内容
※ NHK「JAPANデビュー・アジアの“一等国”」出演者の藍昭光氏、パイワン族原告・陳清福氏が、華阿財氏と共に来日し、ついに、「NHK 一万人集団訴訟」の法廷に参加されます!
法廷終了後、NHK前抗議活動 及び 報告集会 を開催します!
【NHK前 抗議活動】
於 C.C.Lemon ホール 前
17時00分~17時45分
【報告集会】
於 渋谷アジアビル 501 … JR「渋谷」駅ハチ公口 徒歩6分 (タワーレコードのはす向かい)
17時30分 開場 / 18時30分 開会 / 20時30分 終了
《登壇予定[順不同]》
藍昭光(JAPANデビュー「アジアの“一等国”」出演者)
陳清福(パイワン族原告)
華阿財(パイワン族原告)
宗像隆幸(アジア安保フォーラム幹事)
水島 総(「NHK『JAPANデビュー』」を考える国民の会 代表)
井上和彦(ジャーナリスト)
大高未貴(ジャーナリスト)
松浦芳子(草莽全国地方議員の会 代表)
柚原正敬(日本李登輝友の会事務局長)
永山英樹(台湾研究フォーラム会長) ほか
主催 頑張れ日本!全国行動委員会、草莽全国地方議員の会、日本李登輝友の会、
台湾研究フォーラム、「NHK『JAPANデビュー』」を考える国民の会、
日本文化チャンネル桜二千人委員会有志の会 ほか
ご連絡先 頑張れ日本!全国行動委員会
http://www.ganbare-nippon.net/ TEL 03-5468-9222
※ チラシ(PDF版)は こちら → http://www.ch-sakura.jp/sakura/NHKsuitassembly0917_flyer.pdf
ーーーーーーーーーーーーーーーー
口頭弁論
「NHK 一万人集団訴訟」 第四回口頭弁論
平成22年9月17日(金) 13時30分
於 東京地方裁判所 103法廷
※ 詳細は こちら → http://www.ch-sakura.jp/topix/1054.html
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尖閣海域で暴走した漁船拿捕問題に関し、中国の政権内部事情に詳しい台湾の政治評論家、林保華(中国出身)が九月十五日の自由時報に寄せた論評は、日本人にとっても教えられることが多い。
たとえば日本の巡視船と中国漁船のどちらが体当たりをしたかについて日中間の主張が異なる中、林氏は「日本は民主国家であり、関係者が集団で嘘の証言をするのは難しい。一方共産党は九十数年間にわたって嘘を言い続けできた。だから両者の陳述が対立するときは、やはり日本の方を信じるべきだ」と述べる。

露呈する中国メディアのウソツキ体質。日本の巡視船が中国の漁船に体当たりしたと報じ、反日を煽っているところだ
だがそう言うとおそらく、「民間の漁船が日本の艦艇に体当たりするだろうか」との疑問も抱かれるだろう。だが林氏は「それくらいはやる」と断言した上でこう言う。
「問題にすべきは、船員の中には共産党員はいなかったかだ。情報員はどうか。たとえ一般庶民だったとしても、中国政府から問題の海域で主権を宣揚して来いと励まされていなかったか」と。

工作員はいなかったのか
■台湾に対してここまで横暴な中国漁船
またそれとともに林氏は、八月に台湾近海で発生した中国の漁船の横暴な振る舞いにも言及する。
多くの漁船が台湾領海を侵犯して操業し、沿岸警備隊の取締りを受けるや、「台湾は中国の一部」だとして、「船を修理しろ」と要求したり、台湾漁船の網を損壊させたりし、そうした結果、台湾の漁民は体当たり攻撃などの報復を恐れ、出航できなくなったのだが、林氏は尖閣海域での体当たりも、「それと同じようなものだろうか」とも言っている。

台湾の沿岸警備隊による中国漁船の取り締まり件数。赤が駆逐で青が行政
処分。年度は民国暦(西暦-11)
ただその一方で林氏が中国側の態度から見抜くのが、その「内心的に虚弱な本質」である。

前列右が林保華氏。ラビア・カーディル氏と
それによると、
―――当初は日本に対し、外交部の下のレベルから「厳正交渉」を行っていたが、それに効果がないと知るやレベルを上げ、「交渉」は「抗議」に変わった。そして外交部副部長、駐日大使、外交部部長補佐、外交部報道官などが前後して騒ぎ、その後はさらに楊潔篪外交部長自らのお出ましとなった。だが日本の「親中」政府は主権問題においてはまったく譲らず、結局中国はさらなる高層の戴秉国国務委員の出陣を仰がざるを得なくなった。そして十二日未明、日本の丹羽宇一郎大使を呼び出し恐喝が行われたのだ。
■ロシア軍による貨物船撃沈には文句を言えず
こうした中国側の一連の動作に関して林氏は「ショーでなくて何だろう」と皮肉る。つまり、もし温家宝総理が「中国の名監督」なら、これら役人たちは「最優秀男優」となるが、こうした演技は「中国人、とくに『憤青』(社会に不満を持つ「憤怒青年」)だけに向け、自分たちの愛国心を認めてもらおうと言うもの」だと言うのだ。
ではなぜそこまで愛国心をアピールしたがるのか。林氏の答えは「中国政府は元来、あまり愛国的ではないからだ」である。
「これまでも多くの領土をロシアなどに渡してきただけでない。昨年二月には中国の貨物船がロシアの軍艦の砲撃を受け、ウラジオストック付近で沈没し、七人の乗員が行方不明となり、船長はロシア国内で起訴された。だがこれほどの事件に関して北京は、ただ低級レベルでの『交渉』を行っただけだった」

死者ももたらしたロシアには物言えなかった中
国…
■日本の反米を望む中国に民主党は取り込まれるな
それに対して「今回の日本に対する高圧的姿勢には、何らかの政治的動機がある。日本の軟弱さを利用して覇権を押し広げようとしたのだろう」と見る林氏。「だから日本は十四名の乗組員を釈放して適当な妥協を示しながらも、船長の勾留は続け、主権を守る意思を示したのだ」と分析するのだが、最後にこう付け加える。
―――ただ長期的に見れば、中国の最大の敵は民主国家のリーダーである米国だ。そこで「同文同種」を理由に日本を取り込み、日米安保条約を瓦解させ、第一列島線を自国の領土、あるいは勢力範囲にしたいと考えているだろう。
―――これに対して台湾、日本、米国は軽率さを戒めなければならないし、それ以上に弱みを見せてはならない。
そのとおりだ。日本はまずは東支那海で弱みを見せないことである。一度妥協すればさらなる妥協を要求され、あの国の勢力範囲へと転がり落ちかねなくなる。
ところで東支那海を睨む沖縄米軍基地の問題で民主党政権が紛糾をもたらし続けるのは、やはり日米同盟の「瓦解」を目指す中国からの何らかの「取り込み」を受けてのことだろうか。
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9・17 「NHK 一万人集団訴訟」 緊急報告集会
番組出演者・藍昭光氏、パイワン族原告 陳清福氏、華阿財氏 緊急来日!
期日 平成22年9月17日(金)
内容
※ NHK「JAPANデビュー・アジアの“一等国”」出演者の藍昭光氏、パイワン族原告・陳清福氏が、華阿財氏と共に来日し、ついに、「NHK 一万人集団訴訟」の法廷に参加されます!
法廷終了後、NHK前抗議活動 及び 報告集会 を開催します!
【NHK前 抗議活動】
於 C.C.Lemon ホール 前
17時00分~17時45分
【報告集会】
於 渋谷アジアビル 501 … JR「渋谷」駅ハチ公口 徒歩6分 (タワーレコードのはす向かい)
17時30分 開場 / 18時30分 開会 / 20時30分 終了
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陳清福(パイワン族原告)
華阿財(パイワン族原告)
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水島 総(「NHK『JAPANデビュー』」を考える国民の会 代表)
井上和彦(ジャーナリスト)
大高未貴(ジャーナリスト)
松浦芳子(草莽全国地方議員の会 代表)
柚原正敬(日本李登輝友の会事務局長)
永山英樹(台湾研究フォーラム会長) ほか
主催 頑張れ日本!全国行動委員会、草莽全国地方議員の会、日本李登輝友の会、
台湾研究フォーラム、「NHK『JAPANデビュー』」を考える国民の会、
日本文化チャンネル桜二千人委員会有志の会 ほか
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http://www.ganbare-nippon.net/ TEL 03-5468-9222
※ チラシ(PDF版)は こちら → http://www.ch-sakura.jp/sakura/NHKsuitassembly0917_flyer.pdf
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口頭弁論
「NHK 一万人集団訴訟」 第四回口頭弁論
平成22年9月17日(金) 13時30分
於 東京地方裁判所 103法廷
※ 詳細は こちら → http://www.ch-sakura.jp/topix/1054.html
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